「RPGリプレイ ロードス島戦記V」 原案:安田均 作:水野良グループSNE 出版社:角川書店

T U V W X Y Z [ \ ] ]T ]U ]V 戻る

★はじめに

このリプレイは「月刊コンプティーク」誌上にて1988年9月号〜1989年9月号の間連載されたものです。

「RPGリプレイ」という名義ですが、雑誌掲載の流れで言えば「D&D誌上ライブ ロードス島戦記U」の続編です。

小説の6〜7巻「ロードスの聖騎士」に相当するエピソードで、ロードスリプレイ三部作の最後の作品となります。

なお小説では二部から三部に相当するエピソードまでで10年が経過していますが、リプレイでは12年となっています。


「D&D誌上ライブ ロードス島戦記」冒頭でも述べたように、今作は雑誌版全三部の中で唯一文庫化した作品です。

この第三部に先駆けて連載された雑誌版一部・二部はD&Dルールの為、版権上の問題で文庫化されてはいません。

しかしこの第三部からは「ロードス島コンパニオン」ルールを使用しているので、現在でも文庫で読める訳です。

文庫版一部・二部はその「ロードス島コンパニオン」を使って雑誌版一部・二部を遊び直したものなのでご注意を。

つまり「RPGリプレイ」名義は文庫に収録されたもので、「D&D誌上ライブ」名義は文庫未収録のものという訳です。


なおコンパニオンについては伝説リプレイ1巻の「魔神襲来」の冒頭でも触れているのでそちらを参照。

コンパニオンは基本的にD&Dを下敷きにしているので、感覚的には今までとそんなに大差はないはずです。

またルールこそ違っても、雑誌連載の流れを汲んでいるせいかゲームのノリはそれまで通りであまり違和感はない。


つまり実際に遊んでいる様子が前面に押し出されていて、その点ルールの実践編である文庫版一部・二部とは異なる。

実際水野先生も文庫版一部は低レベルの開始編、文庫版二部は中レベルの展開編であると評価しています。

この第三部のPCはレベル的には決して高くない。しかし「ゲームの楽しみ方」という点では間違いなく高レベルの応用編です。

水野先生はこの第三部をグループSNE創立時の総力編だと感慨深そうに述べていますが、それだけのものだと思います。


6人の冒険者

★ニューキャラクター、自己紹介の事

この第三部のPCは所謂スパーク組として「戦記」の後編と「新」で重要な役どころを果たしました。

パーン組ほどの高レベルではないものの、ゲームや漫画やTVアニメでも活躍したのでかなり有名な方でしょう。


スパーク 21歳 クラス:ナイト

フレイム王国の若き騎士。融通の利かない性格で真面目だが、仲間に「スパーク君不幸!」とからかわれてはプッツンする。

小説と違ってやや年上で、既に騎士叙勲を受けている。また水晶球盗難事件の現場に居合わせなかった点も小説とは異なる。

武器はグレートソードとランスにメイス。軍馬のライトニング号を愛馬とする。なお中の人は清松みゆき先生だったりする。


ギャラック 30歳 クラス:ウォリアー

ロードス中で戦歴を築き上げた叩き上げの傭兵。戦闘時にはパーティーの戦闘隊長として活躍する頼れる兄貴。

小説と違ってスパークとは幼馴染で、親が親友同士らしい。武器はバトルアックスとダガーという傭兵スタイル。


アルド・ノーバ 35歳 クラス:ソーサラー

魔術師にしておくには勿体無い体格の持ち主だが、能力値の筋力は低め。スレイン以上のウンチク野郎。通称モアイ

武器としてクォータースタッフを持っているが、何処かの戦う魔法使いと違って決して前線には出ないパーティーの参謀


グリーバス 110歳 クラス:プリースト(マイリー)

戦神マイリーの神官戦士であるドワーフ。ギャラックとはGGコンビとして戦闘でも活躍する。武器はハルバード。

一応パーティーの宥め役だが、駄洒落好きの性格のせいか事態が紛糾する事も多い。中の人は高山浩先生らしい。


リーフ 15歳 クラス:シャーマン

生き別れの母親を求めるハーフエルフの少女。スパークを「不幸」と呼んでからかうのが生き甲斐の天敵である。

一見して可愛らしいのでパーティーのアイドルを目指すが、GMが贔屓する小ニースのせいで脇役に追いやられる。

15歳は長命なハーフエルフにしては若過ぎると言われるが、アルドが異種族も成長速度は変わらないと取り成した。


ライナ 25歳 クラス:スカウト

ウィップ(鞭)を振り回し、タイトなレザーアーマーでボディーラインを強調するセクシーなお姉さん。

女王様として捕虜の尋問で活躍し、戦闘でもコンポジット・ボウで長距離攻撃が可能。でもやはり小ニース程は目立たない。


以上のように非常に個性的な面々が活躍していきます。GMも交えた掛け合いも絶品ですよ。


例えばリーフの年齢が問題になって、アルドが取り成した時。

GM「わかったよ、リーフは初心者でもあるから、特別に認めてあげましょう」←以後特別ではなくなる

アルド「女には甘いわけだね」

GM「ふん、そのとおりさ。ぼくは女性のゲーム人口拡大という旗印のもと、公然と男女を差別する!

と、このようにとってもノリがいい。


他にはライナが武器をウィップにした時。

GM「アブナイ武器を選んだものですねえ〜」

ライナ「あのねえ。危ないって、どういう意味ですか?」

グリーバス「えー、ウィップだけに無知とはこれいかに

GM「きみはドブにはまっていなさい」

このようにグリーバスも隙あらばボケようとする油断のならないドワーフとなっています(笑)


★物語の発端と、冒険者の出会い

物語はフレイム王国の王城「アークロード」から始まりました。若き騎士スパークが謁見の間に呼び出されます。

謁見の間には中年となったカシューに、シャダム、スレイン、レイリアといった重要人物達が集まっていました。

カシュー「あー、この前の事件は知っているな」

スパーク「知っているわけがないだろうが。今回が初めてなのに」

でもPCとしてのスパーク君はちゃんと知っています。実は冒頭にはその事件を扱った小説が挿入されています。


その事件は小説と同じもので、賊の手によって宝物庫から"魂の水晶球"という宝が盗まれたのです。

これは第二部で水竜エイブラ(雑誌版ではシューティングスター)から入手した強力な魔法のオーブです。

死者の魂を呼び寄せ、蘇生を可能とする古代の秘宝です。また肉体がなくても代わりのものがあれば同じ事が可能。


そういう非常に貴重なアイテムでしたが、実は邪神カーディス復活の祭器でもあったのです。

「ふたつの鍵、ひとつの扉、かくしてカーディスは蘇らん」

そういう詩が伝えられていて、この水晶球こそがその鍵の一つであるとスレインが解き明かしていたのです。

このまま賊が残る鍵と扉を入手すればカーディスが復活してしまう。そこでスパークに水晶球奪還の使命が与えられます。


小説を読んで貰えば分かりますが、この時点でスパークが水晶球の正体を知ってる点が既に違っています。

また小説の彼には水晶球盗難の責任があるのに対し、こっちのスパークは直接関係ないので責任問題も違ってきます。


こうして手っ取り早く自分の使命を知ったスパークは、早速国から貰った予算で仲間を集める事にします。

仲間を集める所までプレイヤー任せとは、確かにある意味では高レベルですね。中の人の熟練具合を考えれば当然かな。


★魂の水晶球を求めて旅立つ事

実際ここからの展開は実に早いもので、瞬く間の内に他の5人を回収してしまいます。


ギャラック「コホン。えーと、スパーク。キミには確か幼なじみの近所のお兄さんがいたよな。
      傭兵家業でロードス島中を回っていて、最近この街に帰ってきた―」

スパーク「おー、そうかそうか。そういえば、ギャラックが戻っていたな
      彼のロードス中を旅してきた知識と、バトルアックスの腕前は役に立つかもしれない」

ギャラック「そして、スパークはギャラックの家の扉を叩くのであった」

こうしてすんなりギャラックが合流。瞬時にして話を振るギャラックは実に協力的でありがたい存在でした。


ギャラック「しかし、わたしもおまえもただの戦士。魔法の使い手がいないと心もとないな――」

アルド「ちょうどギャラックには心当たりの魔術師がいる
     その男の名前はアルド・ノーバ。スレインが開いている魔術師学校の生徒」

ギャラック「ナイス。さすがにベテラン、抜け目がないね―――というヤツがいるけど」

とんとん拍子に話が進んでいきます。


ここでGMからの助け舟が入って、アルドはある酒場にいる事になります。

アルド「おや、これはギャラック。どうしたんですか珍しい。
     わたしの小さな灰色の脳細胞にご用かね、ワトスン君

ギャラック「脳細胞はいらないけれど、おまえの魔法の力が欲しいね」

こうしてアルドも合流。


更にアルドと合流した酒場には丁度いい具合に他の3人の仲間たちもいる事になります。

GM「ところで、その3人は何が冒険の目的なの」

グリーバス「マイリーの司祭は戦っていれば幸せですから」

ライナ「わたしは"仕事"の途中」

リーフ「母親を探しに。母親が人間で生き別れなの」

GM「ゲッ。母親が、人間!」

ここでGMは普通エルフの男性は人間の女性に手を出さないと思ったようです。逆はあるけど、パーンとか。

でもだからこそそこにドラマが生まれたりもする。実際ドラマCDではそれでひとエピソードできてるし。


この時ライナは早速"仕事"を行い、スパークの財布をスる。これが見事に判定に成功します。

スパーク「オレは盗まれたことに気づくかな」

ライナ「がんばれ!スパーク君」

スパーク「せいや!……ガチョ〜ン」←判定失敗

リーフ「スパーク君ってば、不幸

これがスパーク君の初「不幸」でした。まさか小説で最後の最後までネタになるとは……(笑)


しかし国王からの支度金が奪われるのはあんまりです。そこでアルドが気づいてくれました。

スパーク「えーいこの女盗賊め!」

ライナ「見てのとおりのこの腕前、何かの役に立たないかしら

GM「く、苦しいいいわけ」

しかしここで断れば話が進まない。その辺の空気を読めるのがスパークという男です。


リーフ「そこの騎士、女性に対してなんという無礼な口の利き方

グリーバス「そこの騎士、盗賊と決闘するなら見届けてやるが

更に他の2人も入ってきてカオスです。


普通ならここでテンパるのでしょうが、スパークは見事にまとめてみせます。

スパーク「よーし、盗賊、あなたの腕を買おう
      それにそこのハーフエルフの娘、いまのロードスは危険だから、旅をするならオレと一緒のほうがいいぞ
      それにそこのドワーフ。マイリーの司祭らしいが、仕える勇者はここにいるぞ
      ――どうだ、まいったか!

GM「パチパチ」

こうして6人の冒険者が集い、奪われた水晶球を奪還する冒険に出たのでした。


GM「珍妙な一行のリーダーとなったスパークが「不幸」の二文字から、解放される日は遠い

一同(スパーク除)「パチパチパチパチ」

リーフ「スパーク君、不幸!

でも実は幸運度の能力値が一番低いのはリーフだったりする。


黒い影を追って!

★都で起こりしふたつの事件の事

盗まれた"魂の水晶球"を奪還する使命を帯びたスパーク達は早速犯人探しに踏み出しました。

スパーク「しかし、考えてみると手がかりがまるでない。
      だれが盗んだのか、またなんのために盗んだのか、そしてどこへ逃げたのか?」

リーフ「盗んだのはカーラさんじゃないの?」←違います

GM「あ、あのねぇ。心臓が縮むようなことをいわないでくれる」

少なくとも「何の為に」というのはある程度答えが出てますけどね。邪神復活という邪悪な野望の為です。

小説ではスパークが現場にいたので犯人はダークエルフだと知ってましたが、こちらではそこが謎となっています。

小説では犯人が分かるが目的は分からず、リプレイでは逆な訳です。そして逃走経路が謎という点は共通ですね。


まぁこの辺はチョイとしたシティー・アドベンチャーで、犯人に見当をつける段階といったところですね。

一応宝物庫で殺されていた見張りは槍で殺された事が分かってますが、それだけじゃ特定はちょっとね(苦笑)

アルド「とにかく、わたしにはだれが犯人かはわからない!とだけはいっておこう」

スパーク「知らないのなら、胸を張っていうなってえの」

アルド「でも、ソーサラーはそれが商売だからね」

グリーバス「まあまあ。おふたりとも……」

スパーク「で、それから?」

グリーバス「それからって、とりあえずなだめただけですよ」

スパーク「えーい。ゲームを先に進める努力をしないか、愚か者どもめが!」

リーフ「スパーク君、血圧が上がるわよ

ギャラック「このパーティーのリーダーでは気苦労が絶えそうにないな

スパーク「うれしそうにいうんじゃない!とにかく、前回からいる酒場の親父に聞いてみよう」

ライナ「ずいぶん安直ね

しかしこのリーダー、歴代で最も損な役回りです。何だかんだでパーンとオルソンの仲間は協力的でした。

いやこっちの仲間も本当の意味で協力的なんですけどね。ただリーダーをおもちゃにしてるだけ、悪意はない。


幸いこのシナリオは謎解きそのものは簡単にできてまして、犯人はすぐに見当がつきました。

スパークは酒場の親父に金貨を握らせ、水晶球盗難事件と同時にブレードの街で殺人事件があった事を知ります。

浮浪者が1人殺されたというものですが、実はその人は裏の世界では名が通った腕利きのスリだったといいます。


更に事件の目撃者を探して再び賄賂を渡すと、犯人はスリを働こうとした盗賊を槍で突き殺したといいます。

しかも犯人は目撃者がいる事を知ると忽然と姿を消したという。その姿は小柄で細身の黒い肌で釣り目だったという。

そうなると"ファンタジー界のテロリスト"ダークエルフを連想します。姿隠しは精霊魔法の"インビジビリティ"ですね。

彼らは3人組で南に向かったという。城で盗みを働いた後、スリを殺して逃亡した。城への侵入も同様に魔法でしょうね。


グリーバス「科学捜査の前には犯人の割り出しなどカンタンなことなのだ。ワッハッハ」

科学捜査というか、探偵小説さながらの聞き込みでしたがね(苦笑)


★新米冒険者たち、南へ向かう事〜ダークエルフとの死闘の事

水晶球を盗んだダークなエルフさん達を追って、スパーク達は一路南を目指しました。


フレイムの王都ブレードから南へ向かうとなると、砂の河という大河を遡る事になりますね。

ルノアナ湖から流れるこの河はロードス屈指の大河ですが、その名の通り乾季には干上がってしまいました。

しかし「炎の魔神」の一件で大地と水の精霊力が回復した事で年々水量を増し、近い将来王都を洪水にする程です。

またこの河に沿ってブレード⇔ヒルト⇔ローラン⇔マーニー⇔ロイドを結ぶ街道がロードスの中央部を縦断してます。

小説でもこのリプレイでもスパーク達はヴァリスの聖王都ロイドへ向かいますが、この街道を使うと考えていいでしょう。


スパーク達はそうして南を目指しますが、敵は南に向かってマーモ占領下のカノンかマーモ島へ向かうと見てます。

その為に途中にあったヒルト等では情報収集と物資補給だけをして素通り。ひたすらに敵の足跡だけを追い続けました。

リーフ「あたしは母様をこの街で探したかったのに」

小説では、彼女の母親はマーモのダークエルフに殺された旦那の仇を討つ為に、マーモ島に渡ってましたっけ。


またヒルトではダークエルフと思しき集団の目撃情報が得られましたが、その人数は5人だったという。

小説と同じですが、小説では内1名が宝物庫でスパークに重傷を負わされ、途中で死んでしまってましたね。


この歩け歩け大会が幸いしたのか、5日目には先行する黒装束5人組を発見。しかしそれを追う白装束の人物も発見。

スパーク「聞け!オレの名はスパークという。前を行くダークエルフども、わがフレイムの宝物"魂の水晶球"を返せ」

白装束の正体は今は詮索しません。スパークは名乗りをあげ、愛馬ライトニング号に跨りランスでチャージ(突撃)!!


なおコンパニオンはとてもシンプルなシステムなので、《チャージ》やら馬上戦闘のルールは特にはありません。

ただしランスは馬上でしか使用できませんがね。PCゲームではそのせいで徒歩だと移動に酷いペナルティーが入ります。

一応「コンパニオン2」でランスチャージの選択ルールがありますが、間合いが必要でダメージが倍になるだけの単純なもの。


1ラウンド目、PC先行

スパークは仲間達から先行して単身突撃するもハズレ。白装束の人物は道から飛びのく際に少女である事が判明します。

スパーク「命中判定に集中力を使おう――失敗か
      じゃあ、通常の命中判定でダークエルフAを攻撃しよう――当たらない

リーフ「2回も判定に失敗するなんて、あいかわらずスパーク君は不幸ね

GM「リーフが不幸にしているんじゃないかって噂もあるけどね」

スパークの《戦闘技能》は53でダークエルフの《防御技能》は20なので、通常攻撃は33%で命中した訳ですね。

そして《集中力》は42なので、両方に失敗する確率は38.86%。それじゃあ外れてもそれほどは不幸じゃない(と思う)。


ギャラックとグリーバスの前衛組は戦場へダッシュ。リーフは"ファイア・ボルト"でDを11点ほど香ばしく焼きました。

続いてライナはコンポジット・ボウでEを狙い撃ちにし、続いてアルドもEに"エネルギー・ボルト"を撃ち込みEを倒す!

一方AとBはスパークへ反撃しますが、片方の攻撃は空振り、もう片方は命中するも分厚いプレートメイルでカキンと弾かれる。


と、いい所で今回は区切ってしまいます。次回はダークエルフ戦の後編から始まります。


5人のダークエルフ

★大混戦、そして謎の娘の事

水晶球を盗んだダークエルフの一団と接触したスパーク達の戦闘は続いていました。


現在5人の敵の内Eは死亡し、AとBはスパークと接敵し、CとDは他の人達を迎え撃とうとしています。

アルド「では、次の魔法の狙いはDということだね」

ギャラック「そして、"フレイムの白色彗星"こと、ギャラックはCを狙って走りよる」

グリーバス「同じく"マイリーの白色矮星"がそれに続きます」

リーフ「とんかくがんばれ、GGコンビ!

スパーク「応援だけじゃなくって、行動もしてくれない?」

リーフ「やだ、この場で様子を見てる

スパーク「がるるるる」

でもリーフもちゃんと戦ってくれます。からかってるだけ(笑)


またライナはダークエルフを追っていた白装束の娘に走り寄ります。

アルド「いまは戦闘中だから、スパーク君を助けてやったほうがいいと思うけれどね」

ライナ「やだ、娘のほうに走るの」

スパーク「ぐるるるるる!」

小説ではそのダークエルフのせいでライナは重傷を負いますが、こっちではそんなシリアスな事はない。


2ラウンド目、PC先攻

スパークはランスをその場に捨ててグレートソードを抜く。アルドとリーフはDに魔法攻撃するが抵抗されて効かない。

実はコンパニオンの"ファイア・ボルト"は抵抗されると効果消滅。そしてダークエルフはSW同様魔法への抵抗力が高い。

"エネルギー・ボルト"は効果半減で済みますが、ダメージは小さい。それより戦士を魔法で強化する方が効率がいいかな。


続けてギャラックはCを少し削るが、グリーバスはハズレた上に逆に反撃を受け"ファイア・ボルト"で削られました。

SWのドワーフはダークエルフ程ではないものの抵抗力は高いんですが、こっちではシステムの都合でそうでもない


一方娘さんに走り寄ったライナは、彼女が16歳ぐらいで、緑の瞳と白い肌を持つ黒髪の少女だと気づきます。

ライナ「安心して、わたしはあなたの敵じゃない」←彼女はショートソードを持ってます

アルド「なんの根拠もないけれどね

しかし彼女はスパークの事を知っている様子で、ライナに今はダークエルフと戦うよう持ち掛けました。

この時点で小説を読んでいれば彼女の正体は明らかですが、当時はその小説が出ていない(というかこっちが先)。

しかしこの戦闘を見ると、いかに水野先生が小説ではドラマチックにヒロイックに仕上げているかが分かりますね(笑)


★スパーク落馬し、大不幸となる事

ライナと謎の娘の会話は2ラウンド程かかったとし、彼女達の参戦は5ラウンド目からとなりました。


3ラウンド目、PC先攻

アルド「乱戦になってきているから、直線で飛ぶ"エネルギー・ボルト"の呪文はもう使えないだろうね」

GM(ホーホッホ、自分で自分を制約してしまうのが、うんちく野郎の欠点だな)

SWだと乱戦状態だと誤射判定があるし、SW2.0だと誤射を無くす《精密射撃》という特技があったりします。

一方コンパニオンにはその手のルールはない。ないけど、アルドみたいに几帳面だと気にしてしまうのでしょうね(苦笑)


このラウンドにリーフは"スネア"でBを転がそうとするが抵抗。

リーフ「ダークエルフ、許すまじ!」

一方AはグレソーでAを狙うが、またもハズレ。

リーフ「不幸!」

スパーク「頼むから、それをいわないでくれ。本当に不幸になっていきそうだ〜」

続いてグリーバスがスパークの援護に入ってBに結構なダメージを与え、ギャラックもCを削るがまだ誰も倒れませんね。


……こうして不幸と言われつつも先制権は取り続けますが、以降延々10ラウンド以上戦闘を続けるも決着がつきません。

ライナと謎の娘の援護でBは倒せたのですが、得意の"インビジビリティ"でAとCには逃げられてしまいます

同じく姿を消して逃げようとしたDは、アルドの"ディテクション"によって発見されます。SWでいう"センス・マジック"。

そのアルドの誘導でスパークはライトニング号で駆け寄るも、うっかり撥ねて重傷を負わせ、本人も落馬してイタイイタイ


リーフ「スパーク君、不幸

スパーク「誘導するなら、しっかり誘導してくれ〜」

アルド「馬は急には止まれないからね。逃げられなくてよかったではないかい」

ちなみにライトニング号は無事です。御主人様と違って運のいい馬です。


★ニース、パーティに加わる事

こうして捕虜にしたダークエルフDは尋問し、仲間の情報を吐かせねばなりません。

ライナ「鞭で地面をピシッと叩く」

アルド「ちなみに拷問といったほうが正しいようだね」

GM「女王さまモードに入りましたね、エヘヘヘヘ」

何で嬉しそうなんだGM(笑)


Dは最初は結構強気でしたが、スパークがちょっと脅してやると急に卑屈になります

スパーク「この場で手討ちにしてもいいんだぜ」

D「おー、それ、たいへん、たいへん、こまりますですよ。なんでも、話す、命助ける、これ正しいアルネ」←片言

こうして口の軽くなったDは聞かれた事には素直に答えていきます。


まず犯行の動機ですが、"黒の導師"という人物からの命令であって、本当の目的は知らないらしい。

スパーク「どうせウッド・カーラだろうが!」←違います

この時点ではバグナードの存在感は殆どない。一応「灰色の魔女」に名前は出てるけど。


続いて逃げたAとCの行方ですが、ロイドに停泊するシー・ウルフ号に乗り込む事になってます。

ギャラック「ずいぶん口の軽いダークエルフだな」

GM「こいつが、ここでプライドを発揮して舌でもかもうものなら、手がかりがまったくなくなってしまうよ

まぁそれはそれでGMも困りますしね(苦笑)


ちなみに出発は2週間後で、ロイドまでは徒歩でも12日程で到着するので十分間に合うでしょう。

Dは縛り上げて捕虜とし、ライトニング号に乗せて連れて行きます。小説ではこの場で斬首でしたけどね。

GM「じゃあ、山越えでロイドまでご案内〜」

グリーバス「さらば、フレイム。また来る日まで。ヴァリス、ヴァリスと草木もなびく〜」

GM「ロイドよいとこ、一度はおいで。はぁ〜、どっこいしょ〜、どっこいしょ〜」

こうして小説同様に次の目的地はロイドになりました。ただし小説と違って書状は預かってませんが。


そして忘れてはいけないのが謎の娘さんです。彼女はスレイン・レイリア夫妻の娘ニースでした(なんだってー!)。

ギャラック「つ、ついに出たな二世キャラクター!」

スレインの娘なのでアルドの事は知ってます。ただし小説と違ってアルドは彼女の事は知りませんが。


彼女は不吉な夢に導かれて、スパーク達と同じく水晶球を取り戻しに旅に出たのです。

その核心に"黒の導師"がいて、彼女はそれが過酷な運命になる事を承知の上で立ち向うつもりでいます。


一行は彼女を仲間に加えて旅を続けます。水晶球を取り戻し、"黒の導師"の野望を阻む冒険が本格的に始まります。

なおニースは全キャラの中でも特に水野先生のお気に入りなので、二部とは違った意味でNPC万歳となっていきます。

両親ほど強くはないのですが、少なくともリーフとライナの立場を脅かす程度には出番がある。相変わらずというか(苦笑)

それでもあくまでも主役はスパーク達なので、前回の所業を反省してはいるらしい。まぁ贔屓のNPCがいてもいいかな。


神官王エト

★冒険者たち、ヴァリスに到着の事

ダークエルフの捕虜を手に入れた一行は、水晶球を持つ残りのダークエルフを求めて神聖王国ヴァリスに入国しました。

リプレイでは第一部以来の登場となりますが、「英雄戦争」でファーン王が死んだ事で一時酷い状況にあった国です。

しかし第一部のPCエトがファーンの娘フィアンナと結婚して"神官王"となり、現在ではかなりの復興を遂げています。

まだ以前ほどの華やかさはないが、復興の希望と活力に溢れ決して悪い状態ではない。しかしその平和もいつまで続くか……。


昼頃にヴァリスの聖王都ロイドに着いた一行は、目立たないよう捕虜にローブを被せます。

何しろここはファリス信仰に篤い聖王都です。ダークエルフがいると知れたら速攻で官憲が飛んできます。

グリーバス「まず、食事にしましょう。ドワーフの例にもれず、わたしは大食漢なんです」

ライナ「なまぐさ坊主ね」

グリーバス「わが神マイリーは次のように教えています。"腹が減っては戦ができない"」←言ってない言ってない

この世界には色々な神様がいる訳ですが、食事に関係する戒律は意外な事にあまり聞きませんね。

強いて言うなら「役割」を司る邪神ニルガルでしょうか。人にはそれぞれ役割があるとし、食人を肯定する超マイナー神。


現在はダークエルフとの戦闘から12日が経過し、例のシー・ウルフ号の出発まではあと2日ぐらいはあります。

しかしこのヴァリスでも何かをしているのか、ライナが酒場の親父に聞いたところ色々と黒い噂が流れていました。

ライナ「残らず白状おし!あたしは実用的なのよ……」

親父曰く、シー・ウルフ号は表向きはライデンの自由商船だが、実は海賊船だとかマーモの軍船だとか言われています。

また先日ファリス神殿に賊が侵入したらしく、その事件との関与も疑われています。国も盗賊ギルドも犯人探しに動いてます。


★ひさしぶりにGMの長い解説の事

ここで意外なのがこの国にも盗賊ギルドがあったという事。まさか噂の聖なる盗賊ギルド、こと友愛団だったりして(笑)

国が国なので存在が明らかになったら大変そうですが、力があるならマフィアが潰されないように生き残るかもしれない。


あとどうもこのリプレイでは盗賊ギルドというものの認識が現在のものとは違いますね。

そもそもこのゲームではSWでいうシーフ技能を密偵(スカウト)とし、盗賊の中でも義賊に当たるものとしています。

それ故に盗賊=悪・密偵=善とし、主に盗賊は盗賊ギルドに属し、密偵は冒険者ギルドに属し、両者は敵対関係にある。

また二部のPCフォースはライデンの盗賊ギルドを潰し、冒険者ギルドのスカウト達のまとめ役となっているとあります。


しかし小説ではフォースが潰したのは父や兄を殺した邪道のギルドで、彼が正統派のギルドを立て直したという設定です。

またアレクラスト大陸でも盗賊ギルドは完全悪ではなく、時に必要悪であり、国がその存在を暗に認める事もある。

確かに盗賊ギルドは犯罪組織なんですが、裏社会を統括し、アウトローに掟を守らせ、ある種の秩序をもたらすともされます。

またSWでは盗賊の技術はシーフ(盗賊)技能と呼ばれ、盗賊と呼ばれる人間も密偵と呼ばれる人間も普通この技能を持つ。

だから冒険者や諜報員のような密偵というべき人でも単に盗賊とだけ呼ばれる。なおクリスタニアでは全て密偵と呼ばれる。


とにかくこの世界の盗賊ギルドは普通の犯罪者集団なので、スカウトであるライナが情報収集に行くのは危険です。

これは地味に困りましたね。困った時は盗賊ギルドで情報収集がセオリーですが、それすらできないという事ですか。


ここでGMがスパーク達に経験点を渡すのを忘れていたのを思い出したので、全員2レベルに上がります。

それを受けて本編ではお馴染みのGMの解説が入るのですが、その内容がクラスシステムとスキルシステムの件でした。

これは「英雄騎士スパーク」で触れた事なので詳細は例により割愛しますが、なかなか参考になる内容でしたね。


でも一つだけ話題に挙げたいのはその最後の一言です。

GM「このロードス島RPGのシステムは、クラス・システムを使っているので、
   キャラ強化には選択の余地はありません。必要なのは、ダイス運だけです

この潔すぎる評価が最高ですね。SWやSW2.0は同じだけの経験点を得たとしても、その使い方でかなり違いが出るし。

まぁクラスでもスキルの要素を盛り込む事は可能ですがね。例えば伝説リプレイで使われた「ロードス島RPG」とか。


GM「で、みんなどうなった?」

グリ−バス「ダイス運はそこそこよかったですよ」

リーフ「あたしもよ。それに比べると、スパーク君ってば……

スパーク「不幸じゃない!ちゃんと期待値どおりの目を振っている。みんなの目がよすぎるだけだ」

ダイス運ばかりは仕方ない。PCと違ってプレイヤーは改造できませんしね(笑)


★国王エトの登場、そして怪船の事

ここで気になるのはファリス神殿に入ったという賊です。シー・ウルフ号と関係あるとして、どうその情報を得るか。

ニース「あの……さしでがましいかもしれませんが、
     ヴァリスの警備隊は真相を知っているのでしょう。
     ならば、おじさまに尋ねてみましょうか?」

おじさまとは勿論エトの事です。何しろ父親の冒険仲間、親交があっても不思議はない。しかし強力なコネをお持ちです。

他にもパーンもおじさまと呼ぶし、ウッドをジェイのおじさまと呼ぶ。でも決してディードをおばさまとは言わない(笑)


この好意に甘える事にした一行はエトに謁見します。推定"センス・ライ"や"センス・イービル"で調べられましたが。

小説ではスパークに親書を届ける役目もあったので自然に会う事ができた相手ですが、こちらでもそうはいきません。

一応騎士ですから、それが他国の領土で捜査をするのはあまりよろしくないんでしょうが、細かい事は気にしません。


なおダークエルフはこれ以上連れ歩くのもなんなので、身柄を引き渡します。

GM「ダークエルフはそれを聞いて卒倒する
   ダークエルフはファリスの教えでは存在そのものが悪だから、まちがいなく死刑だからね

ライナ「しかたないわよねぇ」

アルド「運命ですな」

リーフ「ダークエルフは嫌い」

スパーク「なまんだぶ、なまんだぶ」

あるいは精神鍛錬房にぶち込まれて改心するかもしれない。「ハイ、ワルイコトハシマセン……」(それは洗脳だ)。


一行は謁見の間に通され、ニースはスレインの近況を報告し、スパークは正式な騎士なので堂々と挨拶をします。

問題の賊の件ですが、カシューからは水晶球の件については「内密に」と言われているので全てを喋る訳にはいかない。

そこでスパークは水晶球盗難は隠し、話してもよさそうな所のみ伝えます。「余計な事は喋らない」のは基本ですね。

ここで嘘をついて魔法でバレたら国交にヒビが入りかねない。だけどこれなら「嘘はない」ので魔法でも分からない。


スパーク「いうことは次のとおりだ。
      このダークエルフはフレイムで盗賊を働き、
      自分は日常の業務として追いかけて、ロイド近くでようやく捕まえたこと。
      ほかのメンバーはその追跡行の途中で出会った協力者であること。
      ファリス神殿に賊が入ったと聞いて、
      フレイムでの事件に関係があるかもしれないと考え、ここにやってきたこと。以上だ」

なかなか慎重でしたが、ニースとの関係やそのフレイムでの事件の事を聞かれて、返答に窮しました。

こういう交渉ごとは本当に難しいですよね。何処まで話せばいいのか、何処から話してはいけないのか、判断し難い。


しかしエトは流石に人格者でした。「人それぞれ事情がある」と笑って流し、神殿に賊が入った事を認めました。

逆に賊が神殿から何を盗んだかは教えてくれません。お互い様ですが、「人それぞれ事情がある」のでね(笑)


ただしエトはスパークの様子からこちらの事情を察してくれたようで、一言だけ漏らします。

エト「カーディスを復活させるわけにはいきませんからね

やはり小説同様に賊が盗んだのは"生命の杖"だったようですね。邪神復活の祭器の一つ、もう一つの「鍵」です。

小説ではスパーク達がロイドに滞在してから盗まれましたが、こちらではこのイベントは既に終了していた訳ですか。


お互いの事情を察した両者は以後協力体制を築き、スパーク達は城に逗留しながら港での警備に参加します。

グリーバス「これでいい物が食べられますね。おまけにただだし」

スパーク「ただ酒をもらうのは、オレの主義にあわない」

グリーバス「マイリーの教えには、"ただよりおいしい物はない"、というのがあるのになあ」←ないない

こうして逗留を始めて2日後の夕方、港に一隻の船が訪れ、呼応するようにダークエルフが姿を見せました。


黒の導師

★取り戻された魔法の杖の事

盗まれた水晶球を求めてロイドに着いた一行は、港の警備中に怪しいダークエルフの一団と遭遇していました。

GM「みんなー、不幸にしてたかーい」←酷い(笑)

スパーク「戦闘がいままさに始まろうとしているところなんだぞ。盛り上がっているところで、水を差すんじゃない」

ギャラック「そうそう。オレなんか戦闘でしか盛り上がれないんだから」

リーフ「あたしも!」

GM「はいはい、リーフちゃんはあっち行ってていいからね」

リーフ「うー、ワンワン!

そういえばキャンペーンが始まってからもう5回目なのに、戦闘は1回だけ。これじゃあストレスも溜まる。

しかし水野先生はストーリー嗜好の人なので、戦闘が一切なく会話だけで終わる事も決して珍しくないという(笑)


それも今回は冒頭から覆すかと思った矢先、現場に居合わせた20名のヴァリス兵がダークエルフを皆殺し!

敵の数は5人でしたが、流石のダークエルフも数の暴力には勝てなかったか。儚く散っていきました。

ただしこいつらはロイドで活動していたチームであって、ブレードの件とは無関係だったのが幸いでしょうか。

当然水晶球も持っていませんでしたが、水晶球を盗んだダークエルフ達と同じボスの命令を受けてはいる筈です。


しかし風情も遠慮もないヴァリス兵のせいで折角の戦闘が台無しです。その一方で彼らは盗まれたものを奪還した模様。

スパーク「ちっ!悔しいから、ヴァリスの兵士が見つけ出した物をスパイしてやる」←ちっちぇー

どうやら彼らは神殿から盗まれた"生命の杖"を取り戻したようです。例の二つの鍵の一つですね。


現在のファリス神殿は人材不足で、神学の成績がいいだけの魔法が使えない司祭が増えています。

しかしこの"生命の杖"はあらゆる肉体的負傷を癒す。そこで神殿はこの杖を治癒魔法の代わりにしている訳ですね。

小説では金鱗の竜王が守っていた太守の秘宝の一つであり、"支配の王錫"や"魂の水晶球"同様途方もない価値がある。

その価値は推定銀貨100万枚(ガメル)にもなる。100万というのはマジックアイテムの限界価格と考えていい。


ライナ「ヴァリスの物じゃなければいただくのに」

リーフ「欲しい……

ギャラック「なんとか、手段はないものかな」

スパーク「ヴァリスの兵士と戦うとか……」←コラ!

GM「キミたちがこの杖を盗んだ日には、キャンペーンは崩壊しているよ。
   いかにヴァリスの追っ手を逃れて、魔法の杖をマーモにいる黒の導師の元へ届けるか。
   極悪冒険者の苦闘は続く〜。ジャンジャンだ」

ギャラック「それはそれでひとつのキャンペーン・シナリオではあるがな」

SWは(特にロードスは)英雄志向のゲームなので、基本的にPCは英雄候補生で善玉です。

そもそもプレイヤーが普通人ならば、ゲームとはいえ一般的な正義や道徳に反する行為をして楽しいかも疑問です。

しかしファンドリア等一部ではそういうピカレスクロマンが通用する。ロードスだとマーモ島がその格好の舞台ですね。


とはいえこの連中は愛すべきおバカであって決して悪人ではなく、真面目に水晶球を探します。

グリーバス「本当に魂の水晶球を持ってなかったか、ヴァリスの兵士に確かめてみましょう」

GM「えっ、魂の水晶球って、何?魂の水晶球の話はヴァリス側には伏せていたんじゃなかったっけ」

グリーバス「しまった〜」

スパーク「この、たわけもの!

ギャラック「どぶドワーフ!

アルド「類似の悪口」←"かくかくしかじか"的な省略法

リーフ「えい!」

グリーバス「えい、おー!」←反省の色無し

はい、この通り愛すべきおバカですね(笑)


しかしここで心優しいニースはグリーバスを励ましてくれます。その必要はないけど、優しい娘なんです。

ニース「人は過ちを犯すものです
     そして、その過ちを償うために生き続けなければならないと、マーファは教えています」

グリーバス「わがマイリーにも「心に棚をつくれ」という教訓が……」←はい、嘘です

やっぱりこのドワーフに慰めは要らない。落ち込む気配もありません。


またシー・ウルフ号はこの事態を察して小船を引き換えさせて沈黙し、それをヴァリスの軍船が包囲しました。

まだ水晶球の行方は分からないけど、取り合えずこれで2つの鍵の内1つはこちらの手にあって、一安心かな?


★黒の導師の正体、明らかとなる事

その後スパーク達は城で酒宴に参加し、ヴァリスの軍船によって包囲されたシー・ウルフ号は炎上・沈没!

乗組員の大半は死亡し、生き残りには拷問を加えて情報を吐かせます。しかしヴァリスは邪悪には容赦がない(苦笑)


これによって事件の背景を白状させられました。

リーフ「ライナさん、さすが!

ライナ「あ、あのねえ。あたしはずっと酒宴に参加していました」

ギャラック「惜しいな。ライナの腕なら、どこの国の拷問吏になっても、食べていけるのに」

確かにライナはドSの女王様っぽいけど、Sプレイと拷問は似て非なるものですよね?(確認するな)


これで入手した情報によると、シー・ウルフ号はカノンの商船でマーモとの交易や海賊行為を働いてきたらしい。

そして今回の仕事は2つの鍵を奪う使命を帯びたダークエルフの足となる事。往路も復路も面倒を見る予定でした。


で、肝心の首謀者"黒の導師"ですが、これを彼らが知っているかどうかは……。

リーフ「カーラ」

ライナ「カーラ」

アルド「以下同文」

GM「あ、あのねえ……黒の導師という人物なの!」

スパーク「で、結局カーラなんだろ?」←それだと灰色でしょ

GM「ウリィィィィィィ!そこまでコケにされちゃ、黙っていられない。
   黒の導師という人物の名前も、シー・ウルフ号の人間は知っていたことにしてやる〜!」

これで彼らはバグナードの名前を知ります。


しかし悲しいかな、当時バグナードはまだマイナーキャラでした。

ライナ「バグナード?」

ギャラック「だれよ、それ?

バグナードは元賢者の学院の正魔術師であり、禁断の魔法に手を出した事で学院を追放された男です。

師であったラルカス学長により呪文を封じられ、無理に唱えようとすると全身を激痛が襲うのがポイント。

SWでいう"ギアス"で普通は行動不能に陥りますが、バグナードはその強靭な精神力で行使に耐えるのです。

現在はマーモの四大実力者の一人で、SWではソーサラー/セージ10。ウォートやカーラに次ぐ実力者です。


この時ニースは夢の中でこの男と邂逅していた可能性を示唆します。何でも彼の激痛を感じ取る事ができたとか。

ニースを魔法で(SWなら"リマンド")召喚しようとし、その際に一瞬感覚を共有してしまったのでしょう。


では一つの扉と二つの鍵を求める彼が、何故ニースをピンポイントで召喚しようとするのか?

ニース「それを確かめるために旅に出ているのです」

リーフ「なんだか怖いわねぇ。この娘とは関わりにならないほうがいいんじゃない」

アルド「リーフのアイドルとしての地位も危ないからね

リーフ「ガルルルル!」

リーフからすると、邪神復活よりそっちの方が深刻だったり(笑)


★冒険者たち、カノンへ船出する事

スパーク「これは現在までの状況を整理してみたほうがよさそうだ」

ギャラック「おっと、でたなスパーク、状況整理の鬼。読者の味方、GMの敵

GM「なんで?」

ギャラック「これをすると、シナリオの矛盾点がばれることもあるからだよ」

スパーク「矛盾があったら、真鍮製の特殊ダイスが飛ぶと思ってくれ」

GM「こ、こわい」

これは既に1回ダイスをぶつけられてるGMのトラウマを刺激したかな。


現在"黒の導師"バグナード邪神カーディス復活の為に、一つの扉と二つの鍵を探している。

二つの鍵は"魂の水晶球""生命の杖"で、一つの扉は不明。ただしニースは彼に召喚されかけた。

こうしてまとめるとニースが狙われる理由も分かりそうなものですが、今は軽く流されて終わります。


その時スパーク達はエトに呼び出され、杖が奪還された事からある程度あちらの事情を話してくれました。

そして聡明なエトはダークエルフ達がロイド行きを避けて、占領下のカノンを目指したと予想しています。

ライナ「仲間を見捨てて?」

GM「それが、ダークエルフのダークエルフたるゆえんだね」

ギャラック「秘密はしゃべるわ、仲間を見捨てるわ、さすがは悪のエージェントのダークエルフだな」

しかしだからこそ発想を変えれば行動を予想できる。


そこでエトはスパーク達を軍船でカノンまで送ってくれます。これが本当の助け舟ですね。

GM「次回はいよいよ海洋冒険だ!――ということで、リーフちゃんどうぞ」

リーフ「うふっ。うふっ。スパーク君ってば……」

スパーク「勝手にやってろ!」

スパーク除く全員「不幸!

スパーク「アンギャー!

もしかしたらダークエルフよりもタチの悪い仲間達かもしれない(笑)


カノンの海賊船

★ロードス島の現在の状況の事

水晶球を持つダークエルフを求めて、一行はヴァリスの軍船でカノンへと向かいます。

マーモは島なので、当然敵は海路を使う筈です。となると敵を捕まえるには港町を押さえねばならない。

その際はマーモの港町サルバドに向かうのは予想できるので、その対岸にあるカノンの港町ルードが怪しい。

これから一行はそのルードに向かい、現地で網を張って敵がマーモに渡る前に水晶球を奪還する予定です。


ただし現在のカノンはマーモの占領下にあり、ベルド皇帝亡き後も有力者が統治をしているので非常に危険です。

GM「カノンに着いたらできるだけ目立たないようにするべきだろうね」

アルド「このメンバーで目立たないようにするのは、なかなか難しいだろう」←ですよねー

GM「だろうね」←アッサリ

幸い現在のマーモに国としてのまとまりはあまりありませんが、だからこそ見付かった時の扱いが怖い。


ここで現在のロードス島の情勢が挿入されます。二部から10年(か12年)経ってるので大分変化があります。


フレイムは今やロードス一の大国であり、自由都市ライデンを統治する現在経済的にも軍事的にも随一です。

ヴァリスは前述通りに復興の兆しがありありと見えるよい情勢で、フレイム同様に対マーモでは期待できそうです。

モスは長い間内乱が続いていましたが、ハイランド王国の竜騎士レドリックとその妻シーリスによって統一間近

アラニアは先王派と王弟派に別れた内乱が続くものの、ザクソンを中心とした自治勢力が第三勢力として台頭

諸王国の中では比較的荒れていますが、マーファ教団や鉄の王国の後ろ盾のある自治勢力は無視できない力を持つ。

カノンは諸国の中では最も悲惨な占領状態が続いていますが、レジスタンス活動を行う者もいるので希望はある。


ただしこの情勢は基本的には小説と一緒です。各地の騒乱が鎮まり、マーモ討伐戦争が起こる嵐の前といった風情。

一つ違うのはアラニアですね。小説ではこの時点で王弟ラスターがマーモと結託。先王派のアモスンを倒してます。

これにより自治勢力も厳しい状態になりましたが、フレイム軍によって王弟派は鎮圧されて一応の決着を見ます。


いずれにしろマーモの命運は風前の灯火ですね。このままでは討伐されるのを待つばかりです。

ではバグナードはその状態を打開する為に邪神復活という暴挙に出たのかというと、さてそれはどうでしょうね……。


★冒険者たち、海へ乗りだす事

カノンへ出立するにあたり、スパークは愛馬のライトニング号をヴァリスの王城に預けます。

これだとランスも使えそうにない。するとメインウエポンはグレソーかメイスか、冒険者らしい装備です。


こうして船上の人となった一行ですが、主にスパークが船酔いに悩まされます。

スパーク「あいやー、いかに揺れが少ないとはいえ、オレは船酔いするんだ」

ギャラック「そんな弱みを見せていると、また不幸っていわれるぜ」

アルド「それより、ドワーフのほうが船に弱そうに見えるけどね」

実際この世界のドワーフは水が苦手な事が多い。「泳ぐぐらいなら火に飛び込む方がマシだ」と公言するぐらいに。


グリーバス「「信じる者は救われる」という、マイリーの教えがあります。
       あっ、まともすぎておもしろくありませんね

スパーク「おまえは、何を考えてゲームをしているんだ!」

グリーバス「ウケ」

リーフ「ウケ」

GM「ウケケッ」

スパーク「てめーらまとめて、ヴァリス海の底に沈めてやる〜!

リーフ「あまり興奮すると、持病の船酔いが、再発するわよ」

スパーク「ううっ、気持ちが悪りぃ

そういえばロードス近海の海の名前は特に設定されてないんですよね。島なのに意外です。


最初は船旅も平穏でしたが、途中で一度だけニースがバグナードに召喚されかかる事件が起きます。

今回は魔力も強かったようでニースも抵抗できず、身体が透き通る程度に持っていかれそうになりました。

ライナ「起きなさいといって、彼女のほおを叩きます!」←バチーン!

グリーバス「でましたねー。必殺の女王様モード

ここのニースを叩くライナの挿絵が実に見事です。平手が早すぎてクルダ流交殺法みたいになってる(笑)

しかしこの一撃でニースは正気に戻って危うい所で救われました。マーモに近づくにつれ危険も増しますね。


これを受けてスパークはニースの警護を始めます。彼は既に気づいているんですね。

スパーク「ひとつの扉というのが、他ならぬニースというわけさ

これが大正解です。小説同様に彼女はカーディスを降ろす器という訳です。母親同様難儀な身の上ですね。


以後男性陣は夜には女性陣の部屋の前で見張りをし、何か異変があれば突入します。

ライナ「では、女たちは普段着のままシーツに潜りこみます」

グリーバス「あ、お気遣いなく

ライナ「つかいます!」

でも決してやましい気持ちはない。……ないってば。


★船酔いスパーク、海賊と戦う事

こうした微妙な緊張感の中、航海2日目で海賊船と遭遇。久しぶりの戦闘に突入しました。本当に久しぶりの(笑)

スパーク「うー、気持ちわりい」←まだ酔ってる

グリーバス「船酔いって、"ヒーリング"で治りますかね?」←SWでいう"キュアー・ウーンズ"

GM「"キュアー・ディジーズ"じゃないと、ダメだろうね」

仮にそれで治せたとしても体質までは改善されないから、いずれ再発しそうですけどね。


しかしそこは真面目一徹のスパークです。船酔いにもめげず戦闘態勢に入ります。

スパーク「メイスを片手に甲板に上がるぞ」

GM「沖田総司は血を吐きながら剣を振るい、
   スパーク君はへどを吐きながらメイスを振るう。あー、こりゃこりゃ」

一見カッコ良く見えるけど汚いよ。いかに海賊でもこれなら襲ってこないんじゃないか(笑)


海賊船との戦いは最初こそカタパルトやクロスボウの撃ち合いでしたが、やがて接舷して白兵戦となります。

この際敵船からは船尾と船首に2つずつ、計4つの渡し板が設置されます。これには4人までが乗れる設定です。

両方の船から2人ずつが飛び乗り、先頭の者同士が切り結び撒けたら転落。次の者が前に出る勝ち抜き戦ですね。

人数はお互いに30ぐらいで、「パイレーツ・オブ・カリビアン」みたいにターザン風に乗り込む輩はいないらしい。

実はPCゲームの「五色の魔竜」で青竜島に行く途中に、これと似たようなシチュエーションの戦闘が用意してあります。


飛び道具等を使わずにカトラスで切り結ぶ為、集団戦闘に見えて一対一×4といった感じであまり派手さはありません。

それでも海賊側はなかなか強く、ヴァリスの海兵達は次々に海に落とされ、結構冷や冷やさせられる戦闘になりました。

しかしこちらにはスパーク達がいるのが敵の不幸です。魔法使いが数名いるだけで随分と戦況は変わってきました。


リーフ「魔法の力は偉大なのよ

この言葉通りにアルドの"スリープ・クラウド"で眠る者や、リーフの"スネアー"で足を滑らして転落する者が続出します。

ちなみにSWでは"スネア"を使う際には大地の精霊力が必要の為、剥き出しの地面等がなければ基本的には使えない。

しかしこっちのルールではそういう制約は一切ない。精霊力に左右される精霊魔法も使い放題で実に都合がいい、敵にも。

ちなみにクリスタニアでも同様の事が可能ですが、これは神獣の恩恵(らしい)。通常働かない精霊力も働いているとか。


この魔法の力で船尾側の海賊はたちまち崩壊。スパークとGGコンビが船尾から乗り込み、船首の海賊を殲滅しました。

ギャラック「気持ちよく勝てたなー

ライナ「今度はわたしの出番ね。あなたたちは何者なの!白状おし」←捕虜を尋問してます。

その自白内容は次回に持越しです。果たして"黒の導師"の手の者なのか……。


7人の冒険者たち

★冒険者たち、カノンへ上陸する事

一行はカノンへの船旅中に海賊の襲撃を受け、これを撃退して捕虜としました。

ライナ「わたしは気合を入れて、海賊船の生き残りに自白を強要しますわよ」

海賊「お許しくだせぇ、女王様。なんでも話しますだ」

曰く、彼らはただの海賊でマーモとは関係ないんだとか。ただの犯罪者か、期待ハズレでしたね。


しかし海賊の世界も大変のようで、久々の獲物と狙ってみればこの有様だと、涙ながらに訴えてきます。

グリーバス「今回のキャンペーンは悪役がずいぶん虐げられていますねー」

スパーク「正義の名のもとに行われることは、たとえそのやりかたが汚くてもかまわんのだ」

GM「きみたちに正義なんかあったの?みんなの最初の目的はなんだったっけ?」

スパーク「任務」

ギャラック「金」

グリーバス「教義」

アルド「知的興味」

リーフ「母親探し」

スパーク「だあーっ、ない!正義という言葉がどこにもない!

目的もバラバラ(笑)。思えばよりにもよってヴァリスに引き渡されたダークエルフも哀れでした。


しかし今は水晶球奪還という立派な目的がある。邪神復活を阻み、ニースも守らねばなりません。

スパーク「最初の目的がどうあれ、我々はいま、正義に燃えている

リーフ「パチパチパチ。およばずながらあたしも応援するわ」←珍しく協力的

スパーク「はいはい、リーフちゃんは、ひとりで遊んでいようね」

リーフ「うーっ、スパーク、許すまじ!

度重なる不幸発言でこの2人は最早天敵同士なのかもしれない。小説の両者の微妙な関係も何となく納得いく。


その後ヴァリス兵は海賊船を押収。これで国家財政が増えると大喜びでした。

大航海時代のスペインやイギリスもやっていた事だそうで、当然の権利として考えられているようです。

リウイでも交易と略奪は紙一重とあったし、マーモのように私略船を持つ国家もあるぐらいですしね。


★七人のNPCパーテイー登場する事

海賊騒ぎがあったものの、一行は予定通りにカノンの海岸へ上陸します。ルードまで徒歩二日程度の場所です。

ところが上陸間もなく一行は馬車の一団と遭遇します。彼らはヴァリス方面から街道を通ってやってきました。

ギャラック「はやくも現れた敵に、ギャラックの心に影がよぎる。……フッ、また戦わねばならないのか」

GM「ブッポ〜ン!これは敵ではありません

ギャラック「アリャリャン、コリャリャン」

彼らは隊商風の一団で、マーモの軍人には見えませんしね。まぁ占領下の国を旅する時点で只者ではないんですが。


隊商の先頭に立つのは2人の女戦士で、一見冒険者風の井出たちでした。

スパーク「よし、オレが話しかけよう。――おまえたちは、だれか?」

女戦士「おまえたちこそだれか?フレイムの騎士よ

スパーク「ちょい待ち。騎士だなんてどうしてわかるんだよ!」

GM「鎧は着たままだろ。その肩にはフレイムの紋章がさんぜんと輝いているもの

スパーク「どひゃ〜」

アルド「おおぼけだね」

普通騎士の鎧には紋章が刻まれるものですもんね。特に宣言しない限りは基本的に剥き出しでしょうね。

軍馬やランスなんて騎士のオプションのようなものです。この紋章こそがある意味最も確かな騎士の証です。


スパーク「それより、あんたがたが何者かという答えがまだだ」

女戦士「答えてやろう。我々は読者から送られてきたNPCだ」←メタ発言

一同「どひゃ〜」

そういえば雑誌版二部でも読者投稿キャラがいました。満を持して登場というわけですか。


この隊商に参加している読者投稿キャラは全部で7名います。


ミカ・ヤハウェ

ライデンの資産家の娘で、か弱そうな美少女。不治の病を抱え、余生を精一杯生きようと旅に出た。


メディシア

怪力の女戦士。革鎧にグレートソードを装備し、割と露出も高めのいかにもな女戦士。


イシュア

顔に火傷のある女戦士。プレートメイルを着込み、ラウンドシールドとブロードソードを持つ。


ラスタン

旅の吟遊詩人。2人の子供リッケとフィルを連れている。自ら武器を手に戦えるらしい。


カイ・チェン

商人にしてチャ・ザの司祭。モスでラスタンと出会い、それからずっと共に旅をしている。


ミカはこちらが悪人ではないと判断し、ルードまで同道しないかと持ちかけてきました。

スパーク「相手がかよわい女性ならば」

ライナ「あら、ずいぶんひっかかるいい方ねー」

GM「いまさら、かよわいといいはるつもりですか〜?」

ライナ「女性ですもの。当然、かよわいに決まっています。
    だから、馬車に同乗させてもらいましょ。それがとにかく、実用的よ」

リーフ「賛成!」

男性陣「うーん、たくましい

本当に男顔負けですね。でもニースはか弱いですよね。小説では一番レベルは高いけど。


ここでリーフは久しぶりの母親探しです。

リーフ「あなたはハーフエルフを生んだ記憶がありませんか?」←ミカに

GM「彼女は子供を産んだことはないよ」

リーフ「じゃあ、他のふたりが怪しい」

GM「怪しくない!

リーフ「GM、許すまじ!

GM(なんでだよ〜)

それならいっそシナリオに絡めてあげればいいのにね。


あとミカの病気については、魔法で治らないのかという議論がありました。

勿論大抵の病気は魔法で治りますが、魔法とて確実ではありません。失敗する事だってある。

それに中には竜熱のように魔法をもってしても「不治」の病だってあるので、それで死ぬ事もある。

あと自然に得た大病は「天命」とされる事もあり、神様に祈ったところで治らない事も多いようです。

そもそも高位の司祭に魔法をかけてもらうにも金とコネが要り、一般人は安易に魔法に頼れないものです。


現実の世界でも治療に莫大なお金がかかる病気があるし、お金があっても治す術のない病気もある。

フォーセリアだって同じです。魔法の力は偉大だけど、人間がそれを使う限り決して万能ではない

でもそういう事が冒険に出る動機にもなる。冒険に出なければ会えない人、得られない情報がある。

もしかしたら神様に頼らなくても特殊な方法で治せるかもしれないし。それも一つのキャンペーンですね。


★敵地へ、そしてホブゴブリンの事

新しい仲間を加えて旅を続けた一行は、ルードも目前の所まで来たところで夕方になりました。

GM「徹夜で歩けば、明日の朝にはルードに着くけど、そうするかい?」

ライナ「夜更かしは美容の敵です!」

グリーバス「でも、睡眠はニースの敵ですよ」

しかしミカさん達は野営するし、日数的にも余裕がありそうなので、無理せず休みます。


それに無策でルードに行くのは流石にヤバすぎます。敵の占領下にあるんだし。

ギャラック「おまけにおまえの肩には、フレイムの紋章がある」

スパーク「それは、マントでも着てごまかしておくさ」

グリーバス「塗りつぶしたほうが安全ですよ

スパーク「フレイム騎士団のメンツにかけてそれはできない」←小説では「砂漠の鷹騎士団」

ライナ「なら、メンツも一緒に塗りつぶしてしまってよ
    あなた、リーダーでしょ。リーダーなら仲間の安全を第一に考えないとね」

スパーク「フシュルルル〜!」

この世界では紋章に傷をつけると不名誉印となり、騎士としての特権を全て剥奪される事になります。

それぐらい紋章は大切なものですが、任務の為に塗りつぶすぐらいなら……。あるいは何かを上から貼るとか。


その時またも街道を通って謎の一団がやってきます。今度はルードの方から。

ギャラック「ギャラックの心には、戦いになるという確かな予感と、
      自らが手にかけるであろう相手を哀れむ気持ちがよぎっていたのだった。
      ――今度ははずしてねーだろーな、GM!」

大丈夫、今度の相手はホブゴブリンのようなので、明らかにマーモです。


ホブゴブ「オレたちは「暁の傭兵団」だ。おまえたちは、この国の者じゃねぇな。なら、通行税を払ってもらおうか」

グリーバス「通行税?」

ホブゴブ「そうよ、通行税よ。ここじゃあ、大型間接税は導入されていない」

グリーバス「センセ、枚数のほうが……」

スパーク「おまーら、ふたりだけの世界をつくるんじゃない!」

こいつらは小説やアニメにも出ていたので名前だけは有名ですね。実はこの頃からいました。


小説では敵がゴブという事もあり、ドワーフであるグリーバスが燃えていましたっけ。

ホブゴブ「なんと貴様はドワーフではないか。
      ドワーフあたりがこんなところにのさばっているとは片腹いたいと、正露丸

グリーバス「ホブゴブリンにいわれるとは、これは心外の胃腸薬

スパーク「てめーら、たたっ切ってやる!」

ドワーフとゴブは不倶戴天の敵同士です。それこそアルカリ性洗剤と酸性洗剤ぐらい相性が悪い。


ホブゴブ「おーこわ、さてはおまえたち、カノンの新カースト制度を知らんのだな。
      まず、いちばん偉いのがダークエルフ。ついでオーガー、ホブゴブリンと続き、
      以下ゴブリン、人間、コボルド、エルフ、ハーフエルフ、犬、編集者、ドワーフと続く」

小説でも本当にそういう身分制度があるから困ったものです。そして上の者は下の者に何をしてもいい

でもこれだけだとアシュラムみたいなマーモ方のお偉いさんはゴブ以下になるんですが、いいのかな?


グリーバス「マイリーいわく――天は人の上に人をつくらず、人の下に人をつくらず
       ただ、エルフとドワーフとゴブリンとホブゴブリンと、その他もろもろをつくったのみ」

だからそういう教義はないってば(笑)


とにかくこのホブゴブどもは傭兵団とかカッコイイ事を言ってますが、立場を利用して追い剥ぎを働く腹です。

スパーク達もミカ達も事を荒立てたくはないのですが、従う訳にもいかないので戦闘を受けて立つ所存です。


蘇った戦士

★ホブゴブリンとの戦いに完勝の事

一行は敵地カノンで「暁の傭兵団」を名乗るホブゴブリンとの戦闘に突入しました。

グリーバス「またも戦闘とは悲しいことですねといいながらも、顔が緩むのを抑えきれないグリーバスであった」

ギャラック「一方のギャラックは戦闘になった喜びを隠そうともしない」

何だかんだで戦闘の少ないこのキャンペーン。前衛組には貴重な機会のようです。


敵はホブゴブ×10匹です。アニメだとオーガーとかいましたが、ホブゴブのみなので十分戦えます。

まずアルドが敵のど真ん中に"スリープ・クラウド"をかけ、E・F・Gの3匹を眠らせます

続いてライナが飛び道具でリーダーと思しきAを負傷させ、ミカさん一行はH・I・Jを担当しました。

残る4匹の内、負傷したAとBをスパークが、Cをグリーバスが、Dをギャラックが担当して戦線が形成されます。


いきなりアルドの魔法で敵が減ったお陰で随分と余裕のある展開になりましたね。

グリーバス「今回はずいぶん組織的に戦いますね」

スパーク「オレは理性的な戦い方で定評があるんだ」

リーフ「その割にはすぐ切れるのね

スパーク「だれのせいだ、だれの!」

リーフ「もちろん、あたし!

スパーク「バウ、ワウ!」

でもちゃんとスパークの援護でAに"スネアー"をかけてくれる点、憎めません。まぁ抵抗されたんですけどね(笑)


次のラウンドにはアルドが"シールド"で、唯一2匹を相手にするスパークの回避力を上げます。

スパーク「これは夢なんだろうか?やけにみんな協力的だが……」

GM「それだけ信頼されてないってことじゃない?」

スパーク「寒いやつだな。いまのは他人の好意を受けたことのない人間の台詞だぞ」

GM「うぬれ〜。行け、ホブゴブリンA、B。スパークを倒せ!」

ところが数ラウンドの後には降伏したAを除いて傭兵団は全滅。一行の快勝となりました。

それぞれの負傷もニース、グリーバス、カイ・チェンの3人の癒し手が完治させ、実に気分のいい戦闘でした。


★一難去ってまた一難、新たなる敵!?

速攻で仲間を倒されたホブゴブはAは一行の捕虜となりました。

ホブゴブA「いやー、こんなに強い人間たちには初めてお会いしましたよ〜

ライナ「あいかわらず敵のモンスターは卑屈ね」

アルド「GMの性格が出てるな」

勿論Aにはカノンの情報を吐いてもらいます。拷問係は女王様モードのライナです。


まず現在のカノンでは住民の抵抗運動が激しくなっていて、マーモ側は随分と苦心しているようです。

この「暁の傭兵団」のような私設団体もその対策の一環。また近々大規模な犯行計画が起こるんだとか。

当然ルードではちゃんと警備がいて、出入りする人間等をチェックしてますが、賄賂が通用するそうです。


しかし流石に冒険者の格好ではマズイだろうとAは忠告してくれました。

ギャラック「毎度のことながら、親切すぎるな

GM「その代わりにそっちも、このホブゴブリンの命を助けてやってよ」

どうやらダークエルフDの哀れな処遇に同情票が集まってるようで、モンスターとはいえ粗末には扱えませんよね。

勿論この手のモンスターが人間の敵であるという認識を改める必要はありませんが、情けをかける事があってもいい。

まぁそれも難しいんですけどね。結局人間を襲うなら殺さなければならないし、それもまたケース・バイ・ケースです。


ちなみに暁の傭兵団には他に仲間がいない。彼らの戦歴もここまでだと、Aは悔しそうでした。

ホブゴブA「かくなる上は、おまえたちに栄光ある暁の傭兵団の名前を譲ろうではないか」←いらん

いや、やっぱりさっさと殺っちゃっていいかな(笑)


今後の方針としては、一行はミカさんに協力して貰って、隊商に扮してルードに侵入するつもりです。

スパーク「な、なぜだろう。今回はみんながゲームを進めようとしてくれる。スパーク君、幸せ

シナリオに積極的に関わるのは当然の事なんですけど……、スパークは苦労してるんだな(苦笑)


ところが勝利の余韻も覚めやらぬ内に、また別の一団がこちらにやってきます。金属鎧を着た人間達のようです。

ここでスパーク達は「暁の傭兵団」を名乗る。しかしそれは結構なカケですね。味方を敵に回す恐れもある。

もしマーモだったら受け入れてくれるし、噂のレジスタンスだと敵にしてしまう。敵味方が一発で分かるけど。

ただしレジスタンスだったとすると、釈明をして理解してくれるとは限らないし、心証を悪くしかねませんけど。


しかしやはりスパーク君は不幸だったのか。そのカケは裏目に出ました。

男「なら覚悟を決めるんだな。ぼくたちはルード自由軍
  きみたちを倒すためにやってきたんだよ〜ん。ウリィィィィィィ!

と思いっきり聞き覚えのある雄叫びをあげていますが、慌てて釈明すると突撃を思いとどまってくれました。


そして彼はスパークがフレイムの騎士である事を確認すると、嬉しそうに笑みを浮かべます。

オルソン「カシュー王は元気にしておられるか」

なんと彼こそは二部で不慮の死を遂げながら"魂の水晶球"の力で蘇った狂戦士オルソンでした。

小説の彼は火竜山の決戦で壮絶な戦死を遂げましたが、こっちではパーン同様お助けNPCです。


ニース「オルソンおじさま。わたしはスレイン・スターシーカーの娘ニースです。お忘れとは思いますが……」

そしてこの2人の組み合わせも小説では考えられませんね。一応幼いニースとオルソンは会ってる筈ですけど。

ちなみに小説ではオルソンがザクソンに来たのは新王国暦515年。512年生まれのニースは3歳だった筈。

ニースはウッドのことも「ジェイのおじさま」と呼びますが、こんな風に呼ばれるオルソンを見れて良かった。


★黒の導師の野望、明らかとなる事

何故オルソンがこんな所にいるかというと、全てはカシューの密命を受けたからです。

彼の使命は2つです。"魂の水晶球"の秘密を探ること、そしてカノンにレジスタンスをつくることです。

10年以上の時間をかけて、既にレジスタンス活動は軌道に乗ってる。そして水晶球の秘密も掴んでいるのです!

何と彼は単身マーモに渡ってその情報を掴んだといいます。小説でもこういう風に活躍する彼が見たかったな……。


既にオルソンは誰よりも水晶球の事を知っているので、スパークは水晶球盗難事件のことも全て話します。

それに対してオルソンもこの事件の真相を一気に教えてくれました。これで一気に事の核心に迫れましたね。


まずオルソンは破壊の女神カーディスのことを教えてくれました。当時はまだ謎の多かった女神なので。

神々の大戦で闇の神の側に属し、ロードス島創世に関わった女神で、今もその躯がマーモに眠る点は小説と同じ。

しかし2つの祭器がカーディス教団ではなく、暗黒神を辛抱する邪悪な魔術師の一派に作られた点が違う。

その後ロードス島太守がその祭器を奪い、五色の魔竜に守らせ、その存在を知ったマーモに狙われたという訳です。

例の"支配の王錫"争奪戦もその一つに過ぎず、アシュラムが失敗した今バグナードがカーディスを蘇らせるつもりです。


余談ですが、カストゥール王国では神を信仰するのはタブーでした。彼らは自らを神以上の存在と考えていたので。

しかし中には隠れて神様を信仰する人もいたので、邪神を信望する魔術師がいたとしても不思議ではありません。

実はあのカーラもそうした隠れ信者の一人なんです。ただし心優しい女性だった彼女が信仰していたのはマーファです。


さてこうして事件の背景も分かって心強い味方も得た訳ですが、最後にもう一つ情報があります。

それはバグナードが王都カノンに向かっているという事。ちなみにカノンの王都は国名と同名なのでややこしい。

もしダークエルフがその事を知ったら、ルードではなく王都カノンに行きかねない。どちらを目指すべきか……。


反乱の狼煙

★アルド・ノーバ、妙案を出す事

カノン自由軍と合流したのも束の間、一行はバグナードが王都カノンに向かっている事を知りました。

GM「さーて、いよいよロードス島戦記Vも後半戦に突入だよ〜ん。みんな、がんばってちょ」

スパーク「がんばるも、なにも、こっちは一生懸命やっているんだ
      しかし、だれかさんがその苦労を、
      報われないほう、報われないほうにシナリオを持っていってるんだろうが!」

GM「まったく、悪いやつもいたもんだね」←他人事

一応今までのミッションは着実にこなしているんですけどね。でもちっとも事態が好転した気にならない不思議(笑)


とはいえGMだって解決策を用意していない訳じゃない。

ギャラック「カノンの首都を陥して、
       バグナードというのをとっ捕まえて、
       そして"魂の水晶球"をとり戻せばいいってことさ」←ハードル高いよ

グリーバス「なんだ、カンタンじゃあーりませんか」

リーフ「どこがあ?」

グリーバス「口でいうだけなら

最初はダークエルフをシバき倒せばいいや、ぐらいに思ってたのにね。気づけば戦争の大局に関わる事態に。


しかしそれでもスパークは諦めないのが立派です。流石は歴代でも理性的なリーダー。

スパーク「それに勇気を持って実行すれば、決してやれないことはない」

グリーバス「口でいうだけならね、ホーホッホッ

スパーク「だぁーっとれ!こん腐れドワーフが!

リーフ「スパーク君、怖い」

GM「いや、彼が荒れたくなる気持ちはよくわかる。
    なにせ、あたしゃそれを仕掛けた張本人だから、ホーホッホッホッ

このド外道どもが(苦笑)


アルド「よし、役立たずのウンチク野郎の汚名を返上するために、わたしが妙案を出すことにしよう」

そのアイデアとはニースを囮にするというもの。ひとつの扉たる彼女がいる事を知れば、バグナードも無視できない。

これまた外道っぽい策ですが、有効ではあるでしょうね。勿論彼らがニースを守りきれなければただ外道なだけですが。


グリーバス「リーフをニースに見せかけるというのは、どうでしょう。
       これなら、もし失敗しても読者の文句があまりこない

リーフ「グリーバス、許すまじ!」

「あまり」というところに微妙なフォローがありますね。全然フォローになっていないけど。


それに対してニースは「わたしでお役に立つならば」と、自らの危険も辞さない覚悟。流石GM推奨アイドル。

スパーク「なんか、ニースの人気を上げる手伝いをやらされたって気がするな。
      これじゃあ、オレたちは悪者だ。正義の二文字がなくとも、せめて悪人とは呼ばれたくない

そこでスパークはこの案は具体策が出るまで保留にし、ニースへの点数稼ぎにちょっとカッコイイ事を言います。

スパーク「あなたひとりを危険な目にあわせたりはしません

これに対してニースは小声で感謝の言葉を述べます。……こいつ、不幸になればいいんだ(コラ!)


とにかく当面はオルソンのルード解放作戦に協力する事にします。捕虜のホブゴブAはこの場で処刑する

スパーク「面倒だから、切り捨ててしまおう」

GM「まさしく、正義とは無縁のその決断」

スパーク「正義のためには、自らの心を鬼にしなければならないことだってあるさ」

ギャラック「じゃあ、バッサリと。ここは、血も涙もない傭兵らしく」

ホブゴブA「うぎゃああ、痛い!降伏したのに、殺すなんて!呪ってやる〜。た、たたってやる〜

ダークエルフDに続き、非常に後味の悪い最期になりました。仕方ないとはいえ、色々考えさせられますね。


★冒険者たち、反乱に加担する事

スパーク一行とミカ一行は、オルソンによってルード自由軍のアジトに案内されました。


彼の立てた解放作戦とは、自由軍がマーモ軍の詰め所を襲い、市民を決起させて数の不利を補うというものです。

長きに渡る圧政で市民の鬱憤も相当なものです。そこで自由軍のメンバーがサクラとなって決起を誘発するのです。

民衆は弱いが、決して無力ではない。群集心理を利用してきっかけさえ与えれば、恐怖を勇気に変える事もできる筈。


スパーク達は少数ながら魔法使いもいて戦力はあるので、詰め所の一つを任される事になりました。

民衆を決起させられれば、それで革命は成功したも同然。ルードさえ押さえれば王都カノンのマーモ軍も退路を失う。

スパーク「バグナードだって、カンタンにはマーモに帰れまい」

アルド「"テレポート"の呪文を使われなければね

スパーク「がちょ〜ん、おんおんおん……。これだから魔法使いってのは、嫌いなんだよ」

GM「理性的ではあったけど、魔法は理性の上をいくからね

高レベル魔術師相手にマトモにやりあうのがいかに難しいか分かりますね。瞬間移動ばかりはどうしようもない。


ニース「そこで、彼を脱出させないためにこそ、わたしが役に立つでしょう」

リーフ「ニースさんって、本当においしい役もらっているわ」

ライナ「じゃあ、彼女に代わってもらいなさいな。
    わたしは実用的だから、そんな危険な役はごめんだわ。
    人気より、命名誉より、金。昔から盗賊の価値観はこう決まってるんです」

こういうのを見るとヒロインも大変だな、と思いますね。良くも悪くも特別な境遇にあるからヒロインなんですよね。


その策を使うとすると、どうやってバグナードにニースの居場所を伝えるかです。

ホブゴブAを使う手もありましたが、いっそ全員で反乱軍を裏切ってバグナードの軍門に下る手を考えます。

ルードを解放してからバグナードに下ると言うのは不自然。だからこそ騙せるという見解による作戦です。


スパーク「そう、策士は策に溺れる。これはパターンだ。本当にこのパーティは、知将が多いぜ」

GM「ぼくがパターンって言葉に弱いのを知っての台詞だな。でも、ぼくがパターンを好むのは、
    ゲームの場合パターンどおりにいかないと、プレイヤーが困るからだよ
    でないと、プレイヤーがどう行動していいのかわからないでしょ」

スパーク「だから、それが悪いとはいってない」

グリーバス「それどころか、正論ですよ。
       意外な真相っていうのは予想外であって、なおかつ納得できて、はじめてそう呼べるんです。
       予想外で納得できない真相というのは、たんにめちゃめちゃなんです」

これは珍しくタメになる話です。この辺は「裏切り」にも言える事で、スパーク君(の中の人)も言ってましたね。


あとミカさんは最初は戦いを拒みましたが、そこはスパークが説得する事で参戦を決意。

GM「小説なんかでは、盛り上がるところだけどね」

グリーバス「ゲームと小説のおもしろさはちがいますからね
       ぼくらは、うまく台詞をしゃべることだってできないんですから。
       演劇ふうにやっても、おもしろいわけがありません」

ここでGMの見解が入りますが、TRPGにおいては演技力より想像力が大切だというものです。

所詮素人が本職の役者や声優に勝てる訳がないんだから、無理に芝居をせずに役割を演じる事を楽しめばいい

この場ではスパークがアッサリとミカさんを説得したけど、それも映画やアニメの1シーンに脳内変換すればいい。


水野先生も高山先生もRPGの大ベテランですから、こういう考え方は本当に勉強になります。

こういう考え方をアナログゲームだけでなく、コンシューマーゲームにも当て嵌めると見方が変わりますね。

よくドラクエで人の家に勝手に入って物色するのはおかしいという突っ込みを聞きますが、それも想像力次第です。

「私は○○を求めて各地を歩いている者ですが、お宅に所縁の品がないか調べさせていただけないでしょうか?」

「これは私の旅で必ずや必要になるものです。よろしければこの品を譲ってはいただけないでしょうか?」

みたいな会話が入っていると考えると大分見方も変わります。思いは形になるのだから。


★黒の導師との対決、間近に迫る事

肝心のルード解放計画ですが、マーモ軍と自由軍の戦力は以下の通り

マーモ軍:1000(内200がダークエルフ・ホブゴブリン・オーガー。残りはゴブリン・コボルド)

自由軍:300(傭兵・冒険者・元カノン騎士)

数ではマーモ、質ではこちらが有利です。ただし市民の数は万単位なので、1割が決起しただけで数でも有利になる。

ゴブやホブゴブなら武装した一般人が複数であたれば圧倒できる。結局は市民を決起させられるか否かが鍵です。


オルソンの見立てでは成功確率は8割ほどだそうです。

オルソン「なにせぼくは不幸だからね」←自虐

グリーバス「あ、お気遣いなく、こちらのリーダーだけでも十分に不幸ですから

オルソン「それは助かる」

ライナ「何が助かるのよ」

GM「失敗したときの責任追及が、だろ」

スパーク「げーっ!失敗したらオレのせいかよ」

まぁ運の良し悪しで戦の趨勢を評価するのもどうかと思いますけどね(苦笑)


ちなみに現時点で一行は経験点を貰って3レベルに成長し、全体的に強化されています。

一方彼らが襲撃する詰め所の戦力は、ダークエルフ×1、闇司祭×1、オーガー×2、ホブゴブ×3

ダークエルフが隊長で、オーガーはその私的護衛。闇司祭は現ルード太守の高位の闇司祭との連絡役のようです。

ホブゴブはどちらかというと闇司祭が指揮するらしい。全員を一度に相手にするのでなく、各組毎に撃破でしょう。


ちなみに現在彼らのいるアジトは昔カノン貴族が所有していた屋敷の別館で、本館は市内にあって地下道で繋がってる。

本館の方も自由軍が押さえているので、市内に入るまでは安全にいける。勝負は詰め所襲撃からですね。

また本隊が別にいて、彼らは詰め所が襲われてる隙に門を破って突撃。別働隊は船を押さえるという作戦です。


これは既に集団戦闘ではなく、一つの街を舞台にした戦争なんです。


ルード解放!

★冒険者たち、詰め所を襲撃する事

オルソンら自由軍と共にルード解放を目指す一行は、マーモ軍の詰め所の一つを襲撃することになりました。

しかし敵はダークエルフにファラリスの闇司祭、そしてオーガー×2にホブゴブリン×3と侮れない戦力が揃ってます。

スパーク「ここは、それこそ理性的にならないとな」

アルド「スパークの決め文句は、理性的なのかい。ライナさんの実用的に似ているけどね」

スパーク「えーい、また横道にそれようとする」

今までの中でも特に厳しい戦いになろうというのに、相変わらず緊張感のない連中です


そうこうする内に時刻は正午となりました。スパーク達は珍しく何事もなく詰め所の前に来て戦闘に入ります。

ただし今回は敵が多いので、大きく3回に分けて戦いました。最初は見張りのホブゴブ×1、まぁ怖い相手じゃない。

グリーバス「それでは、突撃したいと思います。作戦開始ー」

スパーク「ま〜た、自分で仕切ろうとする。リーダーはオレだからな」

ライナ「何をぐずぐずしているの。スパーク、ギャラック、やっておしまい!

スパーク「あらほらさっさ……、ああ、ノってしまう自分が悲しい」

連載当時としてもとても懐かしいネタでした(笑)


まずアルドがお馴染みの"スリープ・クラウド"で見張りを眠らせて突撃しようとしましたが……。

GM「ラッキー!レジストに成功。ホブゴブリンは吠える――敵襲じゃあ。総員起こし〜!

グリーバス「我、奇襲に失敗せり!強襲を敢行せん。マイリーよ、マイリます、なんちって」

GM「自分の神様の名前を使って、シャレをいうか〜。この破戒僧が」

でもフォーセリアの神様は結構寛容なので、これぐらいは許してくれるはず。多分。


こうして奇跡的に命拾いしたホブゴブでしたが、一行のタコ殴り攻撃で4ラウンド目には倒されました。


★詰め所でのバトル、さらに続く事

ホブゴブが倒れたのも束の間、残り2匹のホブゴブを引き連れてファラリスの闇司祭が現れます。

スパーク「外で戦って、市民に反乱が起こっていることを、アピールしておくほうが得策かな」

おお、本当に理性的です。目の前の敵を倒すだけでなく、ちゃんと大局を見ているのに感心。


スパーク「ところで、例のサクラは出てこないのかい」

GM「もちろん、いいかげんなGMが忘れていても革命の同志は、ちゃんと覚えている。
   「こんな暮らしは、あっ、まっぴらだ〜。オレも武器を取って、あっ、戦うぜ〜」

グリーバス「いよっ、越後屋!」

アルド「越後屋は役者の屋号じゃなくて、悪代官とつるんでいる悪徳商人だよ」

このクサイ芝居も市民を刺激したのか、多くの民衆が包丁やら棒切れやらを持って立ち上がりました。

恐怖政治は支配するには都合がいいが活気を奪い、何かの切っ掛けで激しい怒りを買う。正に革命って感じ。


肝心の戦いの方ですが、リーフの"サイレンス"が闇司祭を黙らせ、魔法を封印する事に成功しました。

それからは闇司祭もホブゴブ同様前衛に出てきて、こちらの前衛3人に接近。1対1の戦いが3組できました。

しかしこちらには魔法使いが数名いる事もあり、後方からの支援魔法のお陰で一行はこの戦いにも勝利します。


しかしまだ戦いは終わらない。残るダークエルフオーガー×2を仕留めるべく詰め所に突入します。

GM「なんと屋内の戦いが、これがはじめてという、ロードス島戦記Vは、たいめん珍しいRPGなのでありました」

そういえばキャンペーンが始まってからずっと野外活動をしてる気がする。確かに珍しいかも。


ここの詰め所は2階建てで、ちゃんと文庫には間取り図も載っています。見ると金品も手に入るようですね。

1階は闇司祭とホブゴブ、2階はダークエルフとオーガーの居住スペースとなっているので、今回の本命は2階です。

ここではスパークとギャラックが先頭に立ち、次にグリーバスとニースら魔法使い。殿をライナが警戒して進みます。

何しろダークエルフは精霊魔法で姿を消すのが常套手段です。こっそりやり過ごして背後からやられる可能性もある。


2階に上がった一行は廊下に差し掛かります。扉が左右にあり、突き当たりはバルコニーです。

ギャラック「右か、左か……」

リーフ「ギャラックさん、渋い

ギャラック「お嬢さん。声援、感謝するぜ

スパーク「固ゆで卵野郎は無視して、先に進もう」

こういう時はライナに扉を調べて欲しいところですが、アッサリ拒絶したので普通に進みます(大丈夫かこいつら)。


一行は右の扉を開けてダークエルフとオーガー1体と遭遇しますが、同時に左の扉からも1体のオーガーが登場!

リーフ「はさみ討ちだったわけね」

スパーク「陰険な戦法を。さすが陰険さの本家ダークエルフ

GM「オレは卑怯な戦法が大好きなんだ〜」

流石はスイフダークエルフです、地の利を利用して地味に嫌な戦法を取りました。


この戦いではいきなりアルドがダークエルフの"サイレンス"で魔法を封じられ、厳しい戦いとなりました。

他の魔法使いも精神力を使い尽くし、壮絶な戦いの末にオーガーを倒すも、ダークエルフは徹底抗戦です。

自分で防御魔法をかけて頑張ったダークエルフでしたが、ライナのムチがヒットして転倒した所を袋叩き!


これでは体力不足のエルフが生き延びれる筈もなく、ここにマーモ軍詰め所の一つが陥落!


★戦いに勝ち、ルード解放される事

スパーク達の勝利に前後して他の詰め所を襲撃した自由軍と民衆も勝利し、ルードは解放された!

リーダーであるオルソンは広場で勇ましく勝利演説を行い、ここでカノンの第三王子レオナーの名が出ます。

カノン自由軍の真の指導者にして、正当な王位継承権の持ち主。その剣腕はカシューにも匹敵する勇者です。


間もなく彼は王都カノンで決起し、ルード解放を合図にフレイム・ヴァリス・ハイランドも挙兵します。

このロードス本島連合軍カノンからマーモ勢力を一掃し、逆にマーモ島に攻め込む事になるでしょう。

またバグナードも王都カノンにいる以上、カノンを舞台にした攻防戦が戦の趨勢を決めると言ってもいい。

ついでにスパークの任務もいよいよクライマックスですね。できれば連合軍が来る前に水晶球を奪還したい。

そしてそれ以上に邪神復活を阻止しなければならない。戦争の勝敗だけがロードスの命運を決める訳じゃない。


ここで一行はオルソンに呼ばれて自由軍の新本部に顔を出しますが、ここで新たな読者投稿キャラが登場します。

GM「今回の革命を成功させた主要メンバーを紹介しておこう」

ギャラック「いきなりだな」

GM「だって、読者からのNPCなんだもん」

そういえばミカ達はどうしたんだろう。


バイロッド・ゾル

片腕の老戦士。オルソンの片腕として活躍したらしい。


ビルアデス・マウロー

一時は野盗にまで身を落としていたらしいが、それ以前の経歴は不明。


ガダン

元カノン騎士で王の遺言を守ってロードス島中を巡っていた。自由騎士の集う「青い鷹遊騎士団」の長。


ファゼンダ

コーヒー園の主人である老婆。一般人だが自由軍に協力した。


エアルド

酒場の看板娘。同じく一般人だが自由軍に協力した。


ここでリーフは恒例の母親探しを行いました。

リーフ「エアルドさん、あなたはハーフエルフを産んだ記憶がありませんか?」

エアルド「わたしは産んではいないけど、ハーフエルフを産んだことがあるって人なら知っているわ」

何とこれが大当たり。リーフの母親女戦士リリア(33)との面識があるというのです。意外な所で……(苦笑)


ちなみに「新」ではリーフの母親はジェイシー、カセットブックではマデラといいます。

小説ではダークエルフに殺された夫の仇を取る為に単身マーモに渡り、後に連合軍を助けたりします。

どうやら闇の森の蛮族の出身だったようで、リーフが武器を扱えるのは母親譲り。精霊魔法は父親譲りだとか。


エアルド「リリアさんは、あなたに似てにぎやかな女性でしたよ」

そして性格は母親譲りかな。父親がエルフであることを考えれば当然かな。


しかし彼女は若いハーフエルフがマーモに連れて行かれたと聞き、船をかっぱらってマーモに渡ったという。

だからと言ってリーフが1人でマーモに渡るのは危険なので、連合軍を待って仲間と渡る事になるでしょう。


英雄戦争、再び!

★連合軍とマーモ軍の陣容の事

スパーク達の協力もあって港街ルードは解放され、一行は4レベルに成長しました。

しかし本当の戦いはこれからです。ロードス本島諸国の連合軍VSマーモ軍の大戦争が始まりつつある。

既に諸国は挙兵して、マーモ占領下にあるカノン王国に集いつつある。最初の決戦の舞台は王都カノンです。


ちなみに各勢力の軍勢は以下の通り。


連合軍:1万1000強

フレイム
「砂漠の鷹騎士団」:2000
民軍:3000
傭兵隊:1000

ヴァリス
「神聖騎士団」:2000
神官戦士団:1000
義勇兵:1000

ハイランド
竜騎士団:5騎

カノン
カノン自由軍:1000
義勇兵:?


マーモ軍:1万5000

1万2000はゴブリン・ホブゴブリン等の妖魔軍団。
3000は主力でファラリスの神官戦士・ダークエルフの魔法戦士・オーガー等


小説では「砂漠の鷹騎士団」だけで6000以上いるんですが、それに比べると連合軍ややや少ないかな。

ちなみに「英雄戦争」時には数多くいたフレイムの民兵ですが、「邪神戦争」では徴用されませんでした。


でもそれ以外の構成は小説とも大差ないでしょうね。ハイランドからの参戦が竜騎士という辺りも特に。

竜騎士は5騎とはいえ単体でも侮れない戦力があるし、ちゃんと小説同様にレドリックとシーリスが率います。

それにハイランドには金鱗の竜王マイセンがいる。五色の魔竜の中でもシューティングスターと並ぶ古竜です。


フレイムやヴァリスに比べると、建て直しのできていないカノン勢は数では劣りますね。

しかしレオナー王子が立ち上がった今、民衆の中から大勢の義勇兵が集まる可能性がある。

ルード解放作戦でも明らかな通り、民衆の数は万単位です。千単位で戦力が集まるかもしれません。


一方マーモはルード同様に数だけは多い。繁殖力旺盛な妖魔を抱えているのが大きい。

妖魔達は決して強くはないけど、数は脅威。それにさり気なく主力に魔法使いが多くて侮れない。


スパーク「なあに、ゴブリン、ホブゴブリンなど、しょせんは下っぱ。
      オレのグレートソードのサビが増えるだけよ」

リーフ「スパーク君ってば、剣も手入れしていないのねぇ

スパーク「フフフのフ、なにしろ、オレの剣はゴブリンの赤サビ
      ダークエルフの黒サビなんかでいっぱいだからねぇ。
      なんなら、ここにハーフエルフの緑青を加えようか」

リーフ「キャイン、キャイン!」

お前は本当に理性的なヒーローなのか(笑)


要は質では連合軍、数ではマーモ軍が有利。どちらが勝つにしても決して楽な戦いにはならないでしょう。


ギャラック「いずれにせよ、そんなマクロな戦いはオレたちの手には負えんさ
       むしろ、与えられた任務はいかにまっとうするかを考えたほうがいい」←正論

スパーク「さすが傭兵といいたいけど、いったいどうやってだよ」

ギャラック「チッチッチッ。そいつはオレの仕事じゃない
       理性的なリーダーにでも任せておくことにするさ」

リーフ「ようするに、思いつかないってことなのね」

ギャラック「ひと言でいえば、な」

ライナ「ひと言でいわなくても、そう聞こえます。
     ギャラックって戦うだけしか能のないキャラクターだったのね」

ギャラック「セッションも11回目にしてはじめてわかるこの真実。まさに、大どんでんがえし!」←紅鯨団?

いやどんでんがえしでもないから、普通に皆思ってた事だから(笑)


★カノン解放決起大宴会開催される事

一行はオルソンに付き合って、レオナー王子のいる自由軍本部へと向かいました。

いかんせん話も大きくなってきましたし、取り合えず現地に行ってから今後の方針を決める事にします。

本部は王都郊外の古ぼけた屋敷で、ここで彼らの会ったレオナーは30代後半の渋い人物でした。

残念ながら挿絵がないので顔は分かりませんが、多分小説版とそんなに変わりはないと思います。


スパークはレオナー王子に水晶球の一件を話し、全面的な協力体制を築こうとします。

スパーク「きっと、城の抜け道なんかも知っているにちがいない」

GM「ぎくっ。なぜ、それを!」

スパーク「城とはつねにそういうものだと、ルーン○スカーにも書いてあった」

でもカノン王はその抜け道を使うことなく殺されたんですけどね。


リーフ「さすが、スパーク君はお城暮らしが長いわね」

ライナ「左遷されなきゃ、いまでもお城にいられたでしょうにね」

スパーク「オレは左遷なんかされてないっつーの」

グリーバス「ということにしておいて、王子にその抜け道のことをくわしく聞きましょう」

スパーク「だから、オレは左遷なんかされてなあああい!

GM「ああ、スパーク君、涙の絶唱。しかし、それを聞く者は、だれひとりとしていない」

リーフ「スパーク君、不幸!キャッホー、ひっさしぶり〜!

ああ、もうすっかりいじられキャラになって。スパーク君、不幸!


肝心の抜け道ですが、森の中の洞窟から2階謁見の間の壁に繋がる全長数kmの立派なものでした。

本当ならすぐに行きたいのですが、流石に無策に突入するのは危険なので時期を待つ事にします。

グリーバス「連合軍が来てくれて、攻城戦になるのを待って、
       そのどさくさに紛れて、バグナードの首を狙うというのはどうですか?」

スパーク「それでいこう。それまでカシュー王には会わないように、気をつけておくぞ」

ガラック「なかなか巧妙だな。しかし、戦の神の司祭と名誉を重んじる騎士との会話とは思えんぞ」

GM「さすがスパーク君はいままでのリーダーとはひと味ちがうね。
    パーンやオルソンは単純だったけど、決して姑息じゃなかったよ

スパーク「ダ〜ッ!騎士は任務を果たしてなんぼの商売じゃあ」

でもスレインやレイリアといった強力NPCに頼りたくない、というそのスタンスは立派です。


それから決戦の時までスパーク達はレオナーに協力して、レジスタンス活動に勤しむ事にしました。

これに大変感謝したレオナーはスパークと握手を交わし、カノンとフレイムの友好を約束したという。


★黒の導師ついに登場する事

その日は他にする事もなかったので宴会が開かれました。普通なら省略する場面ですが、プレイは続行です。

アルド「ということは、何か事件が起こるんだね

GM「もちろん。それまで、適当に飲んだり食べたりしておいてよ。
    床にあぐらをかいて座ったってかまわないしね」

あまり先読みをするのもどうかと思いますが、そういう裏の情報も認めないとね。


ライナ「わたしの服装であぐらをかくと危なそうだから、それは遠慮しておきます」

グリーバス「わたしなら、気にしませんよ

ライナ「ほんと、お下劣なドワーフね。それでよくドワーフのプリーストが務まるわね」

ドワーフ「たまには、オチャメなドワーフがいたっていいじゃありませんか」

まぁ全員が全員頑固なドワーフである必要はありませんしね。中には例外がいてもいい。


グリーバス「だから、オチャメなドワーフとか、姑息な騎士とかいたって全然、問題ないんですよ」

スパーク「だれが姑息な騎士だって!バーサークする騎士よきゃ、ましだろうが」

オルソン「失礼な」

結局この場にはマトモな奴がいない(笑)


しかし楽しい時間はいつまでも続かない。突如ニースが頭を抱えてうずくまり、バグナードが瞬間移動で登場!

しかも彼は10人ばかりのダークエルフを引き連れています。集団移動とは、何かの遺失魔法でしょうか。

勿論スパーク達も自由軍の人達も応戦を始めますが、ダークエルフ軍団のせいでなかなか接近できません。


そうこうする内にニースは何かの魔法で眠らされてしまいます。

GM「可憐な少女が気を失っている姿は、なかなかそそるものがある」

ライナ「変態ね」

おのれバグナード、代われひとつの扉を手に入れる為に思い切った作戦を……。


しかもバグナードによってカーラ・スペシャルでお馴染みの"スタン・クラウド"が炸裂!

リーフ「成功しちゃった。成功しちゃった。大変だわ

ライナ「失敗しちゃった。失敗しちゃった。幸せだわ

ギャラック「フッ、剣がオレに戦えと叫んでいるぜ

下手に起きてても何もできませんからね。いや戦う事はできますが、下手したらやられちゃうし。

結局この魔法に抵抗できたのはギャラックとリーフだけ。不幸な誰かさんはアッサリ倒れました。


それでもダークエルフ相手に善戦したのですが、一縷の望みをかけたリーフの"サイレンス"も効かない。

そうこうする内にバグナードは再び痛みに顔をしかめながら瞬間移動で逃げ、ニースは誘拐されました

鍵は片方しかないものの、扉が敵の手に渡ってしまいました。果たして邪神復活はどうなってしまうのか。


決戦!!

★GM、最後のウンチク話を語る事

カノンを目前にしてニースが誘拐され、完全とまでは行かないものの、邪神復活の可能性が出てきました。

GM「さて、ロードス島戦記の今シリーズもいよいよ大詰めだ。みんな張り切っていこーっ!」

スパーク「オレはいつも張りきっている。その苦労がむくわれていないだけだ」

着実にシナリオをこなしているのに、戦況と反比例するように状況はどんどん悪化していきますからね(苦笑)


しかしそれでもくじけないのがスパークです。

スパーク「が、様々な困難を乗り越えてこそ、本当の正義のヒーローになれると、オレは信じているぞーっ!」

ライナ「それは無理よ。だって、わたしたちに正義なんて言葉はないんだから」←ドライ

スパーク「うぐっ。しっかし、正義はなくとも使命がある。
      使命を果たせば、きっとみんなはヒーローと讃えてくれるさ」←ポジティブ

本当によくモチベーションを維持してますよね……。


しかし畳み掛けるように仲間達はスパークを追い込んでいきます。

グリーバス「他力本願ですね」←ドライ

スパーク「うぐぐっ」

ギャラック「スレイン、レイリアの夫婦になんと言い訳すればいいものやら」←ドライ

スパーク「うぐきがごげっ」

リーフ「別にあたちたちって、あの子の保護者じゃないんだし、責任とる必要ないんじゃないの」←ドライ

スパーク「アンギャーッ!それで許される問題じゃないだろ」

ひとつの扉とひとつの鍵がバグナードの手元にあり、鍵が一つ足りないまでも何かできそうな感じだし。


スパーク「陰険なGMのことだから、完全にとはいわないまでもカーディスが復活できるといいかねない」

GM「いいかねない、だって?」

グリーバス「……そういいたいみたいですね」

GM「そのとぉ〜りぃ〜。力一杯、いってあげよう。
    ああ、ロードス島戦記シリーズ中、ぼくって最大の悪人なのかもしれない」

ライナ「否定はしません

GM「してよ〜!」

PCゲーム版の「五色の魔竜」でも、カーディスは不完全ながらも復活してラスボスとして立ちはだかりますしね。

このゲームでは敵陣にある太守の秘宝によってカーディスの能力が変わり、"魂の水晶球"があると一回復活したりする。

しかし上手くやれば"支配の王錫""魂の水晶球""生命の杖""真実の鏡"をこちらが所有する事もできるんですよ。

ただし"知識の額冠"だけは最初から敵の手にあり、カーディスは最低一つのアイテムは確保しているという訳です。


ここで毎度お馴染みのGMウンチクコーナーが入り、「いかにRPGを楽しむか」と難しいテーマを挙げています。

なかなか答えの出ないものだけど、このリプレイ自体が一つの答えかもしれませんね。仲間と楽しみを共有すること……。

プレイヤーが自分だけではない以上、それは避けて通れない事です。でも決して特別な知識や技術のいる事ではない筈です。

GMはRPGも娯楽の一つであり、もっと一般的になってもいいと締めていますが、私もそうなればいいと心から思います。


★ロードスの立役者、集結する事

状況は決して芳しくありませんが、今後の展開はそれこそスパーク達次第です。自分で運命を切り開けるのもRPGです。

GM「最後まで不幸かどうかはキミたちしだいだよ」

スパーク「オレだけは、何があっても不幸な気がするけどなぁ

ギャラック「確かに。これで死んでしまったら、オルソンを越えられるな」

リーフ「まあまあ、あたしがついてるじゃない」

スパーク「クークックック」←泣いてます

運命を……切り開けたらいいな(苦笑)


それからスパーク達はレオナーに協力してレジスタンス活動に参加し、ニース救出の機会を待ち続けます。

その機会とは諸王国の連合軍がカノンの王城シャイニング・ヒルに攻め込む、正にその大混乱の時です。

それに合わせて現場にはロードス中の大物が続々と集まってきて、いかにもクライマックスって感じです。

カシュー、パーン、ディード、エト、スレイン、レイリア、レドリック、シーリス……。豪華なメンバーです。

あと金鱗の竜王マイセンなんかも来ています。「ファリスの聖女」みたいに眷属を引き連れているようです。


ちなみにリプレイ版のパーンとディードは、つい最近までアラニアの自治運動に参加していました。

小説ではその活動をセシルに任せ、スレインはフレイムで、パーンとディードはカノンで活動してましたね。

このリプレイではカノン自由軍に参加しているのはオルソンですが、小説では彼は戦死してるからでしょうか。


GM「あと、だれか忘れてないかなあ」

スパーク「知るか

……二部のメンバーが2人しかいないんだけどね。フォース、セシル、マール、シャリー、ホッブあたりがスルー。


スパークは基本的に主君であるカシューとは会わないようにし、こっそりスレイン夫妻には会いました。

本来ならこの夫妻ほどの強力な助っ人がいてくれた方が安心ですが、それだと二部の二の舞になりかねません(笑)

スパークはニースの不幸を報告しますが、夫妻は連合軍の重要人物なので助っ人にはなれない事になりました。


しかしマトモにやってバグナードに勝てるとも思えない。彼はスレインよりもレベルが高いんですから。

そこでスレインは魔法抵抗のアミュレットを人数分スパーク達に与えます。人的援助でなく物的援助です。

物的援助なら結局はPC次第ですからOKのようです。人的援助だと出番が取られるだけですからね。


このアミュレットは魔法に対する抵抗力を+20%し、アルドの"カウンター・マジック"で+30%にできます。

合計50%もの上昇を考慮すると、抵抗力が最低のリーフでも36+50=86%にもなりますね。

これなら"スタン・クラウド"で一網打尽にはなり難いでしょうけど、こう人数がいると誰かしら失敗しそうで怖い。

それでも相手は魔法を使うごとに激痛が走りますし、全力を出せるコンディションではないので何とかなるかな?


★シャイニング・ヒル攻防戦そして城内潜入の事

それから5日後、とうとうシャイニング・ヒル攻防戦が始まりました。


PCゲームでもこの攻防戦のシミュレーションが行われ、PCは激戦の中を潜り抜けて地下道を目指します。

PCが移動する最中にも戦況は刻々と動き、グズグズしてると敵の大部隊との戦闘に突入する緊張の一戦です。

まぁ開戦と同時に穴に向かって突っ走れば何とかなるんですけどね。敵が追ってくるけど追いつけませんし(笑)


本編では城を囲んで諸国の部隊が配置された図がありますが、実はこの諸部隊の名前はゲームでも再現されてます。

ただしゲームでは敵味方が正面からぶつかりあうのに対し、こちらは包囲戦になるので大分状況が違います。

その為にゲームではリプレイには載っていない敵部隊が数多く出てきて、なかなかバラエティー豊富で面白い。


そこで以下にゲームにおける連合軍とマーモ軍の戦力を挙げます。()で書かれているのはリプレイ情報です。


連合軍

フレイム(西門に布陣)
カシュー・砂漠の鷹騎士団
シャダム・フレイム傭兵団
ルハール・フレイム民兵団
スレイン・魔法兵団

ヴァリス(南門に布陣)
エト・ヴァリス神聖騎士団
パーシア・ファリス神官戦士団
ファルド・ヴァリス義勇団

ハイランド(上空より攻撃)
レドリック・ハイランド竜騎士団

カノン(東門に布陣)
レオナー・カノン解放騎士団
(リプレイでは再生騎士団で、パイロット・ゾルがもう一部隊率いている)

その他(リプレイでは存在せず、要はPC)
遊撃隊


マーモ軍(殆どリプレイでは未登場)

第1ダークナイト部隊
第2ダークナイト部隊
ファラリス神官部隊
暗黒魔法兵団
ワイバーン・竜騎士部隊
ゴブリン弓兵隊
ダークエルフ歩兵部隊
石化部隊
ホブゴブリン部隊
精鋭ホブゴブリン部隊


以上の大軍同士の激闘がゲームでは楽しめる訳です。まぁPCは基本的に参加しないんですけどね。

ちなみにマーモ軍のワイバーン部隊ですが、リプレイではこれを率いるのがアシュラムだったりする!

火竜山で死んだかに見えてやっぱり生きてた彼ですが、黒いドラゴンの竜騎士として再登場する訳です

ちなみにゲームの彼はワイバーンに乗ってシャイニング・ヒルの頂でPCと戦うのでとっても萌える燃える。


ゲームとはシチュエーションが違うものの、こちらの決戦もまた壮絶なものになりました。

スレインの"メテオ・ストライク"が降り注ぎ、敵の飛び道具をものともせず砂漠の戦士達が城壁を乗り越える。

しかしアシュラム率いるワイバーン部隊も負けてはおらず、ハイランドの竜騎士団と空中戦を繰り広げます。


それは正に激戦。ロードスの命運を決めるに値する、ロードス島戦史に刻まれる戦いでした。

スパーク「よーし、攻撃が始まると同時にオレたちは例の抜け道に踏み込むぞ。みんなオレに続け!」

ライナ「いわれなくても続きます。こんな大戦争には、巻きこまれたくないもの」

グリーバス「まったくそのとおり」←おいマイリー神官

スパーク「人のことはいえんが、このパーテイは利己的な連中ばかりだなぁ

しかし大規模な合戦だけが戦ではない。人知れずもう一つの戦いに挑む者達がいました(そんないいものか?)。


地下道に踏み込んだ一行は苔むした通路を進み、レイス×2と遭遇して戦闘になりました。

1体はグリーバスの"ターン・アンデッド"で消え去り、もう1体にはギャラックが一騎討ちを挑みました。

ギャラック「命中!うーん、好調、好調」

GM「こちらはばれた。しかし、当たると怖いよ」

ギャラック「そんなこたぁ承知の上よ!さあ、次のラウンドいくぜ!」

GM「と、ボルテージが上がっているところで悪いんだけど、ごめん、ここで枚数がつきちゃった

ギャラック「オレの気分は空回り。フッ」

激戦が繰り広げられる地上と、ギャラックが孤軍奮闘する地下。それぞれの戦いは続き、次回はいよいよ最終回です。


ロードスの騎士

★おちゃめなドワーフ、大いに喜ぶ事

長らく続いてきたスパーク達の冒険も今回で一応の完結となります。いよいよ旅の目的を達成する時が来ました。

バグナードの邪神復活の野望を阻止し、彼の手からニースと水晶球を取り戻す機会がようやく回ってきたのです。

そしてそれは全三部に渡って続いてきたロードスリプレイの完結も意味する。色々感慨深い回になりそうです。


GM「ああ長い歴史の幕がついにここに降りる〜」

スパーク「このまま降りてもらっちゃオレは困る。ページ数が尽きる前に謁見の間まで行かないと」

ギャラック「だったらレイス退治を手伝ってくれ!」←まだ戦ってました

グリーバス「そのためには、武器に魔法をかけてもらいませんとね」

でもルールブックでは「レイスには魔法の武器しか効かない」なんて記述はないんですよね。

ちなみにSWのレイスになると《物理的攻撃無効》となり、魔剣ですら通用しないという強敵になる。

一方こっちのレイスには、何とレベルを下げる《レベルドレイン》の能力があるから別の意味で怖い。


レベルを下げられては堪らないので、できればサッサと袋叩きにして倒したいところですが。

アルド「順番に並んで、並んで」←実は同時に1人ずつにしかかけられない

スパーク「じゃあ、1番」

グリーバス「2番」

ライナ「欠番

リーフ「留守番

スパーク「え〜い、ふたりとも廊下に立ってろ!」

リーフ「だってぇ、レイスには足がないからあ、得意の"スネアー"だってかけられないも〜ん」

ライナ「だってぇ、命は惜しいものですものお。若い命を散らしたくはないわ。ホホ、ホホッ」

結局ギャラックは最後まで1人で戦いましたが、レベルを下げられ微妙に弱体化してしまいました。

戦士だから魔法使いと違って魔法のレパートリーが減るほどの痛手ではないけど、面白い話ではありませんね。


その後も地下道を進んだ一行でしたが、特に敵との遭遇もなく地下道を抜け、謁見の間の裏側に到達。

ライナは特に危険はなさそうなので聞き耳をしてくれますが、問題はここが非常に狭い通路だということです。

GM「グラマーなライナさんが通るためには、他人にからだを密着させねばなりませんよ」

ライナ「そんなことでは挫けないのが、おとなの女というものよ。いいわよ、通ってあげる」

グリーバス「ラッキー!ドワーフの身長なら、ちょうどライナさんの胸のあたりに顔がくる

この時彼は「これで死んでも悔いはなし」という心境だったとか。……この破戒坊主め(苦笑)


こうして微妙なセクハラ問題を振りまきつつ、ライナは謁見の間に対して《聞き耳》を立てました。

すると中では慌しく情報が行き交ってるようで、ワイバーン部隊が全滅したとか戦況が丸分かりです。

という事はアシュラム様はまた負けたのか。レドリックかシーリス、あるいはマイセンあたりの活躍かな?


しかし問題が起きているのはこっちも同じです。ライナはこのポジションだと先頭切って飛び込む事になる。

でも実用的な彼女はそんな危険な事は望みません。かといって背後に下がるとしたらまたクソドワーフが……。

ライナ「えーい、さっさとお通し。わたしは、いちばん最後に飛びこみたいのよ」

グリーバス「女王さま〜、しあわせですぅ

小説だったら微妙に死にフラグですが、そうなるとは限らないのがTRPGというもの(笑)


★シャイニング・ヒルでの闘いの事

ここで一行は果敢にも抜け道から飛び出し、謁見の間にいたマーモ軍幹部への奇襲を仕掛けることにします。

この抜け道が手付かずで残っていたところを見ると、敵はその存在を知らない可能性が高いでしょうから。

幹部連中からしたら、いきなり壁が開いて武装した冒険者達が飛び出してきた訳ですか。そりゃあ不意も討たれる。


スパーク「オレが"不幸の代名詞"ことスパークだぁ!」←認めちゃったよ

ギャラック「"フレイムの白色彗星"ギャラック参る!」

グリーバス「同じく、"マイリーの白色矮星"グリーバス」

リーフ「そして、その他大勢よ」

アルド「わたしもその中に入れられてしまったんだね。
     1800、ツインカム16、インタークーラー・ターボなみの高性能ソーサラーなのに」

ちなみに幹部は3人で、人間の戦士、闇司祭、そしてダークエルフ。あと護衛のゴブとホブゴブが2匹ずつ。


この中ボス戦もなかなかの接戦となりましたが、魔法の援護が充実したスパーク達の勝利となりました。

ていうか4レベル(1人3レベル)集団といい勝負という事は、敵のレベルもあまり高くなさそうですね。

また例によってこの戦闘でゴブを捕虜にし、例によってライナが尋問してバグナードの居場所を吐かせました。

彼は現在国王の元私室に閉じこもって怪しい儀式をしているそうです。連合軍に対する逆転の策だとか。


これを聞いたスパークは全く余裕のない感じで現場まで突っ走りますが、当然扉には鍵が掛かっています。

ライナ「鍵よ!鍵だわ!ホーホホホッ

リーフ「ライナさんってば、いったい何を興奮しているの」

ライナ「だって、盗賊らしいことができるのって、久しぶりなんだもの」

GM「はいはい、盗賊技能のチェックをどうぞ」

ライナ「あ〜れ〜、失敗しちゃった」←ここぞとばかりに

結局扉はアルドが"アンロック"で強引に開き、とうとう彼らはバグナードの儀式の間に辿り着いたのです。


★黒の導師を倒し、使命を果たす事

儀式の間ではバグナードが脂汗を流して詠唱を行い、ニースは鎖で繋がれ、水晶球もありました。

GM「彼女はとーぜん、ぼくのものだから、もちろん裸になんかしてあげない

スパーク「最後のセッションにしてやっと見つけた、オレの使命、オレの宿命!

フレイムを出て幾年月。GMの陰謀で散々な目に遭ってきたスパーク君も、ついにここまで来たのです。


スパーク「ここで取り返さずになるものか〜。突撃あるのみ」

GM「困ったヤツだな〜。ここで突撃されると、バグナードがごたくをいう暇がないじゃないか」

スパーク「聞きたくない、聞きたくない

バグナード「聞け〜い!貴様らごときこわっぱにぃ、わたしの偉大な計画を邪魔されてなるものかぁ。
       もうすぐ、私の野望を実現させるぅ、破壊の女神カーディスが復活するのだぁ」

ライナ「ずいぶん、ひょうきんなおっさんね

本当にね。こんな軽いバグナードは小説では決して見れないでしょうに(苦笑)


1ラウンド目、PC先攻

アルドはカンタマで抵抗力を上げ、リーフは"シャドウボディ"で回避力を上げて敵の攻撃に備えます。

バグナード「痛い、痛いよ〜、"ファイアボール"〜!

高レベル魔法使いのダメージ魔法も痛いけど、一撃で無力化される"スタン・クラウド"よりはマシかな。


しかしこの魔法にギャラックは抵抗失敗。35点とかのダメージをモロに受けました。

GM「生きてる?」

ギャラック「訳ねぇだろ

不幸、不幸と言いつつ、ここに来て本当に不幸な人が出てしまいました。まさかのギャラック戦死!

小説の彼はスパークを庇って"デス・クラウド"で死にましたが、やっぱりリプレイでも死んでいたんですね。

他の人達も同じぐらいのダメージを宣言されましたが、抵抗に成功できたのでダメージ半減で何とか生きています。


2ラウンド目、バグナード先攻

バグナード「よくも、オレの魔法をレジストしてくれたなぁ。かくなる上は白兵戦だぁ

儀式等の影響で今の彼は極端に衰弱しているので、魔法を使う余裕もあまりないらしくスタッフで殴る。

このスタッフが面白い事に「電撃」の魔力を持ち、命中したスパークは殴打&電撃の二重ダメージを受けます。


これに対して仲間達はスパークに援護を集中し、彼は主役らしくバグナードと戦い始めます。

グリーバスの"ヒーリング"が傷を癒し、アルドの"ファイア・ウェポン"がダメージを強化します。

リーフ「同じく、後ろから応援してあげるわ。スパーク君、不幸!ちがったファイト!」

スパーク「オレひとりで勝てる相手かよ〜。でも、悲しいけれど、ぼくは男の子と」

いくら高レベルでも相手は魔法使い。やはり武器による白兵戦ではスパークに分がありそうです。


3ラウンド目、PC先攻

ここで彼らは一気に攻勢に出ます。アルドが更に"シールド"をかけ、スパーク、グリーバス、ライナが集中攻撃。

グリーバス「ク・リ・テ・ィ・カ・ル〜!おー。
       マイリーの神は、我が行いをかくも認めたもう。ハ〜レルヤ、ハレルヤ、ハレルヤ」

しかしバグナードの方は攻撃が当たりそうにない。まだ油断できないけど、何やら勝てそうですよ。


バグナード「わたしの大いなる野望が貴様らのようなザコのために潰えようとはぁ。残念、無念、また明日ぁ

しかし彼はドサクサに紛れてこう言いました。「もう一つの目的は既に果たしている」と。


続いて彼はもうこれまでと、最期の足掻きを見せます。誰か一人に"エネルギー・ボルト"をかけるのです。

GM「えーと、ダイスでランダムに決めてっと。あ、ライナさんだ

ライナ「なんで?どうしてそうなるの?」

GM「ダイスの神秘ってヤツですね」

ライナ「この恨み、晴らさでおくべきかあ!」

GM「フォフォフォ〜、18発!」

ライナ「あ〜れ〜、死んでるわ

これは小説とも違う展開です。まさかのライナ死亡。むしろ「新」の方を思い出す状況です。


次のラウンドにはスパークの渾身の一撃がバグナードを倒しました。やはりかなり衰弱していたのでしょう。

スパーク「ライナ、ギャラック、見てくれ。おまえたちの仇も立派に討ってやったぞ

ライナ「はいはい、天国からおめでとう。これじゃ「コナン」のバレリアね」

ああ、そういえば女盗賊だし。


スパーク「バグナードの死体を焼いて灰にして食ってやろうか?これなら、ぜったいに生き返ってこん

GM(ゲッ……)

リーフ「お腹を壊すだけよ。それより、ニースが心配だわ」

GM(ホッ……)

どうやら小説同様にバグナードはアレになってるようですね。しかし最後の最後でリーフが優しい。


バグナードを倒した彼らはニースを保護し、水晶球を奪還!ついにこの時が来ました。

スパーク「フレイムの騎士スパーク、ここに任務を達成す!スパーク君、偉い!」

これで彼の任務はとうとう終わり、その頃には外の戦争も決着がついていました。


★これにて大団円、となる事

シャイニング・ヒル攻防戦は連合軍の勝利に終わり、スパークは見事にニースと水晶球を奪還しました。

リーフ「ところで、ニースちゃんは、だれが助け起こすの?」

グリーバス「おいしい役目はわたしが逃しません」←お前か(笑)

この腐れドワーフは、美味しいところを最後に持って行きました。


その時彼らのいる部屋にカシュー、パーン、ディード、スレイン、レイリアらが駆けつけます。

どうやら一番乗りは彼らだったようですね。でもこれでスパークは胸を張って主君に報告ができます。

カシュー「スパーク君、偉い!

こっちのカシューも軽いな。YOH!HEY!OH!って感じ(笑)


しかもスパークは使命を果たした上に、敵の要人バグナードも討ち取るという大戦功を上げている。

カシュー「この奥にバグナードがいると聞いたのだが」

スパーク「いましたけれど、我々がみごと倒しました」

カシュー「おー、それは真か、りっぱだ、強いぞ
      ならば、褒美は望みのまま。ついでに騎士隊長にも任命してやろう」

スパーク「ありがたき言葉にて、恐縮です」

不幸だ不幸だと言われ続けましたが、最後の最後で大出世を果たしましたね。……あれ、全然不幸じゃないぞ。


しかもスパークはこんなカッコイイ事も言ってます。

スパーク「されど、わたしにはまだやらねばならぬ仕事もあり、いましばらくの自由をください」

GM「それはいいけど、どんな仕事?」

スパーク「リーフの母親が、たしかマーモにいるだろ。それを探してやらないと

リーフ「スパーク君ってば、偉いのねぇ。わたしだって、忘れそうだったのに」

まだ戦が終わった訳でもありませんしね。まだマーモ攻めがあるし。


それにこの戦いには大勢の犠牲者が出ました。まずこっちに2人ほど犠牲者が出ているし。

連合軍の被害も大きく、まずオルソンが戦死。竜騎士も2名戦死し、軍勢の1/3が戦死してる。

ワイバーン部隊は倒したがアシュラムは健在。ダークエルフの部隊もまだまだ沢山残っています。

マーモを攻めるにしてもまだ準備がいるでしょうし、最終決戦はまだまだ先の事になるようですね。

ただしその肝心の最終決戦はこのキャンペーンではやりません。それが描かれるのは小説の方です。


とはいえこっちには死者を蘇らせる方法が2つあります。ドラゴンボ"魂の水晶球"とレイリアさんです。

まずレイリアさんの"レイズデッド"でライナが蘇りますが、ギャラックがまさかの判定失敗で蘇らず。

次に"魂の水晶球"で再チャレンジして今度こそギャラックも復活。取り合えず2人とも助かりましたね。

この分だとオルソンとかも蘇りそうですが、まさか一度蘇ったら駄目だったりして(それこそドラゴンボール)。


奪われたものを取り戻し、使命も果たし、仲間も勢揃い。なかなか大団円らしい結果になりましたね。

カシューはスパーク達に万感の思いを込めて握手をし、諸国の王達も謁見の間に集めて一応の終戦宣言をします。

そして彼は次の演説を行いました。これがなかなかEDらしいもので、ノーカットで引用したいと思います。


我々は長く苦しい戦いに勝利した。しかし、これはまだ真の勝利ではない。
そして、暗黒の島マーモが依然として存在していることも。
あの地では、黒騎士アシュラムやダークエルフやその他の魔物どもがまだ強い勢力を持っているのだ、
これを破らねば真の平和はやってはこないだろう。我々は近くそれをなさねばならない。

だが、親愛なる友人たちよ。いまは、我々自身がなしとげたことを誇ろうではないか。
今日の勝利に関わったすべての者に共有の誇りとして……。

しかし、ここでとくに讃えたい人物の名を何人か挙げさせてもらおう。
ひとりはロードスの危機をいち早く我々に知らせてくれた自由騎士パーンだ。
わたしは彼に「ロードスの騎士」の称号を贈りたいと思う。

そして、マーモにまで渡り貴重な情報を我々にもたらしてくれた騎士オルソン
彼はこの戦いで果ててしまったが、最後まで自らの意思を貫き、戦い続けたのだ。
ゆえに、彼には「真騎士」の称号を送りたい。

そして、最後にわたしの配下の騎士スパークだが、
彼は敵の指導者バグナードを倒し、破壊神カーディスの復活をみごとに阻止した。
わたしの配下ゆえにその労を讃える称号は贈らないが、
彼のなした功績も英雄と讃えられるにふさわしいといえよう。

こうした、小さな英雄たちの地道な冒険のもとに
今日の勝利がもたらされたことをけっして忘れてはならないのだ。

わたしは、フレイム王カシュー・アルナーグの名のもとに、
毎年のこの日に各国王が集まり円卓会議を設けることを提案したい。
かつて、英雄王と呼ばれたファーン王が行われたように。
そして、その記念すべき第1回は今日、この場で行おうではないか。


何と彼らは一兵卒に至るまでその名を讃えたというのだから、何とも荘厳な戦勝祝いですね。

このように円卓会議を設けるとか、全員を讃えるといったあたりは小説にも引き継がれてます。

あとオルソンの"真騎士"という称号は小説ではなかった事です。そもそも小説の彼は騎士というか戦士だし。


そしてリプレイの最後にはスレインの日記も載っています。曰く、

その日ばかりは王もなく、臣下もなかった。ただ、酒に酔い踊り狂う人たちがいただけだ。
かつてロードス島において、この日ほど、人が自由であり、平等であった日があろうか……

実に簡潔に的確に戦勝祝いの様子を表現していると思います。


しかし彼は同じ日付で別の事柄にも触れていました。

1つはバグナードの遺体が消失し、部屋には腐臭のみが残されていたという事。

1つは頬に刀傷のある灰色の人物が彼にこう言葉を残して忽然と消えたという事です。

「やってくれたな。また、わたしの戦いが始まるではないか……」

これが何を示唆し、彼らの最終決戦がどういう結果を迎えたのかは、小説に引き継がれる題材です。

またこのリプレイの後日談として「英雄騎士スパーク」という作品もあるので、まだまだ彼らの冒険は終わらない。







inserted by FC2 system