「亡者の村に潜む闇」著:清松みゆき/グループSNE 出版社:富士見書房
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前回の最大障害は5レベルのオーファン特務部隊の騎士だったので、基本の経験点はまたも2500点でした。
今回でアーチーがファイター5→6。一本伸ばしの強みで、2冊分の冒険だけでもう6レベル。
同じく一本伸ばしのフィリスとのレベル差が2ですが、ソーサラーとの経験点の差を考えればそんなもんです。
あとレジィナはバード3→4。グイズノーはバード1→2。フィリスはセージ0→1、前回虎を大きな猫とか言ったのを気にしてるらしい。
スイフリーはシャーマン5にできないのを歎いていましたね。実はセージを3にしていなければ、5レベルになってたんですよね(苦笑)
★GMは考えた〜村は壊滅
最近のバブリーズは、大金持ちになって魔晶石を沢山買ったもんだから、魔法だけで片がつく事が多いですね。
ゾンビもヴォーゲルもオーファン騎士もトップも、皆魔法で片付けましたからね。まともに戦士が戦ったのはアーリア以来じゃないですかね。
そこで今回の敵はまず寝ない。そして戦士がガチでやらないといけない相手になりました。必然とモンスターレベルもかつてないですよ。
スイフリーは20点魔晶石を5つも使ってますからね。それだけで2万ガメル、いくら大金持ちでもその内資金が底をつきますよ。
消費した分はまた買い直します。その時には、冒険者の店に預けてあるお金を引き出してからですね。ちなみに手数料は前払い。
パラサとかは盗賊ギルドの年会費を10年分前払いしてたりします。「お金ある〜、ぱーっと使う〜なくなる〜、困る〜」と歌って踊れます。
スイフリー曰く、目的を見失った冒険者です。グイズノーの言うように、少なくとも金銭面ではとっくに見失ってますよ。
でもアーチーの目的は力らしい。既に6レベルですし、もう一流ですよ。オランのような大国でも騎士隊長クラスの実力はある筈。
スイフリーは筋力を24にしようとか企んでましたが、エルフが筋力9→24にするのに必要な経験点は7万5000点!
それは駄目ですよ、どんだけかかるんだか。このルールでも最大障害レベルの合計が150ですからね。老竜討伐シナリオ×10本(笑)
今回の冒険ですが、珍しく冒険者の店で依頼を受ける形です。今までは巻き込まれ型の冒険ばかりでしたからね、もしかして初めて?
依頼人はユーワン・エルチャントという40ぐらいのオジサンで、彼はブラード近辺のとある村からやって来ました。
その村で最近連続神隠し事件が起こっているのです。既に村人5名が謎の失踪を遂げていて、何処に行ったのかさっぱり分かりません。
基本的には原因究明と解決です。行方不明者については、山賊などに捕まってる時は勿論生きたまま救出しないといけません。
しかしアンデッドになってる可能性があるそうなので、もし死んでたり交渉不可能だったりした場合はヤっちゃっていいらしい。
そのアンデッドの事はぼぅっと光る人間型のものとしか分かっていません。微妙に漠然としていて、幽体なのか実体なのかも微妙です。
報酬なんですが、あまり払えないそうです。小さい村ですからね。あとこれ以上金は渡したくないというGMの意向もあるんです。
しかし無報酬ではあまりに非常識なので、村で一生面倒を見るという、ある意味普通に金銭を払った方が安く済みそうな報酬です。
田舎の村というのは基本的に自給自足なんで、村全体で食料などを支給すれば、6人ぐらいは養えそうな気もしますが。
現在空き家は一軒ですが、なんなら村人総出であと5軒建ててもいいそうです。エルフも一生だそうですが、あと数百年生きるんですよね(苦笑)
アーチー「わたしは謎が好きだ。こんな興味深い事件、報酬に関わらずやってみたいが」
素晴らしい、なんて協力的な姿勢なんでしょう。PCの個性を考慮しつつ、GMに協力してシナリオに挑むPLは賞賛すべきです。
こうして依頼を受けたバブリーズは、ここから片道18日の行程でその村まで向かいます。村の名前はない、名もなき……狂気の村(え!?)
「雲の上の街道」だとオラン⇔カゾフが8日、カゾフ⇔ブラードが7日なんですよ。徒歩の旅は時間がかかりますね。
でも馬車とかは使いません。馬車も徒歩も速度はそう変わらないそうなんで、2大巨頭はそれで十分だと言います。
スイフリー「冒険者は身軽なほうがいい」←それは分かる気がする
アーチー「冒険者が馬車で移動するなんて、堕落だ」
パラサ「じゃ、ドラ●エでやってることは堕落だと?」
アーチー「堕落も堕落」
パラサ「馬車に乗って世界を救うなんて言語道断?」
アーチー「言語道断」(きっぱり)
私もあんまり身重なのはあまり好きじゃないんですが、ケース・バイ・ケースだと思うんですよね。そこまで言い切っちゃっていいものか(苦笑)
しかしユーワンさんが村を出たのが18日前で、帰ってくるのは今から18日後という事は、計一月も経ってるんですよね。
道々行方不明者の事を尋ねるのですが、実はこれにはあまり意味はない。ここから事件の真相を推理するのは不可能に近い。
しかし相手が話しているのに、構わず推理を始めるスイフリーはせっかちさんですね。まだ材料が出揃ってないんだから。
挙句には駆け落ち説とか持ち出して、ユーワンさん(ていうかGM)に同じ事を考えてた嫌な村人がいたとか言われちゃうし(苦笑)
ちなみに例の村の人口は67人だそうです。それぞれにアルファベットにちなんだ名前と苗字をあてがってるんですよ。
例えばユーワン・ウルチャントは名前がU1ですね。つまりU家の家長です。どうやら奥さんはU2で、以下家族がいると番号が割り振られると。
苗字のウルチャントというのも、頭文字はUですね。他にもアラビック家(A)とか、ベイリー家(B)とか、キャスケー家(C)とかあります。
この調子でA〜Uまであるんですよ。つまり全部で21世帯ですね。平均して3人家族ですが、中には20人近い大家族もいたりする。
これをGMの怠慢とかスイフリーは言ってますが、これで十分だと思いますよ。むしろ法則性がある方が覚えやすいし。
★聖戦士登場〜村は壊滅?
そうして街道を歩みカゾフを越えた辺りで、一行はアノスの聖戦士VSグリフォンという現場に遭遇します。ちなみに旧版だとグリフィン。
グリフォンといえば雌馬に同じグリフォンかヒポグリフの子供を産ませる事で有名ですね、多分そういう目的なんでしょう。
知名度は12だから、一般人だと36人に1人しか知らない。一応6レベルの魔獣で打撃点13/11だし、ガチでやると結構怪我をしそうです。
グイズノーが分かりましたが、セージを取ったフィリスは普通に失敗。出目9以上ですしね。これで「大きな鷲」と認識したのでした(笑)
1ラウンド目、それぞれ全力移動でダッシュ。パラサは75m走って残り25m、次のラウンドには通常移動で接敵可能(凄!)。
スイフリーは60mで残り40m。グイズノーは57mで残り43m。フィリスは42mで残り58mとなりました。
そのフィリスと同じタイミングでグリフォンと聖戦士も殴りあいます。これはグリフォンの攻撃が命中し、チェインメイルの上から生命力半減。
次にアーチーが39m前進して残り61m。レジィナは36mで残り64m。肝心の戦士の参入は3ラウンド後のようですね。
2ラウンド目、パラサが通常移動でグリフォンに攻撃しますが、回らないので防御点でカチン。グラランは回してナンボだし。
スイフリーは遠すぎてどうにもならない。"ウィンド・ボイス"で「やめたまえ、きみ」とかウケは取らず、通常移動で残り20m。
グイズノーは静止で3m移動し、残り40m。ここから"キュアー・ウーンズ"到達距離4倍がけで聖戦士を全快させます。
フィリスは"ファイア・ボール"を撃ち込むとかヤバイ事言ってますが、競馬ファンなので馬の命を尊重し、42m移動し残り16m。
次のグリフォンの攻撃は聖戦士が全てかわす。聖戦士は自分にキュアーをしようと思ってたけどキャンセル。グイズノー無駄撃ち。
アーチーはまた39m前進して残り22m。レジィナも同じく36m前進して残り28m。攻撃できるのは2ラウンド後らしい。
3ラウンド目、スイフリーの達成値4倍がけ"スリープ"が決まって、グリフォンはお休み。呆気なく戦闘終了です。
スイフリーの魔力は7で+3して10ですね。対するグリフォンの精神抵抗は12(5)なので、抵抗できる確率は僅かに7%ほどです。
手助けしてくれたバブリーズへ、聖戦士はファリス信者らしくお礼を言います。
スイフリー「4000!魔晶石20、必要経費」
聖戦士「手助けしてくれたのはありがたかったが、いきなり、そんな……」
本当にいきなり何言ってんだこのエルフ(苦笑)
話を聞いてみると、彼はタイデグリーというアノスの聖戦士でした。お礼にアノスへの紹介状も書いてくれましたよ。
どうやら彼は5年間の間オランの信者数の統計調査を行っていたようです。ついでに各神殿の調査も、でしょうね。
そんな役目を任されるだけに大分信頼のある人なんでしょうね。なにしろファイター/プリースト(ファリス)5らしいし。
こんなに強い人ならいてくれると助かりますね。だから思い切って今回の件を話してみると、調べてみてヤバそうなら同行してくれるそうです。
彼は一足先にブラードのファリス神殿へ馬で向かうので、それを追うような形で一行は先を急ぐ事にしました。
そうしてタイデグリー氏から遅れる事2〜3日、バブリーズはブラードに到着します。勿論ファリス神殿も訪ねてみますよ。
ところが驚いた事に、神殿に届いていた情報によると、既に村は壊滅状態。村人1名が命からがら逃げてきたそうです。
その人はユーワンさんも当然知っている人で、アイワン・イメルクというそうです。なるほど、確かに村の人ですね。I家の家長でしょうか。
ちょっと取り乱しているのですが、奥さんが気になるユーワンさんの取り乱し方も尋常じゃありませんでした。愛妻家らしい。
口ぶりからすると、アイワン氏は自分勝手でちょっと浮いてる人なんでしょうね。だからこそ1人で逃げてこれたんですが。
そして"サニティ"をユーワンさんにかけつつ聞いてみると、今回のモンスターの《怪物判定》ができそうでした。
グイズノーが失敗してしまいますが、パラサとフィリスは分かります。そいつは4レベルのアンデッドのワイトでした。
グイズノー「それは『モケケピロピロ』のしわざですね」
実はこのモケケピロピロですが、第7部のペラペラーズでも出てくるんですよね。何やらUMAっぽい魚類?として。
一見して黄色く光る人間ですが、実はその黄色い光が本体。人の命をすすり、犠牲者をワイトにするというアンデッドです。
具体的には攻撃が命中すると精神に5点ダメージ(固定)。これにより精神力が0になると死亡、24時間後にワイト化します。
このダメージは冒険者レベルで減らせるので、冒険者レベルが4のスイフリーとフィリス以外はワイト化する心配はない。
完全版と旧版の違いを挙げると、打撃点が旧版8に対し、完全版9ですね。あと精神抵抗が旧版14(7)で完全版12(5)です。
しかし最大の変更点は、精神ダメージが打撃力10+4点になった事です。しかもクリティカルも起こりうるのです。
つまり冒険者レベルが5では無傷では済まない可能性が高い。期待値にして8点ですね。それ以上でもクリティかると100%安全ではない。
ワイトではありませんが、「挑め!捨て身の大決戦」ではそのクリティカルで肉体は無傷なのに精神力が0になったケースもあるんですよ。
もし今回完全版ルールでやっていたら、もしかしたら全滅してたかもしれない。抜ける可能性がある上に、魔晶石ではトランスファーできないし。
実はこいつよりも遥かに格上の、8レベルのアンデッドのアンデッド・ナイトも同様の能力を持ちます。精神力が0になるとワイト化です。
ただしその能力はワイトとは段違いです。打撃力は同じく10ですが、追加ダメージが8もあるんですよ。旧版では一律10点ですが。
そして困った事に《視線》によって同様の効果も出せるんですよ。抵抗の目標値は15でダメージは精神ダメージと一緒。
ワイトが分かった事で、こっちも知ってる可能性があります。そこで判定したのですが、困った事に全員失敗。思い当たりませんでした。
グイズノーが"インスピレーション"で分かった事にしようとしますが、大本のワイトを知らないという事で却下。
とにかくこのまま放置すると、ネズミ算式にワイトが増える事は請け合いです。近隣の村にまでワイトが行ったら大事です。
このパーティーって"レクイエム"を歌える人がいないんですよね。レジィナは4レベルもあるけど覚えてません。
"レクイエム"は対アンデッドに効果抜群の呪歌です。"ターン・アンデッド"と似たようなもんですね。人間には効かないから構わず歌えるし。
グイズノー「わたくしは、プリーストの誇りにかけて"鎮魂歌"なぞ取りませんよ」←笑った
ちなみにワイトは、スチャラカでも出てきましたが、《通常武器無効》なので銀か魔法の武器があると助かります。
アーチーにはアーチブレイドがあるからそれはいいとします。この神殿にも魔剣が1本あったんですが、タイデグリー氏に渡したらしいし。
レジィナにはパラサがしゃかりきに"エンチャント・ウェポン"をかければいい。打撃力31!になるし(笑)
スイフリーとフィリスは自腹で3レベルの戦士を雇って護衛にします。どうやら報酬は600(レベル×200?)らしい。
★聖戦士ワイト弱し!
バブリーズは急いで例の村に向かいます。ところが村の入り口でタイデグリー氏の愛馬トゥルーグローリー号が倒れてます。
続いて回りから5体ほどワイトが出てくるんですが、その中にタイデグリー氏もいるんですよね。早速やられてるし、ホラーのお約束ですね。
当然神聖魔法は使えませんが、ファイター技能は使えるので、普通のワイトよりは強いんですよね。しかも魔剣(14)も持ってるし。
1ラウンド目、パラサが"ティンダー"のコモン・ルーンで松明に火をつける。ワイトとの距離は50mなので、全員動かずに待機。
ワイトの移動速度は14なので、通常移動で14m接近。バブリーズまであと36m、3ラウンド後には接敵ですね。
2ラウンド目、ワイトは更に14m接近し、あと22m。ここでスイフリーが"ストーン・ブラスト"をタイデグリー・ワイトへ使います。
これは拡大はしなった(と思う)んですが、出目は11で達成値18でした。これには流石に抵抗できず、14点ダメージが行きます。
あとパラサがコモン・ルーンでレジィナとグイズノーと護衛の戦士にエンチャント。接敵しても全員ブロックできる人数は揃いました。
3ラウンド目、ワイトは更に14m前進し、残り8m。予定通り次のラウンドには通常移動で接敵し、攻撃可能ですね。
4ラウンド目、ワイトが動く前にこちらが動きます。まずフィリスが"ファイア・ボール"。実は1・2部ではPCは使ってない魔法(の筈)。
ところが出目4で達成値10、全員に抵抗されます。ここでフィリスが「にゅう」とグラスランナー語(そんなものはもうない)を使います。
これではトドメをさせなかったので、行動を遅らせてスイフリーが"ファイア・ボルト"対象5倍がけです。10点消費ですね。
これがなんと6ゾロ、モンスターは抵抗できませんね。これで大打撃です、特に最初にブラストを食らったタイデグリー・ワイトは壊れる。
最後にグイズノーが"ホーリー・ライト"です。アンデッド相手なら打撃力20でしかも目潰し効果。これでワイトは全滅です。
これで5体は潰しましたが、村人の数は67人で、タイデグリー氏を加えて68人なんですよね。下手したらもっといる(ていうかいる)。
そこでタイデグリー氏が持っていた魔力+1のブロードソード(14)は借りる事にします。この緊急事態なら許してくれますよ。
これは護衛の戦士君に持たせます。彼らの能力値はオール13だそうですが、普通の冒険者の平均は14なので微妙に低いですね。
これを装備させると攻撃力は−1ですが、魔力の分で相殺。追加ダメージとクリティカル値が+1の分普通の剣よりいい。
あとここでは打撃力が1優れてると書いてあるんですが、これって高品質+1って事でしょうかね?
忘れちゃいけないのがあの報告書です。ここに放置していても仕方ないので持っていきます。
スイフリー「はとこの子よ、お前には見えないんだな?」
パラサ「何が見えるって?はとこ?」
スイフリー「あの鳥がだ」
パラサ「鳥?」
スイフリー「きらきらと輝く金ヅルという美しい鳥が」←それは鶴じゃなくて蔓(笑)
★ゴースト・タウンを前にして〜GMの誤算。おい、引き返すなよ!
こうしてバブリーズは村人67名+1の現状を確認しつつ、この亡者の村の探索を進める事になりました。鬱になりそうなシチュエーションです。
マップにはちゃんと各世帯の位置が書かれています。家は大文字のアルファベットで、畑は小文字のアルファベットで書かれています。
村の中は既に生存者の方が少ない状態です。ぶっちゃけ生者より死者の方が多いのです。大量のワイトをバイオハザードのように蹴散らします。
今までの人生裏街道シナリオは何処へやら、気づいてみればすっかりホラーRPGです。これを映像化したら大分ヤバイと思う。
結果ワイト34体、生存者4名、死者3名を確認できました。タイデグリー氏を含めて68人の内、確認できたのは41名、27人は不明。
遭遇したワイトは全て倒しました。ワイトの本体は黄色い光の方なので、倒せば後には遺体が残るんですけど、武器で倒せば破損しそう。
かつては平和に暮らしていた村人の遺体と戦うのは本当に辛い事ですよね。想像力を働かせると、正真正銘の地獄絵図ですよ。
GM「これが『つらくない、アンデッドは皆殺しじゃあ、へへへ』というようなプレイヤーはちと困る」
スイフリー「想像力がなければ可能だが」
パラサ「無理っしょ?」
スイフリー「そう。リプレイで読者の目が光ってると想像してしまうと……」←なんて奴だ!(苦笑)
パラサ「はとこー!(スパーン)」
それでも倒すしかないのです。一度ワイト化してしまうと、もう普通の手段では元には戻らない。それが唯一の解決法でした。
全く不可能ではないのですが、アンデッド化をしている上に死亡している状態ですから、2重に高位の神聖魔法をかける必要があります。
まずはアンデッドの魂を救済する10レベルの"セーブ・ソウル"。続けて9レベルの死者蘇生の奇跡"リザレクション"ですね。
しかしそんな事できる人はいません。死者を冒涜するワイトを倒す!、とでも思って逃げずに頑張るしかありませんね。
出だしはいつものように暢気なものでした。フィリスの上にパラサが乗り、パラサの上にデイルが乗るというトーテムポール作戦で川を渡ったり。
牛の鳴き声にいつもの素敵な擬音、「もけけけけけけけけ〜」by.グイズノー、「おきゅきゅきゅきゅ〜」by.パラサをあてがったり。
そういえば「もけけ」といえば、クリスタニアリプレイの密林地帯でも出てきた擬音ですね。同じSNEだしそういう事もあるかな。
ところが最初に入った家でいきなりワイト×7と遭遇した辺りから、だんだんストーリーがブラックになっていきます。
ワイトの知能は人間並みなので、相手が近づいてくれば不意打ちをする程度の事はしてきますが、幸いにも回避できました。
その7体の中には、明らかに子供っぽいワイトもいます。なんでこんな事になっちゃったんだろう、と神様に恨み言でも言いたい気分です。
ワイトは倒しましたが、栄養失調気味の牛は牧草地に連れて行ってあげました。牛は助けられて人間は助けられないby.グイズノーとは切ない。
ここから村中を回って色々な物を発見していくのですが、気になった部分をザッと見ていきましょう。
まず目を引くのが血で書かれたファラリスの聖印と、壊されたマーファの聖印です。この時点でファラリス絡みだと分かりますね。
この血はやっぱり人間のものなのか、それとも首を切断されていた牛のものなのか。複数箇所にあるので、いずれか一方と断言できません。
マーファの聖印ですが、この村にはマーファ神殿があって、司祭の一家が住んでいるんです。農民は基本的にマーファ信仰だから不思議ではない。
以前から行方不明になっていたお婆さんの家では、運のいい事にワイトとアンデッド・ナイトが出てくる勇者物語の本を発見します。
このお婆さんは子供が好きで、よく本を読んであげていたそうです。でもまさかそれが実際に我が身に降りかかるとは思わなかったでしょうね。
発見する為の判定は冒険者+知力で15でした。微妙に高い気もしますが、今のこのパーティーのレベルなら誰かしら成功しそうです。
しかしアンデッド・ナイトの《怪物判定》には失敗しているので、キャラに取ってみたら他愛のないお伽話by.アーチーなんですよね。
ところが他の場所では、そのアンデッド・ナイトによるものと思われる首無し死体を発見できます。牛だったり人だったりと。
牛の方は傷口が滑らかです。アンデッド・ナイトは赤錆の浮いたグレソーを装備してるのですが、多分それぐらいの剣腕はある。
なにしろ8レベルですからね。現在ではまだ存在を確認できてませんが、これはいる、とPLの誰もが思ったことでしょう。
首無し死体の数は3体、村で発見された死者は全て首無し死体だったんですよ。あとは殆どがワイトです。
幸いにも生存者が2名いたんですよね。男の子と女の子が1人ずつ。童話の子山羊の如く隠れていたお陰で助かったらしい。
無事だったのはめでたいんですが、村がこの有様ではあまりにも哀れです。両親も生きてるかどうか分からないし、これからどうするんだか。
スイフリーがまた「泣きやむんだ」と冷静に言ってました。学習能力はどうした(笑)。あとグイズノーの福々しい目はこういう時役立つ。
子供達は護衛の戦士達(シタッパーズ)に任せて牧草地に待機させます。何かあったら速攻で逃げろと言っておきました。適切だと思います。
道々噂の空き家に行ってみたんですが、やっぱり田舎の家といった風情でしたね。ここで一生というのもあんまり嬉しくない。
レジィナ「自分の名前彫ってようかな。『わ・た・し・の・家・レ・ジ・ィ・ナ』」←所有格で書いた上に署名って(苦笑)
スイフリー「わたしにも権利はあるんだぞ」
グイズノー「空家はほかにもたくさんできてるみたいですけど?」
アーチー「『売約済』と札でも張っておこうか?」
などとバカやってますが、こうでもしないと落ち着かないらしい。まぁ子供は連れてこなくて良かったと(苦笑)
マーファ神殿にも行ってみますが、こちらは火事で焼け落ちた様子。多分まだ見ぬ黒幕にとっては目障りだったんでしょうね。
極め付けに酷かったのはSの家でした。この家にもワイトが1体いたのですが、それは3歳ぐらいの女の子でした。
パラサ「あうー!こんなのはいやだー!」
アーチー(毅然と)「切ります。ほかに我々は方法を知らない」
このアーチーがカッコ良かった。この毅然と決断する様子がアーチーらしいなと。ちなみにパラサの銀のダガーがクリティカって瞬殺(泣き笑い)
あとウルチャントさんの奥さんもワイトになってましたね。言い難い事が雪ダルマ式に増えていってます。
そして重要なのがD家、ここには最近流れてきた人D1が住んでいました。村の女性と結婚したそうですが、その女性は首無し死体で発見。
ここには他の家にはない物がありました。それは盗賊の七つ道具と怪しげな地図、どうやら盗賊のようですね。
あとは例の1人逃げてきたアイワンの家ですが、猜疑心が強いのか畑を策で囲ってるんですよね。小さな村で浮いてたんでしょうね。
しかもI家にはワイトが3体、どうやらアイワンの奥さんと使用人母子らしい。家族を置いて逃げてきたんですね。
その使用人の息子とJ家の女性は恋仲で、お花畑が咲いてそうな日記がありました。個人的にはそういうものを処分しない内は死ねない(笑)
パラサ「彼が怪物になっちゃった。でも、振り向いてくれたからいいの」
そこまでネタにできる書けるポエミーな少女はそうそういません(苦笑)
スイフリー「ホラーなら真相が書いてあるはず」←お約束
アーチー「『おお、怪物が近づいてきた。恐ろしい。やつが、扉を破って……』書いている間に逃げろよってやつ(笑)」←分かる分かる
スイフリー「そうそう(笑)」
日記の記述からすると、破局が訪れたのは1週間前。それじゃあ間に合いませんから、ワイト化した人達はバブリーズのせいじゃないですよ。
そして最後にその地図ですが、どうも村の近くの小さな城砦の位置を示しているらしい。これは黒幕がバブリーズを誘っているのです。
ところがワイトを30体以上潰すという鬱シナリオのせいか、全員の思考能力が麻痺しているようです。
スイフリー「う〜ん、今行く必要があるのかなぁ。(中略)いったん、ブラードまで引き返したほうがよさそうだ」
ということで引き返しちゃいます。これだと往復1週間はかかるから、最悪被害拡大の可能性もあるんですけどね。
残る27人の村人の去就も不明だし、まだワイトがいないとも限らないし、ここで引き返すと敵に時間を与えちゃうんですよね。
リアルタイムで3時間以上ワイトを潰しまくっていれば、そりゃあ正常な思考能力も失われますよね。単調で極悪なだけに気が滅入るだけだし。
こうしてブラードまで引き返したバブリーズはファリス神殿に事態を報告します。当然この大事件に騒然となりました。
しかし彼らでは自力でこの事件を解決するだけの能力がない。下手するとワイトが増えるだけ。となるとバブリーズを頼るしかないんですよね。
アーチー「では、町の権力者にかけあって、我々を雇うことにするんですな」
いくら金持ちでも、一切収入がなく一方的に資産が減るだけというのは、やはり気分が悪いですからね。当然だと思いますよ。
こうしてバブリーズはブラードの領主から報酬を貰う契約をしました。もっとも引き返した判断には、次回のお話でペナルティーが課せられますが。
★ファラリス神殿に殴りこみ〜さあ、戦闘だ
およそ1週間の時間を空けて、バブリーズは地図で指定された城砦に殴り込みます。いい加減頭にきてるんで、モチベーションはバッチリ。
城砦は割りと新しく、濠はなく、正門も開いている。これだと「おいでおいで」と無数のワイトに手招きされてるようで気味が悪い。
罠を警戒して、いつかのヴォーゲルの時のように、ストーン・サーバントを先行させウィスプと"ライト"もかけます。結局罠はないけど。
城砦の中は50m四方の大きな部屋。全体的にファラリス風にコーディネイト。奥にはファラリスの神官戦士とアンデッド・ナイト。
両脇にはワイトが10体、跪く村人が12名、喉を裂かれた死体が4体。これで26人、あと1人足りない。
どうやらワイトの脅威で強引にファラリスに改宗させたようですね。恐らくは4体の死体はマーファの司祭の一家でしょう。
つまりタイデグリー含む68人の内訳は、ワイト44体、生存者16名、死者7名ですね。ていうか信者10人増やすのにワイト44体って(苦笑)
どう考えても効率が悪いんですが、「ふぉーふぉっふぉっふぉ。0より1は必ず多い」だそうです。どちらかというと名もなき狂気の神っぽい。
今回の相手をビビらせるスイフリーの弁論攻撃がありました。今回はアーチーを車輪騎士団の御曹司と見立てます。
総勢1000の軍隊って、それはもう弁論というか、ただのホラですよ。ていうか車輪騎士団ってどれぐらいいるんでしょうね?
ロードス諸国ですら1000とか2000はいるらしいから、千単位はいると思いますけどね。でも集めるのが面倒くさそう。
闇司祭「むむ、ならばお前たちの口を封じて地に潜るか?」
スイフリー「できるかな?」
闇司祭「やってみせよう。わたしとわたしの忠実なる道具であるところのアンデッド・ナイトとワイトで相手してあげよう」
スイフリー「口封じとは片腹痛い。わたしはシルフを支配しているのだ(笑)」
GM「ああ〜、神官の口が先に封じられる〜(泣き笑)」
ヴォーゲル戦の悪夢再びですね。実はこの闇司祭はファイター/ダークプリースト(ファラリス)5で、タイデグリーとタメです。
魔法を封じられてもそれなりに戦える点はヴォーゲルと違うんですが、やっぱり決めゼリフが喋れないのは問題らしい(苦笑)
結局スイフリーの口車は大して役に立ちませんでしたね。それでも最後まで意地を張り通すのは立派です(そうか?)
一応村人にも逃げるように言うのですが、「逃げたらワイトになるぞ〜」と言われると彼らは動けないんですよね。正確な知識がないから。
1ラウンド目、パラサは恒例のカンタマ6倍がけ。スイフリーは闇司祭に"サイレンス"、15でかけて口封じ成功(笑)
フィリスはレジィナに"ファイア・ウェポン"。これでレジィナの高品質のグレソーは打撃力36になりました。まぁ未来には44とか出るけど。
同じ14でワイトと闇司祭とアンデッド・ナイトが動きますが、闇司祭は魔法をキャンセル。アンデッド・ナイトはアーチーに《視線》。
抵抗の目標値は15ですが、アーチーはカンタマ効果で精神抵抗10なので普通に抵抗。食らったら10点だから、4点も削られたんですよ。
ワイト軍団とアーチー&レジィナの攻防は、アーチーが当たって13点出しただけ。防御点6で生命点14だから、これだけで生命点半減。
最後にグイズノーが「先生、どうぞ」by.レジィナ、「どうれ」by.グイズノー、と時代劇の用心棒っぽく"ホーリー・ライト"。
グイズノーは自分の精神力1点と魔晶石(11)を使って、達成値2倍&体積2倍拡大をします。計4倍ですが、通常だと3点ですから。
体積2倍という事は、2の3乗根だけ効果範囲が広がりますね。具体的には半径10mの1.3倍で半径13m、これでワイトは全部効果範囲。
グイズノーの魔力は7で+1して8。対するワイトは14(7)なので66%ぐらい。破ったとして7振って12点だから、8点は削れる。
2ラウンド目、前のラウンドで2体が倒れ、このラウンドでワイトは全滅。残る敵は闇司祭とアンデッド・ナイトです。
3ラウンド目、パラサは闇司祭に《ディザーム》をかけますが効きません。《ディザーム》といえば、完全版でいう《武器狙い》ですね。
《ディザーム》の方は攻撃力などに修正はなく、かといってダメージの大きさも問題ではなく、当たれば落せるというものでした。
しかし《武器狙い》は攻撃力に−2の修正が入り、当たっても相手はレベル+筋力で10の判定に失敗しない限り落としません。
一応「ダメージ−相手のレベル」を修正として課せますが、2度レベルを使える点から分かるように、レベルが上がるにつれ失敗し易い。
これもまた、パラサなどの凶悪な武器落しのお陰で改定されたルールなのです。こういう点でも彼らは世界を変えたんですね(苦笑)
スイフリーは亡霊騎士に睨まれないようにインビジで隠れる。フィリスは魔晶石がカツカツのグイズノーへ手持ちをパス。
アンデッド・ナイトはパラサへ《視線》を飛ばしますが、カンタマ込みで精神抵抗11なので軽く成功します。
しかし通常攻撃は出目5以上で避けられるんですが、まともに食らいます。これにより肉体に14点、精神に10点のダメージが行きます。
肉体的ダメージの方は8点減少で6点、結構痛い。精神の方ですが、5点削られて21点に減っちゃいます(何なんだその精神力―笑)
続いて闇司祭がパラサを13で殴ろうとしますが、回避力10(スモール・シールド装備)なので1ゾロ以外は大丈夫。
アーチーとレジィナはアンデッド・ナイトをしとめようと頑張りますが、相手の回避点は16もあるのでなかなか当たりません。
アーチーの攻撃力は9あるんですが、それでも7以上(一応期待値)。レジィナは7だから9以上、流石に厳しいですね。
最後にグイズノーが太陽拳("ホーリー・ライト")を使いますが、達成値17でも破れない。精神抵抗18(11)ですからね。
でもダメージが13点なら5点抜けてるんですよね。生命点は21だから、それだけで1/4ぐらい削ってるんですよ。
4ラウンド目、パラサがまた《ディザーム》するも効かない。スイフリーは闇司祭にウィスプを当ててチクリと2点ダメージ。
アーチー&レジィナはアンデッド・ナイトと接敵して殴りあいますが、両者ハズレ。アンデッド・ナイトの2重の精神攻撃が気がかりですね。
5ラウンド目ですが、パラサはまだまだ《ディザーム》しますが当たらない。スイフリーはウィスプ2号をあててチクチクっと。
そして闇司祭の通常攻撃が15でパラサに当たります。回避力10のグラランのくせに、なんか当たってばかりのような。
ところが闇司祭の抵抗はそこまでで、6ラウンド目にはついにパラサの《ディザーム》が決まって武器が落ちます!
7ラウンド目には太陽拳が効いていたアンデッド・ナイトが陥落。8ラウンド目には闇司祭もウィスプとエネボルで倒れます。
敗れた闇司祭は最後に言い残したい事があるのですが、"サイレンス"が効いてて喋れない。だからパントマイムを習っておけと(笑)
仕方ないので血文字を残します。「わたしを倒しただけですんだと思うな。すでに悪の種は蒔かれているのだ」と。
わざわざ赤ペンで書いた事に悪ノリが過ぎたと清松先生は反省してますが、気にするような事かなと思います。
この悪の種ですが、これは例の流れ者の盗賊D1です。実は彼は指名手配中の盗賊だったそうです。
真っ先にファラリスに改宗し、闇司祭から怪しげな壷を渡されて、何処かに行ってしまったらしい。なんて怪しいんでしょうね。
こうして後味の悪い事件を解決してブラードへ帰ったバブリーズですが、事件はまだ終わってませんでした。
近隣の村でまたも謎の神隠し事件が起きているのです。今回は第1部から数えても初めてのミッション失敗となりました。
とは言っても、完全に失敗でもないんですけどね。完全に成功でもないという、実に微妙なリザルトでした。
★
前回の最大障害は8レベルのアンデッド・ナイトですが、完全失敗でも成功でもないので、基本経験点は半分の2000です(それでも2000)。
これでスイフリーがシャーマン4→5になりました。ついに最強の対個人用攻撃魔法"バルキリー・ジャベリン"が使えるようになりました。
あとパラサがシーフ5→6、アーチーと並びます。これで回避力11の精神抵抗10、ディフェンス面に関しては恐ろしい。
グイズノーは3000点払って知力17→18にして、知力+3になりました。当然魔力7→8へ上昇しました。
今回は出だしからお笑い番組に見立てた「遠い親戚漫才」の導入で飛ばします。その名も「酢井振と巴良佐」、笑点のようなセットです。
ていうか左上の時間が4:57なんですが、これは夕方なのか朝なのか。朝だとしたら、「ガキのつかい」の罰ゲームの可能性大(笑)
背景は襖で、その上には「笑点」あらぬ「成金」の文字が。そして舞台に散乱する金槌とか大根とかは小道具なんだろうか。
売れないお笑い芸人のような白いタキシード姿のスイフリーがいいですね。あと大阪のおばちゃんのようなワンピ?のパラサ(スネ毛)。
余談ですが、漫才では客席から向かって右側は上座でありツッコミが位置し、左側は下座でありボケが位置する事になってます。
という事は、この立ち位置だとパラサがツッコミでスイフリーがボケですね。ダークなボケと瞬発力のあるツッコミは面白そうですが。
手前には他のメンバーの後頭部がありますが、右からグイズノー・レジィナ・フィリス?・アーチー?でしょうね。では一番左の人は?
★無謀と慢心の精霊
前回のお話では、判断ミスから敵に時間を与え、別の村に被害が飛び火してしまいました。今回はそのツケを払うお話。
実はもう魔晶石はほとんど残ってないし、ブラードにも売ってません。この連中が買い占めたから。いい加減成金御大尽アタックは使えませんね。
しかしスイフリーは全然気にしてません。あの"バルキリー・ジャベリン"を使えるようになった事で、すっかり舞い上がってます。
スイフリー「ふふ、そろそろ成金魔晶石無駄遣い冒険者はやめだ。実力で勝負しよう」←自分で無駄遣いって言っちゃ(苦笑)
アーチー「お?どうした?スイフリーらしくもない大胆な発言」
スイフリー「きらきらと輝く女性が、わたしを背後から後押ししてくれているからね」
グイズノー「"光の槍"が使えるようになったんですね」
スイフリー「ジャベリン♪ジャベリン♪もう怖いものはな〜い」
パラサ「それって無謀の精霊?」←大爆笑
そう、これで後の世にバルキリーが無謀の精霊と呼ばれるようになったのです。本当は勇気の精霊なんですけどね。
あとアーチーが慢心していることで、無謀と慢心の精霊という、実にありあがたくない呼称が定着しましたトサ(笑)
出陣に当たって、前回から引き続き、タイデグリーの魔剣は借りておきます。他に頼れる人もいないので、ファリス神殿も異論はありません。
この魔剣はどうやらレジィナが使うらしいんですが、すると片腕が空くので、タイデグリー・シールドも借ります。
魔力はない普通のラージ・シールドなんですけど、レジィナは無駄遣いはしない主義なんですよ。貧乏性とも言いますが(苦笑)
ラージ・シールドなんてたったの300ガメルですよ。魔力+1あるものでも6000、所持金がまだほとんど減っていないレジィナなら買える。
あとシタッパーズも引き続き雇います。実はファイター4になってて、今度は800ガメル。これってやっぱりレベル×200ですよね。
完全版では、レベル×レベル×50〜200なんで、3レベルで450〜1800、4レベルで800〜3200になります。
さて今回の事件ですが、事の起こりは1週間前です。つまりバブリーズが子供2人を連れて一度ブラードに引き返してきた頃です。
その村は前回の村とこのブラードとは正三角形を描くように位置にある村で、やはり片道はいずれとも3日の距離です。
つまりバブリーズがブラードに戻ってきた頃に例のD1もその村に到着し、何かをやったんですね。そして神隠しが3人ほど起こります。
それを探ろうとしたのが、その村に住んでいた元冒険者の用心棒とラーダ神官でした。しかし彼らも消えてしまいます。
用心棒の方は、昔村を救った報酬代わりに村で生活してたそうです。何処かで聞いた事のある話ですが、この辺ではそういうのが多いのかな?
ラーダ神官の方は、寺小屋のようなものを開いて勉強を教えていたらしい。多分啓蒙運動か何かなんでしょうね。
きっとその村では戦いの心得がある人はその2人ぐらいで、自分たちで何とかしようと思い立ったものの、やられちゃったんでしょうね。
その2人が姿を消したのが3日前。丁度前回バブリーズが闇司祭やアンデッド・ナイトと戦ってた頃ですよ。
そんな事があって「これはヤバイ」と思った村人がブラードへ知らせに来たのです。つまりこの話が届いたのは、ほんのさっきなんですよ。
まず間違いなく前回の件と関係しているので、バブリーズに引き続き解決してもらおうというのです。どうやら自力では解決できないらしい。
アーチー「自治体の失敗の尻ぬぐいを一冒険者に押しつけているような、腐った構造を感じるぞ」
それは否定できないけど、自治体の能力にも限界がありますからね。ブラードの領主や辺境警備隊にはそこまでの軍事力はないんですね。
報酬は1人5000だそうですが、レベルから考えると相場ぐらいですね。魔晶石(20)1個買って1000お釣りがくるような感じですが。
ていうかお金の計算が魔晶石単位になってる。カストゥール王国では魔晶石は通貨でしたけど、何なんだろうこの人達(苦笑)
★「ここはふぁみこん村だよ」え!?〜デーモン・アタック
ということで、何だかんだ言いながら例の村までやって来ました。今回は前回のようなバイオハザードな光景は広がってません。
道端には人がいるし、かまどの煙も上がってるので、前回とは比較にならないほど平和そうです。しかし奇怪な事態は間違いなく起こっています。
村人に普通に話しかけてもいいものかと悩む一行でしたが、「よし、じゃかじゃかみんなで行こう」とスイフリーが言い出します。
「大丈夫、大丈夫、わたしが保証する」って人格変わり過ぎだ。スイフリーがこうなると途端に不安になるのは何故だろう(苦笑)
結局スイフリーの言うように接近します。"センス・オーラ"をしても特に異常はないのですが、怖いぐらいノーリアクションです。
武装した一団が近づいているのに警戒する素振りもしない。まるで人形のように、無表情に佇んでいるだけです。
神隠しの事を聞いてみると、棒読みで、まるで話をさせられてるかのように答えます。これはアレか、昔のファミコンRPGか(笑)
村人「この村のマーファ神殿のところで、女性が襲われています。誰か強い人が助けにいかないとたいへんだ(棒読み)」
本当に昔のゲームみたいな白々しさです。ていうかそういう風に言われた方がかえって恐ろしいもんですね。
ここの挿絵だとバブリーズと村人がそれぞれ向かい合ってるんですが、手前の胡散臭げなスイフリーと、子供と背が変わらないパラサがいい。
大慌てで言われた場所に急行してみると、そこにはグルネルと魔神獣×6が女性を襲っていました。女性は必死の形相なので助けます。
5レベル下位魔神グルネル。青銅色の肌をした人型の魔神で、武器と尻尾の他に5レベル古代語魔法と3レベル暗黒魔法も使ってきます。
そして魔神獣ですが、これは文字通り魔界の獣であり、物質界の獣を合成したかのような姿をしています。レベルや能力も個体差が大きい。
この魔神獣ですが、旧版ではその知名度が18とやたら高いんですよ。完全版では15に下がりましたが、大分マイナーな存在なんですね。
当然この場にいる魔神獣も全てが異なる姿をしています。6体の内4体は地上型の魔神獣で、2体は飛行型の魔神獣のようです。
地上型の方は、額にサイのような一本角が生えた牛の姿をしているウシサイ。巨大なアメーハ(ていうかスライム)なブルーウェーブ。
頭がアリクイで体は虎のようなアリクイドラ。牙から毒液らしきものが滴っている毒ライオンです。なんか「終末のもの」みたいですね。
飛行型の方は、オウムのように嘴がデカイ鷹の姿の大クチバシタカ。顔が猫っぽい燕の猫顔ツバメです。これらは翼長3mもある。
敏捷度は飛行型が18で、グルネルが14で、地上型が10となっています。知力はスイフリーが一番高いので行動宣言は向こうが先。
接敵関係ですが、これは2ラウンド目になると以下のような感じ。こちらは8人であちらは7匹となっています。
アーチー&フィリスVSウシサイ←1ラウンド目はアーチーはノーマークだったけど、フィリスのサポートに入った。
レジィナVS大クチバシタカ
スイフリーVS毒ライオン
パラサVSブルーウェーブ
グイズノーVSグルネル←1ラウンド目はグイズノーもノーマークだったけど、後からグルネルは彼を狙うようになる。
シタッパー1号VSアリクイドラ
シタッパー2号VS猫顔ツバメ←実はこの魔神獣が最強。
1ラウンド目、パラサが脅威のカンタマ9倍がけ。対象はバブリーズ&シタッパーズ&女性ですからね、これで27点。多分自前も削ってる。
スイフリーはグルネルの魔法を封じるか、目の前の毒ライオンを倒すか考えますが、グルネルの方を選択します。
この時点でフリーのグイズノーがキュアーしてくれるらしいし、魔法は放って置くと大勢殺られかねませんからね。
これで達成値4倍拡大"ミュート"をかけます。出目は4で達成値15ですが、精神抵抗14(7)のグルネルは魔法封印。
レジィナは大クチバシタカの嘴・鉤爪・鉤爪の3回攻撃を受けますが、タイデグリー・シールドのお陰で全弾回避。
レジィナの回避力が8(ラージで金属鎧なら)だとすると、敵の攻撃点11は1ゾロ以外で回避できますからね。
しかしシタッパー2号は猫顔ツバメの攻撃を強かに食らって生死判定。生命力−2になりますが、生命抵抗推定6で出目3以上振って生存。
次に14でフィリスとグルネルの番ですが、グルネルは魔法キャンセル。フィリスは地上型魔神獣×4とグルネルへ"ファイア・ボール"!
ところがこれが出目7で達成値13で、アリクイドラ以外抵抗成功。チクチクっと敵にダメージを与えただけでした。
13のアーチーは、白兵戦能力のないフィリスをカバーします。スイフリーにはグイズノーの援護があるし。グラスランナーは放置ですが。
「やたっ。アーチーの愛を感じる」と喜ぶフィリスが可愛い。流石の6レベル戦士も頑丈そうなウシサイを一撃で屠る事はできませんでしたが。
12のレジィナは大クチバシタカを攻撃し、シタッパー1号はアリクイドラを攻撃しますが、流石に倒せませんね。
そして10で魔神獣地上部隊の番です。まずブルーウェーブですが、こいつの攻撃点は2段構えになっています。
完全回避には15が必要であり、直撃回避には11で十分のようです。しかし14以下だと飛沫をかわしきれないらしい。
恐らくは直撃を避けられればダメージは受けないが、飛沫を受けると鎧が腐食するといった処理でしょう。ブロブと似た能力ですね。
しかしパラサの回避力は11、出目4以上で完全回避ですね。これなら楽勝、と思ったら1ゾロって直撃。11点食らった上に高品質の鎧が腐食。
ウシサイは11と言ってアーチーに突進しますが、アーチーは出目11を振ったのか18と言って完璧に回避。流石に役者が違います。
アリクイドラはシタッパー1号に攻撃しますが、アリクイの顔に攻撃能力はないので、鉤爪×2のみ。一体どういう意図で作ったのやら。
魔神獣の作成動機は謎です。多分色々な使用法があるんですよ、戦闘だけでなく。魔神の精神構造は人間とは違うから理解できないだけで。
シタッパー1号は攻撃を2回とも回避します。次にスイフリーに攻撃する毒ライオンですが、コイツは毒の牙のみです。爪は使えない。
そのせいか攻撃点は13と他の連中より高め。しかしスイフリーは回避力が4あるので、9振ってギリで回避。グイズノーはキュアーキャンセル。
2ラウンド目、パラサはカンタマでエンチャントをかけます。これはシタッパー1号と2号にかけました。2号は倒れてるけどどうせ起こすし。
これはスライムに武器が効かなそうだからです。《通常武器無効》ではなく、《物理攻撃無効》の方でしょうね。前者なら銀のダガーが効くし。
スイフリーは目の前の毒ライオンに達成値2倍拡大"スネア"(成功)。どこぞのスチャラカエルフを思い出しますが、命掛かってるんで。
グイズノーは今度は行動を遅らせず、シタッパー2号にキュアー。12点回復だから、多分大分治ったと思う。
次は鳥の攻撃ですが、大クチバシタカはハズレ。猫顔ツバメですが、これは目の前で復活した2号に攻撃します。
しかし出目を誤魔化して全弾回避にします。倒れた状態(回避−2)ではまた全弾食らいますからね。これがTRPG名物GMのお目こぼし。
14でフィリスは対象8倍がけ"プロテクション"。こう接敵状態になっちゃうと、エネボルだって誤爆しかねませんからね。
同じく14でグルネルが動きます。今度は魔法は使わず、グイズノーに急接近。次のラウンドには接敵しちゃいますね。
13ではアーチーとシタッパーズです。アーチーは1ゾロ。2号は起き上がるだけ。1号はアリクイドラに攻撃し、命中しますが倒せない。
12でレジィナが猫顔ツバメを殴りますが、10点出しただけで倒せない。これで突破口を開けないまま敵の攻撃ですが、省略されてて不明。
3ラウンド目、パラサは《パリイ》。パラサがこれをやると回避力が15にもなるんですよね、なんとあの"自由騎士"パーン以上の回避力です。
スイフリーは目の前の毒ライオンに"ホールド"をかけて動きを止めます。これでヤツは死に体ですね。
グイズのーはグルネルが来る前に逃亡。そしてそのグイズノーをグルネルも追いかけますが、移動速度15のグルネルじゃ追いつけません。
レジィナは大クチバシタカの攻撃を完全回避。シタッパー2号も同じく猫顔ツバメの攻撃を完全回避(誤魔化してない)。
フィリスはアーチーの背中からウシサイにエネボル。相手がデカイから誤爆はないらしい。「はっ、フィリスの愛を感じる」by.アーチー。
アーチーは続けてウシサイをぶん殴りますが、頑丈なのでまだまだ元気。この分だと生命点にして20以上はありそうですね。
次に1号がアリクイドラに当てるもまだまだ。次の2号ですが、なんと22点クリティカル斬りで猫顔ツバメを撃墜!!(凄)
一体潰すと不思議と流れが変わるもので、ここから続々と敵は倒れていきます。まずレジィナが大クチバシタカを撃墜。
フリーになったスイフリーがウシサイに無謀の槍を撃って撃墜。レジィナが引き続きグルネルを切り捨てる。
アリクイドラは戦士達にフクロにされてしまいます。ブルーウェーブはジャベリンで蒸発。最後に残った毒ライオンも呆気なく倒される。
レジィナがグルネルの攻撃を完全にブロックしたそうですが、相手の打撃点は12だとしても何とかなるもんですよ。
レジィナの鎧は防御力26で、ダメージ減少はプロテク含み6点。26レーティングだと期待値の7以上振ると6点防げますからね。
★パラサが2人?〜泥沼の戦い……になるはずが
こうして魔界の住人達を全滅させて女性を救ったバブリーズでしたが、気づいてみるとパラサが2人になってます。
何か分かるかとセージ判定しますが、誰にも分からなかったのでグイズノーが"インスピレーション"で無理やり思いつきます。
やはりこれは鏡像魔神の仕業ではないかと検討をつけました。「ロードス島伝説」で散々猛威を振るった魔神ですね。
鏡像魔神には5レベル下位魔神のダブラブルグと、10レベルの上位魔神のドッペルゲンガーがいますが、今回はダブラブルグの方です。
こちらはドッペルゲンガーと違って姿形を盗むだけ。記憶や能力まではコピーできないから、質問攻めにすればボロを出します。
そんな事情は分かりませんでしたが、適当に質問すると当の本物が答えが分からないという事態が起きます。そうか、そういう事もあるんだ(苦笑)
ところが偽パラサの方が、何故か答えが分かったりします。勿論これはミス、そこまでの能力はないとすぐに訂正されます。
アーチー「なら、アーチブレイドで殴ってみよう。本物のパラサなら簡単にかわすはず。回避力11だろう」
スイフリー「本物のパラサなら、魔法ごときにはかからないな。精神抵抗10だろう」
パラサ「1ゾロ振ったら当たる〜、1ゾロ振ったらかかる〜」
アーチー「ええい、面倒な。やはり両方ともアーチブレイドでズンバラリンだ。そうすれば後腐れがなくていい」←そんな殺生な
この前後の挿絵が最高ですね。双子のパラサを殺しそうな目で見る仲間達とか。あんたら本当に仲間か?(笑)
そしてずんぱらさと真っ二つになるパラサと、その間で振り返ってニヤリと笑うアーチー。何故かとっても嬉しそうです。
それでも記憶のコピーはできないと分かったので、更に質問責めにしますがね。一部答えがない悪問とかありますが、片方がボロを出します。
そこでダブラブルグはダガーを抜いて(これも彼の体の一部)、パラサに斬りかかりました。もうこうするしかありませんよね。
所詮姿形を真似るだけだから、親しい仲間同士の場合は、何気なく接近して不意打ち、ぐらいしか有効な方法がなさそうですしね。
これがスイフリーやフィリスに化けたのなら大変ですが、パラサだからタイマンでもどうとでもなります。アーチーやレジィナなら返り討ちですが。
こうしてパラサと偽パラサの戦いが始まります。この状態で外から手を出すと1/6の確率で誤爆する事になりました。
パラサは攻撃の達成値21(出目11)とか素晴らしい攻撃をしますが、所詮非力なのでクリティカルしてもチクリ。
そこで仲間達が1/6の確率を恐れず加勢します。まずスイフリーが"ファイア・ボルト"、これは偽に当たります。
サイコロの目によってはパラサが一撃で死ぬかもしれませんが、確率としてはそれは1%割るそうなので大丈夫です。
まず誤爆の確率1/6、そして抵抗を破る確率は24.7%、さらにクリティカルする確率は1/6なので、0.686%。
これでも13〜20点だから、パラサが6レベルである事を考えると1撃では死ななそう。2回回ると流石にヤバそうですけどね。
でもその時の確率はさらに1/6した数値だから、0.1%強ですね。死ななきゃいいという問題かは置いとくとして(笑)
ところでここでは抵抗を破る確率が35/144で24.3%なんですよね。私の方は場合訳しまくったので間違ってる可能性がありますが。
でもダメージの変域が13〜18になってるのは変ですよね。ここからスイフリーの魔力を引くと5〜10になりますね。
5は納得です。1回目が10で2回目1ゾロですから。しかし最高値は1回目12(7点)で2回目9(5点)とすると12になるんですよね。
この場合ではこの事象が起きる確率は0.675%、やはり1%割りますね。万分の1が少し違うだけで、大して違いはないですね。
更にグイズノーも援護します。ラーダ特殊神聖魔法"ウィーク・ポイント"をかけて、クリティカル値を1引き下げようとしました。これも成功。
仮にパラサにかかったとしても、モンスターのダメージは固定だからクリティカルは起こりませんしね。リスク0です。
これで「弱点ココ!弱点ココ!」というマークが見えるんですね。ラーダもなかなかお茶目な事をするもんです(笑)
こうして仲間達の(遠慮のない)援護を受けて、偽パラサは簡単に倒れてしまいます。所詮5レベル、真っ向から戦えるだけの能力はないし。
★正気の人はいないのか?〜子供のお守り取り上げて
これで今度こそマーファ神殿前の戦闘は終了です。今度は正気の人を求めて村の中を探して歩きます。ワンダリングはいないらしい。
まず手近なマーファ神殿ですが、ここもアウトでした。司祭はいたんですが、完全にコンピューターゲームのNPCみたいになってます。
司祭「何か用ですか? "話を聞く" "生命力の回復" "精神力の回復" "アイテムを買う"」←精神力の回復はありがたい
ていうか、この司祭にこんなマニュアルを仕込んだ魔神は、どこの国のカルチャーを学んだんだか(笑)
ついでに"センス・マジック"を使って、神殿内をビーッと見て回りますが特に無し。持続時間3分あれば大抵のものは見れるでしょうけど。
もっとも視覚に入っていなければ感知のしようがないんですけどね。"シースルー"と併用すると完璧なんですが。
あと外道照身霊波光線は「ダイヤモンド・アイ」だそうですが調べるまで謎でした。言葉自体は「GS美神」で知ってたんですが。
続いてラーダ神殿へ行ってみます。黒板やチョーク的なものがあるそうですが、技術的には多分中世にはない。フォーセリアならいいと思うけど。
ここではシーフ/レンジャー+知力で判定をして、奥で子供を発見。前回の村といい、難を逃れるのは子供なんですね。分からないでもない。
必死に逃げる子供に追いついたのはパラサでしたが、所詮筋力2では引きずられると思う。でもシーフだし、何とかなるのかな(笑)
泣き叫んでジタバタしている事から分かるように、彼は正気です。恐らくはこの村でただ1人難を逃れた村人でしょう。
この子は脇役なのに挿絵が2枚もあるんですよね。帽子を被ったクセっ毛の男の子。例のラーダ神官に勉強を教えてもらっていた子らしい。
スイフリーは性懲りもなく「泣きやむんだ」とまた言っていました。挿絵の後ろの方でグイズノーやレジィナに顔ビローンされてるのが新鮮。
彼の話によると、ある日を境に村人が全員ノーリアクションになってしまったらしい。B級SFの主人公みたいな境遇ですね。
「猫がねこんだー」とか「布団がふっとんだー」とか言っても笑ってくれないそうですが、そんなん誰も笑いません。いや失笑はするか(苦笑)
その事件が起こる前に、やはりあのD1が村に姿を現していたらしい。やっぱりヤツが何かやらかしたと思っていいでしょう。
では何故彼は無事だったのかというと、ラーダ神官がくれたお守りのお陰らしい。なんとこれは幻覚を防ぐアミュレットのようです。
幻覚を防ぐ事は原理的に可能ですよ。クリスタニアのレスフェーンのタレントの"パピヨン・センス"でも同様の事ができるし。
ただ古代語魔法ではそういう魔法は確認されていません。きっと遺失であると思いますけどね。多分このアミュレットもちょっとした物ですよ。
ラーダ神官の先生が本を調べてからこれを渡してくれたということは、彼は敵の正体に気づいたという事ですね。
そこでバブリーズも同じく文献を調べてみると、7レベル下位魔神マリグドライである事が分かります。この時点ではオリジナルの幻覚の魔神です。
上半身がミミズク、下半身が山羊のソレとなっています。羽毛に覆われた体からは翼が生え、2本の触手を肉体的な武器とします。
しかしその最大の特徴は幻覚です。敵が最も恐れるものの幻覚を見せることで、相手の精神を蝕み、最後には奴隷にしてしまうのです。
具体的には目標値17の精神抵抗に失敗すると、打撃力10+7のダメージです。0になると奴隷、そうなると"サニティ"もトランスファーも無駄。
奴隷となったものを救うにはマリグドライを倒すしかない。しかも幻覚は同時に複数に見せられるのでパーティー全体が被害を受ける。
更には幻覚が発動するのはラウンドの頭です。ただし集中が必要なので、他の行動を取ったり、直前のラウンドでダメージを受けると使えない。
これでふと思ったのですが、ダメージを受けると幻覚を使えないなら、幻覚に抵抗できた魔法使いが攻撃魔法を使えばもう幻覚は使えないんじゃ。
例えばスイフリー、魔力が8だから抵抗されても1ゾロ振らない限りダメージが通る。相手のレベルが7だから、魔力だけで通るんですよ。
彼がお守りを持って毎ラウンド"ファイア・ボルト"すればいい。最初のラウンドはスイフリーだけ突入して攻撃、仲間は2ラウンド目からです。
ラーダの先生が調べた事はこれだけではありません。彼はもう1つ"悪魔の壷"というマジックアイテムの事を調べていました。
要は魔神召喚アイテムですね。魔界にデーモン・トラップ(一方通行の次元の扉)を開き、召喚した魔神は服従させえられる。
ただし使い方が難しく、間違って使ったり、間違わなくても運が悪いと上位魔神に壷に押し込められる(ギャグなのかホラーなのか分からない)。
それに召喚されるものが無作為なのも困りもの。魔神獣が出る事が大半ですが、時に下位魔神や上位魔神も出てくる。
もし壷を壊したら、魔神は壷の支配から逃れ、魔界に帰れない怒りのままに大暴れします。召喚者は速攻で狙われるでしょうね。
こんなヤバイものは、オラン魔術師ギルドの最上階にある禁忌の部屋に送り込むしかないですね。謝礼も貰えそうですし。
これは完全版では"悪魔召喚の壷"と名を改めてます。その値段はなんと100万ガメル、"スケープ・ドール"の悪夢再びになるところでした。
こちらでは2D6で召喚されるものを決定するのですが、1ゾロを振ると魔神将が現れて壷の中に引きずり込む事になってます。
昔は上位魔神がとにかく恐ろしいと思われていましたが、魔神戦争で散々ぶっ殺されて格が落ちた今は、こっちの方がいいでしょう。
でもこの表だと魔神将が最上位の魔神になってるんですよね。それは魔神王ですよ。魔神王と魔神将では、天と地ほどの開きがある。
ちなみに魔神将の中でも最高レベルのものが、15レベル魔神将デラマギドス。名前から察するようにマリグドライの上位種です。
大体の事が分かったので、今度は鍛冶屋の2階に泊まってるらしいD1の所へ行こうとします。
しかし神殿を出てみると、村人がゾロゾロと集まって「村長の家に行きなさ〜い」と唱和しているではないですか。
村長の家までビッシリ人垣が並んでいて外に出れないとか、そんなコンピューターゲームのような事はありません。突破は可能です。
しかし身動きできない所を襲撃されたら面倒なので、敢えて敵の策略にはまり、罠を食い破る事にしました。
そうなると子供の持つお守りが是非とも欲しいですね。かと言ってスイフリーのように「子供、それを渡すのだ」なんて言い方じゃ駄目ですよ。
この子はラーダの先生に絶対に手放すなと言われているのです。キチンと説明して納得してもらってから、渡してもらわないと。
スイフリー「この村をお兄さんが守ってやるから」←お兄さん!!?
レジィナ「お兄さん?」
アーチー「スイフリーからそんな台詞を聞こうとは(笑)」←同感です
スイフリー「慣れない言いかただから、機械的な声になってる(笑)。『きみの安全はお兄さんが守ってあげるから』(棒読み)」
子供「わーん、この人もおかしくなってるー」
スイフリー「なんてことを!だから、子供は苦手なんだ」
うん、まぁ得意だとは誰も思っちゃいませんよね。しかし普段の行動を考えると、常日頃から何処かがおかしいと思う(笑)
続いてグイズノーが優しく(そういえば同じラーダじゃん)言いますが、「先生を見つけてくれるか」と仕切りに聞いてきます。
子供「約束だよ。約束破ったら経験点半分だよ」
スイフリー「ちょ、ちょっと待て」
パラサ「もう死んでるかもしれない。死んでたら不可抗力ということで」
GM「子供に『不可抗力』なんて言葉が通じるか!」
確かに死んでたらバブリーズにはどうにもならないんですよね。いくら約束を守ろうとしても不可抗力ですよ。
しかしそれだと傷つくのは子供の方なんですよね。「たかがゲームじゃん」とか言ってはいけません、その辺を考えるのも大切です。
ここではグイズノーが、誠意ある説得をします。そうそう、ここはそういう風に真面目に相手を説得する努力をしないと。
グイズノー「きみのお父さんお母さん、ほかの村の人を助けるために、わたくしたちは頑張ろうと思います」
子供「うん」
グイズノー「きみも頑張らなきゃいけないと思いませんか?」
そう言ってお守りを貸して欲しいと頼むのです。いいですね、初めて神官らしい事してますよ。
子供「おじちゃんたちが頑張るって、信じていい?」
「おじちゃん」というのがとっても気になりますが、真面目に想像してみると、ここはとってもいいシーンなんですよね。
でも次の挿絵で屈んでブツブツ言うグイズノーと、そのグイズノーをジロリと見る子供がいいですね。
レジィナ「あ、気にせんでいいからね」
フィリス「スネるおっさんはみにくいのう。へっ」
グイズノー「おじさんって、おじさんって、おじさんって、おじさんって。そりゃ見た目はそーだけどもさ。
でもそれはさしえかきのヤローにモンダイがあるのであって、わたし自身には……(ブツブツ)」
そんな感じ。何気に子供の後ろ髪が長い上に、それを縛ってるのが妙に気になるのは私だけでしょうか。
★さあ決戦だ〜戦いすんで
こうしてお守りを手に入れたバブリーズは、村長の家に突入しました。先行するのは抵抗の高いパラサと、お守りを持った策ありのスイフリーです。
そして2人はとある部屋でマリグドライを発見するのでした。不意打ちではありませんが、ここから戦闘ラウンドに入ります。
1ラウンド目、ラウンド頭に触手が「にゅいいいい」と唸って幻覚発動。お守りを持つスイフリーは抵抗は不要です。
パラサは精神抵抗10ですが、それでも出目7以上です。何とかなるかと思ったらまた1ゾロって抵抗失敗。幻覚を見せられます。
GM「この幻覚は、本人が心の奥で敵として恐れているもの……」
パラサ「はとこー!」
これには大爆笑。アンタら仲良く見えて実はそんなだったのか、と。でも実際そういう風にも見えるから面白い。
では何の幻覚を見たかというと、あのパラサが倒した3歳の女の子のワイトでした。そうか、やっぱりあれはトラウマなんですね。
マリグドライの幻覚攻撃は、このように過去の冒険を参考にし、キャラクター毎にそのビジュアルが変わるのです。
精神ダメージは11と出ましたので、パラサでも5点減少。21点に減っちゃいましたね(だから何なんだその精神力―笑)
打撃力10で追加ダメージ8だから、これは期待値ですね。これじゃあ他の面子も5点やそこらはゴッソリ持ってかれますね。
このラウンドはパラサは行動できない。そしてスイフリーですが、達成値4倍拡大"バルキリー・ジャベリン"をぶっ放して気絶。
残り精神力が1で、その1点と魔晶石(19)を使い潰したのです。自主的に気絶すれば操られない。これがスイフリー戦法です。
これだと魔力8に+3して基準値は11、対するマリグドライは精神抵抗17(10)なので、ロールすると66%で抵抗を破りますね。
2ラウンド目、このラウンドでアーチーは、スイフリーが手に持っていたお守りをゲット。その為に首にかけなかったんですね。
直前ラウンドにダメージを受けたので、幻覚は使えません。パラサは15と言って殴りますが、回避点14(7)でも9以上振って回避。
マリグドライは例の触手を錐のように使ってパラサを攻撃しますが、攻撃点16なので回避力11のパラサは楽に回避。
しかし16というと、アーチー(回避力推定7)やレジィナ(回避力推定8)ではかわすのは難しいですね。7だと27.8、8だと41.7%だし。
3ラウンド目、今回は幻覚を発動します。アーチーは抵抗不要。パラサはまら1ゾロ。経験点を10点稼ぐにしてはリスキーです(笑)
失敗したグイズノーは昔殺されたマルキの幻影、レジィナはトップの生首を持ったオーファン騎士の幻影を見ました。
でもフィリスは根性で抵抗成功。アーリアの事は意地でも思い出さないという執念を感じます(苦笑)
動けるアーチーは空振り。フィリスは"ライトニング"を撃ちますが、ダメージ7点でレベルでブロックされてしまいます。
4ラウンド目、今回も幻影を使いますがかかったのはレジィナだけ。フィリスは余裕ですけどね。グイズノー曰く、夢見る少女と現実的な女。
グイズノーは"フォース"で、フィリスはエネボルで、スイフリー戦法を踏襲。上手い事精神力を0にするよう調節し倒れます。
しかし倒れたとしても、今度はそこにマリグドライが攻撃しないという保障はないんですよね。接敵範囲から外れてたのかな?
パラサは空振り、アーチーはチクっと。このラウンドの魔法攻撃で既にマリグドライはフラフラ、実はフィリスはクリティカルだし。
5ラウンド目、今回は幻覚を使えない。レジィナは「ようし!トップの仇だー!」とヒートアップしてました。それはちょっと違うような(苦笑)
アーチー「ふふふ、みんなでわたしのために花道を作ってくれていたようだね。6ゾロで命中だ」←慢心
無謀と慢心の精霊に憑かれた状態でマリグドライに切りかかりますが、残り生命点3点のところ2点しか通らず、1点残ります。
最後にレジィナが攻撃して終わる、かと思えばこれがハズレ。これじゃあ魔神がグラランごときに倒されちゃいます。
6ラウンド目、今回も幻覚は使えない。パラサが攻撃し命中した上にクリティカル。13点で、生命点−3。マリグドライ、グラランの前に撃沈!!
パラサ「ブイ!悪いね、きみたち。オレのために花道を作ってくれていたわけだね」
グイズノー「慢心の精霊は回り回ってパラサのところに行きましたか(笑)」
上手くオチもついたところで、村人達は正気に戻りました。今まで魔神に操られていたなんて、気味が悪いでしょうね。
今度はD1のいる宿屋に行ってみると、そこには血痕と服の切れ端、そして壷だけが残っていました。惨劇の跡ですね。
D1は村人を生贄に(生贄必要?)魔神獣を召喚して、村を支配しようとしたそうです。先生と用心棒は返り討ちにあったんだとか。
結局あの子の願いは叶いませんでした。前回もそうですが、後味悪いですね。まぁ経験点半分は流石に冗談ですが。
★
前回の最大障害は7レベルのマリグドライだったので、基本経験点は3500点です。あとモンスターの分だけで351点も入ってるんですよ。
前回は7レベルのマリグドライ、5レベルのダブラブルグ&グルネル、4レベルの魔神獣×6を倒したので、レベルは計41ですね。
これを10倍して410点、8で人数割り(シタッパ含み)して51(端数切捨て)。その余分な300点は何処から来たのやら。
でも、マリグドライとかにはシタッパーズは入ってなかったから、それは除くかもしれませんね。それでも1人351にはなりませんが。
SWはストーリー志向のゲームなので、モンスターをぶっ殺しても大して経験点は貰えません。レベル×10÷人数ですからね。
例え相手が15レベルの老竜であっても、6人パーティーだと1人頭の経験点はたったの25点。無駄な虐殺は割に合わないのですよ。
中には獲得したお金の量でレベルが上がるゲームもありますが、それだと金に走って暴走する守銭奴PLを生みかねませんよね。
その点SWはよくできています。無駄にモンスターを虐殺したり金儲けに走るより、真面目に使命を達成する方が効率がいい。
これでレジィナがファイター5→6になりアーチーに追いつきます。結局バードは生活費の為にしか使わないんだろうか?
グイズノーはセージ2→4と一気に2つ伸ばします。この辺からグイズノーはプリーストよりもセージを伸ばすようになるんですよ。
あとフィリスがソーサラー4→5です。もう竜牙兵とかも作れるのですが、旧版だと1本2万もするんですよね。買えるんですけど(苦笑)
ちょっと高いといいつつ買っちゃいますけどね。そしてデイルの首輪につけます。またゴツイものを、ていうか重そうです。
あとグイズノーが前回魔神が持っていた魔剣(多分グルネル)を魔術師ギルドに引き取ってもらって、代わりに魔剣を貰いました。
この魔剣は魔力+1のブロードソード(11)です。彼はこれをブラッドソードと命名しました、なんでまたそんな邪悪な名前を(苦笑)
あと例のヤバイ壷ですが、同じくギルドに引き取ってもらいました。その代価として、大量の魔晶石をゲット。
旧版ではいくらなのかは知りませんが、云十万はすると思います。仮に10万としたら、それと等価になる魔晶石は500点分(凄!)
この辺にはもう例の力のインフレーション、もといドラゴンボール現象が始まってるんですよね。1000点ベースとは比較にならない。
未来の作品であるヘッポコーズとか見てください、10冊やってやっとこさ6レベルですよ。こっちはまだ3冊目なのにもうすぐ7レベル。
強い敵は多くの経験点を呼び込み、そうして強くなったパーティーは更により強い敵を呼び込んで……今ではこんなに強くなってしまいました。
経験点を最大障害レベル×500点にしている限り、この連鎖は止まりません。このペースだと10巻もやれば"見つけるもの"と並びます(笑)
★正体不明の襲撃者
今回のお話は、待ってましたのスイフリーが主役。主役というか、被害者というか、とにかくスポットライトが(いつも以上に)当たります。
スイフリーといえば"白いダークエルフ"の名に恥じぬ、数々の危ない言動。そのまま実行したら、もう鬼だというのが色々ありますね。
そのほとんどは冗談だったりして実行しないし、実行するものもそう異常なものではない。むしろMVPをあげたいようなものがある。
ダークエルフに会ったら話を聞いて、黒い肌と精神抵抗+4の恩恵に預かろうとか言ってますが、そんな事実際できる訳ないし。
冒険者としては十分一流なのですが、危な過ぎるのでちょっとお仕置きというか、釘を刺すというか、そういう話なのです。
前回のお話でタイデグリー氏がまとめていた報告書を持ってきたバブリーズですが、当然これをアノスへ持っていく事にしました。
アノスはオランの東隣の国で、"聖なる王国"と呼ばれます。国教はファリスであり、住人の多くは熱心に厳格にその教えを守ろうとしてます。
この国では神権=王権となっています。つまり同一人物が国王と最高司祭を兼任しているのです。現在は法王レファルドW世の治世です。
同じファリスを奉じる国では、ロードス島のヴァリス王国がありますが、あちらは神権>王権であり、両者は別々のものです。
国の主はあくまでもファリス教団であり、国王や聖騎士といった王宮側は、教団から俗世での役目を委任されてるようなものです。
とはいえ俗世との繋がりは究めて重要であり、王宮の影響力は教団以上だとも言われますが、形式上はあくまでも教団が主です。
ではアノスはどうかというと、ファリスの教えに関して色々と問題があるのです。一言で言うならば融通が利かない。
ファリスは光の神々の長にして秩序神であり、光の下の平等と正義がその本質です。二義的に法や裁きを司る事もありますね。
その性格から、形式主義に陥りやすいという落とし穴があるのです。結果として聖職者でありながら、神聖魔法が使えない者も多い。
またその信者も真面目で勤勉なのはいいのですが、それが過ぎてバカ正直で愚直にも見える。硬直的過ぎてかえって真実を歪めている。
流石に首都ファーズは東側ファリス教団の総本山だけに、ファーズ大神殿にいる司祭の実力は高い。詳しい事は「SWサポート1」参照。
閑話休題。バブリーズはアノスを目指して、相変わらず徒歩で「雲の上の街道」をアノス方面へ向けて出発しました。
レジィナが「いとしの我が家よ、またしばらく留守にするからね」と言ってますが、宿屋暮らしの彼女の我が家って何処ですか?(笑)
この街道は途中で"脅威の山脈"ことグロザルム山脈を越える事になります。石段が連なる厳しい行程になるんでしょうね。
多分国境もその辺りかと思いますが、そこでバブリーズは謎の襲撃者の一団と遭遇しました。鎧を着た5人組です。
リーダーらしき男はどうやらファリスの司祭らしく、丁寧な口調で話しかけてきますが、どうやら報告書を狙ってるらしい。
報告書にはオラン国内の神殿の事も載ってますから、それを欲しがるという事は、バラされたらマズイ裏がある悪徳司祭なんでしょうね。
スイフリー「わたしとしては、渡すのにやぶさかではないよ。どういう条件を提示してくれるんですか」
またそういう裏取引チックな会話を平気で始める。GM的にもまさか交渉を始めるとは思ってなかったらしい。個人的にはそういう所も好きですが。
パラサ「いや、それならばはとこ、この人より上の立場の人にはもっと高く……」
スイフリー「甘いな、はとこの子よ。不正というのは取り締まっても金にはならない。
見逃してこそ、お金になるのだよ。よい子のみんな?わかってくれたかな?」
これがスイフリーの処世術口座です。勉強になりますね。ていうか良い子はそんな裏取引なんてしませんから(苦笑)
相手の司祭にとっては、自分の地位を守るだけの代金ですが、2万ガメルぐらいを提示します。
パラサ「はは〜ん、たったの2万か。魔晶石5つ分」
スイフリー「ここで2万で売っちゃったらシナリオ終わるかな(笑)」
お金の単位がまだ魔晶石になってますね。しかも20点のヤツだし。今更2万ではなんとも思わないんですね、この人達。
アーチー「あなた、それがファリスの法に従った行動だと思っているのですか。ビシッ」
そうなんですよね、ファリス的にこういう取引はまずタブーでしょう。普通に考えてそんな人は神聖魔法は使えないはずですよね。
しかし相手は小さいながらも神殿を持てるようになった人らしいです。そしてそういう神殿の司祭は神聖魔法が使えない事が多い。
形式主義に走るあまり、真に神の声を聞く人よりも、複雑な儀礼や神学を知ってる人の方が重用される。困ったもんです。
アーチー「そのような地位のために、信仰を失っておるのですな。ビシッ」
司祭「ええ〜い、やっちまえ!」←怒らせちゃった
グイズノー「よかったんですか?」
スイフリー「いいんじゃない?どうせ売る気はなかったんだ、わたしも」
何て奴だスイフリー!。あぁ、でもそんなアンタが大好きなんです(苦笑)
こうして悪徳司祭とその護衛の傭兵達との戦闘になります。司祭のレベルは不明ですが、傭兵達は全員ファイター4ですから。
敏捷度は14らしいし、この分だと能力値オール+2の量産型戦士なんでしょうね。あと目標値とか言ってるからモンスター・データっぽい。
攻撃点は13ですから、4レベルの器用度+2に期待値7ですね。なかなかですが、こっちは5〜6レベルパーティーなんですよね。
回避点は15ですが、4レベルの敏捷度+2にスモール・シールドで+1、モンスターだと同点は回避失敗だから更に+1して、7加えて15?
でもイラスト通りに金属鎧だと回避は−1だから14になっちゃうんですよね。ラージ・シールドだと攻撃点が1下がるし。
1ラウンド目、パラサは恒例のカンタマ6倍がけ。司祭は何と魔法を使おうとしています。不審ですが、スイフリーは"ミュート"14で封印。
グイズノーは魔剣を手に入れて無謀と慢心の精霊に憑かれているのか、前線に出ます。所詮1レベルなんだから、やめといた方がいいと思うけど。
フィリスは"ファイア・ボール"を撃ちたいな、というムラムラくる衝動を抑え(仲間が巻き込まれるし)、前衛3人に"プロテクション"。
フィリスと同じ14で敵の傭兵も突っ込んできます。こちらは3人、向こうは4人。誰かが2人担当する事になるのですが、乱数でグイズノー(え!)
攻撃はアーチーとレジィナは当然のように回避。2人とも回避力は7(レジィナは魔剣と盾を返した筈)だと思いますが、それでも6以上だし。
グイズノーですが、1レベルの+3で4はあるんですよね。金属鎧だと−1で3です。こりゃあ無理だろうと思いましたが、何と2回とも回避!
4だと9以上だから、2回連続回避は7.7%ほど。3だと10以上だから、2.78%ぐらい。よくぞこのタイミングで出ましたね。
アーチーの攻撃は回って20点行きますが、まだ生きてます。4レベルで鎧が数点止めれば生命力14でも助かるでしょうね。レジィナはハズレ。
2ラウンド目、傭兵達は相変わらず攻撃してきますが、魔法を封じられた敵司祭は不気味にもスリングを回しだします。
パラサは前に出てグイズノーの分を1人引き受けます。18と言って《ディザーム》をして、早速1人の武器を落とします。
スイフリーはさっきアーチーが傷つけた傭兵に"ファイア・ボルト"。生死判定に突入しますが、今度は生きてます。流石に人殺しは気分悪いらしい。
グイズノーは《パリイ》、所詮普通に戦える相手じゃありませんからね。回避力3でも7になりますね、それでも出目6以上ですが。
フィリスはグイズノーの前の敵にエネボル。皆が助けてくれると喜びますが、「要らん事して手を焼かせてるだけ」by.アーチー、だったりする。
傭兵の攻撃はアーチー、パラサ、グイズノーには当たらない。レジィナは当てられますが、ダメージ11点を完全ブロック。
レベルが4で筋力+2なら追加ダメージ6ですね。PCをモンスターデータに変える際、打撃力13〜17でクリティカル値10なら5です。
レジィナはそれをレベルで4点、鎧で6点ブロックし、残り1点をプロテクではじきました。防御力26なら7で6点ですね。
3ラウンド目、ここでちょっとしたハプニング発生。敵の武器を落したパラサですが、傭兵はそのパラサにチョーク攻撃です。
完全版なら戦闘オプション《組み合い》からの締め攻撃なんですが、旧版では特にルールがないんですよね。ベア・ハッグの応用かな?
攻撃が決まると、締める側はファイター+筋力で、締められる側は冒険者+筋力で振り合い、締められる側は相手以上になれば脱出かな?
完全版では《組み合い》に入る時は攻撃力−2で、そこから締めに入る時は受ける側が回避力−2ですが、その辺はどうなのか?
相手は4レベルの筋力+2で6。パラサは6の筋力+0だから、基準値は同じ。すると55%ぐらいで解ける筈ですが。
でもやはり筋力の低いパラサは脱出できず、お花畑の向こうで手を振るお爺ちゃんと対面。その先には行っちゃ駄目(笑)
あとスイフリーは敵司祭に"コンフュージョン"。これにかかった司祭は、敵味方が分からなくなってただ無目的にスリングを回すだけ(間抜け)。
戦士達の応酬ですが、明らかにこっちが勝ってるんですけど、なかなか殲滅する事はできません。パラサが地味に危ないです。
完全版では締められてる間は、例えダメージを受けなくても、生命力ラウンド経つと窒息する事になってるんですよね。
4ラウンド目、まだまだパラサが脱出できない。スイフリーの"スリープ"でも傭兵は寝ないし、グイズノーなんて間違ってパラサを斬る始末(笑)
「ドラゴンハーフ」みたいですが、密着状態なら起こりうる事です。完全版なら1D6で1〜3で敵を攻撃、4〜5で攻撃できず、6で味方に誤爆。
攻撃だけではなく、個人を対象とする魔法や飛び道具の場合は、全くの無作為にターゲットを決めます。つまり半々で味方に当たる。
もしパラサに"コンフュージョン"がかかり、抵抗に失敗した場合、薄れゆく意識の中で自分を絞め殺そうとするコイツは敵だと認識する筈(笑)
その間も戦士達の戦いは終わらない。「お、お爺ちゃ〜ん。もうすぐそっちに行くかもしれないよ〜」by.パラサ。だから逝くな。
5ラウンド目、ついにスイフリーの"スリープ"が決まってパラサ脱出。首には生々しい締め跡が残っていたとかいないとか。
こうなってしまっては敵傭兵はあと2人、軽く殲滅します。問題はスリングをブンブン回しつつ、どうしたものかと錯乱中の司祭。
さてコイツをどうするか。個人的には放置して逃走すれば逃げ切れそうなんですがね。もしかして逃走する相手にも敵と認識するのかな?
スリングの射程範囲は100m、残念ながら敵と認識されたら十分射程範囲です。しかもこっちは全力移動だから回避に−4だし。
こうなったら通常移動で、にこやかにジリジリと後ろに下がるしかない。全力移動で100m以上先に行ける所まで来たらふんばりダッシュだ。
一番遅いレジィナの場合、全力移動39mですね。すると5ラウンド通常移動して、65m地点からダッシュすればいい(計1分)。
それがダメなら"ダークネス"で視界を封じる。とっさに攻撃してくるかもしれませんが、所詮闇の中なので当たりはしません。
飛び道具を使う時は、静止(3m)ですからね。"ダークネス"の半径10mの闇からは逃げられませんよ。
しかしその2ラウンド後には闇の中から出て攻撃できるんですよね。もういっそ闇の中に閉じ込める時に"ホールド"もかけるとか。
取り合えずの処置として、フィリスが"スリープ・クラウド"をかけてみますが効かない。すると相手はフィリスを敵と認識して攻撃してきます。
相手は14と言って攻撃してきますが、フィリスは回避力3なので11以上じゃないと避けられない。でも11出して回避します。
すると着弾したブリッドがなんと爆発するのです。これは"エクスプロージブ・ブリッド"、打撃力30の爆発を起こすという1発2500の品です。
あとスリングって、専用のブリッドなら毎ラウンド撃てるんですが、その辺の石なら拾う手間があって2ラウンドに1回なんですよね。
それじゃあ"エクスプロージブ・ブリッド"はどうなのかというと、ブリッドなんだから毎ラウンド撃ててもいいような。
これはヤバイというのでスイフリーが"スリープ"で眠らせる。すると転んだ拍子に手持ちのブリッドが連鎖的に爆発。ズタボロになって死亡します。
その直後スイフリーは謎の精神抵抗を行います。精神抵抗は8でカンタマが効いてるから10、出目も10で20と異様に高い数値でした。
雇われた傭兵達も詳しい事は知らないので、詳細は謎のままです。何故あの司祭がファリスの神聖魔法を使おうとしたのかも謎のまま。
これこそがGMの狙いでした。今回のシナリオは、スイフリーに司祭を殺させる事が条件だったのです。
その割には随分とギャンブルでしたけどね。もし逃げられたり、他の人が司祭を殺してたり、この抵抗ロールが6ゾロだったらシナリオ崩壊です。
まぁこの状態では逃げるのも生け捕りにするのも困難ですがね。流石にこの辺に随分と気を使ってるようです。
それでもやっぱりちゃんとダイスに運命を託すのが清松先生の流儀らしい。私は好きですよそういうの。
★アノスのお店にて……王都ファーズの気さくな(?)酒場
襲撃者を蹴散らしたバブリーズは、ついにアノス国内に入ります。最初に入る街はソーモン、ワールドガイドには載ってません。
ただよく似た名前のソーミーという街はあります。アノス第二の街で、オランから首都ファーズへ向かう場合通る筈ですね。
白大理石でできた街並み。太陽を意識したのか、水晶やステンドグラスで飾られたファリス神殿の輝きの塔などがあるとか。
それと同じく、このソーモンもやはり白い大理石でできた街並みのようですね。ファリスらしいといえばらしい光景かもしれません。
また道行く人々もビシッとした服装です。あまりだらしないのはファリスの教義に反すると解釈されてるようですね。ねずみ色のスーツ軍団。
異国情緒溢れる光景ですね。どうせだからと名物を探してみたら、アノス名物ファリス饅頭を発見します。ていうかそういうのはいいんだ(苦笑)
しかしその店主が張っ倒したくなるほど高飛車。変な格好とか面と向かって言ってくるし、ごちゃごちゃ言うと売らないとか言うし。
ファリス的にそういう傲慢な態度はいいんだろうかと、小一時間ほど問い詰めたくなりますね。まぁ一般信者なんてこんなもんかな。
そこでスイフリーは、何を思ったのか急に饅頭を一つ摘み食いしてしまいます。PLの意思ではないですよ、オート(GMの指示)です。
この場合はシーフ+器用度で判定ですが、そんなもん持ってないので平目で5。対する店主は12とか出してるんですが、何の技能ですか。
当然気づかれてしまいます。そんなとっても気まずい所でスイフリーは正気に戻ります。ちゃんとお金を払って謝罪しましたよ。
早速さっきの謎の抵抗ロールの影響が現れてますね。無意識に法を犯すとは。あとこの挿絵のスイフリーは、ハムスターみたいで可愛い(か?)。
次に今晩はここで宿を取ろうとします。ここでは泊まりたければ武器を預けろ、と言ってきますね。まぁ分からないでもないですよ。
ところがここでもスイフリーは、宿の従業員に槍を突きつけます。「わたしの武器をわたしが持ち歩いてなぜ悪い」とGMがアフレコします。
しかしさっきと同じように、すぐに正気に戻って武器を預けます。気を緩めると悪さをするようですが、流石のスイフリーも訳が分かりません。
また夕食の席でも宿屋のナイフをパクろうとしたり。ダークエルフの道を歩みだしている……いやこの男だとダークよりも質が悪い(笑)
スイフリー「パラサ」
パラサ「何かな、はとこ?」
スイフリー「わたしの監視役に任命しよう。わたしがこれから先、お店のものに手をつけたりしたら……」
パラサ「いや、それは」
スイフリー「止めてくれよ」
パラサ「……あ、それならいいよ。代わりに代金払っとけって言われるかと思った」
それじゃあ完全にパシられてるじゃないですか。
あと大量の魔晶石もパラサに預けます。この分だと何に使うか分かったもんじゃない。報告書はアーチーが預かっておきます。
パラサ「はいよ……と言いながら、はとこ、1個隠しちゃダメだよ(笑)」
スイフリー「え?あれ?本当だ(笑)」
これはGMの指示じゃないですよ、彼らのアドリブです。この謎の事態すらもネタに使うとは、遠い親戚コンビはやっぱり凄い。
こうなるとさっきの司祭が怪しいとしか思えません。死に際の呪いでもかけられたかと推測しますが、それはちょっと違うんですよ。
死に際の呪いというと"ラストワード"ですね。死に際にしかかけられない"カース"で、達成値が+4もされるという恐ろしい呪いです。
その強制力は凄まじく、あの六英雄の1人"赤髪の傭兵"ベルドも、魔神戦争の際に魔神将にかけられてエライ目に遭いましたよね。
その後ソーモンのファリス神殿で調べてみると、やはり何かの魔力が働いている事は分かりますが、正体までは分かりません。
ていうかそれだけなら普通に"センス・マジック"すれば分かるのに。それに神聖魔法ではそういう魔法はないんですけどね。それとも勘?
"リムーブ・カース"をかけてもらおうとしますが、ファーズへの紹介状を渡されただけ。役所仕事なのか、単に能力者がいないのか。
仕方ないので自前でかけてみます。既にグイズノーは5レベル、"リムーブ・カース"を使えるレベルにはなってるんですよ。
かけるとしても5点消費だから、魔晶石(20)と自身の精神力(13)をフルに使っても6倍拡大(+5)が精一杯ですけどね。
するとグイズノーの魔力が8で、+5で13になりますね。そうしたかどうかは分かりませんが、達成値は20で失敗です。
さっきの抵抗ロールで20振って駄目だったんだから、ここで20振ってもやっぱり呪いの達成値(と言っていいものか)を破れません。
ここで6ゾロ振ってたらやっぱり解けたでしょうけどね。さっきのスイフリーの時もそうですが、シナリオ崩壊のリスクに怯みません。
やがて一行はついにアノスの首都である"光の都"ファーズへ到着します。聖・王・都なだけに、ソーモン以上に神々しい街並みです。
ファリスの地上代行者と言ってもいい法王のお膝元ですから、もう街そのものが巨大な神殿と言ってもいい程です。異教徒には肩身が狭い。
上質の宿屋を探すのですが、こちらの風体を見て失礼にも門前払いを食らわせる宿屋が複数。もうちょっと下のランクの宿屋ならいいのかな。
一応自称形式にうるさくない宿屋が泊めてくれます。それでも食事では「適当に」を許さず、オードブルを決めろと言ってきますがね(苦笑)
入国して以来ロクな目に遭ってませんよね。色々突っ込み所の多い国ですが、ここでようやくまともそうな人に出会えました。
1人はグレゴール・エライセン。音楽家にして建築家。兄はアレオールといって男爵位を持ってて、従兄弟は財務大臣のカルプラス伯爵です。
もう1人はバンダオート。チャ・ザの神官ですが、この国だとやっぱり肩身が狭い。ちょっと太ってて、グイズノーとキャラが被ってます。
グレゴールさんについて補足すると、偉い先生のグレゴールと呼ばれてます。なまず髭の芸術オタクですが、他の人と比べると大分マシ。
近々従兄弟の支援で設計した音楽堂が完成すると楽しみにしてます。本人も貴族の出身ですが、あまり家には執着はないらしい。
こけら落しの際には腕のいい楽団に、自らが作曲した曲を演奏してもらうそうです。今正に来る幸福を待ちわびて幸福な人なんですね。
アーチー「腕のいい楽団?<ナイトブレイカーズ>じゃないだろうな?」
ナイトブレイカーズというと、SWアドベンチャーの主人公達です。フォーセリア初のロックバンドという、山本先生ならではのキャラです。
グレゴール「わけのわからない騒音を新しい音楽だと称している向きもあるそうですが、やはりわたくしが思うに伝統と格式は守るべきかと」
でもやっぱり彼もこの国の人なんですね。大分革新的ではあるんですが、完全に脱却した訳でもないか。まぁいい人っぽいんで嫌いではない。
彼らが何故話しかけてきたかというと、ぶっちゃけ自慢話のような気もします。あと異国の人間に興味を持ったからというのもあるでしょうね。
ちなみにちゃんと一杯付き合ったのは破戒坊主とフィリスだけでした。後の人たちはスイフリーがアレなので。
ここでは大した話もせずに別れてしまいますが、後々レギュラー化したりします。結構使い勝手のいいNPCなんでしょうね。
★汝は邪悪なり!〜助け(?)が来たぞ
いよいよ報告書を届けに王城ホーリーハンマーへ登城します。この国ではファリス大神殿と繋がってます。
スイフリーは何をしでかすか分からないので、縛ってマントを被せます。怪しい、これでワッパでもつければ完璧(犯罪者)です。
紹介状があるのですんなり入れるのですが、通された部屋にいた女性神官がスイフリーに"センス・イービル"で『汝は邪悪なり!』と宣言します。
あとここの挿絵のスイフリーはもう本当にヤバイですね。どう見てもスイフリー容疑者(140)にしか見えません(笑)
この女性神官はクレア・バーンロードといって、神官戦士団こと聖堂騎士団の一員です。ファイター/プリースト(ファリス)ですよ。
金髪をショートカットにして、眉がビシッと綺麗な線を書いていて、眉は黒い(髪は脱色?)美人です。多分20代前半でしょうかね。
レベルなんですが、この時点ではファイター5です。しかし「アサシンをやりこめろ!」ではファイター/プリースト(ファリス)6なんですよね。
ではプリーストはこの時点で何レベルなのかというと、よく分かりません。バンダオートさんより上だという事しかわかりませんが、5以上。
パラサ「こういうヒトには弱いの〜。ふらふら〜」
どうやらパラサにはストライクだったらしい。金髪美人ですからね。ちょっと頭が固いファリス信者だけど、そういう所も可愛い。
どうも彼女はその頃はユーザーの間でのファリス・バッシングが酷かったようなので、それを改善する為に出したらしい。
頭ガチガチの融通が利かないファリス信者を、スイフリーが教師として洗脳啓蒙する事で嫌なヤツじゃないファリス信者にするのが狙いとか。
それにどうしようもないAHOも多いかもしれないけど、そうでないファリス信者を自分なりに考えるのも可能ですからね。
あとスイフリーXクレアなんてカップリングを密かに狙ってたりする。段々スイフリーに染まっていくクレア、なんてのも可愛くていい。
基本的にファリスは決して悪い神様じゃないですよ。ただ信者の大多数がアレなだけで。でもそうでない人も多いでしょう。
エトとかフラウスとかジェナートとかファーンとか、いずれも立派な人物です。全部ロードスの人ですが、きっと同じくマトモなのが大陸にもいる筈。
この国では警察・軍事組織が2つ存在します。1つは「光の騎士団」であり、もう1つは「聖堂騎士団」です。
前者は所謂騎士団、他の国でも存在している封建領主(貴族)や騎士達の団体。つまりこちらが正当な国家騎士団なのです。
後者は神官戦士団の一部です。通常神殿は自衛の為に神官戦士団を組織するものですが、このファーズではそれに留まりません。
なにしろ彼らが従う最高司祭が国王でもあるのですから、自然と本来の役割を越えて、王城警護や治安維持にまで進出するのです。
法王が国王であり最高司祭でもあるので、2つの軍事組織が共存してしまっているのです。また面倒な事になったもんです。
もちろん表面上は協力してますが、それでもライバル意識は存在しています。手柄争いは日常茶飯事だとか……。クレアはその聖堂騎士なのです。
そのクレアがスイフリーを邪悪と認定してしまったのです。こうなった以上はタダでは済みません。スイフリーは投獄されてしまいます。
投獄される際に、牢番かなんかにゴツゴツ殴られて生命力5点減少。そういう私刑みたいな事はファリス的にいいのかと小一時間…(以下略)。
一方アーチー達は報告書を渡せました。さり気なく法王に"リムーブ・カース"を打診しますが、断られてしまいました。まぁ当然かな。
調査するならば魔術師ギルドへの紹介状は書いてくれるようですが、たらい回しにされてるだけなんですよね、これ(苦笑)
スイフリー(投獄中)「聖なる魔術師ギルド(笑)」
パラサ「じゃ、アノスで盗賊がいるのは?はとこ?」
スイフリー(投獄中)「それはもちろん」
パラサ&スイフリー(声を揃えて)「聖なる盗賊ギルド(笑)」
グイズノー「友愛団とか名乗ってそうですね(笑)」
こうしてアノスの盗賊ギルドは以後友愛団と呼ばれるようになりました。国が国なので、地下深くに潜ってるとか。
投獄されたスイフリーですが、体が痛い痛いと思っている内に、何やら治せる気になってきました。……あ〜あ、ついに。
こうしてスイフリーはダークプリースト(ファラリス)1をゲットしたのでした。「汝の為したいように為すがよい」の声が頭の中に響きます。
ただし括弧書きなのでまだ暫定的ですよ。それでもキュアーは使えるので、自力で10点ほど回復させてしまいます。
スイフリーの場合は魔力4だから、10点というのは出目にして11ですね。達成値は6ゾロだったし、やたら目がいいですね(苦笑)
怪我をしている同室者も怪我が悪化して死んだ事にするとか、邪悪な事が次々に湧いてきます。いやそれはいつものことか(コラ!)。
一方アーチー達ですが、原因を調べる為に魔術師ギルドを尋ねました。勝手に調べてくださいって、何だってこんな不親切なんだろう。
ここでは《文献調査》を行います。やることはセージ+知力と、他の能力と変わりませんけどね。ちなみに"インスピレーション"は使えない。
レジィナが平目で6とか振ってる横で、グイズノーが18と高い目を出して一発で関連文献を発見します。セージ上げてて良かったですね。
これによれば、人から人へ渡り歩く呪いがあるそうです。量があるので貸してもらって、宿屋で詳しく調べないといけませんけどね。
更に詳しく調べてみると、大きな事例が発覚します。それは自分の魂をアイテムに封じて、宿主を殺した人を次々に乗っ取るというものでした。
それってつまりアレですよね、"灰色の魔女"カーラのサークレットですよね。それを直接書いてるかは分かりませんけどね。
カーラのサークレットは知名度14で、ロードス情報の為にQ&Aより更に+4して18とすると、書いてない事もないと思う。
ただ単純にこういう技術があるんですよ、と書いてあっただけなのかもしれません。「死せる神の島」のエルドースも似たような事してるし。
付与魔術によるものだと思われますが、もしかしたらカストゥール王国の末期では意外に主流な魔術だったんでしょうかね?
では今回の場合はどうかというと、多分その魂が封じられたアイテムは存在しないと思う。あっても爆発してるかもしれないし。
ただ自分の魂を封じたものをそんな脆くしておくかというと疑問です。私だったら《形状保持》《品質保持》を非解除でかけますよ。
ただしこれらの魔法も完璧ではない。本気で壊そうと思って攻撃に攻撃を重ねると壊れない事もないとか……。ケース・バイ・ケースですよ。
だとするとアイテムもなしに呪いが伝染するのかという疑問が湧きます。もしかしたら、あのファリス司祭は元々何も持ってなかったのかも。
大本の呪いがどうやって生まれたかはしりませんが、そういう呪いだったのかもしれない。あの司祭はその感染者を退治したのかもしれませんね。
すると彼は元々善人だった可能性があります。悪徳司祭ではなく、普通のファリスの司祭だったけど、呪いで次第に堕落していったのかもしれない。
しかし神聖魔法というのは神から託されるものです。憑依された場合は、その憑き物は宿主の神聖魔法の能力は使えないんですよ。
ならば呪いによって邪悪になってしまったあの司祭は、元はどんなに善人でも神聖魔法は使えないと解釈した方がいいと思うんですよね。
ところが例外もあって、それがレイリア=カーラです。カーラはレイリアさんの神聖魔法の能力をそのまま使えたんですよね。
この理屈は未だに不明です。フィジカルな能力ならともかく、乗っ取ってるだけでそういうスピリチュアル的な事はできないと思うんですがね。
という事実が分かる一方、投獄中のスイフリーは危機に瀕していました。実は同室者は噂の友愛団の幹部バラストだったのです。
そのバラストを助けに友愛団の同士が牢屋破りを決行したのです。床からノコギリって、そんな手で脱出できるのか。ザルですね(苦笑)
一緒に逃げるかと誘われますが流石に断ります。それどころか後ろ手に縛ってもらって、阻止しようとしたがやられた事にしようとします。
しかし後ろを向いた瞬間、刃物を突きつけられてアウト。証言されたら困るので、スイフリーは一緒に攫われてしまったのでした。
★スイフリーはどうなった?〜さあ、スイフリーを助けよう
そんな事件があって暫くすると、呪いの秘密を突き止めたバブリーズの元へ、クレアがそれを知らせに来てくれます。
彼女はあれから"ディビネーション"で啓示を賜って、ファリスから「善を不善と言うことは、やはり不善である」と言われたそうです。
あの"センス・イービル"は呪いに反応したのであって、スイフリー自身に反応したわけではない(と思いたい)ようですからね。
つまり早計だったと、彼女は考えを改めようとしているのです。この点彼女は決して傲慢ではない、素直な女性なんですよね。
彼女には例の呪いの事を話します。これで彼女が逃げた盗賊の事を突き止めたら、それと一緒に突入する協力関係が築けました。
グイズノー「パラサ、パラサ」
パラサ「ん?」
グイズノー「あれを殺せばルーンマスター技能を持つ世にも珍しい……(笑)」
パラサ「はとこ、オレの為に死んでくれい!(笑)」
やっぱりそうなるんですかね。基本的にルーンマスター技能は持てないグラランですが、こういう事があればいいのか?
古代語魔法や精霊魔法は、資質が欠落してるから使えない。しかし神聖/暗黒魔法が使えないのは、性格的な問題です。
呪いで邪悪な性格になれば暗黒魔法を使えるようになってもいいと思います。5レベル越えれば"ウーンズ"対象25倍がけとか可能(笑)
取り合えずスイフリーの行方を探ろうと、この街の盗賊ギルドこと友愛団のアジトを探してみました。
シーフ+知力なんですが、14でも分からなかったりします。それじゃあ新米盗賊はまず間違いなく見つけられませんね。
やはり場所が場所ですからね。深く深く潜っているようです。もし所在が簡単にバレるようなら、とっくに潰されてそうですし。
こうなると官憲に頼るしかありません。頼ると言っても、無造作にギルドの幹部と相部屋させるようなウッカリさんと思うと不安ですが(苦笑)
それに囚われのお姫様がスイフリーというのはなんだかな。プリンセス・スイフリー、プリフリーって感じ(そんなプリハオみたいな)。
それでも向こうも根性を出したのか幹部バラストの隠れ家を発見します。多分聖堂騎士の捜査だと思いますが、よく見つけられたもんですね。
クレアとしては幹部はぶっ殺しても可。もしかして、バラストを逃がした人はこれを期待してたんじゃ……。友愛団内部の勢力争いか?
クレア「あなたがたの仲間が抵抗するようなら、やっぱりわたしは殺しますよ」
スイフリー「死・ぬ・の・は・お・前・じゃー(笑)」
彼女なら本当にやりかねませんよね。そして今のスイフリーが抵抗しないとも言い切れない。なんだこのカップリングは(苦笑)
クレア「刃向かうものはみんな、わたしは叩き殺すつもりでいますから」
パラサ「さっき反省したんじゃないの〜。魅力的な姉ちゃん(笑)
グイズノー「反省は生かさないことには無意味ですよ」
クレア「では、なるべく手加減しましょう」
ちょっとは学習してるようですね、依然戦う気なんですけど。ていうか刃物じゃ《手加減》はできないんですよね。平でぶん殴ってクラブ扱いは可。
クレアに案内されてバブリーズはとある貴族の別荘を訪れます。どうやら暫く使ってなかった間に勝手にアジトにされてたらしい。
その貴族は実際無関係なんですが、関係あるかもしれないので拘束してます。貴族相手に拘束って、随分と警察権力が強いんですね。
この時点ではアーチーたちの視点では、スイフリーは同室者が消えた際に一緒に消えたとしか分かっていないんですよね。
そうなると捕まってると考えるのが適当ですね。ていうかそうであってくれないと困るって言うか。
レジィナ「ほかに考えられるパターンが……」
パラサ(突然)「はっ、いやん。スイフリー、川に浮かぶの、すごい似合う(笑)」←似合うってアンタ…
グイズノー「お着物をちょっとはだけたような水死体です。ちょっと色白な……(笑)」
パラサ「むしろをめくって『こいつはひでえや』」
グイズノー「『まだ若かったのになー』」
スイフリー「たった140歳や(爆笑)」
呑気な人たちですね。いつもの事ながら、このアドリブコンボの絶品ぶりは何事ですか(苦笑)
屋敷に突撃する前に、奴さんが逃げないように裏口に"ハード・ロック"をかけようと、フィリスがレンジャー技能を駆使して回り込みます。
この場合はレンジャー+敏捷度、つまり《忍び足》のような判定なんですが、所詮フィリスは1レベルなんですよね。
1レベルの敏捷度+2で基準値3ですからね。出目は5で達成値はたったの8、これじゃあ気づかれてると思った方がいい。
多分相手はシーフ+知力とかで判定でしょうからね。幹部の護衛がこの程度の達成値を出せないとは思えませんよね。
そしていざ突撃という時にはレンジャー+知力です。《不意打ち》というか、待ち伏せがあるので《危険感知》です(笑)
しかしそれすらも失敗してしまいます。レンジャーはパラサ(2)とフィリス(1)だけですからね、そりゃあ失敗しますよ。
レンジャー技能は軽視されがちですが、《不意打ち》や《危険感知》といった極めて重要な能力もあるので、2人はサブで伸ばしておいた方がいい。
でも相手は4レベル盗賊が2人だけでした。このパーティーを防げる筈もなく鎧袖一触。アーチーが1ゾロを3回も振ったりしてますが。
一方スイフリーの方はその突入の騒ぎを聞きつけます。「唸れ、アーチブレイド!ああ、1ゾロー!!」という誰かさんの声も聞こえるし(笑)
この時のスイフリーは「俺達が逃げ出すときには、口封じに殺してやるからね。けけけっ」とか言われてるので助けを呼ばない訳にはいきません。
こうしてスイフリーはようやく仲間達に救出されたのでした。主役と思いきや、単に参加機会が減っただけという酷い話ですね。
スイフリー(いじけて)「いいんだ、みんな。わたしのことは放っておいてくれ。ついていくと発作的に悪いことをしてしまいそうだ」
確かに実戦でいきなり何か仕出かされたら怖いです。ハトコの背中にジャベリンとかしそうです。「後ろががら空きじゃー!」って。
デイルを置いていくと、何か悪さをしそうな雰囲気ですしね。「人が苦しむのはたのしいかもしれない」とか言ってるし(ハマり過ぎ)。
そこでスイフリーは縛り上げて"ロック"で封印。これで大丈夫、スイフリーの安全は確保しましたね(そうか?)。
それでも暗黒魔法は使えますが、そんな事こっちには分かりません。分かったらクレアにズンバラリンだろうし。
そしてスイフリーを除く6人はボスの部屋へ突入しました。敵はバラスト(7レベル盗賊)と護衛の4レベル盗賊×3です。
1ラウンド目、バラストは窓から脱出しようとします。彼の敏捷度は14、それ以上速い人達でそれを阻止しないといけません。
まずパラサ、憧れの姉ちゃんが捕まえろと言うのでタックルします。パラサは18と素晴らしい攻撃をしますが、敵は6ゾロで回避。レベル高!
スイフリーはいない。グイズノーはパス。最後に残ったフィリスは"パラライズ"でカチンと固めようとしました。
これがまた達成値18と高く、抵抗できませんでした。しかしバラストも同時に動いていたので、固まったまま窓から落下します。
5m落下ですから、5m×3点で15点ダメージですね。7レベルあるし、死にはしませんよ。本当なら9mまでは《アクロバット》で無傷なのに。
これで終わったように見えますが、"パラライズ"は集中の魔法です。対象を視認できないと効果を保てないので、彼は動けるのです。
2ラウンド目以降は、アーチー達は残った盗賊達を殲滅。パラサは75mダッシュを駆使してバラストの足止めをします。
高レベルグラランから逃げ切るのは非常に難しい。どんなに動いても相手はそれ以上に動けるし、倒そうと思ってもなかなか当たらないし。
そうしてパラサが足止めしてるのを窓から見たスイフリーは、達成値2倍がけ"ウーンズ"(10点消費)をしますが効きやしません。
所詮は魔力4、対するバラストの精神抵抗は推定9ですからね。+1しても魔力5だし。すると抵抗を破れる確率は11.9%程度です。
仮に抵抗を破れても、魔力4だと4点以上出さないと貫通しない。クリティカルすればそこそこ痛いかもしれませんね。
そうこうしている内にバラストは逮捕されて捕り物は終了しました。役に立たないですね、暗黒魔法(笑)
★スイフリー、暗黒面から帰還す
バラストは捕まえたし、こんどはスイフリーの呪いを解いて欲しいとクレアに打診します。それもできれば法王の力で。
クレアはそれが当然だといった様子で了承しますが、翌日と思いきやその日の夜にはもう解呪を行うと言ってきてくれます。
実は彼女は上の人に断られてしまったのです。それでも彼女は自分にも責任はあるからと、越権行為でお咎め覚悟で実行してくれたのです。
"リムーブ・カース"を執り行うのはチャ・ザ神殿です。あのバンダオートさんも協力してくれたのです。いい人ですね。
ただかけるだけでは解呪は困難なので、「儀式」をします。クレアを術者とし、グイズノーとバンダオートさんが参加します。
チャ・ザ神殿でファリスのクレアが解呪と言うのも変な話ですが、バンダオートさんは構わないと言ってくれました。
バンダオート「人の幸福のために行うこと。チャ・ザの神は容認してくれますよ。我らが神はファリスほどかたくなではない。後で謝っておきます」
うわぁ、いい人だ。この国に来てから本当にロクな目に遭ってませんが、だからこそこうして人の優しさに触れると感動します(苦笑)
「儀式」を行えば達成値をかなり上昇させる事も可能です。丸1日行う事で+1、更に同種魔法使い1人参加する毎に+1されるのです。
儀式2日×参加者2人なので、+4されますね。また神聖魔法の使い手でなくても、信者10人=神官1人として扱われます。
さてここで注意しなくてはいけないのは、儀式を行う際には体力の問題から2日が限界だという事です。そして3人以上でやるべきだという事。
1人が1日儀式をすれば+1ですね、2日すれば+2です。また参加者が1人で1日だと+1、2日すると+2にしかならないのです。
これは参加者がいる場合術者は頭数に入らないという制限があるからです。+2以上にしたいなら、3人以上を揃えないといけないのです。
通常は解呪は一度失敗するとレベルが上がるまで試せないですね。しかし儀式は失敗しても、面子が同じでも術者を変えれば再挑戦可能。
今回はグイズノーが1回解呪しようとして失敗しているので、多分レベルが上がるまでは儀式の頭になる事はできないでしょうね。
クレアを術者としたこの儀式ですが、彼女が5レベルだとすると"リムーブ・カース"はやっぱり5点消費ですね。
どうやら魔晶石でも拡大してるようなので、20点の物を使って彼女の精神力が平均の14だとしたら、グイズノー同様+5が限界ですね。
あと儀式によって+4です。彼女が5レベルの知力+2なら魔力は7です。7+5+4で基準値は推定16にもなるのです。
そしてロールした結果、見事に解呪成功。スイフリーはダークサイドから帰還。こういう時でもロールをすると見てる方も怖いですが(苦笑)。
色々ありましたが、今回からバブリーズの冒険はアノスに移ります。色々出たNPC達も交えて更にスケールのデカイ冒険になっていきますよ。