「走れ!神秘の大森林」監修:清松みゆき 著:秋田みやび/グループSNE 出版社:富士見書房
★成長申告ともらったアイテム
今回の元ネタは「北の国から」ですね。本編よりとんねるずのコントの方が好きでしたね。
今回の成長でマウナがシャーマン4→5です。男だったらジャベリンが使えたんですけどね。
前回のヤムヤルとの戦いでそれぞれが財宝を手に入れました。財宝のリストの中から選択する形式だったようですが、リストそのものは非公開。
まずエキューは魔力+1のロングスピア(13)です。アイテム価格の計算式に当てはめると6701ガメル。剣と同じぐらいですね。
ヒースは腕輪の発動体。形状は自由でいいと言われたので最初指輪にするつもりでしたが、つまらないので腕輪です。
マウナ「どこの指に嵌めるの?」
バス「ちょっとオシャレに……足ですかな?」
イリーナ「それは、素晴らしく、極端な身振りで魔法を唱えることになりそうです!」←セクシーコマンドー的な
ちなみに発動体は6レベル古代語魔法"クリエイト・デバイス"で自作可能。ハーフェン導師なら作れますね。
普通に魔法をかけてもらうには6(レベル)×30(基本消費精神力)×20(定数)で3600ガメル、加えて装飾品の値段かな。
マウナは劣化型の"ディレイト・スタッフ"髪飾りバージョン。通常は3点以下の古代語魔法を込められますが、これは2点まで。
ヒースは4レベルなので、基本消費精神力8点までの古代語魔法を込められ、且つマウナ自身がそれを発動てきる訳です。
ただし普通の"ディレイト・スタッフ"に魔法を込めると、その際消費した精神力は込められた魔法が発動するまで回復しません。
ただでさえ少ない精神力が更に少なくなるけど、劣化形だから違うのかな?。ちなみに通常版は2万ガメルですが、それよりは安いでしょう。
イリーナは魔力+1のラージシールド。これで攻撃力への−修正も無くなり、回避力は+3になります。値段は6000ガメル。
クラブと併用した場合攻撃力+1の回避力+3、ますますクラブが手放せなくなりました。既に神官戦士というか蛮族の勇者です(笑)
バスは呪歌の達成値が+1される竪琴。現在バスはバード4の精神力+3なので、基準値だけは8になる。値段は不明。
ちなみに本編ではいきなり歌って300ガメルほど稼いでいるのですが、4レベルだと6ゾロ振っても192が限界です。
魔法の竪琴の効力とか言ってるので、多分バード技能を5レベルとして判定したんだと思います。バスがルール間違い?なんて珍しい。
★そして、カミングアウト
さて今回でこのリプレイも早7巻目です。後に出る"ペラペラーズ"も累計10冊出ますが、ここまで長く続いたのはヘッポコが初めてでした。
5レベル4人に4レベル1人、報酬の相場は{(5×5×4+4×4×1)×50〜200}で5800〜23200ガメルにもなる。
1000点ベースの経験点ながらよく頑張りましたね。でもあまりにも儲からない。このレベルの冒険者ならもっと儲けてもいい。
ていうかあんまり儲からないでいると装備も整えられず、高レベルな敵を出すと大変な事になる恐れもある。まぁイリーナという例外もいますが。
そこで今回は全3回のラムリアースを舞台にしたキャンペーンです。しかも王宮からの依頼という、何ともロイヤルなお仕事になる。
《金目の猫》事件で彼らはユニコーンを保護しましたね。あれをラムリアースへ返還する時期が来たので、ヘッポコはその使節となるのです。
ユニコーンの体調などの理由でここまで延びて当時のメンバーが2人ほどいませんが、撒いていた種の収穫の時期といった所ですか。
依頼を持ち込んできたのはオーファン「銀の弓騎士団」の団長ディーターさんです。サーコートを纏ったいかにもな騎士様です。
オーファンといえば「鉄の槍騎士団」ですが、実は別の団体も存在しました。小隊に分かれて各地に散り、遊撃隊として活躍するらしい。
これを知ってるかはバード/ファイター+知力です。なんとバスが6ゾロ振ったので完璧に知っていました。流石はアーティスト。
ヒース「ケ、ここはあんな、お偉い人の来るような所じゃねえんだよ、酒が不味くなるぜ」
やさぐれ過ぎだ。こういう場所に不慣れなディーターさんに「何だろう、あれは」的な顔をされてるし(苦笑)
まぁB・B2号を森に埋めてきたのが堪えているんでしょう。1号は小さいからともかく、2号は流石にデカ過ぎた。
バス「席を離れましょうエキューさん。このまま同じテーブルに付いていると、一緒に連行されてしまうかもしれません」
エキュー「そうか。ヒースの悪事がついにバレたんだ」
ヒース「は?ぼくは、ひーすなんていうなまえじゃ、ないよ?じゅりあす・とーますっていうんだ」←誰?
しかし世渡り上手だな新メンバー。いくら当事者じゃないからって。
ところが他3人が個室(あったんだ)に連れ込まれると割りと積極的。
エキュー「どうしようバス。皆、騎士の人に連れて行かれちゃうよ?」
バス「む……一緒に連れて行かれてはまずいので、別の場所でぼんやりとしていましょう。救出作戦は、それからです」
ナイス勘違い(親指ビシッ!)。でも一応見捨てないではいてくれたんだ。
この2人も何だかんだですっかり仲間になってますからね。ディーターさんが店に来た時もそうですよ。
イリーナ「高品質ロックの選定に忙しいです。周囲に岩を山と積み上げては、うーむと唸っています」
エキュー「この角っこのバランスが、筋力29っぽいんじゃない?」
イリーナ「惜しい。コレだと26かな」
バス「石はタダですからな、高品質で何倍してもやっぱりタダですぞ」
まぁその辺に転がってますからね。ていうかそんなもんいくつも持ち込んだら床が抜けるんじゃないかな?
ところがディーターさんに気付かれます。
ディーター「あちらの席に座っている二人は、仲間ではないでしょうか?。もしかして、ノリスとガルガドというのは……」
ヒース「それは、勘違いだ。しかし、バスだけは、俺たちの大切な仲間だ……なぜなら」
マウナ「金づるだから!」
酷い……でも必要としてくれてはいるというアンビバレンツ(笑)
さて5人で個室に入り、慇懃に賞賛の言葉を浴びせられると一気に動揺。……いくら今まで酷い扱いを受けてきたからって(苦笑)
そして依頼を申し込まれる訳です。要はユニコーンの輸送兼護衛。加えて返還の調印の為の使者という事になります。
ヒース「……今からでも、遅くない。この依頼は止めておけ。国際平和のために(真面目)」←そこまで言わなくても
仮にも4〜5レベルのパーティーなんだし、もうちょっと自信を持ってもいいと思う。SWPCだったら「死者の島」のシナリオが始まるし。
確かに実際やる事はやっぱり運送屋だし、事が事だけに公にはなりませんよ。でも王宮への覚えはめでたくなるんだし、いい機会ですよ。
バス「ユニコーンに馬用の鎧を注文するのです。額の角も、飾りのようで、目立ちませんぞ」
嫌がる、凄い嫌がるよそれは。ユニコーンは生命の精霊力に深く根ざす生き物、故に精霊力を阻害する鉄を激しく拒絶します。
イリーナ「そうなると、全身金属のカタマリであるところのわたしは……乗せてもらえない!?(ががーん)」
バス「ユニコーンから逃げられるイリーナを見て、ワタクシたちは思わず驚愕してしまうわけですな」
ヒース「イリーナ!お前……そうだったのか……大人になって」
またユニコーンは勇気の精霊を宿す男性を生理的に毛嫌いする。同時に男を知ってる女性、すなわち非処女も嫌う(笑)
……ていうか鎧を脱げ。
具体的には、ユニコーンの森に程近いルーナム近くの村で森林衛視隊のロディと落ち合い、そこで調印を行う予定です。
地図を見ると、ファン⇔ライナスを結ぶ街道は「エールの街道」。そして本来ライナス⇔ルーナムには「いにしえの街道」を使います。
今回は地図に載ってない間道を通って目的の村まで行くんですね。ワールドガイドの街道は本当に大きなものだけで、実際そういう道も多い。
お目付け役としてついてくるのは文官のフラボノさん。通称フラぼん。ちょっと丸っこくて温厚なオジサンです。彼の護衛も仕事の内です。
フラボノさんとロディさんの間で調印を行い、お互いにサインを交換してようやく返還終了。書類や符丁も何重にも決められているとか。
報酬は基本4万ガメルです。働きようによってはフラボノさんが王宮に報告をしてくれて、増額という事もありえるでしょうね。
4万という巨額にはヘッポコも目を白黒。ていうか3回分の報酬を一度に渡すのなら4万は微妙に少ないような気もしますがね。
ただし危険も予想される。内密に行ってる事なので客観的には彼らがユニコーンを運んでいるように見えるし、山賊だって出るかもしれない。
《金目の猫》に関連する敵も想定される。ていうか短編「神官戦士の憂鬱」ではユニコーンを連れて街中を練り歩いてるし(バレバレ!)。
……ちょっと責任感も出てきたので、この依頼は受ける事になりました。マウナは義母さんであるシャナさんとしばしのお別れですね。
シャナ「行っておいて、マウナちゃん。偉い人からのお仕事を受けたんだろう?」
マウナ「……じーん、あたし、やっぱりこの家の家族なんだ……うるっと瞳が潤みそう」
シャナ「しっかりとコネを作ってくるんだよ(親指ビシッ!)」
マウナ「はう!ちゃっかりしたおかあさん大好き……(親指ビシッ!)」
素敵な親子……。まぁ王宮御用達の冒険者の店となったら繁盛間違いなしだし。きっと仲介料も多く入るし。
★王城シーダーにて
それからヘッポコはディーターさんに案内されて、王宮の馬房にいるユニコーンのレイナスと再会しました。
彼らの言葉は精霊語。このパーティーではマウナとエキューが喋れる。内マトモにスキンシップを取れるのはマウナのみですね。
ヒース「おや、あの石像まだあるんだ。あれは三代前のドビアス伯爵がメデューサと戦ったときに、
無念にも石に変えられた姿でな……その武勇を讃えて、石のままにしてあるのが、あの石像なのだ」
はい、嘘です。でもこれには王宮の人々もドヨドヨ。博学な魔術師だと感心。いや騙されてるから、ていうか治してやれ。
ちなみに現在のオーファンでは爵位は定められていません。オーファン建国以前のファンの時代からのお家柄はあるでしょうが。
そしていよいよユニコーンのレイナスと再会です。神秘の幻獣ユニコーンに、イリーナも緊張の面持ちで近寄ります。
イリーナ「がしょん、がしょん、がしょん」
レイナス(精霊語)「鉄の身体で我に近づかないでくれ、乙女よ」
マウナ「イリーナ、鎧、脱ぐ。ユニコーン、鉄、ダメ、キライ」←ジェスチャー
バス「これで、イリーナの正体が暴露されるわけですな……鎧を脱いでも、ユニコーンに忌避されるイリーナ。
むむ、それは一体何故か!紡いだ後、ワタクシが河に浮かんでそうなサーガができそうです」
大丈夫、イリーナは乙女だったようで、レイナスも嬉しそう。ていうかこれは触れても触れなくても恥ずかしい。
そういう訳でユニコーンに触る事を本気で嫌がるお嬢さんもいるんだとか。今はディーターさんの歳の離れた妹とかが面倒みてますが。
マウナはサイコロを振って偶数ならOK奇数ならOUTで決めました。結果はOK、クラウスさんとはプラトニックだったらしい。
それは半々の確率で決めていい事なのか。ていうかユニコーン、ロクでもない生き物です。これが噂の"センス・バージン"(最低だ!)。
ちなみにユニコーンの性質については「魔法の国の魔法戦士」である程度判明します。処女であるかどうかだけがユニコーンの基準ではない。
「リウイ」では触っただけで感動したものですが、この時点ではそこまでの設定はできてなかった。結果ただの下品な馬になりました(笑)
レイナスは故郷の森に帰れるとなると嬉しそうでした。その際は専用の馬車での旅になりますが、少々の窮屈も我慢してくれます。
その際はユニコーンの世話もヘッポコの役目です。具体的にはマウナとイリーナかな。現在世話している美女軍団は連れていかない。
バス「そうですぞ、「ユニコーンの世話をしろ」といきなり言われて、女性たちにセクハラ問題が大蔓延。
次々に女官たちがサボタージュを始めるという大騒動が起こったばかりだと聞いています!」
流石はアーティスト、王宮のゴシップにも詳しいようです。貴族の娘さんがたには、後ろ暗い事が一杯でしょうからな(by.バス)。
バス「「私の娘にさせようとしたところ、できなかったので、一家が崩壊しました」なんてこともありそうですな」
うわ、それは本当にありそうだ(笑)。城内は現在ゴシップの嵐。恐ろしいよ"センス・バージン"!。乙女の秘密を暴露しまくりです。
バス「いやー。最近城内での刃傷沙汰の噂が多いなあと気にしてはおったのですが、これで納得ですぞ」
こうして1人のアーティストによって王城シーダーの暗部が白日の下に晒されたのです。本当にロクでもないよユニコーン。
★へっぽこ、外国に出る〜小さな再会?
そして出発の朝、フラボノさんは奥さんからお守り受け取ったりするシーンも挿入され、いよいよラムリアースへ旅立ちます。
ヒース「馬車の側面に「若い娘さん歓迎」とでも書いておくか?」
エキュー「中のレイナスがハアハア興奮しちゃうから、止めたほうがいいと思うな」
レイナス(精霊語)「我はそんなに下品な生き物ではない」
バス「いや、下品ですぞ」
ヒース「存在そのものが、下品だ」
……既に神秘の幻獣の風格なんて欠片もない。
それからグードンに立ち寄ってイリーナが高品質なグレソーを注文し、山賊を蹴散らし、ラムリアースに入国します。
一行は昼頃に調印の行われるキーショの村に到着します。この村の「夕暮れのカマド亭」にてロディさんと落ち合う事になってます。
馬車は村の近くに待機し、ヒース、バス、フラボノさんのみで宿屋に行きます。余暇を利用してマウナが罠を仕掛けておきます。
バス「おまかせを。敏捷度11の我が足の冴え、いつでもお見せいたしましょうぞ」
ちなみにドワーフの敏捷度は6〜13で平均9.5になります。そんな中で11なら機敏なんでしょうが……ねぇ(笑)
ところがロディさん赤毛で青い目の青年です。ところが宿にはロディさんは来ておらず、ノリスとガルガドという名前で言伝を残す(おい)。
続いて夜にも同じメンバーでカマド亭に行きます。マウナがレンジャーで夜目が利くし、イリーナとエキューの戦闘力もあれば防衛できる筈。
ヒース「店でテイクアウトできそうなシチューでも頼んできてやろう」
イリーナ「わぁ、ありがとうヒース兄さん。たまには気が利くんですね」
ヒース「……二度としねえぞ、こんちきしょう」
まぁ普段が普段だから。
ところがまだロディさんは来ていない。仕方ないのでシチューを頼んでウインドウショッピングでもしながら帰る(嫌がらせ)。
ここでバスは尾行者の存在に気付きます。でも刺客ではなく、レイナスの乗り手ルーシィでした。15歳ぐらいで、金髪で水色の瞳の美少女です。
森林衛視隊の見習いで、レンジャー持ちらしく矢筒を背負っている。現在謹慎中なのですが、レイナスが心配で来てしまったのです。
ルーシィ「貴方が、ノリスさんでしょう?」
ヒース「それはちがう。一緒にしないでくださいお嬢さん」←じゃあ名乗るなよ
ルーシィ「え?違うのですか?わたし、謹慎の最中だったのですが……森林衛視の砦を、飛び出してきてしまったんです」
バス「ほほう、何故謹慎を」
ルーシィ「レイナスを奪われてしまったんです」
ヒース「ぷっ(笑)」
笑うなよ、ていうか本気で吹いたのか。これでルーシィは泣きながら逃げてしまいますが、スープを差し出されて戻ってきます。
お腹が空いていたんですね。でも人としてどうよ。涙目で抗議をする美少女の心地よい視線を浴びつつ、ヒースは彼女に嘘をつきます。
いや今までも嘘だらけなんですけど、本物の乗り手か確認しないといけないと、辛うじて残っていたミニマム理性が訴えたのです。
ヒース「君は謹慎を受けた身なんだろう。一時の感情に流されてはいけない。それは、大切な役目を預かる大人の行動とは言えないだろう?」
言ってる事は正しいんだけど、お前が言うな。
ヒース「いつまでも駄々をこねてると……悪いお兄さんがやってきて、どこかの宿屋に連れ込まれて大変なことに……」
バス「ぶー。それ以上は語れなくなってしまいます、年齢制限つきのサーガになってしまいますな」
それはサーガ(叙事詩)ではない。どちらかというと性(サガ)です。ロマンシング・性(サガ)。……誰が上手い事言えと言った!(逆切れ)
それからレイナスに確認を取り、彼女が正真正銘本物の乗り手を判明すると保護します。拉致されるとまた面倒だし。
ちなみに持ち帰ったシチューは1人分。ルーシィが2人分食べてしまったので、留守番3人は1人分を分けて食べます(しかも冷えてる)。
ヒース(多分共通語)「ふふ、勘違いするなよ、レイナス。今、彼女は俺に夢中だ……」
レイナス(精霊語)「貴様ー!我が乗り手にちょっかい掛けてみろ、殺すー!」
ヒース(もしかしたら西方語)「わはははは!そのリアクションで、ちょっと溜飲が下がったぞ」
言葉の壁を乗り越えてるよ……。そして今回のヒースはいつにも通り傍若無人ですね。……捕まえて、この人。
保護した彼女には了承を得て"センス・イービル"です。こういう時なら許してくれますよね。トロールの時に続いて正しい使い方です。
ルーシィ(精霊語)「レイナス、元気?無事でいるの?」
レイナス(精霊語)「おお、ルーシィ、君が近くにいるのか……」
ヒース「おおおおお、今ここで、精霊語が使えれば、チャチャの最適な入れどきだと思うのに……!」
エキュー「日がな一日ユニコーンからかうことを考えていたら、ある日いきなりサイレトント・スピリットに目覚めた?」
言語は必ずしも技能に依存しない。ルーシィは乗り手だから精霊語を話す必要があるけど、精霊使いという訳でもない。
乗り手になった時にある種の精神感応で修得する……のかもしれない。かといってヒースのように都合良く身につく筈もない(笑)
イリーナ「なんだか羨ましいな、ユニコーンの乗り手」
マウナ「イリーナも、『泉の判定』受けてみたら?」
「泉の判定」とはユニコーンが乗り手を選ぶ儀式。しかしその実体は乗り手がユニコーンを選ぶのです。「魔法の国の魔法戦士」参照。
この際処女である事は勿論、恋をしていない事も必要になる。果たしてイリーナとマウナはユニコーンを受け入れるんでしょうかね……。
★大森林へ……。
ルーシィを迎えてなおロディさんは来ませんでした。彼女が言うには、ロディさんは時間に遅れるような人ではないとの事です。
ちなみにロディさんはユニコーンの森に散在する森林衛視隊の砦の一つを任される隊長であり、ルーシィの上司になります。
あまりにも遅いので何かがあったのかと心配になったヘッポコは、ルーシィの案内でユニコーンの森へと踏み入る事にしたのです。
実はこの時点で既に事件が起きています。ロディさんと砦の衛視達はファンガス菌によって大変な事になっていたのです。
ファンガスとは8レベルの植物モンスターで、キノコに寄生された人間です。森の中に静かに佇み、通りかかる生物を殺して養分を吸う。
特殊能力は《毒胞子》。傷つけられると半径5mの範囲に毒性値16の胞子を噴射。これを吸うと24時間後にキノコが生えて幻覚を見る。
これを防ぐには"キュアー・ポイズン"か"レストア・ヘルス"です。更に1週間放置するとファンガス化し、これを治すには"リフレッシュ"。
弱点は日光らしい。具体的にどういう処理をするかは不明ですが、日光の下では長くは生きられないそうなので、基本的に森からは出ない。
また精神点は9と低めなので、高レベル精霊使いなら直接戦闘するよりも"シェイド"が有効。魔力7のマウナなら少しずつ削れる筈。
問題は毒性値16の胞子ですよ。魔力7のマウナが更に4倍拡大して基準値10、出目6以上と怖い。しかも消費精神力4だし。
抵抗だって生命抵抗なのでカンタマが効かない。最大生命抵抗を持つイリーナやバスだって8なんだから、出目8以上と非常に怖い。
しかしユニコーンのレイナスなら治癒系の精霊魔法を10レベルで使える。魔力は13、1ゾロ振らない限り治せますね。
本編では「無限救急箱」とも呼ばれていますが、ユニコーンでも精神点は消費します。"レストア・ヘルス"なら2点消費ですね。
精神点は20点なので、普通にやると10回。いや精神点が0になると角が落ちる。トランスファーできればいいんですけどね。
ヘッポコが砦に到着した時にはもうかなり胞子が撒き散らかされ、多くの衛視達が幻覚を見ていました。
最初に遭遇したのはルーシィの先輩衛視ジリーさん。服の下にはキノコがビッシリ生え、「虫が〜」とか言ってるし。
イリーナ「気持ち悪……いのを我慢して、うう、一体何なのか暴いてみます!ごめんなさい!」
ヒース「イリーナ、そんな破廉恥な(指の間からしっかり見てる)」
イリーナ「どす(蹴った)」
しかし恐ろしいよファンガス。この人達はまだ感染して日が浅かったから"レストア・ヘルス"で済んだけど、完全にキノコになったら治せない。
そしてレイナスの力も借りて感染者を介抱して回り、キノコを落としていきます。砦の中も菌が残らないよう日を射れて換気。
ヒース「ひとつでも、胞子を見落としたら大変なことになるぞ。風の谷のように」
正にそういう事になるでしょうね。もしヘッポコが来なかったら全員ファンガス化し、近隣の村々も腐海に飲み込まれ、日光で全滅。
こうなった原因はライナスの学院から来た3人組の研究者?にあるのですが、彼らとの対決は次回になります。
治療された衛視達は自分達の置かれていた状況に青ざめ、近隣の砦にも大急ぎで伝令を飛ばして注意を促す事にします。
ヘッポコはやはりファンガス化していると思われるロディさんを追跡します。馬を借りて全員で大森林を走る事になりますね。
先頭を行くのは当然レイナスとルーシィです。ユニコーンを駆る乙女に導かれ、神秘の大森林を駆ける冒険者達。なかなか絵になります。
ちなみにユニコーンの移動速度は馬と同じ30です。全力移動だと1ラウンドに90m。100mを10秒強で走る事になる。
競馬とかに詳しい人からすればかなり遅いんでしょうね。ただしユニコーンの敏捷度は15で普通の馬は12と、初動の違いはある。
★大森林の追跡劇
こうして一行は馬を借りて森林を走る事になりました。普通に馬に乗るだけなら判定は要らない。しかし技術を要する場合は必要になる。
例えば戦闘に用いたり、障害物を越えたり。そういう時は《乗馬》判定で冒険者+敏捷度で目標値7の判定になります。
落馬した際は3mからの落下とみなされ、9点ダメージ。これは馬の高さだけでなく、疾走時の速さなども考慮した上でのダメージです。
今回は慣れない森の中という事もあって目標値は10。うっかりヒースやエキューが転んだりしつつも広大な森を探し回ります。
途中で同じくキノコを生やした狼の死体に油をかけて燃やしました。これはつまりロディさんが胞子を噴出すほどにファンガス化しているという事。
更にキノコを生やして幻覚を見る軍馬(ロディさんの)をレイナスに治してもらうと、軍馬は主人を探すように走り出します。
ここで全力疾走の軍馬についていく為に《乗馬》判定です。目標値は12と更に高く、足りない分+1ラウンド引き離され、1ゾロだと落馬。
これにはイリーナとマウナが2ほど足りなかったので、3ラウンド引き離されてしまいます。主力と"シェイド"係がいなくなりましたね。
ヒース達がロディ隊長に追いついてみると、彼は既に半ばキノコ人間。"レストア・ヘルス"が間に合うか実に微妙な状態でした。
エキュー「ルーシィ、レイナスに治させて!」
レイナス「触りたくないなあ(不承不承)」
ヒース「触れや、馬(ドスの効いた声)」
レイナス「触るとも。乗り手の願いだからな」
エキュー「そりゃ、願うでしょ。というかこの場合、わがままなのは君だ、馬」←既に馬扱い
ここではD6で1〜2が出ると間に合う、3〜6で手遅れという事で決めましたが、結果間に合いませんでした。既にファンガスでした。
こうして8レベルモンスターと3人だけで戦う事になりました。"シェイド"係と"シューティング・マシーン"がいないのはキツイか。
エキューでも"シェイド"は使えるけど、魔力5じゃ精神抵抗15(8)は破り難い。破れないとクリティカルしないと貫けないし。
1ラウンド目、実はファンガスは敏捷度7の移動速度7という鈍足なので、接近せずに飛び道具で攻撃。
エキューのロングボウは命中して12点ダメージ。防御点も10と薄いので2点抜けますが、生命点17は微妙に頑丈。残り15点。
ヒースもマジカルハンターの端くれとして弓を射るが、7というショボさではかすりもしない。バスも弓を射るけどやっぱりハズレ。
ファンガスは回避点15(8)なので、1ゾロ振っても10確保。最低でも10で攻撃しないと当たらない。最後にファンガスは全力移動で接敵。
2ラウンド目、エキューは弓を捨てておニューの魔法の槍で攻撃。20という数値なので、これだと相手は6ゾロ振っても20なので確実に命中。
ダメージは今度は13で3点抜けて残り12点。その代わり傷口から胞子を噴出して全員生命抵抗。でも戦闘後にまとめて行います。
続いてヒースは初公開の"パラライズ"。抵抗を破れば精神集中の限り敵を麻痺らせる、決まりさえすれば一撃必殺の魔法ですね。
これが何と出目11で達成値18!!。これならファンガスは最低でも11振らないと抵抗できない。当然抵抗できず、ファンガス硬直!!
……勝った、ヒースのお陰で。ここまで鮮やかに魔法が成功したのは久しぶりかも。以後彼は誰が呼んだか"パラライズ名人"と呼ばれる。
それから追いついてきたマウナとエキューによる"シェイド"ぶつけまくり攻撃によってファンガス気絶。アッサリと捕獲できました。
マウナ「ヒースが"パラライズ"に飽きるまでに、急いで気絶させないとー!」
エキュー「うわー、それは早そうだ」
こうして捕獲したファンガスもといロディさんは、胞子を吸った人でキノコを引っぺがし、書類などは一時こちらで保管します。
そして首から下を頭陀袋に押し込んで、早急にライナスへ運び、ラーダ神殿の高司祭の手で"リフレッシュ"をかけて元に戻します。
その辺の手続きは森林衛視隊の人達が協力してくれました。これでもヘッポコはオーファンの使節。それなりの扱いは受けますよ。
ファンガス菌の謎は残ったものの、それは次の古都ライナスでの冒険に引き継がれます。
エキュー「……そういえば、僕たちきのこの胞子吸ってる」
生命抵抗の目標値は16。バスは生命抵抗8、エキューは7、ヒースは5です。かなり危ないけど、バスとエキューは成功しました。
ヒース「……ふむ、俺様の身体が痒くなるのは、二十四時間後か」
"パラライズ"でダイス運を使い果たしたか。都合よく何度も11が出る筈もないか(苦笑)
★成長申告
今回の元ネタは「プロジェクトX」ですね。パッと見同じですが、元ネタは「エックス」、サブタイトルは「バツ」と読む。
イリーナ「ファイターがついに16レベルになりました!これで超英雄ポイントが8点です!」
はい嘘報告お疲れ様。本当はファイター5→6です。ついに追加ダメージ10点ですよ。素手でもダメージ二桁保証(笑)
ヒース「素手でバッファローぐらい殴り殺せそうだな。いや、既に戦車の突進を身体で止め、ワイバーンを一刀両断にしてるが」
バス「それは花も恥らう十六歳の乙女の話ですかな、それともどこぞの蛮族の英雄の話ですかな?」
いいえ"至高神の猛女"の話です。"至高神の聖女"フラウスとはまた違う意味で記録に残りそうな勢いです。
★王都ライナスへ
ファンガス化したロディさんを保護したヘッポコは、彼を治療する為にルーシィやレイナスと共に古都ライナスへと向かいます。
しかし"シェイド"責めで気絶したとはいえ、放っておけばその内目を覚ます。そこでレイナスに"スリープ"をかけて貰います。
イリーナ「お願い、ロディさんにスリープかけてv」←しな垂れかかる
レイナス(精霊語)「……背中を許す乙女はもう戻ってきたからなぁ」
イリーナ「お・ね・が・い」←首をぎゅうううううっと締めてる
エキュー「すごい、馬の首を絞めてる」
レイナ(精霊語)「お、乙女よ、願いをかなえよう……」←首が黒くなってきてる
それは願いじゃなくて恐喝だ。しかし流石はイリーナ、スナック感覚で馬の首を折れそうです。
ちなみにユニコーンは回復系以外の精霊魔法を6レベル(魔力9)で使える。魔力7のマウナよりも"スリープ"の達成値は高くなりそう。
ロディさんに"リフレッシュ"を唱えてくれるのはラーダの高司祭です。やはり魔法の国だけにラーダが主要のようです。
バス「もっとも、我がヴェーナー神殿には8レベルの神官が山のようにおりますがな」
ヒース「8レベルのふりをした神官が、だろう」
バス「何を仰います、ちゃんと8レベルですぞ……バード技能は」
それじゃあ治せないでしょ。でもバードとはいえ8レベルというのはちょっとしたものですよ。歌聞爺に次ぐ実力者です。
ヒース「また新たに女のできたユニコーンの森を去るのは、少々後ろ髪を引かれるものがある」
マウナ「女って誰!」
ヒース「男のたしなみとして、港港に作らないとネ、次はライナスでかなあ」←どこの船乗りだ
イリーナ「マウナ、落ち着いて!ヒース兄さんは幻覚を見始めているんだよ」
ヒース「おお、そういえば袖口からきのこが」
そういえば前回抵抗に失敗したままだ。このままだとライナスに着く前に本当に幻覚を見る事になる。
そこでマウナが達成値+2で"レストア・ヘルス"しますが、魔力9で出目6では1本足らない。こうなればレイナスに頼るしかない。
レイナス(精霊語)「寄るな、ヨゴレ」
ヒース(多分共通語)「俺様の御手に触れる栄誉をやるぞ、ファッキン・ホース(にこやかに手を差し出す)」
レイナス(精霊語)「何を言われてるのかわからないがムカツクな。貧弱きのこもどき」
ヒース(ドワーフ語)「安心しろ、下品な一本角馬。俺様もムカツク」
イリーナ「ヒース兄さんは、やっぱり人間以外とは仲良くできるんだ」←ナイス勘違い!
しかし凄い、言葉の壁を越えてコミニュケーションが取れてるよ。殺伐とした方向にフレンドリーだ(笑)
結局エキューがヒースを背中からどついて跪かせ、レイナスに"レストア・ヘルス"で解毒してもらいました。しかも6ゾロで。
ヒース「ふ、さてはこの馬、俺に惚れてるな」
エキュー「あ、ヒースの顔面に、無数の蹄痕が」
こうしてヒースとレイナスは気持ちがあれば言葉の壁を乗り越えられる事を証明したのです。そしてその気持ちが友好である必要はない。
しかしヘッポコは見事にユニコーンに対する憧憬を瓦礫の山に変えてくれましたよ。今じゃただの金づるになる下品な馬でしかない。
★王都ライナスで
ラムリアースの王都ライナスは新王国期最古の都市であり、カストゥールの流れを汲む独特の雰囲気を持つ街並みが有名です。
街の隅っこにも理解し難い精緻な彫刻が施され、若干退廃的。ガウディのサグラダ・ファミリアみたいな感じかもしれない。
質実剛健なオーファンからすると異質ですが、ヒースなどはなかなか感銘を受けたようです。猫の手を見る限り人々の暮らしぶりは普通ですが。
魔術とラーダ信仰の盛んな異国の都市を訪れたヘッポコですが、今は観光よりもロディさんの治療が優先。早速ラーダ神殿へ向かいます。
案内はライナス生まれのルーシィがしてくれます。彼女は内乱時にフレアホーンに味方したザイオン子爵家の出身、所謂貴族のご令嬢でした。
ヒース「がーん!俺様!くそう、手加減せずにあのクソ馬に乗れなくしておくんだった!(大ショック)」
イリーナ「グレソで心臓を狙います」
マウナ「そして、すかさず"ヒーリング"」←楽に殺さない
イリーナ「グレソで首を狙います」
マウナ「そして、すかさず"ヒーリング"」←死ぬに死ねない生き地獄
イリーナ「グレソで頭を狙います」
マウナ「そして……」←精神力が尽きればレイナスが代打
ヒース「すいませんすいません、ボクはへたれなので、口だけです(ガクガクブルブル)」
突っ張り通せないならやめとけって(苦笑)
それからラーダ神殿の高司祭様に最優先で"リフレッシュ"をかけてもらい、ロディさん復活。そしてルーシィを見ると雷を落とします。
ロディ「何をやっているんだ、こんなところで。謹慎だと言っただろう!」
ヒース「お前が謹慎しろ」←メイジスタッフで一撃、ていうか腕輪は?
確かに規則は破った。でも彼女がいなかったら今頃全員ファンガスだったし、正直彼女の案内のお陰でスムーズに事が運びました。
規則は規則ですから、今度は実家で謹慎を続けますけどね。イリーナが庇うとロディさんも溜息混じりに引き下がってくれました。
それからロディさんとフラボノさんで調印を行い、任務完了。これでようやくレイナスはヘッポコの手を離れたのでした。
当初承った依頼は完了ですが、まだファンガス菌を散布した犯人がいる。そこでフラボノさんの了承を得て調査に協力する事になりました。
そうして多少のハプニングがあろうとも両国の同盟関係は磐石なのだという事をアピールするのが、今回のヘッポコのお仕事です。
取り敢えず当初の依頼は終了という事なので、これはこれで追加報酬も発生します。およそ2万ですが、働きによっては増額ありです。
しかし本当に立派になったものですよね。報酬の総額は6万ガメルで、ラムリアース側の国庫から滞在費も出してくれるというのです。
本国への確認などはフラボノさんがしっかりとサポートしてくれます。勿論使者ですから、貴族の夜会へお呼ばれする事もあるでしょう。
マウナ「燃えてきた燃えてきた燃えてきたー!憧れの上流階級が、庭の茂みの中から垣間見えちゃうわけね」←参加すればいいのに
イリーナ「ひらひらのドレス……ごちそう……ほわん……ちょっと白馬の王子様を期待しちゃったりするかも……」
ヒース「イリーナを乗せるためには、黒王号のような馬が必要じゃないのか?」
ああ、あの蹄で人間をプレスするようなやつね。フル装備で乗ると普通の馬だと潰れそうですもんね。前回借りた馬も死にそうだったし。
フラボノ「では、こちらで相談して、早速宿をひとつ貸し切らせてもらいましょう」
これには一同身体の震えも止まらない。やっぱり世の中金とコネなのかな、一気に世界が変わっていく。
マウナ「あたしたち、今まで庶民以下だったのに!」
エキュー「でも、便利に使われてることには変わりないし」
ヒース「はっはっは、いきなりクールダウンしちゃったぞ」
今までの待遇が酷過ぎただけというのもあるんですけどね。報酬が少ないわ、身内に殺されかけるわと。
貸し切る宿は中の上のお店「緑の三日月亭」です。勿論安宿ではありません。ポーターがいて、アメニティも充実。
バス「ごはんのお替りをしても一行にかまわないのですぞ」
マウナ「……ああ、夢のよう……キャベツの大盛りを食べてもいいのね、ソルトライスじゃなくても(よろりら)」
イリーナ「これが、裕福っていうことなんですね!」
なんて安い裕福なんだろう。まぁラムリアースとしても使者を酔っ払いのいるような所に案内する訳にもいきませんからね。
ヒース「心配せずとも、俺たちがしっかり酔っ払いだ」
……そしてこっちも醜態を晒す訳にはいかない。最悪国交を壊す事にもなる。まぁその時はヒースの首を詰めればいいか(笑)
それから暫くの間は宿の豪華さにのたうち回り、マウナなんてアメニティをバックに詰めたりして至福のひと時(セコイ!)。
ヒース「いや、今は耐えろ俺。ごろごろのた打ち回るのは、仕事が終わってからでいい」
その通り、今は仕事です。でもヒースが言うと何故正論なのに突っ込みたくなるんだろう。間違った事は言ってないのに。
それとここでフラボノさんの信仰している神様をサイコロで決めます。出目が5だったので、ルールブックで上から5番目のマーファでした。
貧しい農村の出身で、親から継ぐほどの田畑もなかった。でも勉強はできたので王宮に取り立てて貰えた苦労人のようです。
そして息子さんはマイリーで、騎士なんだとか。親子揃って庶民ながらに立派な職に就くとは、新興の王国ならではですね。
ちなみにルールブックの神様は上から順にファリス、マイリー、ラーダ、チャ・ザ、マーファ、ファラリス、フェネス………となっています。
これで6振ったらどうするつもりだったんだろう。一応ファン王国の時代はファラリス解禁でしたけど、流石に今はマズイでしょう。
さて前回ファンガス菌をバラ撒いた三人組ですが、内2人はライナスの学院出身の魔術師アルミンとジャギーです。
そして最後の1人はランディといい、ファンドリア出身のファラリスの神官戦士。2人をそそのかして今回の事件を引き起こさせました。
ヘッポコは三人組が学院の紋章をつけていた事から賢者の学院を訪れて、受付の人や担当の導師から彼らの情報を聞き出そうとします。
ヒース「こんにちは、私が噂のヒースクリフです。ぶっちゃけ、偉い人に会わせろや」
エキュー「すいません、オーファンの使者の者です。アポイントなして失礼ですが、お時間をいただけますでしょうか」
世慣れてるねエキュー。そしてヒース、国家の命運がかかってる事を意に介してない。アンタ悔しいけど漢だよ(騙されるな)。
バスは目撃情報を頼りにシーフ+器用度で描いた似顔絵を見せてアッサリとアルミン&ジャギーの名前と、彼らが破門された事を知ります。
ちなみにこの似顔絵はルールブックには載ってない判定。しかし基準値8で達成値19!とは、似顔絵描きでも食ってけそう。流石アーティスト。
マウナ「ほらを吹きましたか?先生に失礼を働きましたか。お金持ちで可愛い女の子を見るや、コナかけようとしますか?
遺失呪文をどんどこ増やしますか。しかも、頼んだ仕事に失敗しますか?」
ヒース「はっはっは、そんなことでは破門されないぞー」←ハーフェン導師は仏様だからだよ
受付「その全部です。特にアルミンは名誉欲の高い男でした」
ヒース「……ほほう。それは、志が高くていいんじゃないカ?(ビクビク)」
受付「しかも、礼儀知らずなところのある男でして」
ヒース「……フレンドリーなわけですな(ビクビク)」
受付「実力に見合わず、大きなことばかり言っていました」
……つまりヒースに生き写し。ちょっとヒースへの戒めでもあるのかも。スイフリーに釘を打ったようなものかな。
続いて導師に話を聞くと、ジャギーは普通のドロップアウト組。勉強に追いつけなくて落ちぶれ、後にシーフ技能を伸ばしていたらしい。
そしてアルミンは自分の事を棚上げしつつも認めて貰いたいと思ってる捻くれ者で、人が人以上の力を持つ事に憧れていたらしい。
ワーウルフなんかも研究対象。ついには人間をファンガスに変えようとして破門。研究資料などは破棄されて逃亡したとか。
「お前の筋力を3倍にしてやろう〜。うん?間違えたかな?」とか言いそうなタイプですね。ヒースがトキとするならアミバ(笑)
つまり2人とも「自分を認めない世間が悪い!」とか言うような小心者だった訳です。それをランディが利用し、機材などを供給した。
その狙いはオーファン・ラムリアースの国交の混乱。それを果たせば2人をファンドリアで重用すると唆し、認められたい2人は飛びついた。
エキュー「で、実力のほどは?」
導師「どちらも大したことないよ。特にジャギーは。アルミンでも"ブリザード"が吹き荒れるぐらい」
一同「十分だー!」
ジャギーはソーサラー3、アルミンはソーサラー5ですか。しかし5とはヒースをも上回る導師級、十分凄いって。
実際短編を見ても彼は「才能はあるが性格に問題あり」というタイプの男でしたし、周りの人もそういう風に見てました。
ラムリアースは確かに魔法の国だし、ギルドもオーファンよりは立派です。でも5レベルが普通というのは流石にない。
最高導師の"偏屈"レクリオだってカーウェスには及ばない。恐らくは他所と同じくピラミッド型の人口分布である事は変わらないでしょう。
ただ絶対数が違うんだと思います。魔術師が多いから必然的に導師級の数も多い、でも比率で言えばそんなに変わらないと思いますよ。
このような絶対数と比率の混同は統計を用いた欺瞞によく利用されるし、逆に相手を批判する際の根拠にもなる諸刃の刃です。
★罠は足元に〜冒険者、罠に嵌る
こうして犯人の人物像は絞られました。実は既にラーダ神殿にファンガスに感染したジャギーが訪れ、治療を受けて住所も判明してたりする。
勿論それは罠です。わざと感染して治療を受けて足跡を残し、ヘッポコを偽りのアジトに誘き寄せる作戦だったのです。
そして彼らを引き寄せている間にアルミンが"シェイプ・チェンジ"でヒースに成り代わり、フラボノさんを誘拐。そういう罠を仕掛けてます。
ところがこれが見事に成功してしまうんですよね。フラボノさんを宿屋に残し、ロディさんを連れて偽のアジトに行った隙を突かれました。
エキュー「これで、何があっても、アムリアース側の責任にできる」
イリーナ「さすがにエキューは気が回ります。法に触れない汚い方法をたくさん知ってるんだね」
エキュー「う、うん、そんなこともないと思うけどな」
冗談のつもりが本当にそうなっちゃったんですよね。これが公になるとラムリアースの方に責任が生じるかもしれない。
逆にそのヒースが偽者だったと証明できない。アルミンの変装が完璧過ぎました。これではラムリアースを貶める陰謀と言われかねない。
偽ヒース「おい、迎えにきたぞ、フラボノ。さっさとこい」
フラボノ「ああ、もう相変わらず態度がでかいですなあ、ヒースさん」
偽ヒース「うるさい、さっさとこい。このトンチキ」
そういうやり取りをナチュラルにできるのです。何故ならば2人とも態度が悪いから。ここに来て普段のツケが回ってきたか(苦笑)
ちなみにアルミンの使い魔もカラスです。ずっと監視されていて、「ああ、こいつなら真似できるや」となったんですね。
実はこっそりとそれに気付くかの判定もしていたし、小動物に気をつければ気付く筈でした。相手の使い魔って結構盲点なんですね。
イリーナ「なんで、使者らしい態度をいつもとり続けることができなかったんですか、正座して反省しなさい!」
こうしてヒースはファリス式反省法を取る事になりました。今回は本当にヒースの素行に釘を打つような展開ですね。
これを機に態度を改めて欲しい気もするけど、きっとハーフェン導師への態度も変わらないんだろうな。ていうかそんなのヒースじゃないし。
そこでヒースは名誉挽回とばかりに"ロケーション"を使います。フラボノさんが出発時に奥さんから貰ったお守りを探知。
特定の物体を指定し、その方向を探知する4レベルの古代語魔法ですね。持続時間は1日、それだけあれば十分追跡できる筈。
しかし相手もそんな事は想定済み。フラボノさんの持ち物を全て脱がし、"カウンター・センス"をかけて"ロケーション"に備えていました。
こちらは《探知》系の魔法に反応してそれを打ち消し、相手の顔や居場所、及び使用した《探知》系の魔法・アイテムの種類まで分かる。
ここで問題が2つあります。1つは"カウンター・センス"の効果範囲は術者だという事。そして逆探知を行うのがジャギーだという事。
現在ジャギーはフラボノさんの持ち物・衣類を手に持ってます。この状態で"カウンター・センス"をかければ、確かに逆探知はできる。
でもジャギーは3レベル、4レベルである"カウンター・センス"は唱えられない。しかしこれは"ディレイト・スタッフ"で解決します。
アルミンは5レベルで、"カウンター・センス"の基本消費精神力は12。3点消費なのでスタッフに込め、ジャギーに使わせられます。
まぁこれはいいとして、もう1つはヒースが"ロケーション"をかけて"カウンター・センス"が発動した時、一方的に逆探知された事です。
前述通りに逆探知したら相手の魔法を打ち消す。つまりヒースは"ロケーション"を打ち消され、逆探知された事が分かった筈なんです。
ところが実際は一方的に逆探知され、ヒース自身もそれに気付かない。本来1ラウンドだけ効果を発揮し、それから打ち消されるのに。
まさか遺失魔法?。"カウンター・センス"の更に上位魔法で、逆探知に気付かれない。でもそんなのあったら消費精神力が3じゃ済まないかも。
それから宿屋にアルミンの使い魔が落としていった脅迫状を持ってルーシィが訪れます。要件はフラボノさんとユニコーンを交換です。
しかし動くなとは書いてないし、実際相手もこっちが"ロケーション"を使って来る事も想定済み。既にジャギーが交渉役で待機しています。
でも実はユニコーンはオマケです。単純に国交を壊すだけならフラボノさんを殺して晒せばいい。敵は欲をかき、隙を見せてしまったのです。
ヘッポコは助っ人としてロディさんとルーシィを連れ、全員でお揃いのハチマキを締めて下に「肉」と書いて現地へ赴きました(恥)。
これは変身できないようにする為です。ハチマキをとって肉の字を見せて初めて本物です。いかに魔法でも見えない文字までは真似られない。
更にヒースはいつかの怪しい探偵ルックに変装です。カツラ被って手袋嵌めて、田村○和っぽい格好になるアレですね(持ち歩いてる!?)。
ちなみにロディさんはファイター/レンジャー5の精鋭です。武器は弓とレイピア、鎧はハードレザー。いかにも貴族出身の森林衛視って感じ。
ヒース「さあ、呼び出しに応えて来てやったぜ、番長さんよぉ!」←いつの時代の学園ものだ
荒野にやってきた一行を待っていたのはジャギー1人でした。ちなみに彼のデータは短編の方にも載っていて、シーフ5のソーサラー3です。
また何を探知されてもいいようにフラボノさんの持ち物全て、下着まで持っています。そして季節はもうすぐ冬、自力での脱出は無理かな。
ここで面目躍如とばかりにヒースの見事過ぎる交渉が炸裂します。似た物同士だし、相手のツボが分かってるようで。
ヒース「やあ、君たち。すごーく強そうだけど……なんていう組織の人だい?」
ジャギー「ふ、ふん。俺たちに組織なんかないさ。そんな下品な……」
ヒース「何を言ってるんだ色男。謙遜するなって、色々話を聞いてきたぜ。たしかに、あいつらの器なら大きなことをやらかしそうだってな」
ジャギー「……ふん、そんな見え見えのおだてに乗るかよ……俺たちは、もっと大きなところに認められたんだ」←ファンドリアね
ヒース「わかるよ、偏屈な師匠の下では、息苦しいってな。規則に縛られた場所で、本当の自分を曝け出せるはずがない」
ジャギー「あ、当たり前だ。ラムリアース程度で満足できるかよ」
ヒース「貴方の本当の実力を見抜いたのは、一体どこの誰なのですか?俺も、あやかりたい……(憂いを帯びる)」
ジャギー「……さる方から、お声がかかってな」
……つまりヒースもこういう事を言われたいんだ。情けない、けど役に立ってる。さっきはそれを利用されて不覚をとったけど、お返しですね。
こうしてアルミンとジャギーはある人物と繋がりを持ち、その人の腹心の一人であったランディと行動を共にするようになったのです。
そしてここでヘッポコは気付きます。ユニコーンを渡すのが最悪の事態であると。それぐらいなら、フラボノさんを殺された方がマシだと。
こうして彼らはジャギーに飛び道具で一斉射撃。自分達が早まった事にして汚名をすべて被り、報酬でフラボノさんを蘇生させるのです。
ヒース「やってしまえ皆の衆!いっそ俺たちのせいにするぞ!」
イリーナ「断頭台には付き合います!」
熱いね。あとユニコーンに"シェイプ・チェンジ"という案も出ていますが、基本的に生まれの定かではない幻獣・魔獣には変身不可です。
ただしロードスのカーラの例のように、遺失魔法の中にはそれが可能なものもある。あるいは能力の伴わない、見栄えだけの変身なら可能かも。
1ラウンド目、エキューが"サイレンス"を唱えて抵抗。ヒースも"スリープ・クラウド"を唱えて抵抗される。マウナも弓を射るがハズレ。
イリーナは弓を抜いて矢を番えて通常移動で接近。弓は静止していないと射る事はできないのでそれまでです。ロディさんも同じ。
ジャギーは敵対行動に出られた事を察して"スリープ・クラウド"。これでヒース、マウナ、エキュー、ルーシィお休み。
2ラウンド目、イリーナがキャノン砲を17と言って発射。ジャギーの回避力はスモールシールドなしで7なので、当然避けられない。
するとこれが16点ダメージという強烈さ。彼の鎧はソフトレザー(7)とやわやわなので、7点止めて17の生命力が残り8点。
続いてロディさんですが、これが何と2連クリティカルで29点ダメージ!。11点止めて18点抜けて……生命力−10点。
彼の生命抵抗は7なので、生き残る為には出目10以上が必要です。……終わった、これで情報源が無くなった。フラボノさんも終わった……。
ところがそこは"ダイス母神の愛娘"秋田GM、なんとオープンダイスで11。ジャギー生き残った!。凄い、何て便利なGMなんだ!!
マウナ「九死に一生スペシャルみたいだね」
イリーナ「胸の真ん中を、重要器官を全部避けて貫いたみたいですね。すごい腕ですロディさん、さすが隊長」
確かに凄い、ちょいとしたヒットマンです。冴羽リョウやデューク東郷もかくやという正確さ、しかも弓で(笑)
それからヒースが《応急手当》で出目3と危うい処置で意識を取り戻させ、縛り上げてバスが"チャーム"で尋問です。
バス「迷子の迷子のジャギーちゃん、あなたのおうちはどこですか?」←そういう命令
ジャギー「おお、ここだよ。遊びに来てくれ」←地図を描いてくれた
ヒース「俺様のおうちはオーファンの魔術師ギルドにあるんダ〜」←抵抗失敗
マウナ「あたしもオーファンの「青い小鳩亭」っていうところ〜〜家族と一緒で幸せよ〜〜」←同じく
「お家を聞いても分からない〜♪、国籍聞いたらモンゴリア〜ン♪」ってやつですね(違う)。これでフラボノさんの無事と、背景を知ります。
聞くだけ聞いたらもう用はありません。イリーナが風林火山で《手加減》を使ってぶん殴って気絶させてしまいます。
ところがこれが6ゾロでクリティカル。あっさりと25点ダメージで生死判定に追い込まれるも、《手加減》だったので1ゾロ以外でセーフ。
しかしこの生死判定の出目が3!。危ない、さっきから危ないよ。何でそんな派手な出目で綱渡りを。この短時間で生死の境を彷徨い過ぎ。
こうしてジャギーを九死に一生を得た(本当にね)のですが、裸にされてるフラボノさんの恨みを晴らす為にコイツも剥いておきます。
全裸にして縛り上げ、腹に「修行中です」と書いて放置です。そこは「兄貴募集中!」とかの方が効果的だと思いますけどね(笑)
★フラぼん救出作戦・なし
一行はジャギーから聞き出した敵の真のアジトに到着します。どうも魔法がかかってるようで"トンネル"も効かなそうな屋敷でした。
恐らくは《品質保持》の魔法とかでしょう。ネイラードの領主の屋敷もそんな感じでした。耐震構造も下手な現代建築よりも磐石かも。
ここではまずヒースがジャギーに"ディスガイズ"です。「アルミンの兄貴大変でやんす〜」って感じで油断させるんですね(やんす?)。
そしてマウナとエキューは"インビジビリティ"で姿を消し、他の人達は"シェイド"の半径5mの闇の中に隠れてついていきます。
これはエキューの発案です。確かに"シェイド"の操作には精神集中も必要ないらしい。ちなみに20m以上離れると操作不能に陥る。
こうして万全の作戦を整え、早速ヒースの演技です。これは本来シーフ+知力なんでしょうが、そこは冒険者+知力でオマケです。
ヒース「……む!1ゾロ!まるっきり全然さっぱり似てないぞ!」
マウナ「のっけから、だめじゃん!」
ヒース「僕、襲われちゃった〜兄貴ぃ、なぐさめてぇ〜♪あちしを忘れたのかい、アニキィ〜〜あけてよぉ〜〜いとしぃしと〜〜(裏声)」
イリーナ「それ以上続けると、わたし、聴覚的邪悪と判断して戦闘モードに移行しちゃうよ?」
いきなり全ての計画が雲散霧消に飛び散りましたね。ていうか途中からスメアゴルになってるし。世界が違う。
それから一行は"アンロック"で施錠を強制排除。ズンズン進んで"キュアリオスティ"で誘き出し、ホールでアルミンと対峙します。
アルミンはフラボノさんにナイフを突きつけ、階段の上の2階廊下にいます。そして彼の"ライト"の光で"シェイド"が消えてしまいます。
イリーナ「こんにちはーって言いながら石を構えてる」←怖いよ
"ライト"はシェイドに対して対抗/優越。"ライト"の光に晒されるとシェイドは問答無用に消滅するし、ぶつけて使う事もできない。
ここで戦いは2局に分かれます。イリーナ・ロディ・ルーシィは裏口で逃亡しようとするランディを迎え撃ちます。
そしてヒース・マウナ・エキュー・バスはホールで、アルミン相手に口八丁手八丁でフラボノさんを奪い返そうとします。
まずホールではヒースが先程と同じように煽ててヨイショして注意を逸らし、その隙に透明のマウナとエキューが接近します。
ヒース「よくぞ俺がジャギーでないことを見抜いたな。素晴らしい洞察力だ」
アルミン「そんな高い声のジャギーはおらん」
ヒース「……ふ、所詮は魔術師同士、騙しとおすことはできないか」
アルミン「それ以前の問題だ。棚に上げるなへたくそ」
ヒース「ジャギーの声は甲高すぎて、俺には難しかったんだ」
アルミン「お前は一度、念入りに耳掃除をしたほうがいいぞ」
ヒース「こんな出逢いでなかったら、真の友と呼べる存在になれたかもしれん」
アルミン「ぜってー、いや」
どうやらジャギーほど簡単な相手ではないようです。よりヒースに似てるから、捻くれ過ぎてて受け入れないんでしょう。
ちなみに《金目の猫》はファンドリアを相手にユニコーンの取引をしようとしていて、アルミン達もその事実は知っていました。
そうして時間を稼いでいる隙に接近したシャーマンズは、フラボノさんを助ける為に一か八かの賭けに出る事にします。
まずエキューは戦闘オプション《強打》追加ダメージ+2&《脚狙い》。攻撃力−2の修正を受けるが、ダメージを与えかつ転倒させる。
生命力に受けたダメージを目標値10に加算して生命抵抗です。失敗すればコロンと転びます。戦闘技能の無い魔術師には有効でしょう。
しかもある種の《組み合い》状態なので、いつかの熊戦の時のように1〜3でアルミンを攻撃、4〜5でマゴマゴし、6でフラボノさんを攻撃。
更に倒れたとしてどちらに転ぶかも決めねばならない。1が前、2が後ろ、3が右、4が左、5・6は振り直しという事になります。
これでアルミンは右に転倒。マウナは弾みで伸ばしたナイフを避けつつフラボノさん確保。ちなみに服は着ていました。
そして転倒すれば魔法も使えない。エキューが素早く取り押さえ、その他3人も次々に押さえ込み、4人がかりで踏みつけました(笑)
一方裏口のランディ戦です。こちらはロディとルーシィが牽制しつつ、イリーナが真正面からガチンコ勝負を挑みました。
またランディはインプを連れています。これは最低でも4レベル暗黒魔法"コントロール・インプ"が使えるという事ですね。
しかも金属鎧を着てるのでファイター/プリースト(ファラリス)でしょう。これだけでファラリスの神官戦士であると確認できる。
1ラウンド目、ランディは"ホーリー・ライト"で目潰し。その間に馬に乗って逃げるつもりのようですが、それは難しいでしょうね。
"ホーリー・ライト"の目潰し効果は1ラウンドだけです。具体的には術者の行動順からそのラウンドの終わりまで、なんですよ。
結局は次のラウンドには動けるんです。アンマントのグラズバカス様もそうでした。要は敏捷度の低い神官使えねぇって事です(笑)
しかも魔法を使ったラウンドは静止なので3mしか動けない。仮に目潰しできても次のラウンドには3m稼いだだけの鬼ごっこです。
ランディは16と言ってピカピカ光るも、精神抵抗8のイリーナは出目9で抵抗。どうせなら全力移動で逃げればいいのに(苦笑)
どうも敏捷度は彼が一番早いようだし、マトモに戦闘するよりはマシ。それだとルーシィの弓に狙われるでしょうが、金属鎧も着てるんだし。
続いてイリーナは戦闘オプション《体当たり》です。以前と違って盾を持ってなかったので打撃力0ですが、出目11なので14点!
流石は追加ダメージ10点。それに0レーティングは11以上で4点ですよ。普通の戦士なら8レベルぐらいになってようやく実現する数値です。
食らえば続いて転倒判定です。これまた基準値10のイリーナは15と微妙に低かったけど、ランディはそれ以下で見事に転倒。
イリーナ「そのままマウントポジションに移行!君が泣くまで、殴るのを止めない!」
ランディは抵抗しましたよ。"スティール・ライフ"で逆転を狙おうとしました。でもその馬鹿力でひたすら殴られてKO。
またこの時こっそり使い魔としての能力もあるインプは闇に消えました。この子が何処へ行ったかは今は分かりません。
こうして敵を鎮圧したヘッポコは合流しました。特にイリーナは片手に顔面をサッカーボールみたいにしたランディを下げて満足げ。
イリーナ「素手で殴り倒して獣性を満たし、月に向かって吼えたりしたあと、清々しくみんなと合流します」
ヒース「……イリーナ、向こうでロディとルーシィが怯えてるのは何故だ?」
トラウマになっちゃうかも。まさか魔法の王国でこんな野生の王国みたいな凄惨な光景が展開されるとは……。
ランディとアルミンは縛り上げ、ロディさんに引き渡します。情報が引き出せ次第オーファンへ手紙で知らせてくれるそうです。
フラボノ「絶対に、死ぬわけにはいかないと思ってました。国のためにも、待ってる女房のためにも、と……」
フラボノさんも怖い目に遭わせてしまったけど、無事に救出する事もできました。今回も危うかったけど、結果からすれば十分な働きでした。
そして少しずつ、少しずつ、ヘッポコは国家レベルの事件に巻き込まれていきます。今回の冒険はその始まりだったのかもしれない……。
★成長申告
今回の元ネタは「恋のから騒ぎ」。そして今回でついに20話の大台に乗りました。刊行当時は何処まで伸びるかと楽しみにしてたものです。
今回の成長でエキューがシャーマン3→4。仲間入りを果たしてから本当にシャーマン一本伸ばしで無謀の槍まであと一息です。
バスはバード4→5で取得呪歌は"シング"。奏者と一緒に歌ってしまい、行動に制限は受けないものの会話や魔法が不可能になります。
あとヒースは何の冗談か銀製のハルバード(16)を購入。値段は{(16×30+50)×5}で2650ガメルにもなる。
ハルバードは複数の機能を有するポールウェポン(長い柄を持つ両手武器の総称)の一種であり、しかもその中でも最も洗練された武器です。
その用途はスピア/2Hの「突き」、アックス/2Hの「切り」、ウォーハンマー/2Hの「刺し」、そして転倒させる「払い」の4つ。
これを存分に扱う為には半径が必要筋力×15cmの空間が必要であり、ヒースの場合半径2.4mが必要。ダンジョン等では使い難い。
あの六英雄の"鉄の王"フレーベや、「サーラの冒険」のメイガスなども使ってましたね。しかしヒースにすればシルバーアクセサリー(笑)
いや戦闘でちょっと殴ってみたいという欲求もあるようですが、残念ながらスピアもアックスもウォーハンマーも攻撃力に+修正はない。
クラブやメイスなら+1入るからゴブ程度なら当たる可能性もあるけど、以前それで危ない橋渡ってるし。ていうか魔術師が前に出るな。
★初めてのお呼ばれ〜初めての晩餐会……準備
前回国交を壊そうとする不穏分子の逮捕に貢献したヘッポコは、前回貸し切った宿屋で悠々自適の滞在生活を送っていました。
イリーナ「世界の違いに呆然としながら日々を過ごしてます。お茶を出してもらうと「かたじけない」とか答えちゃうぐらい」←武士か
ヒース「情けないぞ、イリーナ。俺たちが寛いでないと、店の人たちが気を遣うだろう。堂々としてろ」
……やっぱり言ってる事は正論なのにヒースだと説得力が無い。普段から心が酔っ払ってるから、寛ぐ寛がない以前の問題だし(笑)
ちなみに捕まえた犯人グループ(特にランディ)の尋問は思いの他長引きそうな様子なので、報告はオーファンに帰ってからになります。
そうして日々を過ごすヘッポコの元にある日ルーシィが訪れます。謹慎中なので森林衛視の装備ではなく、普段着です。
GM「手には……」
ヒース「え(ドッキンコ!)」
GM「白い封筒を一通持ってますね」
ヒース「え……よかった、一瞬包丁を握っているのかと思ったぞ」
刺される覚えでもあったのか。ていうかラムリアースに来てから特に何もしてないだろうに(苦笑)
封筒の中身はルーシィの上のお姉さんフローラさんの婚約披露宴の招待状。つまりオーファンの使者として晩餐会にお呼ばれされたんです。
前回期待した通りになりましたね。ちなみに衣装等はルーシィのお姉さんやお兄さんのものを貸してくれるし、パー券とかもない(あるか)。
イリーナ「知らない世界にうっとりしちゃいそうだけど……嫌なトラウマも頭をもたげてきそうです」
ヒース「そっとしておいてやれ。幼い頃の辛い記憶が巡ってるんだ……お出かけ用の服に着替えるたびに、べりっ、びりっと響く音……」
イリーナ「……必要筋力24のドレスってありますか?」
ねぇよ(キッパリ)。あったとしてもそれはドレスじゃない、パワードスーツだ(笑)
ここで今回のカラー挿絵が生きてくるんですね。白いドレスのイリーナと、タキシードに身を包んだマウナのヅカ的な絵が素敵過ぎる。
あと後ろで鎖骨の出るフリフリドレスを着てるエキュー、可愛過ぎ。ノリスが似合ったんだから、そりゃ似合う(注:本編ではスーツです)。
そしてバスは流石にサイズがないので500ガメル自腹で払って仕立てて貰います。貴族のデブをこじらせてる子供用のスーツを直す。
結果できたのが袖の下にビラビラがついていて、パンタロンにロンドンブーツです。いつの時代のアーティストだ(でも似合ってる)。
ちなみにお姉さんのフローラさんは20歳です。ヒースが思わず感銘しちゃう淑女です。
エキュー「でも、普通二十歳ならもう結婚してないとおかしいんじゃない?」
マウナ「ずきーん!ああああ、いきなりエキューにトドメ刺されちゃった……どうせ嫁き遅れだよ、わーん!(泣)」←二十歳
エキュー「ハーフエルフだし、手に職あるしいいじゃないですか。気になるならいつでもどうぞ。僕は受け入れ態勢万全ですから」
まぁまだ軽く100年以上生きるし、将来は店の女主人だし。ついでにエキューをスルーする余裕があるならいいんじゃないですか(苦笑)
ところが結婚する方はする方で色々悩みがあるんです。実はフローラさんには昔ロミジュリ状態だった恋人がいたりするのです。
その人はランディールといって、内乱の折にはアルモザーン子爵側について戦ったクレール家の出身でした。
しかし内乱でアルモザーン側は敗北し、クレール家は断絶。幸い本人は嫡男でなく、その上庶子だったので処刑を免れました。
ところが本人はその後行方不明になり、フローラさんともそれっきりです。そういった哀しい恋愛の結末が2年前にあったばかりです。
つまりフローラさんは初恋の人でもあったランディールさんが忘れられない状態なんです。そんな状態で縁談がまとまってしまったのです。
今度の相手はマーカス伯爵家のセドリックといい、内乱時はフレアホーンにもアルモザーンにもつかずに終わった中途半端な家の出身です。
その為にマーカス伯爵家は爵位は高いが落ち目にあり、一方フローラさんのザイオン子爵家は爵位は低いがお金持ちの家です。
前回も少し触れたようにザイオン家は内乱時にフレアホーン側についたので、現在大変信頼されていて勢いもある家なんですね。
そういう事情もあるのでこの縁談は両家にとってもいい縁組ではあります。セドリックさん自身もいい人ですよ。問題はフローラさんの心……。
余談ですが、このフォーセリアにも現実世界と同じように爵位が存在しますが、必ずしも爵位と家の権勢が伴うとは限りません。
マーカス家のように伯爵家でありながら貧しい事もあるし、ザイオン家のように子爵家でも金もあればコネもあるという場合もある。
特にラムリアースのように内乱があったりすると、当然貴族の盛衰興亡もある。それまでのパワーバンスがひっくり返る事もあるでしょうね。
ただし公爵位は王族が用いるというのは鉄板のようです。王都を除く主要都市を領地とし、非世襲制になる。アラニアみたいに。
それから粗相の無いようにとフラボノさんからパーティーマナーを教わり、当日になるとお迎えの馬車に乗ってザイオン家を訪れました。
いっそカボチャの馬車だったり、御者がデュラハンだったりすると笑えるんですが(笑えねぇよ)、今回は騙し無しでロイヤルです。
屋敷ではルーシィの案内で女性陣はお姉さんの部屋で、男性陣はお兄さんの部屋で着替えますが、やはりフローラさんは何処か憂いがあった。
イリーナ「悩み事や困ったことがあったら、いつでも言ってくださいね。私の拳は、いつでも正義と真実のために振るわれるのですからねー!」
それじゃあ脅しだ。またここで女性陣は一体の小さな緑鳥の彫像が確かに部屋にあった事を確認しています。
一方男部屋ではバスは自前の衣装にさっさと着替えて、ヒースとエキューはお兄さんの衣装を借りますが……。
ヒース「俺ら、ずっと裸で放置しっぱなしか?」
エキュー「ちょっと待った……ら、ってことは複数形?僕も(嫌そう)」
ヒース「イヤな光景だなー。男二人で褌一丁で部屋の中」
エキュー「え、しかもふんどし!?」←ていうかさっさと着ろ
そういえば女性はともかく男性の下着って何がメジャーなんだろう。案外本当にフンドシだったりしたら嫌だな(苦笑)
着替えを終えた一行はいよいよ会場入りですが、当然剣呑なものは預けねばなりません。まぁイリーナは拳だけで十分人を殺せるんですがね。
そもそもイリーナの装備はスカートの中にも隠せないでしょう。グレソー、ラージシールド、風林火山、キャノン砲、岩……絶・対・無・理。
またヒースはの使い魔フレディは夜目が利かない上に不吉っぽいので、B・B1号と一緒に控え室で待機(連れてきてる!?)。
会場ではそれぞれが楽しいひと時を過ごしました。ヒースなんてルーシィとダンスを踊ったり、日頃できない事を満喫してますね。
またダンスは一般技能のノーブル技能による判定という事になりました。ノーブル+敏捷度/器用度かな。当然ヘッポコは平目で挑戦。
ヒース「君たち僕に恥をかかせないでくれたまえ。三回転ほどのターンを決めて、フロアの視線を独占中だ」←奇跡の6ゾロ
どうせなら某遺失魔法の時にでもその出目を出してくれればね(苦笑)
正直ランディールさんが乱入する事も予想してたヘッポコですが、次第に純粋にパーティーを楽しむようになります。まぁ正直
ランディール「(ガンガンとステンドグラスを叩く)その結婚、認めないぞ!とう!!」
ガシャーン!(ガラスをぶち破る)
ランディール「ハッハッハ、フローラは貰った!さ〜らばだとっつぁ〜ん!」
ヒース「誰がとっつぁんだ!」
という展開をちょっと期待してたんですが、流石にそこまでベタな事はしなかったか。いや実はランディールさんも結構いい人なんですが。
★捜査開始
ところがパーティーの最中に突然フローラさんの顔色が悪くなります。心配したルーシィは様子を聞きに行きました。
イリーナ「何かあったら、教えてくださいねー。"キュア・ウーンズ"ならできます」
マウナ「"レストア・ヘルス"もばっちり」
ヒース「"ファイア・ボール"も準備OK」
テロでも起こす気か。とはいえ腐っても4レベル賢者、異常事態があればセージ判定が頼りになるかもしれません。
戻ってきたルーシィが言うには、先ほどイリーナとマウナも確認していた小さな緑鳥の彫像が盗まれたというのです。
実はその緑鳥はランディールさんの贈り物だったんです。彼が行方不明になった今でもフローラさんは大切にしていたんですね。
結論から言うと犯人は両親です。昔の恋人の事は早く忘れてセドリックさんに向き合って欲しいという傍迷惑な親心ですね。
そもそもザイオン家は盗賊ギルドに保護料を納めています。もし手を出す事があったら飛ばされるから、普通の盗賊の仕業である筈がない。
またこのギルドは猫の手にも出ましたね。猫の手はヘッポコより前の時代の話なので、当時のNO.2さんがギルドマスターになってる筈。
しかしこの状況では盗難に遭う前に部屋を使用した部外者、すなわちイリーナやマウナに嫌疑がかかる。
オーファンの使者なので大っぴらに非難する人はいません。それでも噂話をコショコショしている人がいます。
勿論ルーシィはヘッポコを疑っていません。しかし嫌疑を晴らす事もできないので、今夜はそのまま屋敷に宿泊する事になります。
マウナ「ここは、ぐっと拳握ってこらえよう。涙が出そう」
ルーシィ「ごめんなさい、ごめんなさい。レイナスの恩人の方の泥棒の容疑を、晴らしてもあげられないなんて……」
マウナ「……初めての、貴族のお屋敷……なんて、嬉しい。踊りだしそう……」
ルーシィ優しい娘だ……。それに比べてマウナはなんてさもしい。嫌疑がかかってても目先のゴージャスな待遇で±0どころかむしろ+。
そして翌朝、ヒースは緑鳥の彫像のセージ判定に1ゾロで失敗したので、文献で調査しようと学院に調べに行きました。
ヒース「やあ、ヒースクリフさまだぞー」
前回に続き受け付けの人も口あんぐり。これじゃあオーファンのギルドのスタンダードがこの男だと思われてしまう(最悪だ)。
ちなみに文献で調査とは言ってもセージ技能の《文献調査》でダイスを振った訳ではなく、調べれば確実に分かるという処理だったようです。
それは"ラバーズ・バード"という透き通ったボディを持つゴーレムの一種であり、本来緑鳥と紅鳥の番になっています。
「SWツアー4 パダ/堕ちた都市」でデータも公開されていて、値段は3600ガメル。高い高いと言われてるけどそれほどでもない。
それぞれ銀の足輪を嵌めていて、これを嘴に咥えさせると番の元へ飛び立つ。これはある種の《探知》系の魔法なのでまず逃れる事はない。
ただし(魔法的に?)遮断・遮蔽されていると分からないし、能力的には小鳥と大差ないので箱に入ってるとそれを突付くのがやっと。
本編では更に30点分の"バルキリー・ブレッシング"の効果もあるらしい。ダメージを受けるとヒビが入り、片方が壊れると番も壊れる。
もしかしたら本編の"ラバーズ・バード"はツアーのものの上位にあるもので、更に値の張る特別な"ラバーズ・バード"なのかもしれない。
次にザイオン家に報告に行きますが、実はフローラさんは鳥の正体を知っていました。まぁ持ち主だし、色々なルートがあったんですよ(苦笑)
セドリック「少し、邪魔をしてもいいだろうか」
ヒース「おお、セドやんか。入れ入れ」
セドリック「やあ、ヒス吉くん」
ヒース「きゅぴーん。この男とは仲良くなれそうだ!は、話を聞かせてくださいセドリックくん」
うわ、セドリックさんいい人!。ヒースの冗談に付き合ってくれる人なんて初めてかもしれない、なんてリベラルな貴族だ(感動)。
ここでセドリックさんから緑鳥の捜索を依頼されます。勿論セドリックさんとてフローラさんが昔の恋人を気にしてるのにもやもやはある。
それでも時間をかけていい関係を築いていきたいと思っているんです。同時に思い出は強固であるという事も知っています。
セドリック「初恋の人の思い出は、いつまでも心に残るものだと思います。胸が甘く締め付けられたり高鳴ったりと」
バス「……胸が締め付けられたり動悸が激しくなるというのは……医者にかかったほうがよろしいかと」
ヒース「バス!それでもお前は詩人か!胸をキュンと言わせるのが仕事だろう!」
バス「は!何を仰いますか、ワタクシの胸は三百六十日、休まずキュンキュンいっておりますぞ!」
ヒース「……それは、病院に行け」
要はこのまま鳥が無くなったままではかえって彼女が前に踏み出せないと思ってる。だから鳥を取り戻して欲しいんですね(いい人だ!)。
イリーナ「わかりました。ヒース兄さんに"シェイプ・チェンジ"でランディールさんになってもらい、暴虐の限りを尽くせばいいんですね」
バス「二時間あればカタが付きますな」
ヒース「まかせろ。綺麗な思い出を瓦礫に変えてやるぜ」
確かにヒースなら簡単な事かもしれないけど、それはそれで別種のより厄介なトラウマを植えつける事になる。
ここでヘッポコはセドリックさんが実は財産狙いで鳥を狙っているという説を浮上させますが、たかだか数千ガメルで危ない橋を渡るか。
ていうかそんな馬鹿げた事しなくても結婚すればそれが霞むような財産と繋がる事ができる。よっぽどの馬鹿でない限りやらないでしょう。
ヒース「え?セドリックがランディールを狙ってる?」
ちなみにランディールさんは褐色系で割りと鍛えた人。セドリックさんは学者肌の優男系。これでかつてない方向に馬鹿話が発展するのです。
マウナ「きゅーん、腐女子スイッチ、オン!年の頃が同じなら、友人同士でもおかしくないかも!」
バス「緑の小鳥が手に入れば……紅の鳥を持っているかもしれないランディールの行方もわかるかも知れませんな」
イリーナ「つまり……セドリックさんの目的は……」
ヒース「三・角・関・係!。しかも、フローラさんが中心ではなく……」
GM「ちがうー!ホモは苦手ー!」
まぁこれで「大好物です!」とか言われたらこっちが困る。それにそういう色物系はペラペラだけで十分だ!(笑)
その後以前ランディールさんの住んでいた屋敷に行き、そこで冒険者になっていたランディールさんがある遺跡に向かった事を知ります。
その遺跡はクレール家の荘園にあったもので、発掘が途中のまま内乱が起きてしまい、緑鳥が発掘されて以来それっきり放置されていました。
つまり紅鳥は遺跡の中に眠ったままなのです。ランディールさんはそれを見つけてセドリックさんへの結婚祝いにするつもりです。
勿論他の未発掘の宝も狙っています、冒険者だから。でも決して私利私欲だけではない。夫婦で番を揃えさせてあげたい、そういう善意です。
ヘッポコはこの時点でランディールさんが緑鳥を盗った可能性も考えていますが、そんな事はない。彼も本当にいい人ですよ。
いずれにしろ紅鳥を見つければ緑鳥も見つかるという事で、ライナスから一日程の場所にあるその遺跡に潜ってみる事にしました。
この遺跡の特徴は魔法生物が大量にいるのが特徴です。まさかここも創成魔術師デーヴィスの遺跡?。流石にそこまで都合よく繋がらないかな。
★魔法生物ダンジョンを攻略せよ!
こうしてヘッポコは遺跡に挑戦する事になりました。こういう本格的なカストゥールの遺跡に挑むのはデーヴィスの塔以来かな。
バス「ワタクシがしんがりを務めましょう」
ヒース「……先頭にいけや、シーフ」
バス「では、アナタのおニューのハルバードを貸してください。床を叩きながら進むのです」
何フィート棒だ。ていうかゲームが違うし。そもそもちょっと突付いた程度で発動する罠なんて役に立たないんじゃないかな?
遺跡に潜って最初に遭遇した守護者はオプシディアンドッグ×3でした。既に破壊されたものもあって、先行者がいる事を予想させます。
オプシディアンドッグとは3レベルの魔法生物で、ゴーレムの一種です。実は"ラバーズ・バード"もこれの亜種だったりします。
黒曜石でできた犬の像であり、銀色の首輪を外すと全ての生物へ敵対行動を取ります。犬だけに敏捷度16の移動速度24と機敏です。
初速ではイリーナやマウナに優りますが、マトモに戦えばイリーナ達に勝てる筈もない。次々に蹴散らされていきます。
犬のAとBを前衛3人の攻撃で破壊し、残ったCも生命点は残り1点。最早虫の息、きっとあちこちヒビも入ってボロボロでしょう。
ヒース「まて。そのボロボロは、俺様が殴ってみたい」
またこういう事言い出すから大変です。回避点は11(4)あるので、平目のヒースでは出目11以上出さないと当たらない(固定値なら)。
ヒース「いや、楽勝ムードだし。ちょっと試しに……ダメ?(可愛く小首を傾げる)」
ダメだよ。この時点で既にエキュー(行動順20)はパスし、ヒース(17)の番です。次は犬(16)でイリーナ(15)はその次。
つまりそれで仕留めないと犬の逆襲を食らう可能性がとっても高い。攻撃点10(3)では平目じゃ回避も困難。当たると10点とか来るし。
結果ヒースの我儘が通るも、予想通りにハルバードは空を切る。犬の逆襲で2点ダメージ。ヒースの生命力は残り9点となりました。
バス「……なぜ、アナタはそんなにも馬鹿ですか?(真剣)」
エキュー「このダメージが元で、死亡判定に失敗したら、目も当てられないよ(溜息)」
ヒース「この傷の痛みを忘れないためにも治療は必要ないぞ、もう前には出ないからな(ふっと格好をつけてる)」
エキュー「当たり前」
マウナ「気付くの遅すぎ」
バス「リトル愚か者ですな」
イリーナ「反省のためにも"キュア・ウーンズ"はかけません」
思わぬヒースの馬鹿さ加減に仲間からも罵倒が飛びます。まぁ当然かな、完全に自業自得だし。ところがこれが思わぬ事故を起こす事に……。
またこの場にはランディーヌさんの仲間と思しき盗賊が死んでいました。盗賊抜きで遺跡を進むのはかなり無茶です。罠があったら為す術なし。
次にヘッポコを待ち構えていたのは罠です。その名も「友の屍を超えていけ」、ある種のガーゴイル・トラップというやつですね。
ガーゴイルは石像に扮して侵入者に襲い掛かる魔法生物。その為にそれっぽい石像があると飛び道具で先制攻撃を行う事があります。
するとそれを逆手にとって石像に攻撃が入ると発動する罠を仕掛けるようになります。これをガーゴイル・トラップという(らしい)。
例えば中にガスが詰まってるとか、場合によっては全員に致命的な被害を与える事もある。いっそ普通に戦った方がマシという程の。
今回のが正にそれでした。上り坂の壁に窪みがあって、ガーゴイルっぽい石像があります。これにイリーナが投石してしまったのです。
それまでにも同じようなものが沢山あって、その殆どがただの石像でした。本物もいるのですが2回の冒険者の侵入でその数は激減していました。
そんな状況だからつい攻撃してしまうのも分かる。しかしこれでトラップが発動、坂の上から大量の土砂が流れてきたのです!
これから逃げるには冒険者+敏捷度で11です。ただし前の人が失敗すると不足分が修正になるので、より逃げ難くなるのです。
最後尾のエキューは難なく成功。ところが次のヒースが達成値10で失敗し土砂に飲まれ、次のマウナは目標値12ですが成功。
エキュー「マウナさん、さあ僕の胸に飛び込んできてください」
マウナ「ま、たまには行ってあげようか」
続いて基準値8のイリーナは出目3で失敗してやはり土砂に飲まれ、更に高くなった目標値13に基準値6のバスが挑んで何とか成功。
こうして12点ダメージを受けたイリーナとヒース。当然"空にそびえる鉄(くろがね)の城"ことイリーナは鎧でノーダメージです。
ところが次のヒースが防御で1ゾロ出して素通し!。生命力9点から12点引いて生命力−3点で生死判定に突入!
ヒースの生命抵抗は5だから、出目5以上か。危ない、微妙に危ないよ。せめて全快だったら出目3で済んだんですが……いや自業自得か。
ヒース「おお!出目1と4!あの世にぎりぎり逝き損ねたぞ!本当にぬか喜びの野が見えた!」
こうして命拾いしたヒースはマウナの"トンネル"&"ヒーリング"で救助されたのでした。そしてグッバイランタン5号。
なお流れた土砂は坂のどんつきに設置された穴に流れ込み、ベルトコンベアで再利用。まるで『かくもささやかな凱歌』みたい。
★影を呼べ
うっかり死に掛けたヒースでしたが、実は同じくうっかりとランタンを1つしか持ってなかったので松明で代用します。
バス「アナタの命の火ですぞ。今度こそ、消さないように」
ヒース「縁起の悪いことを言うなと怒鳴りたいが、俺様ちょっと死の淵を覗いてナーバスになってるから、おとなしくしていよう」
流石のヒースも三途の川が見えたら鬱になるか。ていうか既にランタンを2つ持つのが当たり前になってるのはいいのか。
坂を登ったヘッポコはそこでランディーヌさんに追いつき、彼の真意を知ります。これで彼が潔癖である事が判明しました。
本音を言えば彼女について来て欲しいと思った事もある。でも冒険者というのはお嬢様が気軽に飛び込める世界ではないと悟っています。
実はセドリックさんの人となりも知っていて、彼がとてもいい奴である事も知っている。だから紅鳥を結婚祝いにする為にここにいるのです。
エキュー「……うん、理解できないことはない。できないことは、ないけど……」
ヒース「もともとテメエのプレゼントで、見るたびにモヤモヤしてるような女が、二つ揃っちまったら、余計にモヤモヤするだろうが!」
ランディーヌ「え、え、そうだろうか?ちゃんと結婚も決まってるし、自分とのことは昔の思い出になるだろうし……(しどろもどろ)」
ヒース「思い出になんかなるか。忘れるわけないだろうが。そんなモン贈られたら、忘れてても思い出すわ!」
ランディーヌ「え、え、そうなんだろうか(おたおた)」
面白い人、同時に優しい人。基本的に善意で動いているのに、女性の機微には疎いようです。……ていうか仲間1人死んでるし。
まぁ今回は紅鳥だけでなく他の財宝も探していたから仕方ないかな。もし紅鳥のみ目標にしていたらザ・無駄死に。迷惑にも程がある。
さて恋話と書いて「こいばな」はこの辺でいいとして、紅鳥を入手する為には奥の部屋にいるシャドウ・ストーカー×2と戦う必要がある。
シャドウ・ストーカーは5レベルの魔法生物であり、「忍び寄る者」の名を冠すガス状魔法生物ストーカーの一種です。
ストーカーは通常霊体で活動し、物理的障害を苦にしません。その為《霊体時は物理的攻撃無効》で"シェイド"等しか効かない。
ただし魔法は使えない為に本業である暗殺を行う際は実体化する必要がある。この時は普通に武器でぶん殴ってダメージを与えられる。
シャドウ・ストーカーは黒く重たいガスを用いて創られたので、霊体時にも明るければ所在は分かります。その代わり闇に入ると判別は困難。
特殊能力に《不意打ち》と《首を絞める》がある。前者の能力で忍び寄り、後者の能力で縊り殺そうとする訳ですね。
前者を察知するにはレンジャー技能の《危険感知》で目標値16。失敗すると不意打ちとして回避力−4で首を絞められます。
そして後者の攻撃で打撃力10+5点ダメージが来ますが、リングメイル以外の金属鎧を着ていればダメージは受けない。イリーナとか。
ただしダメージ・鎧の有無に関係なく「生命力」ラウンド経過で窒息して気絶。脱出時は《組み合い》と同じく冒険者+筋力で解きます。
現在のランディーヌさんにはもう2人の仲間がいます。2人ともちゃんと金属鎧を着ているので、絞められても当分は大丈夫。
そこでピンポンダッシュの要領でイリーナが扉を開け、無数の光源を投げ込んでストーカーが隠れる事ができないようにします。
そしてバスの"キュアリオスティ"で誘き出し、イリーナと戦士の1人が敢えて締めを食らう。でも当分は大丈夫なのでその間に倒します。
一方は戦士達でボコボコにし、もう一方はマウナとエキューの"シェイド"責めです。とはいえ精神点20は微妙に多いんですがね。
首を絞められていると、イリーナのマイラバー・クレソーも、マイスウィート・クラブも、マイハニー・石も使えません。
そこでいつかのデュラハン戦で使った銀のダガー(5)で格闘を挑みます。実は素手+"ファイア・ウェポン"の方が強いんだけど。
実行してみるとバスの呪歌が抵抗されたけど、松明やウィスプ、それに何処かで入手していた光晶石を投げ込んで部屋を照らします。
すると扉の裏にいたストーカーにイリーナが首を絞められます。この時扉は閉めました。光晶石の光があると"シェイド"が使えないから。
1ラウンド目、エキューの"シェイド"がフリーのストーカーに飛んで、いきなりクリティカル!。20点の精神点が一気に残り8点。
ヒースはバスと戦士2人に"ファイア・ウェポン"。イリーナはダガーを突き刺して11点、4点削って残り12点。マウナは"シェイド"で1ゾロ。
マウナ「ああん。あたし、真面目に修行しなおしたほうがいいかもー、エキューに役割取られちゃうー!」
エキュー「いっそお嫁さんになるというのはどうでしょう!花嫁修業です!」
マウナ「……おかあさんの店の後、継ぐ修行しようかな……(がくり)」
大丈夫、マウナには精霊魔法以外にも素晴らしいスキルがあるじゃないですか。ツッコミとか、貧乏性を笑われるとか。
イリーナと同時行動でストーカーの1匹はイリーナの首は絞め難い事に気付く。低いなりに知能はある。その程度の判別はつく……と思う。
もう1匹のストーカーは戦士の1人に襲い掛かってハズレ。そして14でランディーヌさんの"ファイア・ウェポン"がイリーナの拳を燃やす!
イリーナ「わたしの拳が真っ赤に燃える!悪を倒せと轟き叫ぶ!」
似合い過ぎ、キング・オブ・ハートが浮かび上がってそうだ。バスはイリーナの方のストーカーを殴り、誤爆も避けて無事命中。
一瞬エキューに続いてバスにまで殴られるかと思ったけど残念セーフ。16点ダメージで9点削り、残り生命点3点。あと一息で死ぬ。
2ラウンド目、エキューの"シェイド"が更にストーカーの精神点を6点削って残り2点。マウナは出目4と不調ですが、丁度2点削って消滅!
エキュー「僕とマウナさんで、力を合わせて敵をやっつけたんだ!(瞳キラキラ)」
マウナ「……全然、達成感ない……むしろ、すげーくやしい(のの字を描いてる)」
残った方のストーカーはバスの首を絞めようとして霊体に戻ろうとしますが、同時にイリーナが炎の拳で両手同時攻撃!
同時攻撃をすると攻撃力−2、更に逆腕は−2。累計右拳の攻撃力は5、左拳の攻撃力は3にまで下がりますね。
ところが右拳が16(出目11!)という素晴らしいキレでストーカーに突き刺さり、15点ダメージで8点削りこっちも消滅!
こうしてヘッポコ&ランディーヌさん達はストーカーを倒し、奥の部屋に入れました。大体2万ガメルぐらいの宝飾品と魔晶石を幾つか発見。
しかし今のヘッポコは仮にもオーファンの使者。そしてこの遺跡のある荘園は現在国が管理していて、無許可で入っているのです。
人命救助という名目で入った事は不問にできるでしょうが、流石に宝を持ち出すのはマズイ。財宝はこのままにしておかないといけない。
そこでランディーヌさんが紅鳥を取り、それをヘッポコに渡します。あとお礼に魔晶石(8)もくれます。この遺跡のものではないらしい
ランディーヌ「気持ちが吹っ切れたよ、手紙を書くことにする」
エキュー「君はちょっとポイントがずれてるけど、いい人みたいだから……略奪愛するつもりなら雇われてあげるよ?」
折角丸く収まりそうなのに焚きつけるな。これでフローラさんもランディーヌさんの事を本当の思い出にして、前に進めます。
ヒース「待てよ、ランディーヌ。ダンジョン探索は、帰るまでが冒険だぞ……一緒に、帰るか」
イリーナ「砕けたランタンを拾って片付けながら戻りましょう」
ヒース「……しくしくしく」
今回のヒースは本当に散々でした。最後綺麗に締めようとして締め切れないし。いっそカストゥール製の壊れないランタンとかないものか。
★緑鳥はいずこ?
宿に帰って休んで翌日、紅鳥に銀の足輪を咥えさせて緑鳥の所まで案内させます。突然彫像が滑らかな動きをする点が素直に凄い。
その他のゴーレムとかガーゴイルもそうだけど、あれはモンスターだから愛でるゆとりがない。でもこういう小動物系なら見ていて飽きなそう。
ヒース「逃がすなフレディ!撃ち落とせ!」
落とすな。ちなみに飛ぶ速さも小鳥並みだから、カラスのフレディなら十分落とせるかな。追跡だって難しくないでしょう。
紅鳥の後を追ってみると、案の定ルーシィの両親の部屋の窓を突付いています。その辺の能力も小鳥並みだから窓を開けるとかはできません。
早速ルーシィを呼び出して案内してもらい、寝室で寛ぐ両親を目撃ドキュン。窓を開けると紅鳥は侵入し、サイドボードを突付きだします。
イリーナ「……開けさせて、よろしいですか?」
両親「どうぞ」
すると中には緑鳥が。紅鳥はその傍らに近づき、咥えていた輪っかを足に嵌め(器用な)、元の彫像に戻ります。数百年ぶりに番が揃いました。
ルーシィ「だから、どこにも届けずに、内々にすませようとしたんですね、とうさまもかあさまもー!」←こんなにキレたルーシィはじめて
そして両親の真意が明らかになるのです。でもそれは何の解決にもならなかった。彼女を救うのはランディーヌさんの手紙でしょうね。
ヒース「もういっそ番で揃えて、両親で持っておけよ。いつまでも仲睦まじくってことでな」
バス「セドリックさんにだけは、そっと真相を耳打ちしておけばよいでしょう。
そしてフローラさんと幸せな家庭を築いた後で、ご両親からの贈り物として贈ればよいのでは?」
ヒース「フローラのこれからの大切な思い出は、セドリックと作ればいいんだ」
おお、最後の最後で本当にいい締め方をしましたよ。しかも処遇も見事、希望があって波風立たない提案です。
これでこの家もヘッポコに頭が上がらない。またラムリアースに来たら歓待して貰えるでしょう。……葬られない範囲で程々に(たかり屋寸前)。
こうしてヘッポコのラムリアースでの長い冒険は終わりました。国交から恋の問題まで幅広く解決し、オーファンへと帰還します。
そして帰還した彼らは、ついにかつてない事件に巻き込まれていくのです。いよいよ冒険譚から英雄譚へと物語は急加速していきます。