「宝の地図に勇者が集う」著:清松みゆき/グループSNE 出版社:富士見書房
★はじめに
このリプレイ第五部「アンマント財宝編」は、第四部「風雲ミラルゴ編」から一部のキャラを引き継いだ形のリプレイです。
引き継がれたキャラはミンクス、ラーン、マイスの3名です。このようにキャラが引き継がれたSWリプレイはこのシリーズぐらいです。
この「アンマント財宝編」は勿論単独でも十分面白い作品ですが、キャラが引き継がれているだけに他にも引き継がれているものがあるのです。
それは借金!。ええ、借金ですよ。詳しい事はミラルゴ編最終話を見て貰えれば分かりますが、仲間の1人ミンクスが死亡したんですよ。
そのミンクスを蘇らせる為に、ラーンとマイスの2人の仲間は文字通りに東奔西走し、ついには彼女を蘇らせる事に成功しました。
ところがその蘇生費用を初めとした諸費用が莫大な額に上り、当時の仲間であったステラの営むベルローズ商会から借金したんです。
今回のお話はその莫大な借金の返済劇なのです。今回ミンクス達と組む新キャラ3名も、その設定と絡むような背景を持ってるんですよ。
★借金の額は?
ではミンクス達が背負った債務はどんなもんなのか、1つ1つ段階を追って見ていきましょう。金額もそうですが、経過日数にも注目です。
1.防腐の費用
死亡したミンクスの死体を背負ったラーンとマイスは、グラードまで半日かけて歩き、6レベル司祭に"プリザーペイション"をかけて貰います。
流石に"リザレクション"を使える9レベル司祭はいなかった訳ですが、6レベル司祭がいてくれただけでもラッキーですよね。
6レベル司祭に"プリザーベイション"をかけて貰う費用は、6(レベル)×24(基本消費精神力)×20=2880ガメルです。
またその6レベル司祭の仲介者への謝礼として、費用の1割を払いました。これは288ガメルですね。まだまだ驚いちゃいけません。
2.蘇生までの道程
このフォーセリアにおいて、9レベル司祭なんてのはそう滅多にいません。ラーンとマイスはその中でもアノスの法王を頼る事にしました。
これにかかる日数はグラード⇔イストンが21日、イストン⇔ファーズが9日です。後者はワールドガイドでは交日と誤植になってるので注意。
ところが一介の冒険者なんて相手にもされずに門前払いを食らい、コネであるエライセン経由で外務大臣カルプラス伯爵に1日かけて頼むもNO。
既にひと月以上の日数が経過している為に、儀式が不可欠。しかし国務を1日放棄してまで冒険者如きを助ける理由なんてありませんね?
そこでラーンとマイスはストローウィック城(あるいはバブリー城)のクレア・バーンロード嬢を頼る事にしました。
城の位置は定かではありませんが、片道1週間という事になっています。向こうで丸一日かけて説得し、ファーズに帰ってくると15日経過。
クレアの口利きもあって、カルプラスも少し聞く耳を持ち始めます。彼らが救国の英雄バブリーズと縁があれば説得も可能だと。
いや縁も何も会った事もないし、限りなく他人なんですが、方便というやつです。そして伯爵が法王を説得するにも1日費やします。
この口利き料としても、蘇生費の1割をリベートとして払います。優しいクレアと世間知らずのエライセンは何も要求しませんでした。
3.蘇生費用
それではこれまでに何日が経過したでしょうか。最初の半日も1日とすると、ミンクスが死亡してから計48日が経過しています!
蘇生の目標値とは20+死亡日数となっていますので、目標値は68です。でも"プリザーベイション"効果で遺体はあるので−6です。
つまり目標値は62!!、普通にゲームしてたらまず見ることのない数値ですね。儀式でなかったら超英雄ポイントが必要な日数ですね(笑)
アノスの法王の魔力は、10レベルの知力+2として12という事にします。出目は最悪でも3とすると、達成値は+47にする必要がある。
普通に"リザレクション"をかけてもらう費用は10×45×20=9000ガメルなので、これを48倍(これで+47になる)にします。
すると9000×48=43万2000ガメルですね。伯爵へのリベートはその1割で4万3200ガメルとなります。
もし"プリザーベイション"をしてなかったら遺体は腐乱し、ボーナスも入らず、更に+6する必要があった訳です。
更に+6するなら5万4000ガメル上乗せする必要があった訳ですから、3000ガメル強でそれを賄えたのなら安いもんですね。
儀式というものは1日につき、司祭1人参加で+1、一般信者10人参加で+1する事ができます。今回はこれを一般信者で行いました。
1日しかかけられないので、470人!もの信者が参加した一大イベントですよ。ミンクス1人の為にこの人数が集まったのです(笑)
あとは法王が1ゾロを振らない事を祈るだけですが、振らなかった事にします。そこで1ゾロだったら本当に洒落になりませんからね。
4.債務の総額
ではミンクス蘇生にかかった費用はいくらになるのか。2880+288+43万2000+4万3200=47万8368ガメル。
その他の旅費などを1000程度とし、切りのいい所でミンクス蘇生にかかった借金は48万ガメル!!となりました。
利率は月利1割(複利)です。ひと月経てばもう4万8000ガメル追加されて52万8000ですよ。ちょっと高過ぎやしないか。
でも大した担保もないし、書類だって大した効力もないし、リスクが高ければその分リスク・プレミアムが加算されるのは当然かな。
……いやぁ、バブルが弾けて残ったのは借金という、当時の世情をよく現していますね。逆バブリーズ状態ですよ、いいのかこれで。
まぁ借金返済というのも一つの冒険の動機ですからね。かくしてミンクス達3名はトリオ・ザ・住専と呼ばれる事になりました。
ちなみに寿命を考慮して、ミンクスとマイスが20万ずつ、ラーンが8万という寿命割り(にはあまりなってない)を適応します。
まともに冒険してたら一体どんだけ働けばこんな額を払えるのやら。マイスだったら1000年間皿洗いすればその内返せるかな(笑)
いやでも冒険者というのは一攫千金の世界です。どっかの成金冒険者のように、この程度の額なら一気に返せる可能性もなくはない。
★キャラクター紹介
では今回の冒険者達を見ていきましょう。まずは引き継ぎの3名。できれば前シリーズ「アサシンをやりこめろ!」も参照して欲しい。
ミンクス 35歳
ファイター4、プリースト(マイリー)1、クラフトマン5。「罠は嵌って踏み潰す」というミンクス理論を持つドワーフの女の子。
うっかり死亡して蘇り組になったばかりに莫大な借金を背負うが、その過程で一大イベントを巻き起こし、ちょっとした有名人になった。
能力的に若干優位にあるラーンに悉く美味しい所をもっていかれ、その度に地団駄を踏む。武器として魔力+1のアックスを持っている。
ラーン 19歳
ファイター4、ソーサラー/セージ1。魔術師の家に生まれた怪力女戦士。武器は魔力+1のスピアで、古代語魔法は隠し芸。
器用度21で筋力18という極めて戦士な能力値を持ち、常にミンクスより活躍する。パーティー最大戦力と言っても過言ではない。
しかし家出同然にオランの実家から出ている点が弱点。今回の舞台は主にオランなので、彼女の最大の障害は家の事情になる?
マイス 145歳
シャーマン/レンジャー3。のんびりとした性格のエルフで、通称"うなずきエルフ"。「そうですねぇ」の一言は最早お馴染み。
その完璧な服従回路(イエッサー)のせいか、こんな借金返済の苦行に巻き込まれてしまったが、あまり気にしていないらしい(笑)
実はパーティーのリーダー?でもあり、要所要所で活躍して敵を葬っていく。最大の弱点は6点(1クレスポ)しかない生命力。
続いて新キャラ3名も行ってみましょう。彼らはそれぞれトリオ・ザ・住専の借金を生かせる背景を持っています。
また8回分の冒険をしたミンクス達とバランスを保つ為に、経験点8000点やマジックアイテムを+して作成されています。
ルーイ ?歳
ソーサラー/セージ3。ベルローズ商会から派遣された借金取りで、金髪長髪の美青年。だがそれがネタになる事はない。
返済額の1割(4万8000ガメル)を報酬として貰える筈だが、不良債権化すると彼が被る事になる。口癖は「ぐはぁ」。
キャラクターの容貌通りに知的で計算高く丁寧な言葉遣いをする、パーティーのブレイン。お供の使い魔はカラスのマリーです。
所持するマジックアイテムは"テレポート"の巻物×2です。能力的には平均的で、抜きん出たものはない。知力も精神力も15です。
カシス ?歳
シーフ4、セージ2、レンジャー1。冒険者の祖父を持つ十代半ばの小柄な盗賊少年。後見人のイーノを「おいちゃん」と慕っている。
冒険に出たきっかけは、その元冒険者の祖父から貰った謎の宝の地図です。勿論これは借金返済に役立てる設定というヤツです。
器用度21で敏捷度18と極めて盗賊的で、生命力と精神力も17と優秀。しかし知力は11と微妙に足りないので探索系は苦手。
中の人は女性だが、少年を演じる分には違和感はない。所持するマジックアイテムは魔力+2のショートソード(推定6)。
イーノ 35歳
プリースト(ガネード)4、セージ3、シーフ1。父親がカシス祖父の元冒険仲間で、その縁でカシスを「ぼん」と呼んで後見をしている。
ガネードの神官であり、一応目利きの鑑定士という設定。ドワーフのような体形・眉無し・目の周りにクマ?・デロデロ長髪という個性的な髭親父。
ルーイと双璧を為すパーティーのブレインであり、妖しい容貌に似合わず様々な助言を出すご意見番。宝の地図には秘められた因縁がある?
所有するマジックアイテムは魔晶石(14)。生命力19に精神力22と微妙に頑丈。だが敏捷度は11と低目で、知力も13と高くはない。
彼らの持つアイテムの値段ですが、まず魔晶石は1万9600ガメルですね。ミンクス達の持つアイテムと比べると、大体同じぐらい。
では魔力+2のショートソード(6)はというと1万9000ガメルでやはり同じぐらい。"テレポート"の巻物は計算が要りますよ。
"魔法のスクロール"の値段は、魔法のレベル×基本消費精神力×20です。すると値段は7×35×20×2本=9800ガメルで微妙に安い。
通常のマジックアイテムの計算式は最後の定数が40になりますが、これは魔術師しか使えないという使用者の制限を反映しているのです。
それとイーノがガネードには特殊神聖魔法がないと嘆いていますが、現在(07年12月)とっくに追加データが出てるんですよ。
それは1レベルの"シェアー・ハンズ"と、4レベルの"セカンド・チャンス"です。現在のイーノのレベルなら使えるレベルの魔法ですね。
前者は器用度関係の成功ロールをやり直せるというもので、後者はあらゆる成功ロールをやり直せる。匠の神ならではの魔法ですね。
以上3名が新キャラですが、すぐには合流しません。ルーイはとっくに合流してるんですが、カシスとイーノとの出会いはシナリオの内。
ちなみに行動順は、マイス(20)→カシス(18)→ラーン(16)→ルーイ(13)→イーノ(11)→ミンクス(9)、となります。
物語の大筋は「アンマント財宝編」というサブタイトル通りに、壮大な宝探しの大冒険となります。果たして彼らは宝を手に入れられるのか?
★
ミラルゴでの戦いで命を落としたミンクスでしたが、無事にファーズで復活を果たしました。……48万ガメルの借金と共に(笑)
しかもそれから1週間は安静に過ごさないといけないし、仕事の口を求めてオランまで移動したら既に46日が経過していたんですよ。
はい、ひと月経ったので利子追加ですね。これで利子が4万8000ガメルついて、借金の合計は52万8000ガメルですね。
しかもしかも、あと2週間でまたひと月経った事になって5万2800ガメル追加されるんですよ。……返せるのかな、これ(早くも不安)。
なにしろ複利ですからね、せめてひと月以内に利子分だけは返さないと雪ダルマ式に増えていきますよね。
今月についてはあと2週間で5万2800ガメル稼がないといけないし。2週間で5万か……中堅パーティーでも厳しいかな。
しか稼ぎは全額返済に充てられるわけじゃない。ルーイなんて商会から報酬は後払いで貰う事になってるから、分け前をあげないといけないし。
トリオ・ザ・住専だって宿賃や食費は削れないし。これはそれなりにキツイ仕事を選ばないといつまで経っても返せませんね。
それはそうとこれって返済するタイミングは自由なんですかね。あと追加される利子が計算されるのは月末なんでしょうか。
もしそうなら手数料がかからなけば、2週間後までに少しでも返せば利子の増分は減りますね。4万8000以上返せれば見通しは明るい。
複利は額が大きくなるほどに追加される利子は逓増しますが、逆に減れば逓減する。とにかく利子以上返済していけばどこかで楽になる。
オランに着いた一行(既にルーイも合流済み)は「麗しの我が家亭」を訪れ、早速ハイリスク・ハイリターンな仕事を受けます。
それは連続冒険者拉致発狂事件の解決。冒険者だけが狙われ、殺されないまでも発狂した上にアイテムを盗られて発見されているんです。
報酬は全員で3万です。人数割りして1人7500ガメル、内3人だけが払うと2万2500ガメルか。5万にはまだ足りませんね(苦笑)
ちなみにこの報酬は冒険者の店が出し合っています。特に依頼人がいなくても、このように店が横の繋がりを使って依頼をしてくる事もある。
どうせ頼むなら名のある人に頼みたいものですが、ミンクスは一応名はありますよ。ファーズを挙げた一大イベントで復活したし(笑)
情報は人の足の速さで広まるから、ミンクスが寝込んでいる間にオランにもその噂は伝わっています。案の定店の親父も知っていました。
しかも「ダークエルフの軍団を一人で叩き潰した」とか、バブリーズと混同されてたり。実際法王には彼らの仲間という事にしてるんですがね。
★一方、そのころ〜尊い自己犠牲の報酬は?
その頃カシスとイーノは宝の地図を解き明かそうとオランに来ていました。しかし冒険は素人っぽい2人ではどう考えても力不足ですよね。
そもそも盗賊と司祭だけじゃ戦闘ができませんからね。あと色んなお約束に従って、彼らは冒険者の店で仲間を募る事にしました。
張り紙に必要事項を明記し、宿の親父に場所代100ガメルを渡して張り出したところ、人が集まる集まる。宝の地図を求めて。
地図があると明記したからですよ。それでうかつに見せたら盗賊の《記憶術》で内容を盗まれると用心するイーノは流石に用心深い。
いや本当に用心深かったらそんなオープンに情報を晒したりしないでしょうけどね。それが例の発狂事件の犯人も呼び寄せる事になるのです。
ちなみに集まった面子はロクなもんじゃない。まぁまぁ使える戦士が数人と、1レベル程度の魔法使いじゃちょっと食指が動かない。
一人熊殺しの戦士とかいましたが、現実世界ならともかく、この世界では熊なんて大したもんじゃないし。たったの3レベルですしね。
カシスやイーノとパーティーを組めるぐらいだとしたら、4〜5レベルは要りますね。その熊殺しも多分それぐらいでしょうか。
その後2人は地図屋を訪れます。地図を専門に扱うお店。火事になったら愉快な大変な事になりそうな店ですね。多分店内は火気厳禁。
そこでドワーフの店主に250ガメルの鑑定料を支払って例の地図を見てもらうと、これは数枚でセットになっている事が分かります。
あと店主を口止めするかどうか選択を迫られました。この地図にまつわる情報を完全にオープンにするか、クローズにするかです。
いくらかかるか知りませんが、払う必要なんてありませんよ。だってあんだけ吹聴して回ってたら、もう口止めは無意味ですからね(笑)
その夜2人が泊まっている部屋に2人連れの男が訪れます。1人は筋肉ムキムキの戦士、もう1人は優男系の魔術師です。
彼らは地図の話を聞いて、仲間になろうと言ってきたのです。これはPCはともかく、PL的には非常に気になる展開ですよね。
どんだけ歩き回っても他の仲間とは合流できず、こんな妖しい2人組が来るんですから。それでもPC的には特に断る理由はない。
かくしてカシスとイーノは地図の探索に入る前に、力試しに戦士と魔術師が今請け負っている仕事の手伝いをする事になりました。
その仕事は下水道に潜む化物の退治なのですが……勿論これは罠です。こいつらは例の連続拉致発狂事件の犯人なのです。
2人組に導かれて下水道に潜ってみると、そこに待っていたのは6レベル魔獣であるマンティコアのグラズバカス様だったのです。
多くのマンティコアは暗黒魔法5レベルの能力を持ち、ファラリス信者です。ところがグラズバカス様は名もなき狂気の神の信者なのです。
マンティコアは邪悪な知識の守護者であり、それなりに頭脳は明晰の筈ですが、グラズバカス様は地図をこよなく愛するキチガイです(笑)
どうやら例の2人組もお仲間のようですね。こいつらに襲われた被害者がことごとく発狂してた時点で、ある程度予想できた事でしたね。
いかにキチガイでも相手は6レベル魔獣+2、2人だけでは勝てる筈もない。イーノは咄嗟にカシスだけを逃がし、自ら囮を買って出ます。
なんでもイーノのお父さんはカシスのお爺ちゃんがいなければ生きていなかったから、その義理もあって自己犠牲を買って出たんだとか。
冒険仲間ならよくありそうな話ですね。妖しい顔してて随分と義理に厚い男です。たった1人でこんな強敵を足止めしようとするんですから。
足止めに使ったのは"ホーリー・ライト"でした。アンデッド相手ならダメージも出るけど、そうでないなら目晦ましが精々です。
しかも効果があるのは魔法を使ったそのラウンドのみ。次のラウンドには動けるから、毎ラウンドに渡ってピカリンコしないといけない。
それじゃあ敏捷度が遅い司祭では不利になりそうですが、そうなのです。Q&Aによれば、そういう事になっているんです。
これが驚いた事に3ラウンド連続で抵抗を破るんですよ。4ラウンド目には抵抗されますが、「静止」で3m×4ラウンドで12m稼ぎました。
ところがグラズバカス様の移動力は21あるので、あっという間に接敵。でも殺さずに「にひひひひ」と笑って手番終了(キチガイなので)。
次のラウンドにはまた抵抗を破って3m下がりますが、実は到達距離が「接触」の魔法は、対象が見えなくてもかけられるのです。
この魔法は"ルナティック・シード"、対象に狂気を受け付ける名もなき狂気の神の特殊暗黒魔法です。「失われた狂気を求めて」が初出。
デュダの方では術者に永久的に絶対服従という強力なものでしたが、完全版になるにあたって狂気の種を植え付ける魔法に変わりました。
一度そうなってしまえば、術者から狂った命令を与えられたら服従するし、与えられなくても正気ではいられません。
これによりイーノは「オレもハダカだ、キミもハダカ。それが公平だろ」「ボクもハダカだあっぱらぱー」と泡吐いて全裸になります(笑)
この挿絵が全裸のイーノの股間が「海苔」で隠れてるという酷いものなんですよ。「見たくないもの」第一号。挿絵の伊藤勢先生も辛かったろうに。
その後イーノは狂ったまま下水道の外に放置されます。流石のグラズバカス様も醜いものを手元に置いておくのは嫌だったんですね。
殺さなかったのは……当然ですよね。これで殺したらあんまりですよ。まぁ生きている方が死ぬより辛い事もあるのかもしれませんが(笑)
逃げるカシスはというと、足の速さでいえば追っ手の二人組に圧倒的に勝っているんですよ。しかし袋小路に行き当たったらお終いです。
そこで《記憶術》により行きに来た道を思い出し、無事に下水道から脱出します。その後カシスはイーノを助ける為に冒険者の店に向かいます。
★ようやく合流、6人組
そしてカシスは「麗しの我が家亭」に逃げ込み、マイス達と合流。これで5人組になりましたね、あとは最後の1人を助けにいかないと。
しかし莫大な借金を背負う側としては、こんなカモネギ逃がしはしない。既にカシスが宝の地図を持っている事は分かっているのです。
イーノ救出の代価として、財宝を人数割りする契約書を書かせます。ルーイはきちんと署名までさせますよ、プロか(いやプロだけど)。
勿論その人数にはイーノも入っていますが、もしイーノが死んでいたら5人割りという特約にもサインさせます。……怖いよ灰原ルーイ(笑)
それから下水道の入口に行ってみると、そこで全裸でパッパラパーなイーノを発見。最悪のファースト・インプレッションですね。
著しく公序良俗を乱すその様子に、衛視もソロリソロリとビビりながらもやってきているし。もう少し遅かったら留置所で再会でしたね。
しかもこれ正気に戻っても覚えてるんですよ、恥ずかしい……。狂ったイーノはマーファ神殿に連れて行って、治療方法を見つける事にします。
イーノ「ほれ、あんたも脱ぎなさい。衣装なんて自然ならざるものを着ちゃいけませんよ」
とか、狂ってるのに何故だか筋を通す。SANチェックで狂人の論理でいい事を思いついたかな(それは「クトゥルフの呼び声」)。
どうせだからと「ドワゴンハーフRPG」のバツ技能判定で、足を引っ張る味方として別の患者さんを召喚したり。それゲームが違うから(笑)
余談ですが、クトゥルフはともかく、私はドラゴンハーフの方はルールブック持ってるんですよ。
「ドラゴンハーフ」といえば、見田竜介先生が昔のドラマガで描いていたギャグファンタジー漫画でしたね。私も愛読しています。
実は清松先生はそのTRPG化も手がけているんですよ。システム的にはSWに似てるような気がするけど、数値の桁数やルールは結構違う。
バツ技能というのもその一つです。本人が気づかないけど、失敗を起こしやすい技能をそう呼ぶのです。結構面白いので一読の価値あり。
さて、イーノに植えつけられた狂気の種はどうすれば取り除けるのか。"ルナティック・シード"は呪いなので、"リムーブ・カース"で大丈夫。
しかしそれもお金がかかるんですよね。5レベル司祭がするなら、通常で2000ガメル。+3まで拡大すると4倍で8000ですね。
グラズバカス様の魔法強度は15でしたね。5レベルの知力+2として更に+3すると基準値10、出目5以上で元に戻りますね。
失敗したら元も子もないのでその通りに8000払いますが、出目は6ゾロだったので拡大しただけ無駄になりました。結果論ですがね。
支払いはマイスが1000貸して残りはツケ。自分が借金まみれなのに、「はい」と「そうですねぇ」ばかりじゃいつか身を破滅させますよ。
その後の交渉で、治療法を教えた事を考慮して代金を半額にして4000となりました。マイスが1000出したので、残り3000です。
6人揃って早々にまた債務が増えてしまいましたよ。ゲーム上の事とはいえ、マイナス状態が続くのって結構ストレス溜まりそうです。
それから下水道の出口に放置されていた、イーノの服や荷物を回収します。危うく盗賊ギルドの物乞いにパクられる所でしたが。
この時荷物が無事かどうか、互いにダイスを振って、イーノがGMの目以上なら無事という事にしたんですよ。五分五分よりは少しマシ。
これでGMが11振るもんだから「こりゃ無理だろう」と思った矢先、イーノも11を振って無事で、運がいいのか悪いのか分からん人です。
ちなみに例の魔晶石は魔術師に盗られている。点数の高い魔晶石は、少しでも使うと一気に価値が落ちるんですよね。
14点だと1万9600なのに、13点だと1万6900ですよ。もし5点消費で魔法を使われたら、9点だから8100で半分以下。
値段が点数×点数×100ガメルになっているから、点数が増えるほどに値段の増え方が逓増するんです。そういう意味では複利の借金みたい。
あとここで追っ払われた物乞いが、思いのほか強かで感心。盗賊ギルドの教育の賜物か、同情を買う技術に長けているんです。
最初は哀れっぽい老人を装って追い払われてヒーヒー言ってたのに、人目がなくなると背筋を伸ばしてスタスタ歩いていたんですよ。
何はともあれこれでようやく6人揃った訳です。これを機に彼らは宝探しの仲間としてパーティーを組む事になりました。
宝を山分けする為の契約書を書かせたり、イエスマンのリーダーを利用してこの事件の報酬を分けて貰ったりと、殺伐とした仲間ですが。
この一連の交渉でも、ルーイとイーノがこのパーティーのブレインである事が分かりますね。味方でいてくれるなら頼もしい限りです。
引継ぎがうなずきエルフ、猪突猛進のドワーフ、家出女戦士の3人組では不安ですしね。やはりステラみたいな知恵者が必要だったんです。
★決戦!下水道
6人は最初の仕事として、グラズバカス様を退治しようと下水道に乗り込みました。イーノとカシスにとってはリベンジですね。
その前にマーファ神殿で精神力を回復して貰いますが、その値段は(回復ポイント+1)×20ガメルとなります。
これは1レベルの神官が"トランスファー・メンタルパワー"をかける際の費用ですね。消費精神力は回復ポイント+1点になりますから。
あとはレベルをかけないといけませんが、1ならかけなくても同じだから割愛。もし2レベル以上の人がやるなら、その分増えていきます。
戦闘以前に面白かったのは、敵の魔術師が"リプレイス・サウンド"を使ってきた事です。
"リプレイス・サウンド"といえば、「灰色の魔女」であのスレインがカーラのアジトに侵入する時に使った魔法ですね。
普段のリプレイではあまり出てこないけど、敵の注意を惹きつけるのには役に立つ。現にルーイ以外は皆ひっかかっていたし。
下水道での「ばしゃばしゃ」いう音を、マイス達の背後から聞こえる音として伝えて注意を惹きつけたのですが、ルーイは流石でした。
こうしてお互いに不意打ちは無しで戦闘に突入しました。通路には2人しか並べず、すぐ横には下水が通っているのが特徴。
下水の水では、"ファイア・ボール"対策に"ウォーター・スクリーン"をかけるのも嫌ですよね。"ウォーター・ブリージング"かけても入りたくないし。
あと一直線に並んでいる事から、"ライトニング"とかやると面白いですね。漫画の「漆黒のカース」でナイトシェイドがやってたやつ。
あとグラズバカス様は浮いているので、後衛から前衛の頭越しに"フォース"とか"エネルギー・ボルト"などを当てられるのもポイント。
1ラウンド目、マイスが"サイレンス"で魔術師を黙らせるが、グラズバカス様は耐える。カシスは飛び道具もないのでパス。
ルーイは"スリープ・クラウド"をかけて、敵の戦士と魔術師を眠らせる。グラズバカス様はやっぱり無事。精神抵抗15(8)は伊達じゃない。
しかも音が聞こえない範囲で眠ったもんだから、戦闘の喧騒で起きる事もない。蹴飛ばせば起きるだろうけど、そんな暇もないし。
あと抵抗に成功すれば音は聞こえるとなっていますが、成功しても外部からの音は聞こえません。範囲内の音はハッキリ書いてません。
その後のラウンドは、ちょっと微妙。いつの間にかラーンがカンタマをかけて貰ってたり、ルーイの後に動いてたりするし。
多分行動を遅らせるか、別のラウンドを挟んでたりするんでしょう。面白かったのはラーンとカシスも狂気の種を植え付けられた事。
ラーンはいきなり下水で水泳をさせられるし、カシスは魔法の短剣を下水に捨てて地図で攻撃させられるし。致命的ではないけど嫌な攻撃。
しかもこれを治すにはまた"リムーブ・カース"が要るんですよね。ラーンは下水塗れになるし、カシスは短剣を無くしちゃうし、散々ですね。
これでミンクスが唯一の前衛になる訳です。日頃は自分が活躍したいと地団駄踏んでるのに、いざ一人になるとなんか辛い。
その戦力的損失を補うかのように、バカ様をガリガリ削るのはマイスでした。いきなりウィスプで2連クリティカルで18点とか出してるし。
6レベルの生命点23点だから、12点一気に削れて残り11点。いきなり生命力半分ですよ。しかもトドメを刺したのもマイス。
普段は「そうですねぇ」だけで非常に不安なリーダーですが、指導力ではなく実力でリーダーなんだ、とカシスやイーノは勘違いしそう。
その後カシスとラーンはマーファ神殿で"リムーブ・カース"をかけて貰って回復。カシスの短剣も延々ドブ攫いして発見されました。
この"リムーブ・カース"にも1人辺り8000の半額で4000かかってるんですよ。つまり3人合計で1万2000の経費がかかった。
報酬は3万で、1人5000ガメル。費用についてはイーノとカシスは5000ずつ出し、ミンクスは1000出し、マイスは既に1000貸してる。
つまり現時点では1万3000返済可能で、カシスが1000以上儲ければその分追加され、1万4000ガメルは確保している。
次の返済日までは11日で、利息分だけでも返す為に3万8800稼がないといけないんですよね。11日で約4万、キツイ……(苦笑)。
しかしその1万3000だけでも即返済すれば利子は減らないのかな。月末の利子が加算された後でしか支払えないなんて事ないですよね。
6人中3人しか債務者がいないから、報酬の総額では8万ぐらいの仕事をこなさないといけないんですよね。その内過労死しそうです。
★
このリプレイも経験点は1000点ベースです。しかし既に中堅に差し掛かっているせいか、今回成長する人はいませんでした。
成長はしなくても既に1日経過して「次の返済期限までは、あと10日。あと10日しかないのだ。急げ冒険者、婆あは、借金返済を待っているのだ」。
★待てば海路の日和あり?
借金の返済期限も迫ってきて、次の仕事が欲しい矢先。早速冒険者達にマーファ神殿から大口の仕事の依頼がありました。
それは地下遺跡でのアイテム回収。前回戦ったキチガイのマンティコアのグラズバカス様の仕出かした事の後始末です。
あの事件でバカ様の魔法で発狂した人達も、マーファ神殿での"リムーブ・カース"で正気に戻りましたが、代金を払えない人も多かった。
そこでバカ様に巻き上げられたアイテムさえあれば、それを売って支払うと主張したんです。しかしアイテムは既に下水道にはない。
バカ様の手下の証言によれば、下水に開いた穴から地下遺跡に落としたというのです。それを拾ってくるという仕事ですね。
このアイテムというのが、所有権がマーファ神殿に半分、こっちに半分あるので、最低でも市場取引価格の半額が懐に入ってきます。
それが大まかに計算しても2〜3万するんですよ。それでも人数割りすれば返済に充てられるのは1万〜1万5000だから足りないけどね(笑)
本人に買い取る能力があれば本人が買い取るし、そうでなければマーファ神殿が買うので、売りさばけないという事はないでしょう。
落とされたアイテムは、武器やら鎧やら地図やらマジックアイテムやらと色々あり、その地図が例の地図の一部である可能性もありますね。
あとその回収アイテムのリストがあったようですが、文庫には収録されてないんですよね。普通に掲載し損なったようで気になります。
勿論そのアイテムをこちらのものにする事もできますよ。取引価格の半額を先方に払えば、私有化が可能です。
これをパーティーの共有財産にするならパーティー全体で半額払えばいいけど、個人で私有化するなら違ってきますよ。
所有権をより細かく区切ると、神殿に1/2、パーティーの1人辺りに1/12ずつあるから、その所有権をお金で買い取る必要がある。
この場合神殿に1/2払い、仲間達に1/12ずつ払います。これで1/2+5×1/12=11/12が自前の所有権に追加され全部になる。
神殿が買い取る場合は同じようにしてパーティーに半額払って、それが人数割りされて、1/12の所有権が取引価格の1/12に化ける。
もし元の持ち主が買い取ろうと思えば、取引価格の半額を神殿に、もう半額をこちらに払う事になるんでしょうね。
すると元の持ち主であるにも関わらず、市場取引価格を支払って自分のものにしないといけない。発狂した上に痛い出費です。
結論から言うと、半額でも5万9150ガメル分のアイテムを回収し、あるアイテムを買い取った挙句5万7150ガメルの収入となります。
中には引き取り価格に+550ガメルとかしてあるのもあります。これは持ち主が絶対に取り戻したいというやつですね。
中には、敏捷度ボーナス+2の"クイックネス・リング"(半額で4500ガメル)や、魔力+1の"ルーンの指輪"(3万ガメル)等もある。
前者はともかく、後者を手元に残すと3万払わないといけなくなるんですよね。所有権が少々あっても、貧乏人には高嶺の花か……。
分け前はイーノ以外は1人1万25ガメルになります。なんだか微妙に消費税だから利子だかがついてるような額ですね。
しかしイーノだけは4025ガメルなんですよ。何故ならば取引価格6000の対アンデッドの護符を購入し、分け前から支払ったからです。
これは"ターン・アンデッド"をした時の「ターン・アンデッド表」の出目に+1するというもので、まぁまぁ役に立ちそうなものです。
ここで気をつけないといけないのは、5万7150ガメルの収入からイーノだけ3000減らして分けると、おかしな事になる事です。
この通りに分けると、イーノは6525ガメル、他の人達は9525ガメルになり、実際の分け方とは随分と違ってしまいます。
護符を売らなかったから、実際の収入は5万4150。つまりイーノがパーティー内に元からあった半分の所有権を占有しているからです。
3000払っただけでは神殿への所有権の代価は支払っただけで、仲間達の1/12ずつの所有権を1人で全て持っている状態なんですね。
そこでイーノは仲間達に取引価格の1/12ずつを支払う事で、実質的に全ての所有権を手に入れます。上の方で述べたのが正にこれです。
結果1人に500ずつ払ったので、イーノの分け前は2500減って4025になり、仲間達は1万25ガメルになって無事に分配できます。
4025にイーノが支払った5500を加えると9525、最初の分割時の分け前になる。仲間達はイーノが私有化する分+500されて1万25です。
しかし1人1万ちょいでは、トリオ・ザ・住専が返済できるのは3万程度。あと9000ガメルぐらい稼がないといけないんです。
★地下遺跡に潜れ!
冒険者達は前回バカ様と戦った下水道までやって来て、奥に開いた深さ30mの穴を下りて遺跡に到達します。
深さ30mという事は、ロープを下ろして《登攀》すると3回判定が必要なんですよね。1回目や2回目で失敗すると死にますね。
1回目で失敗した時なんて20m以上の高さから落ちる事になるので、60点以上のダメージが来ますから、まず間違いなく死ねる。
ミンクスなんて目標値16でやろうとしてましたが、基準値は5ですよ。出目11以上を3回じゃ、0.057%ですよ(また死ぬ気か)。
結局は降りずに体にロープを巻きつけて下ろす事にします。これだと下ろす方に判定が要るのかもしれないけど、多分なかった。
最後にロープさえ使えば1ゾロ以外で成功する盗賊のイーノとカシスが降ります。ちなみに3回連続で1ゾロが出ない確率は91.8%。
ロープなんですが、清松先生は10mまでしか持てないとしたんですが、30m程度なら上手く巻けば大した事ないと後で気づいたとか(笑)
SWでは冒険者の持ち物に重量制限はない。限界は各人の常識に任せていますが、流石に某"至高神の猛女"のような弁慶ルックは無理かな。
ゲームによっては体力によって制限があって、持ち物にちゃんと重量の数値なんてのもありますけどね。その辺にもデザイナーの思想が現れる。
降りた先は建物の一室ですが、この遺跡の全容を予め確認した方がいいでしょう。この遺跡には3つの派閥が存在しています。
地下の広い空間に、漢字の「山」みたいな形の1階建ての建物が3つあって、それぞれに主人となる人物の像があります。
その人物とは、人間の男性のゼーフォン、人間の女性のシリーナ、ドワーフ(男)のワルドンの3人です。
彼らは自分達の配下として魔法生物のシー×8体を創造し、誰のシーが一番優秀かをモノ集めで競っていて、それが今なお続いていたのです。
結果ワルドンのノーマル・シーは武器を、ゼーフォンのゾンビ・シーは指輪・護符・マント等を、シリーナのゴーレム・シーは地図を集めています。
彼らは非常に愚直な生き物で、大体の容姿が一致していればその人をご主人様と思い込み、それ以外は敵視する傾向にあります。
しかもご主人様と認識されても、攻撃をされないだけで、仕舞い込んだ宝を持ち出そうとすると命令に反するからと止められるんです(笑)
つまり冒険者達は彼らのご主人様に成りすまし、上手く取り計らって彼らの処遇とアイテムの奪還を考えるのが今回のメインテーマなのです。
シーといえば「死せる神の島」にも出てきた3レベルの魔法生物でしたね。古代語魔法3レベルを使う、痩せたグラランのような生物です。
今回登場するシー達は、ワルドンの所にいたのは普通のシーなんですが、他のはその改造体です。一部激しく弱体化してるのもいます。
ゾンビ・シーなんて、アンデッド化したせいで魔法が使えないもんだから弱い弱い。そもそもシーは魔法が強いモンスターなんですから(苦笑)
ゴーレム・シーも同様、魔法が使えない。ただ見た目メタリックでカッコイイというだけ。……シー作りではワルドンが一番優秀なのでは。
ノーマル・シーは一応ご主人様の言う事を聞いて他の人達には攻撃しないけど、他のは構わず殺しにかかりますからね。使えない。
ていうかワルドンはドワーフなのに古代語魔法で彼らを作ったのかな。まさか今では絶滅したドワーフの上位種だったのかな?
マップの像でも、ワルドンはフル装備で魔法のマの字もないドワーフ戦士だし、ゼーフォンも勇者様風の格好をしてて、違和感が拭えない。
言う事を聞かない愚直なシー、胡散臭い上に訳の分からん争いをしていたご主人。なんて胡散臭さに満ちた遺跡なんだろう(笑)
あとこのシー達は特別製で、不死身です。各建物に設置された命の宝珠(オーブ)の力で、何度死のうとも再生します。
オーブに近づけば近づくほど再生力は強く、オーブの前ではぶっ殺された瞬間にしゅしゅしゅしゅ、バン!とウー並みの再生力を持ちます。
このオーブを破壊してやれば彼らは最早再生せず、殺しさえすれば永久の安息が訪れる筈ですが、中には難しいのもいる。
ワルドンのところのノーマル・シーなんて、落盤でオーブが埋まっちゃったんですよ。下手に掘ると崩れるので掘るに掘れない。
可能性があるとすれば、次の冒険でマイスがシャーマン4になるので、その時になってから"トンネル"で回収できるかもしれない。
★この屋敷、何に使ってたの?
一行が最初に降り立ったのは、そのワルドンの遺跡でした。ここでは唯一ドワーフのミンクスがご主人様として認識されます。
性別?そんなものはシー達には関係ない。愚直で頭の悪そうなヤツラですが、こうも懐かれたらもう殺せませんね。
相手はこっちを平気で殺しますけどね。ワルドン様に危害を加えると判断したら、"ライトニング"×8で感電死させられます(笑)
また遺跡内には無数の隠し扉が犇いていて、これらを突き止めるだけでも一苦労。ミンクスお得意の力押しは通用しませんね。
しかし探索中にミンクスの案は即却下されるのに、他の人が同じ案を出せばすぐに採用されるのは何だかな。普段からの言動って大切ですね。
ちなみに一見愚直なシーですが、鑑定眼だけは確かなのは不思議でした。保管するアイテムは魔法の品に限るんですから。
イーノの普段使わないダガーには見向きもしないのに、ラーンの槍とかカシスのダガーとか、あとミンクスの斧はしまおうとするんです。
それでシーは生き生きとした様子で(久方ぶりの命令で嬉しいのかな)、山のような数の隠し扉を開き、武器が並ぶ保管場所にしまうんです。
しかしこの隠し扉の数は異常ですよね。一体この建物は何に使ってたのか。まさか居住用ではないですよね、忍者屋敷じゃあるまいし。
ちなみにしまわせるのはカシスのダガーです。ほら、白兵戦の戦力としては、ラーンやミンクスには遠く及ばないから(笑)
冒険者達は何とかして彼らを出し抜こうとしますが、これがまた行き当たりばったりだから上手くいきやしない。
穴の上にアイテムがあると吹かして捜しに行かせても、オーブの力が切れてキリキリバターンとはならないし。
オーブに近づけば近づくほどに再生力が高まるのだから、遠ざかれば弱まるかもしれないけど、別にこれで動いている訳じゃないし。
何があるのかも決めてないから、シー全員を動かす事もままならないし。人を騙すなら何かしら下準備が必要ですよね……。
それとノーマル・シー達は、他のゴーレムやゾンビのシー達とタイマンだと互角だと申告してますが、どうでしょうね?
先に述べたように、他のシー達は唯一にして最大の武器である魔法を封じられたレッサー・シーです。それがどんだけ脅威になるのか。
ゾンビなら生命点が高いとか、ゴーレムなら防御点が高いとか、そういうのはあるかもしれないけど、それだけでしょうしね。
問題は精神力が切れる前にノーマルはそいつらを倒せるかって事です。それが切れたら殴り合いだから、ゴーレムとかの方が強いかもしれない。
★「ゼーフォン様意外は殺します」〜おいこら、後始末していけよ
それから一行はワルドンの屋敷以外も探索します。まずはゼーフォンの屋敷、待ち受けるのはゾンビ・シー軍団でした。
こいつらはルーイがゼーフォン様を名乗って手懐けますが、ルーイ以外の人達は彼の制止も聞かずに殺そうとする馬鹿チンです(笑)
それで戦闘になるんですが、前述通りに雑魚なので簡単に潰せました。苦戦したのは魔法の武器がないカシスぐらいのもんですよ。
ワルドン役のミンクスは屋敷に放置してるのでまともな前衛はラーンだけですけど、彼女だからこそ1人で十分なのです。
とはいえやはりミンクス抜きで進むのも怖いので、この場はストーン・サーバントに任せて、一度引き返す事にします。
「起き上がってきたのを殴れ」という命令だけを与えているので、再生してきたゾンビ・シーを片っ端から攻撃します。
あとはこいつらの再生ペース次第ですね。上手くすれば持続時間である1時間をフルに戦いきれるかもしれませんが、その前に壊されるかも。
ソンビ・シーの戦闘力も謎ですが、もし普通のシーと変わらないのなら打撃点4で、サーバントの防御点は8なので、1発で1点しか削れない。
サーバントの生命点は16なので、16発までは耐えられる。しかし相手は8体?ですからね、1体辺りノルマ2発。耐えられるかな?
それからミンクスを呼びに行くのを忘れてシリーナの屋敷にも行きます。こちらに待つのはゴーレム・シー軍団、シリーナ役はラーンです。
ここではゴーレム・シーの出現数は、部屋の扉を空けた時に「2D6−7」匹で決定されますが、これって出目によっては8体超えますよね。
実はちゃんと8体だと明記してるのはワルドンの所だけなんですよね。数に差があるんじゃ不自然かと思ったんですが、違うのかな?
結局ゴーレムも主人の制止を聞かず、戦闘ではシーを真っ二つにして、上半身と下半身で別々の部屋に放置して再生を妨げたりしました。
これではいかんと「ロールスター」の痛打表をパロって、「両耳を突き通して脳が破壊される。むごし」という壊れ方になりました(笑)
他にはワルドンの屋敷にはなかった罠もあって、天井から毒ガスが噴出し、バルサンを炊いた時のハムスターの如くマイスがピクピク。
普段マイスは前衛に出たり直接攻撃を受ける事がないから忘れているけど、彼の生命点は1クレスポ(6点)しかないのです。
3レベルだから、魔法や毒で6点のダメージでも受ければ一気に半減し、9点以上のダメージを受けたら即生死判定ですよ。
9点なんて、このレベルになれば食らわない方が不思議です。魔力6の"ファイア・ボール"でも食らおうものなら、抵抗して7振って9点ですよ。
そうして屋敷を攻略する事で、こちらでは地図の部屋に到達し、これらの地図を回収します。なんと5枚あった内の2枚が宝の地図でした。
これでカシスの地図と併せて3枚ですね。これらは買取価格の2000ガメルを払い、将来の大金に繋がる事を信じてパーティーの共有財産とします。
この2000を分割前の収支5万7150に加えると、総額の5万9150になりますね。あるアイテムとはこの地図の事でした。
続いてさっきは取りに行かなかったゼーフォンの屋敷の宝も手に入れるべく、ルーイは「石先行作戦」でゴリ押しです。
これはルーイ一人で屋敷に入り、ストーン・サーバントを先行させ、あらゆる罠の身代わりにするというもの。
ルーイはゼーフォンと認識されてるからゾンビ・シーに攻撃されない。罠をサーバントが受ければ、あとは隠し扉がない事を祈るだけ。
これが予想以上に上手く行くんですよ。さっき放置したサーバントは既に壊されていて、ちょっと切なくなりましたが。
毒ガスが噴出しようとも、ガスが拡散するまで扉を押さえ。電気ショックや毒針にも耐え、精神が狂わされる扉もものともしない。
石だから毒とか精神系の攻撃は効かないんですよ。唯一効果があるのは電気ショックのみですが、壊れても代わりを作ればいい。
ついにはオーブの部屋に辿り着き、サーバントの力でシーを退けオーブを破壊。マント・指輪・護符などを回収し、無事に帰還。
心残りはオーブ自体が金になったかもしれないという事。"テレポーテーション"の巻物で商会まで運んでも良かったかもしれないと。
この際ルーイは行きと帰りで2本使い切っちゃうと躊躇ったんですが、オーブだけを送るなら別に2本使う必要はないのでは?
それとも誰かが持っていないと、アイテムそのものには魔法はかからないとか。1本なら4900だから、採算取れたかもしれない。
あとはワルドンの所の武器だけです。これはノーマル・シーをゴーレム・シーにけしかけ、その隙にお宝を盗ってトンズラする事にします。
こうして武器も回収。依頼通りに全てのアイテムを回収し、冒険者達は地上へ帰還しました。永遠に戦い続けるシー達を尻目に。
そして前述通りの収入を得て、返済日までの残り少ない日数の中、貴重な収入を得たのです。あと9日で9000を返さないといけません。
……しかし、今回はミッションは完全成功とは見なされません。それはアイテム回収だけで、シー達の処遇まで考えなかったから。
これについては昔のQ&Aで熱い熱い意見の交換がありました。97年10月とか、97年11月とか。文字化けするならエンコードをイジって下さい。
まずSWにおける経験点が何の代価として得られるのか。それは「ゲームマスターがあらかじめ設定してあるゴール」です。
今回は「アイテム回収」と「シー達の解放」です。前者は完璧ですが、後者に問題があったと清松先生は判断したのです。
では何故に問題があったのか。シー達を放置したからではありません。「何も考えなかった」からです。シー達の処遇を考える事すらしなかった。
オーブを破壊して殺す、シー達を連れて帰る、永遠に戦わせる、放置。ザッと考えただけでもこれだけの解決策があります。
今回は結果的には3つ目になりましたが、それは結果的にそうなったのであって、そうしようと考えて決断した訳ではない。
Q&Aにあったのは「GMの主観の押し付けはよくないのでは?」という趣旨での投稿でしたが、一つの決断だけを押し付けた訳ではないのです。
まぁGMとしてではなく、SWデザイナーとしての裁定になった所もあると、清松先生本人も仰ってますけどね。そういう意味での押し付けではある。
でも公式のリプレイなんだからそれでもいいと思いますよ。お陰で意義のある議論ができて、SWやTRPGへの理解が深まった訳だし。
清松先生は言いました、自由には2つあると。1つは、何をやっても咎められないという、子供の自由。
もう1つは、その結果に対する責任を自ら負うことで広がる、大人の自由です。TRPGにおける自由とは後者です。
ファラリス信者の多くは前者であるから問題なのであって、中には後者の自由を横臥するパーンやリウイみたいな人もいます。
ちなみに今回のメンバーの中では、マイスだけが気になっていたようでした。でも持ち前の引っ込み思案が災いして結局口に出せませんでした。
考える事はいい事です。TRPGに限らず、程度の差はあってもゲームには思考がつきものです。そして決断を下さないといけません。
しかし決断をできずに悩み続けるのは大概にしないといけません。一生懸命考えて、決断を下す。清松先生はそれをして欲しかったんです。
その際PCの設定を吟味して、そのキャラに相応しい理由付けまでできたら最高ですね。そこまで行ったらPLの満足感は計り知れません。
★
前回のミッションは完全成功とは見なされず、微妙に引かれて推定700点程度になりました。
この結果成長したのは3人。、マイスがシャーマン3→4と、ラーンとミンクスが仲良くファイター4→5です。
★依頼人がいっぱい
今回のお話はちょっと変則的です。普通は依頼があるにしても、ある程度それを受けるようGMの誘導が入りますね。
しかし今回は複数提示された依頼を選択するのです。ちなみに依頼を揃えてくれたのは、「麗しの我が家亭」の主人マクロイさんです。
前回の出来事から、否応なしに考える機会を与えようというのです。中には全滅一直線のデスシナリオもあるので熟考が必要ですよ。
でも本来の冒険者ってこんな感じで依頼を吟味するんじゃないですかね。複数の依頼の条件を比べたり、リスクを推定したり。
実は借金の返済期日が8日後になっているので、あんまり時間をかけてしまうと、結局は借金を払えなくなるかもしれませんし。
当然全ての依頼を受ける事もできず、一定条件で消えてしまう事もあるでしょうし。SWPC/SFCを思い出すシステムですよね。
今回提示された依頼は全部で6つです。それぞれの小シナリオは500点分のミッションで、最大効率でも1500点になります。
1つ目の依頼は幽霊退治。依頼主はページ商会で、報酬は総額1万ガメル、前金2000。経験者を求むという事だとか。
2つ目は隊商の護衛。依頼主はパイロン商店(!?)で、パダまで片道3日の計7〜8日拘束。報酬は1万で前金2000。危険手当無し。
3つ目は傭兵。依頼主は不明(妖しい……)。報酬は1人5000で前払い1000。拘束期間は4日となっています。
4つ目も傭兵。依頼主はオルゴー村で、村の防衛をして欲しいそうです。報酬は1人日額800(特殊ですね)、拘束期間は長期を予定。
5つ目はドラゴン退治(笑)。依頼主は"復讐者"を名乗る冒険者ザンダーム氏。報酬は1人50万ガメルと巨額で、前金5000。
6つ目は迷宮探索。依頼主は冒険者ザレス。報酬は前金が1人500で、宝が見つかったら折半。オランの迷宮なので拘束期間も1日とお手軽。
これらの依頼から何を受けるかを選ばないといけない訳ですが、そうなると8日後の返済期日が不安で仕方ない。
そこでルーイが立て替えるという建設的な意見を、珍しくもあのミンクスが提案し、これが通ってしまうんですよ。
立て替える額は1万5000で、月利1%。商会に比べると随分と良心的ですね。ええ、仲間だろうとちゃんと利子を取りますよ。
あとマイスは5000だけ受け持つそうです。マイスってば、バカ様の時といい、本当にイエスマンなんですから(苦笑)
結局は一ヶ月間ご飯を奢るという事で利子はチャラにしますが、1万5000の1%って150ガメルで、1日5ガメルですよ(笑)
それは明らかに普通に利子を払った方がお得。あとよくイラストで算盤が出ますけど、多分ないらしい。所謂記号的表現(お約束)ですよ。
文化的には東洋のものですよね。それならムディールとか、イーストエンドとかにはあるかも。いやイーストエンドは時代が神代だから無理かな?
あとこれで52万8000の借金が6万返済したので残り46万8000ですね。月末には51万4800になりますけどね(笑)
これでもし返済しなかったら58万800になってたんですよ。差額6万6000ですから、ちゃんと10%増しで借金が減ってます。
★さて、依頼を吟味してみよう
では依頼を一つ一つ、ネタばれをしつつも吟味してみましょう。
まず最初の幽霊退治ですが、実はこれがデスシナリオ。全滅まではいかないでしょうが、完遂は至極困難なのです。
何しろ幽霊というのがファントムですからね。一切の攻撃を受け付けず、6レベル神聖魔法"イクソシズム"等が数少ない退治方法です。
イーノはまだ"イクソシズム"は使えないから、"ターン・アンデッド"6ゾロで消滅に頼ったとしても、例の護符を考慮しても出目11以上(笑)
他にも未練を晴らす、という方法もあるけど、どうでしょうね。商会が頼むぐらいですから、きっと後ろ暗い事もあるんでしょうし。
おまけにセージ判定にも失敗し、名前は分かっているけどPLには伝えないという手法を取ったので、結局はこの依頼は避けました。
セージ判定で失敗すれば、PLは知っていても知らないふりをしないといけない。それぐらいなら、いっそ伝えない方がいいのかもしれない。
隊商の護衛なんですが、これってあのパイロンの依頼なんでしょうね。懐かしいけど、途端に避けたくなるのは何故だろう(苦笑)
1週間以上拘束され、しかも報酬は1人あたり1666ガメルですよ。危険手当もない所に誠意を感じないし、効率的には最悪の仕事ですよね。
ところがこの依頼、6シナリオの中では重要ミッションだったりするのです。あの宝の地図の謎に迫るイベントが起こるのですから…。
そして次の傭兵業2つは、実は関連がある。前者の依頼人は、後者の依頼主であるオルゴー村に別荘を建てようとする横暴男爵なのです。
フースバル男爵はそのオルゴー村の領主なんですが、普段から素行が悪い人物で、別荘の為に畑や牧草地や家を一気に潰すつもりなんです。
そこで男爵はオルゴー村に脅しをかける傭兵を雇おうとし、村は税を収めずに高額の報酬を支払って傭兵を雇い、それを退けようとする訳です。
つまり前者の仕事を受けるとオルゴー村襲撃シナリオが始まり、後者を選ぶとオルゴー村防衛シナリオになる。対立するシナリオなんですよ。
防衛なら力づくで男爵を追い出す事が可能ですが、襲撃なら無闇に村人を傷つけるとミッション失敗になるという、実にデリケートな依頼です。
まぁ襲撃を受ける場合は、防衛を受ける冒険者と話し合って、どうにか穏便に事を収めるよう立ち回るしかないですね。凄い大変ですけど。
防衛にしたって事を長引かせると村が哀れです。1日800で1月で2万4000、6人で約15万ですよ。セルフ大飢饉発生ですよ。
いっそ2つに分かれるという手もあるけど、それをやると戦力が激減しますからね。あまり推奨はできません。
挿絵では人相いいチーム(カシス、ラーン、マイス)と、人相わるいチーム(ルーイ、イーノ、ミンクス)に分かれてました(笑)
ここのルーイは悪の魔術師って感じなんですが、「ティルト・ワールド」のカタルを思い出す。一瞬見間違えましたよ。
あとミンクスからご飯を奢ってもらって「ほへーっへっへっへっ」と高笑いしている様子が、ちょっとハーメルに見えた。
5つ目はドラゴン退治……パス(笑)。そんなもんできるか。これが正真正銘デスシナリオなんですよ、敵は15レベル老竜ですよ。
1〜5レベルの幼竜や6〜10レベルの成竜なら何とかなるかもしれないけど、11〜15の老竜だったらアウトですよね。
"スリープ"6ゾロで一撃で倒すとかマイスは言ってますけど、完全版ルールになった事で竜は《不眠》の能力を持ったので不可能です。
実はバブリーズまでが旧版ルールのリプレイで、ミラルゴ編とこのアンマント編は当時最新の完全版リプレイだったんですよ。
最後の迷宮探索は受けやすいですね。実はこのザレスという人は、あのグラズバカス様の被害者の1人なんですよ。
そして前回回収した地図の持ち主でもある。今回行く遺跡もその地図の遺跡です。宝があるかどうかは全く確証はない(笑)
表も裏もない、実に素直な依頼人ですね。まぁその分宝もないという可能性もありますが。その場合は前金のみで終わりですね。
ザレスからすれば、今回払う前金3000と、地図を買い戻すのに払った1000を帳消しにする程度の宝はあって欲しいでしょう。
以上の依頼を整理すると、幽霊退治とドラゴン退治はデスシナリオなので何としても避けるべきです。これを受けたら成功はまず無理でしょう。
続いてオルゴー村防衛と襲撃は対立してるので同時には選べない。防衛と迷宮探索はどちらも1日で消えてしまうので、やはり同時は無理。
隊商護衛はその内容から最後まで残り、基本的に受ける必修シナリオです。最後デスシナリオ2つが残った時点で終わったものと思っていい。
この為に最大効率を考えるなら、迷宮探索→オルゴー村襲撃→隊商護衛の流れの3つになります。これで1500点になりますね。
失敗すると250点になるので、全部失敗しても750点は得られる筈。いやそんな後ろ向きな姿勢ではいけませんけどね。
結局はマイス達はこの内迷宮探索を受ける事にしました。それが終わってから、残っているものの中から次の依頼を選ぶ予定です。
★ルーイ、固まる〜メデューサの間、突破
かくして冒険者達は依頼主のザレスを加えて、オランの地下の下水道を通って、地下に潜っていきます。
ちなみにザレスはファイター4となかなかの実力者ですが、今回は依頼人なので基本的には戦いません。
ところが迷宮に潜ってから暫くすると、いきなり難関にぶち当たります。結論から言うと3レベル魔獣メデューサがいたんですよ。
髪が無数の蛇になった女性の姿をしていて、その顔は対象を石化させる非常にメジャーなモンスターですね。《石化》の抵抗目標値は10です。
暗闇の中、石化した犠牲者が並んでいます。この中では暗視の利くミンクスだけがクリアーに見る事ができるでしょう。
マイスの赤外線視はサーモグラフィーみたいなもんですからね。温度が周りの石壁と変わらない石像は判別が困難でしょう。
ミンクスは同時にメデューサも見えてしまいますが、精神抵抗8もあるミンクスでは1ゾロを振らない限り石化する事はありません。
あとマイスはメデューサの方は視認が可能なのでやはり抵抗を試みましたが、これも楽勝。石化は怖くても所詮3レベルモンスターだし。
ミンクスはこいつのセージ判定で6ゾロを振ったので一発で名前が分かりましたが、達成値にして12なので能力までは分からない。
メデューサの知名度は12なんですよね、達成値12なら足りています。ていうか6ゾロならそこまで分かってもいいと思えますね。
ところが今回は旧版ルールにあった、達成値によって判明するデータが変わるルールを適用してるので分からないんだとか。
分からないなら仕方ない。ミンクスはメデューサに石化能力がないとして行動しないといけない、これは怖いですよ。
でも名前は分かっているんだから、ミンクスが名前さえ口にすれば他の人も判定可能です。でもなかなか名前を出さないのがじれったい(笑)。
結果イーノが+1成功しますが、これではレベルや分類しか分からない。つまり3レベルの魔獣という事しか分からないんですよ。
その結果ランタンのシャッターを開けて姿を照らしてしまったものだから、全員揃って抵抗ロール。ルーイが失敗して石化!!
結局石化したルーイを担いで帰って、商会のコネを使って"リフレッシュ"ですよ。これは達成値のない魔法なので1ゾロ以外で成功です。
リフレッシュをかけて貰う費用は8×40×20=6400。商会への手数料を約1割として、7000ガメルという事にしました。
これをカシスとイーノが折半して出しますが、ルーイはすかさず債務をミンクスへシフト。自分の持つ1万5000の債権の一部を削ったのです。
これでミンクスはカシスとイーノに3500ずつ、ルーイに3000の債務を背負った訳です(笑)
利子のご飯は1日交代で1人ずつに奢ってもいいし、3日に1度3人に奢ってもいい。流石はルーイ、少々の借金じゃビクともしない。
それからマクロイさんにメデューサの弱点を100ガメルで教えて貰い、鏡を持って遺跡に再挑戦しましたよ。
今回はメデューサの特徴をよく把握したので、ミンクスとラーンが突撃し、他の人達は壁と睨めっこでやり過ごしました(情けない)。
抵抗にも軽く成功し、1ラウンド目の攻撃で瞬殺。特殊能力がちょっと怖いだけで、所詮は3レベルモンスターですからねぇ。
石化の魔力は1週間は残るので、鏡越しに首を落としてズタ袋に入れて持っていきます。なかなかデンジャーな最終手段をゲットしました。
周りで石化して転がっている人達は、駆け出しで金の無さそうな人ばかり。そりゃあベテランはそうそう石化しませんからね(ルーイは?)。
何とかしてやりたいけど、こっちはウルトラ貧乏人ですからね。まぁ神殿に持って帰って、代金は本人請求で治して貰うのが精々でしょう。
★動く歩道とゴキブリ取り〜さて、決算は?
それから一行は地図に従い、罠は避けて最深部に到達します。約1名罠を解除できずに寂しい思いをしてるのがいましたがね(笑)
別に安全に済めばいいとも思いますが、罠を外すというのが盗賊のアイデンティティなのです。なにより罠を割愛されると出番が無くなるし。
それでいざ扉を調べさせてみると、6ゾロを出したイーノに負けちゃうし。迷宮は盗賊の晴れ舞台の筈なのに、なんか哀れですね。
さてその最深部の部屋の前ですが、ちょっと恐ろしい罠がありました。罠の構造からして解除は不可能という類の罠が。
最後の扉の前の廊下がベルトコンベアになっていて、扉の先は天井から奥に向かって金属板が斜めに降りているんですよ。
扉を開けようとするとベルトコンベアが発動し、金属板を押し上げて向こう側に放り込む。すると犠牲者は自力では金属板を動かせない。
結果仲間がいないと餓死という、恐ろしい罠になったわけです。実際金属板の奥には、ミイラ化した昔の冒険者の遺体があったりしました。
壁にはカリオストロの城よろしく「助けて」と彫り込んであったりする。あと最後の部屋の方角の壁に、刃物が通る程度のスリットがある。
仲間がいれば扉側から普通に金属板を押し上げて出てこれますけどね。問題は扉が鍵なので、一度入ると出る時も発動するという事ですか。
扉は非常に敏感で、ちょっとでも手を触れれば発動します。どうしたものかと悩んでいると、奥から彼らを招き入れる声がします。
ただし先方は誰か1人罠に嵌ってくれないと、という事なので、カシスを人身御供に出します。後で助ければいいんですよ、助けられれば。
イーノ「戦士、いざというときに戦う。魔法使いは、いつでも必要」
カシス「オレか?」
イーノ「大丈夫ですよ、ぼん。あのスリットから、じくじくとスライムでも染みだしてくるとかしない限り助かります」
ラーン「剣がどすどすどすっと出てこない限りはオッケイ」
アンタら仲間を不安にさせてどうする。まぁ誰か1人削るなら、やっぱりカシスなんでしょうが(笑)
ところがマイスが入ろうとした時に罠が発動し、カシスと一緒に罠に嵌ってしまいます。人質は多い方がいいという事ですか。
そんな事するのは一体何なのかと声の主を見てみると、それは7レベル幻獣のスフィンクスだったのです。謎かけで有名なアレですね。
ルーイ「スフィンクス?昔、中国に、雛梹矩(すうひんく)なる賢者がいて、謎々を能くしていたという……」
イーノ「……今でも旅人に問題を出す怪物をスフィンクスというのは、この雛梹矩が由来である。民明書房刊『世界の謎々百選』より」
知っているのか雷電!!?。当時「男塾」が連載終了して久しかったようですが、現在続編が出た上に実写映画化(08年)までするとはね(笑)
そういえば私も民明書房は実在すると思っていた時期があって、大型書店で本気で探した事がありましたっけ。初期の方は結構あざといんですよ。
スフィンクスといえばリドル。このスフィンクスも謎かけをしてくるんですよ。正解すれば仲間を助けられるし、宝も手に入る。その謎とは…
『自ら動くことなく人の手に頼り、傷つけて前にすすみ、横に走りて汚れを撒く。そは何ぞ?』
こんなリドルです。答えは『ノコギリ』、仲間を助ける場合はこれをさっきのスリットに突っ込んで、壁を切り出せばいいんです。
ところがこれが正解が出ない出ない。結局プレイ時間にして1時間も悩んだ挙句、自力では答えは出せなかったんです。
この手のリドルって、答えが出ないといつまで経っても出ないし、出る時はスパッと出たり、調節が難しいんですよね。
あとメデューサの首で石化させるとか言ってますが、確率的に0%です。精神抵抗16(9)では1ゾロ振っても固まらない。
結局はザレスが出したヒントでマイスとカシスは助かりましたが、お陰で得物はツルンツルンになってしまいました。
宝を手に入れるにもこれが必要だったのですが、駄目元でカシスとマイスと、あとザレスにもう1度謎かけをされます。
これはもうダイスで決定します。スフィンクスは達成値18の謎を出したので、冒険者+知力で18出したら解答した事にします。
この時のスフィンクスは、多分7レベルに知力+3で基準値10で出目が8だったんでしょう。流石に難しいのを出しますよね、スッキリしない(笑)
結局は出目にも恵まれず、彼らは宝を手にする事なく遺跡を後にしました。最初の謎を自力で解いたら、ザレスは自動的に解いたんですけどね。
あるいは罠をなんとかしてかわしていたらねぇ。"トンネル"で脱出するとか、最初から全員命綱をつけてベルトコンベアに乗るとか。
メデューサの首は600ガメルで売れましたよ。前金と合わせて2600ガメルの収入で、7100ガメルの出費。大赤字ですね(苦笑)
鏡を購入していたのだとしたら出費はもっと増えている。実は手鏡って100ガメルもするんですよ、決して安くはないんです。
★マイスの決断(!)
迷宮探索を終えた時点でオルゴー村防衛の仕事は他の冒険者に持ってかれ、残った4つの中から選択する事になります。
とはいえデスシナリオであるドラゴン退治や幽霊退治はスルーするしかないから、隊商護衛かオルゴー村襲撃の2つしかない。
最大効率を狙うなら両方とも受ける事になりますが、難しいですよ。特に襲撃の方を穏便且つ迅速に片付けないといけませんし。
それで襲撃の方を受けようとしたんですよ。これでようやく依頼人の正体が分かり、何をやらされるか予想もついた訳です。
まさか村人を皆殺しにしろとは言わないでしょうが、リーダー格を暗殺するなり捕縛するなりしりとは言われるかもしれませんね。
それをしても男爵の土地だから合法。しかしそれは法的にはOKでも、人道的にはOUTである可能性が高いと思う。つまり後味が悪そう。
男爵は前金の1000を渡そうとしてくるので、それを受け取ったら仕事も受ける事になってしまいます。さぁどうするリーダー?
マイス「では、受けません」
凄い、言い切った!。あの"うなずきエルフ"がハッキリ断ったよ。挿絵では仲間達が感涙の拍手をしてますよ、何かカッコイイよリーダー。
いや"うなずきエルフ"だからこそ、一つ一つのうなずきには深い深い意味があるのかもしれない。かもしれないだけですがね(笑)
あとこの男爵が何となくイーノの親戚っぽい。目の周りのクマ?といい、視点があらぬ方向を向いてる所といい、他人とは思えない。
★値切り対ふっかけ〜せこいぞ、冒険者!
もうこうなってしまえば隊商の護衛しかない。ドラゴン退治、幽霊退治、そんなもんはとっくに選択肢の外です。
すると担当の人と壮絶な値切り合戦が展開されます。何かあったら1万2000でなければ9000とか、あってもなくても1万200とか。
前者は担当の人の条件なのでどちらにも旨みがありますけど、後者は都合が良過ぎますよね。最初の報酬を増額させてるだけだし。
結局前者になりますが、その「何かあった」基準は、山賊や野犬に襲われた時や、自然災害で役に立った時という事になりました。
そしてパダへ向かって旅立ち、初日の夜でした。2人1組の3交代制で見張りをして、野営をしたんです。なんかミラルゴ編を思い出す。
1直目はカシス&イーノ、2直目はミンクス&ルーイ、3直目はラーン&マイスと、前衛と魔法使いを合わせた構成となっています。
すると1直目に襲撃があったんですよ、ヒモを持った髭親父×2の。これがすっかりホモ親父扱いですよ、まぁ確かに妖しいけど。
カシスなら狙い目でしょうが、オッサン同士の絡みは醜い。それをやったら例の「見たくないもの」を遥かに上回る光景が展開されるでしょう(笑)
ホモヒモ親父の接近を察知するには《危険感知》や《不意打ち》になりますから、レンジャー+知力でシーフ技能は使えないんです。
ところがイーノはシーフ技能こそ持っていてもレンジャーは持っていない。カシスは持ってるけど1レベルなんですよね。
一応カシスは《罠設置》で鳴子などを設置しましたが、かからなかったようで、不意打ち成功。回避には−4の修正が入ります。
回避できずに2人とも《組み合い》状態に入り、その音で冒険者+知力で12の判定をし、ミンクス以外は起床して戦闘突入です。
この襲撃者の特徴はギャロットを持っているという所です。あのオペラ座の怪人の必殺武器でもあり、絞首紐の名の通り首を絞める特殊武器です。
バブリーズのレジィナも以前これで首を絞められましたが、その時簡単にレジィナが振りほどいたもんだから、完全版では強化されました。
旧版のギャロットは命中した際の達成値を目標値に冒険者+筋力で振りほどき判定をするんですが、ギャロットは攻撃力修正−4なんです。
だから達成値はどうしても低くなり、同格相手では簡単に振りほどける。とてもではないけど殺るまで抑えておけないんですよ。
しかし完全版では締める側はファイター/シーフ+筋力(器用度ではなく)、締められる側は冒険者+筋力で判定するようになりました。
しかも攻撃力修正が−2になり、《組み合い》状態の相手は回避力−2なので相殺。一度《組み合い》に持ち込めれば締め易いんです。
《組み合い》を試みる時には攻撃力−2になるので当たり難い筈ですが、不意打ちなら相手の回避−4なので結局は+2で当てられる。
一度締めに入ると、以後打撃力10(クリティカル値10)で毎ラウンドダメージが与えられ、鎧で減点できないんですよ。
今回はカシスは行動順が速いので、相手が動く前に《組み合い》から脱出し、締められる事はありませんでした。
しかしイーノがギューギュー締められる。14点食らって、レベルのみ減点で一気に10点ダメージですよ。これは軽く死にますね。
これは自動的に《手加減》扱いにしてもいいかもしれませんね。死ぬ気で脱出を試みたイーノは、自分の手番で脱出できましたが。
あとギャロットを振りほどいたとしても、《組み合い》状態から脱出した訳ではないので、更に冒険者+敏捷度で脱出の必要がある。
結局は6人全員を相手に勝てる筈もなく、1人はルーイの"スリープ・クラウド"で眠り、もう1人は逃げました。
その逃げた方の襲撃者もカシスの追跡で御用。この時はレンジャー技能の《潜伏》と《捜索》の対決になりました。
お互いに出目は7だったんですが、カシスはレンジャー1の知力+1なので達成値は9。対して相手は技能を持ってなかったので発見されます。
たとえ1レベルでも、技能があるとないとでは大違い。全くの素人が相手なら、初心者でもそれなりに役に立つんですね。
捕まえた男達に問い詰めていみると、彼らの狙いは例の宝の地図でした。それは「アンマント財宝」の地図であると言うのです。
前回遺跡で見つけた2枚の地図は、元々彼らのものだったんです。それを取り戻そうとして、返り討ちにあってしまった訳です。
アンマント財宝とは何か。セージ/バード+知力で12の判定をして判明しました。それは500年は前の財宝伝説です。
オラン建国間もない頃、車輪騎士団を率いるアンマント将軍というのがいて、彼が隠したと言われる財宝こそがアンマント財宝なのです。
さてこのアンマント財宝、元ネタがあります。アンマント→アンダー・マウント→山下、という事で山下財宝です。
私はこのリプレイでその話を知ったのですが、一般的には都市伝説。清松先生も嘘だと思っています。まぁ胡散臭いですしね(苦笑)
しかしここは剣と魔法の世界フォーセリア。竜が存在し、都市が空に浮き、冒険者が遺跡で宝を発見する世界です。可能性はあるんですよね……。
ルーイは眉にツバをつけてますが、ラーンとミンクスは手を取り合って希望に目を輝かせているので、まぁ捜してみてもいいかもね。
あとこの襲撃者達は、今回の隊商護衛の報酬を上げる為のダシとして使われます。山賊として官憲に突き出すんですよ。
これで「何かあった」事になり、報酬は1万2000となりました。1人2000ですから、何もない状態よりは500ぐらい儲けました(笑)
「我々を狙ってきた」と言えば嘘ではない。騙そうとする意思は働いてるけど、言葉自体に虚偽はないので"センス・ライ"にも引っかからないかも。
★さて、今回の収支は?
そしてオランに帰還。借金残高は月末になったので51万4800になりましたが、ひと月という長い余裕に入れましたね。
フォーセリアでは1年は360日で、ひと月は一律30日。つまり次の返済期限は30日後です。日割り計算のし易い世界ですよね。
あとミンクスはルーイに3000完済。カシスとイーノへの3500は保留。マイスもルーイへの債務5000は保留ですね。
依頼にしてもオルゴー村襲撃と幽霊退治は消えて、残るはドラゴン退治のみです。最後にこれを断ってシナリオ終了となります。
一応話だけは聞こうとザンダーム氏に会うんです。この人が不敵な面構えの魔剣の戦士で、明らかにレベルが(ていうか世界が)違う人ですね。
この人が退治しようとしているドラゴンが、"天をも焦がす"コーラスアスという15レベル火竜というのでビックリですよ。
ザンダーム氏はコーラスアスに倒された仲間達の仇を打つ為に"復讐者"なんて名乗ってるんです。何処かで聞いた話ですよね。
それもその筈、それはシナリオ集「四大魔術師の塔」に収録されている、「流星落ちるとき」という超絶シナリオなんですよ。
どれぐらい凄いかというと、コーラスアスをはじめ、ミスリル・ゴーレムや、ダークエルフ軍団や、ノーライフキングの出るシナリオです(笑)
彼らは"メテオ・ストライク"落とし放題の魔法装置を狙って壮絶な奪い合いを演じ、PLはあの"見つけるもの"としてそれに参加するんです。
"見つけるもの"といえば大陸最強の10レベルパーティーです。公式設定では"魔精霊"アトンの前にバレンを残して全滅しましたが。
ところがそのシナリオ集のテストプレイでは、"見つけるもの"はテストキャラとして、コーラスアスと対決して全滅してるんですよ。
でも彼らはアトンと戦って全滅した事に公式ではなっているので、このシナリオを公式設定にしようとしたら彼らは使えない。
そこで登場するのがザンダーム氏です。彼とその仲間達は"見つけるもの"に匹敵するパーティーで、コーラスアスに負けてしまった。
そして魔法装置はコーラスアスの手の中にある。公式設定に絡めようと思えば、そんな感じになるんですよ。「デーモン・アゲイン!」とか。
「家族のために復讐を遂げたい」というのは、多分全滅した仲間達の家族って事ですよね。随分義理堅い人です。
かと思えば口調がガラリと変わって「一緒に来てくれない?くれない?くれない?」なんて聞いてくるお茶目な人でもある(笑)
仮に来たとしても彼らでは全滅するだけだし。バブリーズ以上の超実力派パーティーを捜さないとね。10レベルあってもキツイでしょうが。
ロードスの人達なんて16レベル火竜を普通に倒してますが、あれは彼らが超英雄だから。普通の10レベルじゃアイテムで武装しないとね。
それと1人50万ガメルの報酬ですが、払えますよ。コーラスアスは巣穴に大量の財宝を蓄えてますから。総額で云百万に上るでしょうね。
こうして6つの依頼は無事に捌け、借金もなんとか減少傾向に入れました。次巻はアンマント財宝の核心に迫っていきます。