「猫の手超人王、激闘!」著:清松みゆき/グループSNE 出版社:富士見書房

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★はじめに

xSシリーズもついに最終巻となりました。またこのリプレイがフォーセリアにおける最後のSWリプレイとなります……。

現時点(08年4月)で既にラクシアを舞台にしたSW2.0のルールブックも発売され、フォーセリアがいよいよ幕を閉じようとしてます。

スチャラカ冒険隊に始まり、多くの人に愛され、数々の名作を生み出してきたSWリプレイでしたが、これで本当にお終いなんですよね。


特別編等があるかもしれませんが、少なくともシリーズとしてはこれが最後。スチャラカからずっと書いてきた私にとっても、これが最後です。

何故長い間読んできたのか、何故長い間書いてきたのか。その答えはきっと簡単な事です。簡単ですが、照れ臭いので明言はしません(笑)

正直言って寂しいです。でも最後だからこそ、今まで書いてきた云十冊というリプレイに感じた想いの全てを、この最後の作品に託します。


第十話 白骨の王子・推参

今回の成長はトリムがシャーマン3→4のみ。これで"ストーン・ブラスト"を7発も撃てるようになりました(笑)

ズンから2点でも精神力を融通してもらえば、8発も撃てるんですよね。モニカと付き合ってるとこんなにタフになるんですね(違う)。


今回の追加設定は、まずウィンドのハイロード・ポイントです。これが未償却のまま持ち越すと倍になる事になりました。

つまり前回3点残していたので、今回は6点からスタートです。これによる能力値ボーナスのブーストもありません。

これでハイロード・チェックの目標値が16になっちゃいましたよ。精神抵抗6なので、出目10以上か……いよいよダメかな(諦めるな)。

あとは盗賊ギルドのNO.2が"ゼム"不要派であるのに対し、NO.3は"ゼム"提携派だというぐらいですか。NO.1は日和見。


★ハイロード・ポイントの猛威〜病気の恐怖

今回のお話は盗賊ギルドで"セム"提携派のNO.3の一派が、"ゼム"から戦力供与を受けてクーデターを起こしてしまいます。

これによって"ゼム"不要派のNO.2の派閥は散り散りになり、NO.1は勝った方を跡目とする事で保身に走ったのです。

猫の手はマーブルから助けを求められたのを機にNO.2を支援してNO.3を倒し、盗賊ギルドとの共闘体制に漕ぎ着けるのです。


導入は前回から身を寄せている野外実験場から始まります。マーブルが怪しげな追っ手×2に追われ、助けを求めてきます。

猫の手は取り合えずこの追っ手を倒し、マーブルから事情を聞いて、盗賊ギルドでクーデターが起きた事を知る訳です。

ちなみにトリムの対象2倍拡大"ストーン・ブラスト"が回って1人を倒し、ズンの攻撃の後モニカが手負いの残りを素早く仕止めました。

我らが勇者ウィンドはハイロード・チェックに失敗して、まごまごして動けませんでした。……駄目だコイツ、早く何とかしないと(涙)


さてこの追っ手ですが、NO.3が"ゼム"から授かった狂獣病(レイビッド・ビースト)という病気に侵されてました。乱暴な戦力強化ですね。

この病気に侵されると体が徐々に狼のように獣化していき、理性も失われて、凶暴化していくのです。ライカンスロープとは別の病気です。

深度1では怒りっぽくなったり、肉を好むようになるだけです。しかし2〜3になると簡単にキレて、獣のような牙で人を傷つけます。

4になったら完全に理性が失われ、獣の如く四足で走り回って、無差別に人を傷つけます。5になると致死深度なので、死にますね。

傷口から感染し易く、また進行速度も1日と速いので、ネズミ算式に増えていく可能性がある。……ライナス全滅したらどうしよう(苦笑)


この追っ手はいずれも4レベルで、深度は2だったようです。獣の牙で攻撃してきましたが、所詮はワン・ターン・キルの運命。

あとマーブルも既に感染。"センス・オーラ"で一目瞭然でした。このまま放っておくと、数日で獣化して死に至るでしょう。

そんな彼女をモニカはまだ許していません。戦闘中も《防御専念》そっちのけで「絶対にたすけてやんないから」とまくし立ててました(凄―笑)

でもちょっと謝ったぐらいでドキっとしちゃうんだから、やっぱり妹分は可愛いんでしょうか。まぁその内元に戻るんじゃないですか。


そのマーブルがもたらしたギルドの内情はなかなか笑えます。"ゼム"に対する根拠なき風評で思いっきり動揺してたんだそうです。

幹部はドクターの他にカーネルとエミッサリーがいるとか。実は"ハイロード"は6人いるとか。何処の悪の秘密結社だ、いや秘密結社か。

この分だと仮に"ゼム"が滅びたとしても、創成魔術が専門の組織ゲルダムと合併して"ゲルゼム"とかになりかねませんね(なってたまるか)。


★尊厳は何処へ〜膨らむ疑念

マーブルの話を聞いてライナスに舞い戻った猫の手は、取り合えずマーブルの上役を探し、そこからNO.2と繋ぎを取る事にしました。

ラーダ神殿を見た限り、結構てんてこ舞いになっていて、意外に深刻。将来キノコ憑きでもてんてこ舞いになるし、割り食ってるなラーダ神殿。


その後インディゴとも接触したのですが、何と言うか、もう駄目。すっかり"ゼム"の思想に染まってるのか、ギルドの調査を進めてました。

語れば語るほどに馬脚を現していきます。ちなみに彼の情報では、"ハイロード"の結婚相手は"ハイロード"本人にも決められないとか(笑)


そしてインディゴは自分のヤサの場所のメモをウィンドに渡します。ウィンドは冒険者+器用度で受け取り、仲間は盗賊+知力で気づくか判定。

器用度はまだボーナスが残ってますが、モニカがこれに気づき、インディゴが去った後にウィンドを問い詰めてメモを奪取しました。

この時ハイロード・チェックに失敗していたウィンドはパンツの中にメモをしまいますが、モニカは構わず手を突っ込んで弄ります

人間扱いされてないよウィンド!何処まで駄目になっていくのやら。ポロンが見たら泣く。熱血兄貴な彼はもう見れないかもね(苦笑)


ちなみにインディゴはパイとシュバルツが追跡中。シュバルツはともかく、パイは街中を歩いていると踏み潰されるかもしれませんね。

結局インディゴは街の外に出てしまったので、彼らの追跡も断念。ネイラードの方向に向かったと言いますが、はてさてどうなるやら。

こう見えてもインディゴは盗賊5レベルの腕利きであり、盗賊ギルドも手を出せなかった男です。それが敵になると、厄介な事になるでしょうね。

腕利きのくせに猫の手に接近してきた時、1ゾロを振ったのか「へーっくしょん」とクシャミをしてバレてましたけどね(どいつもこいつも…)。


インディゴ・メモはさて置いて、猫の手はマーブルの案内でマーブルの上役ビリジアンことビリーと接触を取ります。

うっかりキャンプ・インしてしまいそうな爽快な名前ですね。でも状況が状況なので、いきなりクロスボウで狙ってきたりもしました。

こっちには元"ハイロード"もいますからね。クーデター直後で警戒心MAXのビリーに信用して貰うのは、容易ではありません。


モニカ「大丈夫、ハイロードは我々の手に落ちたのです」

ユーリリア「証拠見せますよ。「お手」

ウィンド「はい……俺、何やっとん?」

何処まで堕ちていくんだウィンド!!(涙)


とまぁ色んな代償を払ってビリーの信用を得て、前回のポロンの件がギルドによる半ば狂言だと知り、両者は和解しました。

ビリーの話によれば、彼らが学院を監視していた時、モリブは"アシッド・クラウド"をぶっ放して"フライト"で逃げたんだとか。

モリブの魔力が8として、抵抗できずに7振って15点か。ビリーはNO.2の腹心なので、4〜5レベルあれば即死はないかな。


★順調すぎて怖いの〜疑惑は確信へ

ビリーの案内で総勢7名になった一行は、NO.2が隠れているというアジトに向かいますが、そこは既に敵に包囲されていました。

5〜6人の敵が4箇所を押さえていたので、その一つを急襲して力尽くで突破。無事にNO.2と接触を取る事ができました。

この戦いでウィンド奇跡のハイロード・チェック連続成功により、3点償却!。ボーナスはなくなったけど、完全償却が見えてきました。


NO.2とは1人5000ガメルの報酬と戦後の対"ゼム"全面サポートを条件に、共にNO.3を倒す共闘体制の約束を交わしました。

結局NO.2の名前は決まりませんでしたね。色に関する名前なら色々あるんでしょうが、名前のあるNPCがあんまり増えると面倒なので。

なおNO.2は戦力の建て直しに時間がかかるというので、その間に猫の手はインディゴ・メモを頼りに奴のアジトを探りにいきました。


アジトはいかにも男の一人暮らしという状況でした。ここでモニカは机の引き出しを盗賊+知力で18で調べ、三重底の仕掛けに気づきます。

1段目は無意味な紙の束、2段目はネイラード領主への報告書です。そして一番下の3段目には"ゼム"の講義ノートが……!!

そこには彼が洗脳されていく過程がありありと記されていました。もう確定ですね、インディゴは"ゼム"に寝返ったのです。


既にモリブと親しい関係にあるインディゴは、狂獣病の特効薬を貰っていました。4本貰って、内1本は本人が使ったようでした。

残った3本を手に入れ、1本をマーブルに試したところ、進行/治癒判定に+4のボーナスが入り見事に完治しました。

狂獣病は進行強度5/治癒値10です。これを−4したと考えると、1/6ですからね。出目6以上で深度1→0となる訳です。

残った2本はそれぞれラーダ神殿と学院に寄付します。これを元に特効薬を量産すれば、遠からず狂獣病は撲滅されるでしょう。


★体育館の惨劇〜広がりゆく異様な世界

勢力を立て直したNO.2の一派と共に、猫の手はNO.3がいる屋敷へと突入するのですが、その前にシュバルツの問題があります。

インディゴがネイラード方面に向かった事を警戒した猫の手は、"テレポート"のスクロールでシュバルツをネイラードへ瞬間移動させました。

スクロールの値段はレベル×基本消費精神力×20なので、"テレポート"は7×35×20で4900ガメルで買えるんですよね。

これでシュバルツとは暫くお別れですね。結果ネイラードには何もないのですが……その分こっちで大変な事が起こったり……。


そしていよいよ襲撃です。NO.2の指揮の下的確に罠を解除して、彼らは屋敷の奥深くに入り込み、NO.3まであと少しです。

ところが途中の部屋で《危険感知》の目標値5ぐらいの勢いで危険を感じたので、猫の手がそちらを担当する事にしました。

そこは横9マス×縦12マスというマップが広がっていましたが、それって横27m×縦36mですよね。体育館か!!(笑)

元々のルールが室内の範囲魔法は全員巻き込むぐらいのバランスだったので、それをVEにした事でこんな弊害が起こったんですね。

かといって10m四方ぐらいの部屋にしたら、4×4とかになりますからね。狭過ぎてタクティカルの意味がないじゃないですか。


ここにいたのはモリブが召喚した7レベル下位魔神ガガロンガー(命名:ウィンド)でした。一言で言うなら病の魔神ですね。

攻撃手段は《病の伝染》の力を持つ牙・爪・爪の3回攻撃。あと半径10mの半円(底辺4マスのピラミッド)で吹く《プレーグ・ブレス》

いずれもダメージが通ると病の感染チェック(戦後に一括)です。どの病がかかるかは個体差がありますが、こいつは当然狂獣病。

気をつけなければいけないのは、ブレスが生命抵抗だという事です。打撃力は10と低いものの、カンタマで対抗できないのです。

他の特徴としては、魔法を使わず空も飛ばない。あと防御点はレベルの割にはペラペラの9点なので、直接攻撃でシバき倒し易い。


……余談ですが、まさかこいつが「デーモン・アゲイン」で街にヌルイ病気を流行らした魔神なんでしょうか。

7レベル程度なら、バブリーズによって戦闘すら省かれたのも納得ですね。魔神の世界はまだまだ奥が深い。魔神戦争でもいたのかな。

それ以外に狂獣病にかかった人が4人ほどいます。彼らの深度は3。例の追っ手は2だったので、よりキレ易くなってますね。


さて今回の戦闘では戦術面よりもその展開そのものに注目です。まずガガロンガーの3回攻撃をモロに食らって、なんとズンが死亡!!

生命力−4で生命抵抗は7なので、出目4以上で生きている筈だったんですよ。それが生死判定で1ゾロを振り、呆気なくお星様に……。

NO.2のコネと報酬があるので、蘇生は可能です。NO.2は7レベルなので、9レベル司祭にも相手をして貰えるし、蘇生費用8100も出せる。


でも回復役無しでは全滅が見えている。打撃点が17/16/16ですよ、キュアー無しでそんなもん相手にできるか。

更にウィンドもハイロード・チェックに失敗し続けて動けないので、ここで撤退したら今度こそラスボスになっちゃいます。

しかも撤退したらNO.2との関係も切れてしまうので、ズンの蘇生もできなくなる。一気に2人の仲間を失う事になりますね。

仮にシュバルツがいても、回復役がいない状態では順繰りに惨殺されるだけだし。高レベル司祭ですぐに駆けつけられる味方NPCといえば……。


モニカ「そうか、セッシー!セッシー、来てよセッシー。経験点250点渡すからー!」

という事でセシウス参戦!!彼の登場を皮切りに、モニカのセシウスラブ度が急上昇ですよ。新たな公式バカップル誕生(笑)

「友」→「白骨の王子様」→「マイ・ヒーロー」→「愛の力」と、秒単位でセッシーの株が上がっていく。その都度驚くトリムも可愛い。

ちなみに彼のデータは、通常のゴーストの数値を6レベル用に+1したもの。精神点は20なので、最大19回キュアーできる。

……ところで、セシウスって古代語魔法3レベルも使えましたよね?今回見ると何事もなかったかのように、綺麗サッパリ消えてるんですが。


そしてセシウスにしかできない事があります。それはジョージにかけずに終わったミゴリの6レベル特殊暗黒魔法"フランティック・ミッション"です。

何らかの復讐に限り、全ての達成値に+2です。今回はズンの復讐という大義名分があるので、問題なく使えますね。

その復讐を果たさないと1日に全能力値が1ずつ減っていきますが、ここでガガロンガーを倒せばそれでいいのです。

これをモニカにかけると、攻撃力8の回避力10。回避点は13なので5以上で当たる。攻撃点は13/14/14なので3〜4でかわせる!


モニカに"フランティック・ミッション"がかけられ必死に応戦する中、ついにウィンドがハイロード・ポイント完全償却達成!!

見ようによっては仲間を倒された事で組織の呪縛を断ち切ったようにも見える。「俺はもう戻らない!ハイロードには戻らない!」とばかりに。

ところがそれからがショボかった。防御面でとっても微笑ましい目が続き、セシウスのキュアーをスポンジのように吸う吸う。

ついには生死判定をして気絶し、面倒なので放置された程ですよ。下手に起こすとまた3連撃を食らって、今度こそ死にかねないのです。


でも最悪の事態は免れましたよ。実はその直前に"フランティック・ミッション"をかけられていたので、もし死んでたらゴーストになってたかも

それが"フランティック・ミッション"の副作用なのです。半々の確率での亡者化ですが、ウィンドのことだし半々あれば失敗しそう。

もしそうなったら"リザレクション"の前に10レベルの"セーブ・ソウル"が必要になりますからね。そんな使い手がライナスにいるかは不明だし。

しかもその生死判定の目が3!何処まで神がかってるんだ、元"ハイロード"!。どんだけ運命に導かれてるんだこの男は(笑)


結局ユーリリアの創ったストーン・サーバントが慢心アタックを成功させ(生命点残り1点まで削った)、セッシーの"フォース"で倒しました。

モニカ「もう、セッシーったら、持っていかないでよう(ポカポカ)」

セシウス(ズン)「いやあ、悪い悪い。次こそはキミにプレゼントするよ(キラリン)」

トリム「ね……姉ちゃん(呆然)」

何だこのバカップル。……実は結構お気に入りのカップリングだったりして。


それからNO.3を倒したNO.2がやって来て、ズンの蘇生の手配をしてくれました。即日蘇生なので、目標値は14ですね。

そして9レベルあれば魔力11なので、1ゾロ以外で成功。よって拡大の必要もなく、8100ガメルを報酬から天引きすればいい。

こうしてズンは復活、いやぁ良かった良かった。ちなみにズンは蘇生時に"ダイス・オブ・ミニマムフォー"を持ってたので、万全でした。

これがあれば仮に1ゾロを振っても片方をひっくり返せば出目7ですね。これで3.78%あった失敗の確率も0になりました。

……これと並行するように仲間の蘇生に苦労したWaltzを思うと何だかな。ちなみに猫の手の中にはその当事者もいるそうですが、はて誰なのやら。


何はともあれこれでウィンドも完全に復帰したし、盗賊ギルドとも仲直りしたし、いよいよ「ゼム」との戦いも佳境ですね。


第十一話 幽霊城再び

今回の成長はセシウス参戦で経験点が250点減りましたが、ズンがファイター3→4、ウィンドがファイター4→5、ユーリリアがセージ3→4

これでウィンドがついに5レベル入り。ハイロード・ポイントもなくなったし、これで大活躍できる……、と思ったり思わなかったり(笑)

今回の追加設定は、セシウスの幽霊城に秘密の宝物庫があったという程度ですかね。ここまで来るともう衝撃的追加設定はそうないもんです。


★思わぬ贈り物

今回のお話はセシウスの幽霊城を再び訪れ、数々の罠や謎を解き明かし、守護者を倒して、宝物庫に辿りつくというものです。

最終決戦前の戦力強化の回ということですね。もう次が最後のセッションになるので、これがSWリプレイ最後のダンジョンにもなる。


今回の導入はズンが蘇生後1週間の休養を取っている時に、懐かしのネイラードの間諜ブラウンがやってくる所から始まります。

猫の手から現在の情報を知ろうとした領主に"テレポート"のスクロールで送り出された彼は、一通りの取材をして徒歩で帰路につきます。

インディゴが寝返った今、彼は非常に忙しい状態にあるんでしょうね。もう1人の間諜グレイ君はマヌケ属性がついていて頼りないし(笑)

そうそう、ハミル導師親子は無事にネイラードに着いたようですね。現在ポロンは逆洗脳中で、その内元に戻るでしょう、多分

そうなるとウィンドにどんな感情を抱くかですよね。騙されていたと憎むか、それでも好きだと言うか、どの道面白ウィンドは大変ですね。


さて最終決戦前の戦力強化という事で、この街でのアイテムの購入の機会もあるのですが、もう1つセシウスからのアイテム供与があります。

セシウスの城には秘密の宝物庫があるので、その中から猫の手にアイテムを供出してくれるというのです。モニカへの結納ではありません(笑)

そこには魔法の封印や罠や守護者があるのですが、その開け方や無力化の方法も失われて久しいので、それなりにリスクがあります。

勿論古代王国のマジックアイテムである為に役に立つでしょう。しかし同時にモリブもその存在を知っていたので確認の必要があります。


実は学院のモリブの部屋が監査の対象となり、カロス草の研究資料はそっくり帰ってきたので、ハミル導師の依頼は果たせたのです。

同時にモリブは宝物庫の開け方を研究していたらしく、「謎は解けた」というメモが発見されてます(勿論、金田一的な意味で)。

そしてモリブがお目当ての品は「無限の魔力」によって動いていた魔法装置であり、その代替エネルギーを模索していたようです。

またその代替エネルギーには、生物の生命力を使おうとしていたようです。モリブ曰く「これならいける!……かも」(微妙に弱気だ!)

ユーリリアが尊敬する?導師からこれらの情報を知った猫の手としては、どうしても宝物庫をチェックする必要が出てきたんですね。


そういう訳でズンの回復を待って猫の手は再び幽霊城へと向かいます。その前にライナスで戦力強化第一弾のお買い物などもしました。

対象は基本取引価格5万以下ですが、やはり基本はGMの匙加減です。例えば"シースルー"のスクロールなどは学院が自粛してるのでない。

"勇気ある者の盾"はヘッポコーズやペラペラーズも使っていましたが、一人に攻撃を集中させる理由がこのパーティーにはないので没。

何しろ相手の数値次第でモニカが回避の女王となるか、ズンが不沈艦になるかです。下手に1人に集めると前回みたいになりかねない。


ウィンド「俺は?」

ズン「よく言えば、わしより避けられ、モニカより堅い」

トリム「姉ちゃんより当てられて、ズンさんほど丈夫じゃないほうが目立ちますけど」

まったくトリムったら、本当の事言っちゃウィンドが傷つくでしょう(苦笑)


という訳でまずがモニカです。彼女は回避の女王としての長所を伸ばすべく、回避力+2の指輪"パリー・パリー"(7000)を購入。

現在のモニカはスモール・シールドを使って回避力+1してますが、これを使えない代わりに回避力が更に+1される訳です。

ルールブックには書いていませんが、"パリー・パリー"というのは円盤部分を「かざす」必要があるので、盾や両手武器とは併用できない


更にモニカは武器も強化しようとして、セシウスから高品質+5レイピア(7)をプレゼントされます。命名セッシー・レイピアです。

今まで通りにショートソードでないのは、必要筋力3〜8のものを7目安で高品質(必要筋力を下げる)にしても、+1が精々だからです。

ちなみに高品質+5のレイピア(7)は12×10+90を2倍して420ガメル、セッシーってば甲斐性ある。GM推奨バカッポー(笑)


あとのメンバーは、ウィンドとズンが高品質のモールを購入。高品質+5で必要筋力ピッタリなら、前者は1040、後者は1120にもなる。

ウィンド用の高品質+5モール(19)は打撃力34、ズンは(21)で36にもなる。攻撃力も+1ですが、その分クリティカル値は12。

このような特徴からモールはダメージと命中性に優れ、クリティカルに優れるソード系に優越するとよく言われますが、決して万能ではない……。


トリムは高品質のロングボウを購入しました。高品質+5ロングボウ(13)とするのなら、460ガメル程度で打撃力23が実現。

また「SWツアー4 パダ/堕ちた都市」で追加された魔法の矢の、"クルーズ・アロー""アロー+1"も数本ずつ購入し、魔晶石も少々。

前者は150ガメルで誤射判定を必要としない矢です。でも当たるかどうかは別問題。後者は50ガメルで攻撃力と追加ダメージに+1。

どちらも当たろうが外れようが使い捨てです。一度放つと魔力が消えてしまうので、戦闘後に回収するというセコイ真似はできません。


ユーリリアは"スケルトン・ウォリアー"のスクロールと、その材料となる"竜の牙"を購入。これで竜牙兵を召喚できますね。

スクロールは5×20×20で2000ガメルし、竜の牙は5000ガメル。計7000ガメルですね。セット割引とかないのかな。

それと導師から"ボーン・サーバント"のスクロールも入手。これでトリムより早く精神力が切れてもそれなりに活躍できる筈。


後に幽霊城へ行く途中で虎を狩り、虎型ボーン・サーバントが誕生しました。データは防御点が5である以外は虎そのまんまです。

実はタイガーとボーン・サーバントは同じ3レベルなので、データをそのまま流用できて便利。3回攻撃の分人型より戦闘は強くなりますね。

ただし四足獣という形状のせいで、ボーン・サーバント本来の特徴の手先の器用さは失われたでしょう。細かい指示は理解できるでしょうか。


ウィンド「お前に恨みはないが、これも大首領様の命令。新たな怪人を産み出す贄となれ

似合い過ぎだよウィンド。こうして骨の従者は誕生し、肉の従者とセットで大首相様の配下となりました(笑)


★開けられた扉〜宝物庫への長い道

ライナスでの準備を終えた猫の手は、セシウスやジョージと一緒に幽霊城を再び訪れます。今回は城主も一緒なので心配もないですね。

そして例のミゴリの祭壇があった隠し部屋まで行き、そこから地下へと降ります。ジョージはここで再建作業に従事するのでお留守番。


地下に降りてみると、正面と左に扉があり、その左の扉の封印が解かれています。どうやらモリブが先に来ていたようですね。

現場にはグリフォン型と思われるゴーレムの残骸が転がり、魔法装置があったと思しき場所にはコードやケーブルやパイプがあるだけでした。

既に魔法装置はモリブの手に落ちた訳ですか。こちらが戦力強化したと思ったら、それはあちらも同じなんでしょうね。


ちなみにこの扉の封印は、ポケットに片手を突っ込んだグラスランナーのリドルでした。「僕のポケットには何がある?」だそうで。

「指輪」と答えた人は稲妻に焼かれて死んだそうですよ。それはグラスランナーでなくホビットですからね。世界が違えば種族も違う。

これってまさか単純に「手」だったりしませんよね。ガンダルフがモリアの坑道で「友」と唱えたように、実はそんな簡単な答えだったりして。


さて猫の手は正面にある扉のリドルを解かねばならないのですが、これがまた面倒。解答を読んでもどうもシックリきませんしね。

まず彼らの手には3本の鍵があります。そして扉には5つのボタン3つの鍵穴があり、ボタンは左から35671となっています。

「もっとも小さな鍵は、大きな一つに1足りぬ。二つ目の鍵は大きな二つに1足りぬ。もっとも大きな鍵は大きな三つに1足りぬ」

「鍵を開けるには、すべての鍵をかけよ」


以上の伝承を踏まえてリドルを解くのです。まず一番小さな鍵は歯が3本なので、「大きな一つ」とやらがである事が分かります。

同じように二つ目の鍵は4×2−1でを表し、もっとも大きな鍵は4×3−1で11ですね。ここまでは分かるんですよ。

でも次が訳が分かりません。これらの数字を35671にかけ、8240001という答えを求め、唯一合致する1のボタンが正解だそうです。

鍵の3つの数字をかけるならともかく、それをボタンの数字にまでかけ、1のボタンだけ同じなので正解というそのプロセスが謎です。

「すべての鍵をかけよ」までならともかく、それからのプロセスは推理する材料がないじゃないですか。これじゃあ行き詰って当然です。


結局簡易版の謎を新たに作りました。鍵の歯の形がローマ数字のそれになっていて、その数字を全部かけるようですね。

3×7×11×13×37=111111ですね。そして今度はボタンが1〜9まであるので、多分これを入力するんでしょう。

問題は1だけ入力すればいいのか、それとも全部入力しないといけないのか。前のリドルの事を考えると、どちらもありえる気がする(苦笑)

それとここにある謎解きの挿絵でユーリリアの頭にシュバルツがいますけど、本当はネイラードにいるんですよね。


ちなみに失敗すると電撃を食らいます。恐らくは魔力6の"ライトニング"です。稲妻に焼かれたという人はクリティカルでもしたんでしょう。

怪我はするかもしれないけど、回りでもしない限りそうそう死にませんね。これにビビったお陰で確実な答えが出るまで手が出せなかったのです。

それでも彼らはこのリドルを解き明かし、先に進めました。最初のリドルでもボタンの数字にまで手を出さなければ普通に行けたと思う。


続いての罠は偽の落とし穴です。通路の途中に3m四方でパックリ開きそうな筋の入った、これ見よがしの落とし穴?が見える罠です。

実はその部分は安全地帯で、その前後3mに本物の落とし穴があるのです。下手に踏み込むと幻影の床をすり抜けて奈落へ真っ逆さま。

ちなみに深さは6mありまして、下にはベトコン名物バンジステークの如くスパイクが敷き詰められ、係数は4で24点ダメージを食らいます。


当然こんな罠にひっかかる猫の手ではありません、別の罠にかかります。うっかりズンが飛んでしまったので立ち往生したのです。

最初普通に安全地帯に飛ぶには、冒険者+敏捷度による《幅跳び》で目標値6程度でいけたんですよ。所詮3mですから。

ところがそこからがマズかった。その位置では立ち幅跳びになるので目標値は15、さらに鎧で+4、危険な状況なので+2で21!

これじゃあ6ゾロぐらいしか期待できないので、セシウスから許可を貰ってその辺の壁を剥がし、橋にして無事に渡りました。


ちなみに冒険者レベルによる普通の幅跳びでは、4mまでは基準値5で、ラメラーアーマーをつけてると+4されます。

すると目標値は9になる。6というのは何処から来た数値なのか。−3になるような有利な条件があると裁定したんでしょうか。

むしろその次の立ち幅跳びでも採用した「失敗すれば命に関わる」が適用されて、更に+2されそうです。すると11ですか。

あと立ち幅跳びの場合は2mまでは基準値5で、以後10cm増える毎に+1されるので、+10されて15になるという計算です。


それと昔のQ&Aにもありましたが、幅跳びに"フォーリング・コントロール"を組み合わせると凄い事ができそうですね。

幅跳びによる放物線の頂点に来た所で魔法を発動すれば、垂直方向へ働く重力は緩和され、水平方向への推進力が残る事になります。

するとジリジリ下がりながら、空気抵抗を加味しても結構な距離を稼げると思います。最早幅跳びというか滑空ですよね。


★きらめく稲妻、とどろく雷鳴

これらの関門を突破した猫の手は、ついに宝物庫への扉へと到達します。しかしその前に2体の守護者を倒さねばなりません。

ここにいた守護者は雷石のゴーレムといい、一角馬(ユニコーン)との姿をしていて、VEならではのユニークな能力の持ち主です。

モンスターレベルは6。攻撃手段は魔力6の"ライトニング"に相当する《稲妻》です。これを一発使う毎に生命点を3点消費していきます。

生命点は20なので、どう頑張っても6発が限度ということです。そこから先は死に体となりますね。ちなみに残り3点でも自爆しつつ使います。


特殊なのは、その移動の仕方と攻撃範囲です。移動の仕方は一角馬は斜め一直線と縦横隣接1マス、竜は縦横一直線と隣接斜め1マスです。

飛車や角、ビショップやルークにも似ていますが、専門外の領域でも1マス動ける点中将棋の龍馬と龍王そのものですね。他の駒も使えないかな。

《稲妻》もその移動と同様の形状に撃てますが、一直線の場合7マスまで。"ライトニング"の射程もまた20mまでですからね。

ちなみにVEでない場合は移動距離は15までだそうです。その無限の移動力で体当たりでもかましたほうがダメージはデカそうですがね。


今回の戦闘はこういう特殊な敵が相手の上に、戦闘開始時点で幅6mの狭い通路に全員いたので、とにかく移動の仕方に頭を悩ませました。

あんまりグズグズしてると竜が真正面に来てズドンと4人ぐらい黒焦げにされかねないし、魔法ではないので"ミュート"も効きません。

とにかく縦横斜め一直線に並ばないよう注意をしつつ、速やかに散開しないといけません。"ライトニング"2連発は本当に死にかねない。


実際モニカが生死判定にまで追い込まれ、セシウスが癒すという、戦場のバカップルぶりも見れました。

ズン「嫁だけでも治さんか?

GM「嫁か」

ズン「嫁」

GM[じゃ、治すか

どうやら清松GMもこのバカップルがお気に入りのようで。あとモニカを庇うセッシーの挿絵最高!正に愛してナイト(愛してるのいないの?)


それとその移動の仕方の概念ですが、斜め移動の際も縦横1マス(ジグ)動いてから、横に1マス(ザグ)ずれるというジグザグ型のようです。

だから以下のような場合、直接aに行く前にbで接敵範囲にひっかかるし、馬がジグザグのジグで止まる事もないそうです。

b a

竜 ウ


そういった細やかな戦い方をしつつ、ウィンドが竜を丁度で倒し(慢心アタックは?)、トリムが馬をウィスプで破壊しました。

モニカは折角のセッシー・レイピアで活躍できませんでした。まぁこれはモリブ相手でないと効果かないんでしょう、ミゴリ印のレイピアだし。


★慎み深い宝物分配

こうしてゴーレムを退けた猫の手は宝物庫へ辿り着きました。そこにはかなりの蓄えがあって、普通の冒険者ならもう引退してもいいぐらい。

でもあくまでもセシウスの所有物なので、全てはくれません(もう死んでるのに?)。それでも結構な量を貰えましたよ。


まずウィンドは魔力+1のグレートソード(19)、の筈だったんだけど、結局魔力+1のプレートメイル(19)?になったらしい。

どうやら今のモールのダメージと安定性だけで十分だと思ったようですが、メイス系が全てにおいてソード系に優越する訳じゃない。

その理由は次の最終決戦で分かりますが、もしここでウィンドが素直にこのグレソーを貰っておけば、違った展開になってたと思う。


ズンはウィンドと同じ(ていうかウィンドの方がズンと同じ)魔力+1のプレートメイル(21)。ますます不沈艦ですね。


トリムはミスリル製魔力+1のチェインメイル(13)です。これで防御力23(本編では18)で回避力もダメージ減少も+1ですよ。

値段を計算すると5万1072と出たんですが、いいのかな。ちなみに色はレット商会の御曹司らしくチョコレート色になりました。


ユーリリアは魔法の靴"シューズ・オブ・キャスティング"です。1日1回通常移動しながら魔法が使える7000ガメルの革靴。


モニカは"ウィスパー・シェル"「へっぽこ冒険者と眠る白嶺」に出てきたやつですね。6万4000ガメルもするんですよね。

対になってる二枚貝の貝殻で、一方に囁くともう一方から聞こえるというやつ。ただし送信専門と受信専門なので、一対では微妙に役に立たない。

するともう一対必要になるんですが、貝という形状をそのまま利用して、電話のように貝殻を耳と口元に当てるようなのはないものか。

モニカはこれでセシウスと旅に出てから(えっ!?)、トリムに一方的に声を届けるつもりです。心配はないけど心労はかさみそうです(苦笑)


以上一通り装備は行き渡りましたが、まだまだあるんです。なんと1〜5レベルのスクロールを1つずつ任意に貰えるんですよ。

これで貰ったのは"プロテクション"、"ファイア・ウェポン"、"ストーン・サーバント"、"ファイア・ボール"、"フライト"でした。

前3つはウィンドが使い、残り2つはユーリリアが使います。最後の大乱戦を見越して便利どころを集めたようですね。


そして"クリスタル・コンバイナー"のU型です。これで同時に2つまでの魔晶石の精神点を使用できるんです。SWツアー4が初出です。

このU型は1万ガメルですが、V型は2万、W型は5万、X型になると10万にもなる。文献を根拠に]型の存在を主張する賢者もいるとか。


そしてこのコンバイナーを生かす為の魔晶石も貰えました。2D点を15個、期待値から言うと105点!分は貰える筈ですね。

ところがその出目が酷いの何の。過去20年、合計9パーティーの中で最も出目が酷かったと清松先生に言われるほどです。

ちなみに9パーティーというのは、4部と5部は一部キャラを引き継いでいるので1つとし、デュダも含めたんでしょうね。

するとスチャラカ、スチャラカ2、バブリーズ、トリオ・ザ・住専その他、ヘッポコーズ、ペラペラーズ、Waltz、猫の手、デュダになる。


そうして出された結果が、何と言うか逆の意味で凄い事になってます。

2(2個)、3(1個)、4(4個)、5(1個)、6(2個)、7(3個)、8(1個)、9(1個)。……どんだけ偏ってるんだ!

30D振って合計78ですよ。2Dあたりの平均が5.2!って只事ではありません。これだけ振ればもう少しバラけると思うんですがね(苦笑)

1ゾロと6ゾロの確率は同じだし、4以下と10以上も同じなんですけどね。……これはコンバイナー使ってもキツくなるかもしれない。


こうして戦力強化も万全?の猫の手冒険隊。次回はいよいよシリーズとしてもSWリプレイとしても最終回です!


第十二話 父と子と

今回の成長はモニカがシーフ4→5、ギリギリ5レベル入りです。敏捷度+3で"パリー・パリー"もあるから、回避力10ですね(笑)

トリムは精神力23→24、ついに人間の限界値に!。精神抵抗8にして、"シェイド"12発で"ストーン・ブラスト"8発ですね(何だこの姉弟)。

他にはズンがセージ1→2にして下位古代語の読文を習得。実は元の知力が低かったので、共通語の読文をセージで取っていたんですね。

あとウィンドが《危険感知》に備えてレンジャー0→1。別に技能を取っても彼には危険が付きまとうと思う。ユーリリアは今後を見越して自重。


今回で従来のSWファースト・エディションによるリプレイは最後となります。最後なんですが、実はこのシナリオは大きく2回に分かれます。

今回はシナリオ部分だけで終わって、大乱闘のウォーゲームとなる最終決戦は、それ自体が独立した話として次の最終話に回されます。

でもシナリオとしては1つなので成長は今回が最後。なお実際のプレイはシナリオ部分、最終決戦、そしてエピローグと3日間行われました。

最終決戦が延びに延びて、当初予定されていたエピローグ部分は後日に行ったんですよ。このエピローグ部分も最終話に入っています。


★モニカ錯乱

今回のお話はモリブとの最終決戦です。モニカの両親の失踪やネイラードでの「謎のゴブリン」事件の調査をするのがシナリオの大筋です。

そして真の"ハイロード"から挑戦状を叩きつけられ、ネイラード郊外での荒地を舞台にモリブの大軍勢との壮絶な激闘を演じます。


今回の導入は幽霊城での戦力強化を終えた猫の手が、彼らの懐かしのホームタウンであるネイラードへ帰還する所から始まります。

その前にレットタウンに寄り道し、トリム父から怪しげな人物(インディゴ?)が彼らの事を聞きに来たという情報を知らされます。

気になってモニカの実家に行ってみると家の中は荒れた様子で、なんとモニカの両親が失踪!。この事態にモニカは大いに混乱します。

本当はセッシーと旅立った後を考えて"ウィスパー・シェル"を置いてくるだけのつもりだったのに、とんでもない事になりました。


モニカ「はわわわー。お父さーん!お母さーん!」

ユーリリア「だから、普段から大切にしていないといけないって言ったでしょ」

モニカ「だっていなくなるなんて思ってなかったもの」

ユーリリア「いなくなるのよ、いつかは」←重いよ先輩


それにしてもモニカのこんなテンパった様子は始めて見ました。いつもは底抜けに明るいのに、家族が絡むと流石に平静ではいられないんですね。

いや仮に無事でもセッシーと旅立つと言ったら、それはそれで心配をかけるでしょうね。もっとも、子供は親に心配をかけるのが常ですがね。

シーフ+知力で調べてみると、台所で争った挙句に何かを引きずった跡がありました。つまりインディゴがお母さんを拉致した跡ですね。

そして中を踏み荒らして大急ぎで飛び出した跡もありました。こちらはそれを知ったお父さんが大急ぎで後を追った痕跡でしょう。


トリム「おう、豪胆

ユーリリア「意外と高レベル野伏」

GM「違うよ、猟師だよ」←一般人だからレンジャー技能でなく、ハンター技能ね。

モニカ「猟師なのか。けれど、豪胆10レベル。お父さん、カッコいい」


実際にはそんな高レベルではありません(笑)。「それなり」の実力らしいので、5レベルぐらいでしょうかね。それでも結構腕利きですよ。

しかしハンター技能では厳しいですよ。攻撃面ではレンジャーと同じく飛び道具を使えますが、一般技能だからダメージ減少がない

またレンジャーでもハンターでも回避はできない。5レベル盗賊であるインディゴが相手では、弓の射合いでも普通に負けそうです。


しかしその痕跡を見るに、事件が起こったのは1週間は前です。これでは追跡するのは無理だろうと、一先ずトリム父に報告します。

トリム父「まさか、兄さんを攫うような向こう見ずがいるとは」

実の弟であるトリム父はこう言ってますが、技能の裏づけはない。殴り合いとかしてもハンター技能は使えないので普通でしょうし。

まぁ一般人同士なら気性と腕っ節で優越するんでしょう。そう考えると例え1レベルでも冒険者技能を持ってるのは凄いんですね。


ウィンド「おのれ、"やつら"め!卑劣な企み、決して許さん!」
    「モニカが危機に陥ったときに、仮面の男、ハンターXが現れて助けてくれるんだよ」

この暑苦しい正義感と妄想力、大分ウィンドらしくなってきましたね。つまらない良かったですね(ニッコリ)。


★そしてまた秘密が一つ

それから猫の手はボロイ幌つき馬車を借り、中にセシウスを隠してネイラードへと向かいます。その途中で彼らはブラウンと遭遇しました。

実は先にマヌケ属性持つグレイ君が猫の手を捜して旅立ったのですが、どうやら何処ぞで迷ってるようですね(笑)

シナリオによれば、もし猫の手がモニカの両親の捜索を実行していたら、森を突っ切ろうとして迷っていたグレイと会えたらしい。

それにしてもブラウンは本当に大忙しですね。インディゴはアッチ側に逝っちゃったし、グレイはマヌケだし、その内過労で倒れるかも。


ズン「さっさか洗脳されて、敵に回っている可能性もあるか」

ユーリリア「任せないさい。わたしたち、ウィンド「まで」助けたぐらいだからね」

これは「やるやらない」の意思の意味ではなく、「できるできない」の可能性の事を言っているのであって、別に先輩に悪意はない(多分)。


これでウィンドは折角熱い男に戻ってきていたのに、一瞬で鎮火してしまいました。

ウィンド「はっ!これではダメだ。今、この五分間の記憶を抹消します。そして、立ち直ります」

GM「そんな能力あるんだ」

ウィンド「あったんだよ。26の秘密の一つなんだよ。あったんだよ。あったことにしといてください」←という事で7番追加

これが「ウィンド26の秘密」の一つ「頭の特殊スプリング脳みそ」です。頭に仕込まれた、どんな衝撃も抹消する凄い脳みそだ。


ウィンド「"やつら"め、そうやって人間を攫い、洗脳して手駒を増やすつもりだな。許さん!」←いや、まだそうと決まった訳では…

元に戻ったら戻ったで、面倒な性格になりましたね。そういえば1話でもこの飽くなき妄想で散々周りの人を混乱させてましたっけ。

ウィンド「そして、グレイを洗脳したとしたら、それこそが、貴様らの運の尽きだ!」←爆笑

そうかそうか、間違いなく尻尾を出しますからね。そう考えるとモニカ両親の奪還もできそうな気がするから不思議です(笑)


そして猫の手はブラウンからネイラードの近郊で、火を吹くゴブリンなどの怪しいゴブリンが出没している事を聞いて愕然となります。

これは十中八九"ゼム"の仕業だろうと考えたマクスター伯爵は、対"やつら"のエキスパートである猫の手を召喚しようとした訳です。

トリム「今、思ったんですけど、"やつら"の相手してるの、僕たちだけじゃありません?

そうか、そういえばそうですね。ライナスの学院だってモリブの監査に踏み込んだだけで、別に"ゼム"を排除しようとはしてませんよね。

これは立派な事だと考えていいのか。それとも馬鹿らしいことに付き合ってると考えるべきなのか。……いや、やめましょう、悲しくなる(苦笑)


★懐かしき人々

そして猫の手はネイラードへと帰還します。セッシーは亡者丸出しでヤバイので、幌馬車の中で待機して貰いました。

ちなみに館には猫達が集まってきていて、ニャゴニャゴ鳴いて近づき難い雰囲気を作ります。これがネイラード名物猫ガードですね。

そしてシュバルツや伯爵とも再会します。どうやらシュバルツは正体をバラしたようですね。もう悠長な事はしてられなくなりましたか。


例の怪しいゴブリン事件ですが、火を吹く以外に翼を生やして空を飛んだり、牛をひと噛みで殺したりと、多様なゴブが確認されてます。

ウィンド「それは、ゴブリンではありません。チュパカブラです

それはチュパカブラと呼ばれるゴブリンでなく、ゴブリンと呼ばれるチュパカブラですね。「ルンヤールンヤー」鳴いてそうです(何その鳴き声)。


気をつけないといけないのは、こういったゴブリンの能力は、今までの"ゼム"の傾向とはかけ離れているという事です。

第1話で述べられたように、"ゼム"の技術は身体強化(拡大魔術)の範疇であって、特殊能力付加(創成魔術)は専門外なのです。

火を吹いたり、翼を生やしたりは、既にある身体能力を強化しても身に付くものじゃない。どちらかと言うと創成魔術の範疇ですね。


そういった事件は今まで精々家畜の被害でしたが、ついに人的被害が、ゴブリンに攫われた猟師風の男の情報もあるんですよ。

ところがいくら調べても地元の人が攫われた様子はない。つまりその男というのはモニカ父なんですよ。取り合えずその時点までは無事でしたか。

ちなみに目撃者の証言によれば、モニカ父(そういえば名前ないや)はゴブに囲まれているのにも関わらず、実に堂々としていたようです。


トリム「伯父さん、さすがだ」

モニカ「お父さん、バカだから。状況理解していないんだ

ああ自分の事しか見えてないお気楽は遺伝だったんですね。それでやきもきするのは常に周りの人達です。


あとハミル導師とも再会し、資料を返還しました。するとウィンドに対して物凄い冷たい態度を取るんですよ。全部知ってるんですね。

ウィンド「責任取らなければならないようなことは、いかに、洗脳中でもやっておりませんよ?そんな覚えはありません」

ハミル「きみは、都合の悪い記憶を自在に抹消できるんだろ?」←何で知ってるんだ(笑)

つくづく裏目裏目に出る男ですね。人の良さそうなハミル導師まで敵に回しちゃって、ウィンドに安息の場所はないのか。


それとハミル導師によれば、カロス草をもってしても火吹きやら翼やらといった能力を付加するのは無理だそうです。

変異種を使えば鱗とか生やす事はできますけど、流石にそこまでかけ離れた事は無理なんですね。ではそれらのゴブリンは?

いずれにしろモリブは自分の美学を貫く余裕がないほど追い詰められているという事です。既に手段を選ばずに戦力を強化しているんでしょう。


ウィンド「俺が止めます。たとえ、モリブと刺し違えても

ハミル導師「ふうん。それはいい覚悟ですね」

別に認められた訳じゃないですよ。基本的には「死ねばいいのに」というスタンスでしょうから。……もうあの頃には戻れないか。


★ああ、父よ

諸々の情報を得た猫の手は、モニカ父が連れて行かれたと思しき場所「南の荒地」に踏み込み、ゴブやモニカ父の探索を開始します。

ここでは表を使ってイベントを決め、その結果に応じて「探索ポイント」を貯め、2点以上になれば両親のいる洞窟を発見できます。

前回がSWファースト・エディション最後のダンジョン・アドベンチャーなら、今回は最後のウィルダネス・アドベンチャーなんですね。


表は以下の通りです

1:ゴブリンの小集団/何者かに怯える普通のゴブリンの集団です。彼らの情報から何者かが彼らを改造している事が想像できます。
2:悲しき「できそこない」/改造されたが失敗作となって捨てられたゴブリンです。彼に会うと「探索ポイント」+1。
3:焚き火の跡/モニカ父の野営の跡です。地面に残った地図から正しい場所を選択して向かうと「探索ポイント」+2。
4:落石トラップ/モニカ父が仕掛けたトラップです。《危険感知》の目標値16から、彼が5レベル(期待値7に修正+4)と推理できます。
5:壊れた弓/モニカ父が敵に捕まったと思しき場所です。ゴブの集団が彼を連行した足跡があり、「探索ポイント」に+1されます。
6:父親による目印/モニカ父が連行中に拵えた目印です。「危険」を意味するものであり、その方向へ向かうと+2されます。

つまり探索ポイントが貰えるイベントを1つ、ないし2つ経験すれば目的の洞窟へ辿り着けます。猫の手はいきなり6を出して直行しました。


そうして辿り着いた洞窟では、噂の怪しいゴブリン達がひしめいていました。結論から言うと、彼らは魔神とゴブリンのハイブリッドです。

彼らには知名度が3つあります。ゴブリンとしての知名度と、魔神としての知名度。そして両者のハイブリッドとしての知名度です。

1つ目はゴブだけに5で済み、2つ目は魔神によりけりですが13〜16。3つ目になると18!という非常に高い数値になっています。

いずれもゴブリンを基本として、そこに魔神としての特徴や能力が組み合わさったものとなっています。これが例の魔法装置によるものですね。


能力の傾向としましては、レベルはゴブリンのもので、そこに毒や炎といった魔神の特殊能力が付加されています。

尻尾や翼が生えていたりするので、攻撃手段や回数も魔神のものです。攻撃点等の数値は魔神本来のものにレベルの修正が入ったもの。

また魔神に共通の能力である《毒、病気に冒されない》《精神的な攻撃に耐性》は標準装備。後者は種類を問わず出目3以上で効果が出ます。

それと生命点・精神点は魔神の数値なので、20点30点当たり前です。結果として弱いくせにやたら頑丈なモンスターとなっています。


今回は言ってみれば次の最終決戦に備えてデータを実感してもらうものなので、戦闘そのものは楽勝でした。

回避点はゴブのものなので、わざわざモールを使うまでもなく当たりますからね。ただ頑丈なので倒すのは手間がかかる。これがネックです。

ユーリリアのオプションである、パイはピット(熱感覚器官)で偵察として活躍し、虎型ボーン・サーバントも互角以上の戦いを演じていました。

それとモニカがお父さんと再会した時の「あたし、あたしだよー」「父さんだ、父さんだよー」というやり取りに、紛う事なき血縁を感じた(笑)


ちなみに戦ったのは以下の6種類。前述通りにレベルはゴブのもので、攻撃点などの数値は魔神の数値にレベルの修正を加えたもの。


グルネル・ゴブリン。尻尾が生えていて、これを加えた武器との2回攻撃が可能。尻尾命中時には特殊能力《締め付け》を行えます。

サルバード・ゴブリン。羽が生えていて空を飛べる。攻撃手段は鉤爪1つ。特殊能力《一人を包む程度の炎を吐く》《炎は無効》を持つ。

ラグナカング・ゴブリン。首が若干長め。牙・鉤爪・鉤爪の3回攻撃をし、牙には打撃力20+2程度の《毒》があります。

マリグドライ・ゴブリン。トゲを持ち、これによる2回攻撃が可能。また精神に打撃力10+2のダメージを与える《幻覚》を敵全体に使える。

ダブラブルグ・ゴブリン。容姿は不明だが、多分口があるだけののっぺらぼう。鉤爪による1回攻撃をし、オリジナル同様《変身》能力あり。

改造(ステロイダー)ゴブリン。単純に改造された非ハイブリッド体。攻撃点と打撃点は上昇してるが、その分生命点は6点しかない!


次回の最終決戦ではまだ新種が出るので乞うご期待。こいつらを倒し、猫の手はモニカの両親を救出する事に成功しました。

そして帰還しようとした時に、魔法が届かないような高台から声を張り上げるインディゴが現れます。今や彼はモリブの腹心です。

どうやら改造を受けたようで、モニカ母を担ぎながら人間離れした速度で走るような驚異的能力を授かったようですが、詳細は次回。


インディゴ「お前の代わりに、俺がちゃんとハイロードとして、世界を導いてやる!」

ウィンド「世界征服などという野望、この俺が叩き潰す!」←カッコイイよウィンド!

インディゴ「世界は超人によって導かれなければならぬ。それを、この俺がやる。この、ハイロード・プラチナム様がっ!

実際には清松先生は思いっきり噛んでましたがね。もう脳内CVは檜山修之さんですよ。あの勇者王の如き熱さで叫んで欲しいですね。

「俺様がハイロード・プゥゥゥラチナムゥだぁぁぁぁ!!」って感じでしょうか。まぁウィンドの身代わりになってくれたようなもんですね。

ところでインディゴって思ったよりも若いですね。以前オヤジだと言われていたのでもっと老けてるかと思ったのに、精々20代後半にしか見えない。


笑劇の登場を果たしたハイロード・プラチナム(以下ハイロードP)は、猫の手に日を改めて挑戦状を叩きつけてきました。

そこにはモリブ率いるハイブリッド・ゴブリンの軍団が待ち構えていて、猫の手も総力を結集してこの軍団と大激闘を演じる事になります。

次回は本当の本当に最終回です。40近くものキャラが入り乱れる、SWリプレイ史上最大最後のウォーゲームが幕を上げます!


最終話 最後の戦闘、そして、別れ

★戦闘準備

追い詰められたドクター・モリブは幽霊城から奪取した魔法装置により、ゴブリンと魔神のハイブリッド体を量産する事に成功しました。

そして彼の腹心ハイロードPとなったインディゴと共に大軍団を作り上げ、ネイラードの郊外で猫の手に最後の戦いを挑んできました。

もし猫の手が敗北すれば、モリブはデーモン・ゴブリン(略してデモリン)軍団を率いてネイラードへ侵攻。更に大陸全土へと進軍するでしょう。

冷静に考えて、いくらデモリンを量産できてもそれで大陸統一は無理でしょうね。しかしネイラードは確実に助からないでしょうね。


これに対して猫の手は従来の5人のメンバーに加え、ジョージ、セシウス、シュバルツ。それに竜牙兵の総勢9名?で対抗します。

ジョージはファイター4に成長し、PLもいます。鎧はどうなってるかハッキリしませんが、戦闘時の防御力を見るに多分重いやつを使ってる。

あとウィンドが例のスクロールでストーン・サーバントを作ろうとしましたが、1ゾロで失敗。結局味方は9人だけとなりました。

そういえば前回の洞窟での戦いで使った虎型のボーン・サーバントはどうなったんだろう。巻末のオマケではちゃんと出てるんですが。


一方モリブの側ですが、初期戦力だけで22です。以下太字で表記されているキャラにはPLがついています。

つまりこの決戦の為に計5名の助っ人PLが来てくれたんですね。GM含めて6対5のPL同士のウォー・ゲームな訳です。

ドクター・モリブ(ソーサラー6)
その影武者であるダブラブルグ・ゴブリン(以下ダブリン)×3体
ハイロード・プラチナム(シーフ5)
その影武者であるダブリン×3体
サルバード・ゴブリン・ロード
ラグナカング・ゴブリン・シャーマン
グルネル・ゴブリン(以下グルリン)
ザルバード・ゴブリン(以下ザルリン)
ラグナカング・ゴブリン(以下ラグリン)
マリグドライ・ゴブリン(以下マグリン)
クラカボリグ・ゴブリン(以下クラリン)
ガガロンガー・ゴブリン(以下ガガリン)
改造(ステロイダー)ゴブリン×5体
竜牙兵


それとモリブの側には例の魔法装置があります。元来この装置は無限の魔力の供給により、魔神を無尽蔵に供給するものでした。

現在は無限の魔力の代替エネルギーとしてゴブリンの生命力を利用している為、供給されるものもゴブリンと魔神のハイブリッドなんです。

また戦闘中は各ラウンドの終了時にデモリンを1種類産み落とす。出現するのはダブリン以外の6種類の内ランダムで1種類です。

そして防御点15の破壊点20なので、壊そうと思えば壊せない事もない。ジョージあたりがパンプした上に《強打》でもすれば結構いけそう。


さてモリブの軍勢の中には先の洞窟での戦いではいなかった種類がいくつかいますね。それらを検証してみましょう。

ザルバード・ゴブリン・ロード。ゴブリン・ロード(4レベル)を素体にしている為、普通のザルリンより数値は軒並み2ずつ高い。
ザルリンと同じく《一人を包む程度の炎を吐く》と《炎は無効》を持つ上に、暗黒魔法4レベルの能力まで持っています。

ラグナカング・ゴブリン・シャーマン。ゴブリン・シャーマン(3レベル)を素体にしてるので、普通のラグリンより数値は1ずつ高い。
ラグリンと同じく牙には《毒》があり、その上に精霊魔法/暗黒魔法3レベルの能力を持ち、ザルバード・ゴブリン・ロードと並んで回復役です。

なおザルバード・ゴブリン・ロード(以下ゴブL)とラグナカング・ゴブリン・シャーマン(ゴブS)は共にメスです(どうでもいいわ)。


他にももう2体いますね。なおクラリンには何故かマリリンの《幻覚》能力が書かれてますが、誤植でしょう。

ガガロンガー・ゴブリン。攻撃手段は牙・鉤爪・鉤爪の3回攻撃。特殊能力《病の伝染》《ブレーグ・ブレス》をそれぞれ使用可。

クラカボリグ・ゴブリン。攻撃手段は長針と短針となった両腕による2回攻撃。《カース・オン・カウント》も目標値9で使用可。


以上でゴブ達の紹介は終わりました。続いてはモリブとハイロードPです。


ドクター・モリブ ?歳

ソーサラー/セージ6。能力値は全体的に+2で割と普通。知力17で精神力15と、魔術師にしては平凡な数値です。

装備は飛び道具にのみ回避力+2になる"エア・クローク"。精霊魔法を妨害できる"精霊封じの魔石"。及び魔晶石(10)×3。

今回彼につくPLはペラペラーズのブックのPLらしく、眼鏡をクイクイさせてました。お陰でモリブの挿絵が学級委員っぽくなりました(笑)

ただ彼の戦術はSNE内でも定評がある。「SWRPGで高レベル魔術師遠慮なし、憧れですよ、クイクイ」だそうで、GM本気過ぎ。


ハイロード・プラチナム(インディゴ) ?歳

シーフ5。やはり能力値は全体的に普通。装備はショート・ソードとスモール・シールドがそれぞれ魔力+1の品物です。

ただ特殊能力《スーパー・パンプアップ》を持っています。主行動として宣言し、全力移動でも使用可能な能力です。

1Dを振って1なら器用度、2なら敏捷度、4なら筋力が18ラウンドの間+12。それ以外の出目は不発。重複したら以後18ラウンド使用不可。

PLは特に誰だか予想できませんでしたが、かなりのPLスキルを持っていると思われ、モリブの中の人と並んでなかなか驚異的です。


以上で一通り説明は終わりましたね。ちなみにスクエア・マップは横18マス(54m)×縦24マス(72m)、採石場か(笑)

今回の戦闘は基本となる「PCは生かさず殺さず」は守る為に、戦術面では本気だけど戦力面では手を抜いているといいますが、本当かな(苦笑)

確かにデモリン達は単体では弱い為に対して脅威にはなりそうにないですが、いかんせん頑丈なので一つ一つ潰そうと思うとエライ事になります。

清松先生曰く、簡易とはいえタクティカルでは数が増えれば級数的に難しくなるそうなので、VisualではあるがEasyとは言い難い戦闘ですね。


最後に戦闘前に1つ、何故清松先生がこの戦闘の前にウィンドにメイス系ではなくソード系を持たそうとしていたのか。

それはデモリンのようにそもそも命中し易い格下の敵が相手だと、メイス系の長所である安定性と命中性が意味を成さないのです。

それよりは1ラウンドでも早く敵を屠る為に、期待値の高い(クリティカル値の低い)ソード系の方が有利なんですよ。


加えて剣なら複数の敵を同時に攻撃できる戦闘オプション《なぎ払い》が使えます。これがあれば最大で4体まで攻撃可能です。

それをやると対象の分だけ攻撃力に−修正が入りますが、そもそも当たり易いので無問題。仮に前方3体狙っても、攻撃力8のウィンドなら5だし。

デモリンの殆どは回避点9(2)しかないので、固定値でも使おうものなら出目4以上で命中。3匹全てに命中する確率は77%にもなる!

清松先生も最後にはウィンドを活躍させようと思っていたんですよ。でもウィンドはまたそれを裏目に逝ってしまったのです。


★さあ、どきどきわくわくの大乱戦

いよいよこの時が来ましたね。楽しみのような、不安のような、最後の大乱戦です。これが私の書く最後のSWリプレイの戦闘レビューでもある。

そこでVEになってから封印してきた毎ラウンド検証を、今回限りは解禁します。従来とは違った表記の仕方をしますけどね。

文庫の表記に合わせてラウンドのカウントは「ROUND1」という風にしましょう。本文には含まず、引用風に浮かしましょうか。


ROUND1

先手を取ったのは猫の手です。初期位置は範囲魔法を食らわない程度に散らばり、ユーリリアとシュバルツが分担でカンタマをかけます。

ウィンドはスクロールで"プロテクション"をかけました。重い鎧でも使えるのか?とひと悶着ありましたが、モリブの助言でOKが出ました。

実際ルールブックを読んでも装備に制限があるとは書いていない。どうやらモリブのPLはこの方法で魔法戦士に魔法を使わせようとしてたらしい。

魔力は本人のものを使うので敵にかける類の魔法だと不安が残りますが、この手の支援魔法の為に複数巻物を所持するのはアリですよね。


そしてモリブは目の前に"イリュージョン"でを作りました。後で"シースルー"をかけ、一方的に魔法を使うつもりのようです。

またこれで4人いるモリブの内、誰が魔法を使ったのかも分かりました。ただしメモは禁止、PL各自が自分で覚えないといけません。

神の視点から戦場を眺めるVEの特性上、仮に壁の裏でシャッフルしたとしても、PCに見えなくてもPLには見えてますからね。

勿論身内のゴブLとゴブSも回復時に合わせて覚えておかないといけません。何やら戸惑ってましたが、まさか分からなかったとか。

そしてハイロードPは壁に隠れて《スーパー・パンプアップ》で筋力+12。魔法装置はマリリンを追加し、軍団は全体的に前進です。


ROUND2

猫の手はユーリリアが周囲にプロテク。シュバルツがズンに"フィジカル・エンチャント・クイックネス"をかけて今後の移動に備えます。

トリムはグルリンに"ストーン・ブラスト"をお見舞いし、生命点を半分ほどゴッソリ持っていきますが、やはり倒すには至らない。

デモリン軍団は魔法一発で倒れるほどヤワではありませんからね。戦闘が進むにつれ接敵の機会も増えていくし、早く潰さないと。

そしてウィンドはスクロールで自分のモールに"ファイア・ウェポン"。26の秘密の26番改「火柱大槌」を作って打撃力44を実現。


モリブは更に壁と一部重なるように"ダークネス"でMAPの左端の視界を塞ぎます。ハイロードPは更にパンプして敏捷度+12

ラグリンは飛んで一気に7マス前進、猫の手の竜牙兵に攻撃してハズレ。最初からいたマリリンは《幻覚》を使うも全員抵抗。装置はラグリン追加。


ROUND3

ジョージは寄ってきたグルリンを攻撃し、トリムのグルリン・ザルリン・ラグリンへと拡大した"ストーン・ブラスト"によりグルリン撃破

ウィンドはクラリンを、"ファイア・ウェポン"の援護を受けたモニカは竜牙兵と共にラグリンを、ズンはザルリンをそれぞれ受け持ちます。

シュバルツは目の前のラグリン?にエネボルを撃ち込み、慢心アタックを成功させる。でもモニカは既に動いているのでお預け。


モリブはゴブSとゴブLとハイロードPとその影武者、計6名にプロテク。ハイロードPの本物はモリブも知らないのでこうなりました。

というのも魔神には身体強化系の魔法は無効なので、もし誤って魔神に"フィジカル・エンチャント"でもかけたら無駄になっちゃいますからね。

かと言って1人にかける為に4人に拡大し、内3人分を無駄にするのも勿体無さ過ぎます。四身の拳も万能ではないという事です。

続いてマリリン×2がそれぞれ《幻覚》を使い、モニカがお父さんにチョコを食べられる幻覚を見せられ、精神に傷を負います(笑)

ハイロードPは更にパンプするも不発です。こうなると器用度が出る確率は1/6ですからね。魔法装置はザルリンを産み出しました。


ROUND4

セシウスの2連クリティカル"フォース"がクラリンを沈め、更に武器と魔法のコンビネーションでラグリンとステロイダー×2も倒す

ジョージはハイロードPの1人を攻撃。相手はサイコロを振らずに命中を申告します。つまり固定値を使ってるので偽物と判断できるのです。


ハイロードPは影武者の1人を"ダークネス"の領域、すなわち猫の手では見えない場所に避難させ、《暗視》持ちのゴブSがキュアーで回復。

そして残った本物と影武者の計3人でジョージに《囮攻撃》。エゲつない、エゲつないにも程があるよハイロードP!

《囮攻撃》は回避を宣言すれば確実に避けられるが、その後の全ての攻撃に+1の修正が入る。そしてかわさなかったら確実に当たる。

この場合打撃点の低いダブリンが相手なら敢えて受ければノーダメージで済む可能性が高い。ハイロードPだとそうはいきませんからね。


つまりハイロードPはジョージに精神的な揺さぶりを掛けたのです。ジョージは最初の影武者の攻撃をかわしてしまい、本物の攻撃を食らいます。

相手が本物なのか偽物なのか分からない。偽者だったら当てられてもいいけど、もし本物だったら……。そんな心理を利用したのです。

現在のハイロードPは攻撃力が8もありますからね。+1で9にもなる。そしてダメージは打撃力6+10、シーフで打撃力が低いのが救いか。

モリブは"シースルー"で壁を透視、一方的に猫の手を観測します。竜牙兵とゴブLは今後に備えて闇の中に退避。装置は3体目のマリリン追加。


ROUND5

ユーリリアは靴の効果を使って一気に移動。スクロールでハイロードPに"ファイア・ボール"をぶっ放ちました。

加えてジョージも周りのハイロードP達に《なぎ払い》しますが、大した効果はない。ジョージは生命力が低いから長引くと突破されかねない。

ユーリリア「言っておくけど、ここで死んだら、わたしの"骨の従者"だよ

モリブ「魔法うざいな。どうにかする方法を考えよう。……ふふ、楽しくなってきた

……気のせいかな、大首領様の方がより凶悪に聞こえるんですが(笑)。あと特に書かれてないけど最初にいたザルリンが死んでます


モリブは"イリュージョン"で2枚目の壁を作り、ジョージを孤立させます。そして再度ハイロードP軍団の《囮攻撃》です。

先ほど回復したのを投入し、怪我したのを闇に引っ込めて回復させるという、細かい芸当も行ってます。正に馬車に乗る出る乗る出る(笑)

ところが今回のジョージは影武者2体の攻撃を受けながらもノーダメージ。本物は一時撤退で肩透かし。随分細やかな戦いをしますね(感心)。

そしてマリリンの《幻覚》3連発でウィンドが悪夢を見る。「お許しを、お許しを、大首領様ー。"骨の従者"だけは勘弁ですー」。装置はガガリン追加。


ROUND6

ウィンドが行動不能なので、シュバルツが対象3倍拡大エネボルでガガリンとステロイダーとラグリン(2匹目)を屠ります

ユーリリアもステロイダーを1匹撃墜。これで最初からいるゴブはマリリンと最後のステロイダーの2匹だけになりました。

味方の竜牙兵はマリリンの1匹にダメージを負わせ、《幻覚》の行使を阻止。モニカはザルリンを担当し、ズンはジョージに加勢。

しかしジョージは《なぎ払い》が全部ハズレ。「もう、チーたんには死んでもらって、"使命猛進"の贄になってもらいますか」by.トリム。


モリブは"ファイア・ボール"でズンとジョージを爆破し、ジョージの生命力は一気に残り3点にまで減ってしまいます。

更にゴブLの"フォース"で1点、敢えて受けた影武者ハイロードPの《囮攻撃》で1点削られ、残り1点にまで追い詰められます

そこで敵の竜牙兵まで《囮攻撃》をしてきたものですから、避けるしかありません。いくらなんでも全部止めるのは難しいですから。

そこで本物のハイロードPが攻撃!。17でその凶刃を振るいますが、ダメージが10点とショボかったので全部止めて生き延びます。

残った影武者の《強打》もかわしてジョージは何とか凌ぎます。もうチーたん崖っぷちだよ。一見頑丈そうに見えるけど、生命力低いから。

あと直前にダメージを受けていたマリリンがモニカに攻撃。連続1ゾロで命中して残り3点に!(またかい)。あと装置は3匹目のラグリン追加。


ROUND7

シュバルツが引き続きエネボルで最後のステロイダーを撃墜。ウィンドは最初からいたマリリンを撃墜。これで初期デモリン全滅。

モニカは撤退してセッシーのキュアーで全快。トリムは先ほど作られた壁に「不信」を試み、見事に幻影の壁を消し去ります

トリムの精神抵抗は8、カンタマで10です。対する"イリュージョン"の達成値はたったの13、1ゾロ以外で破れる訳です。

ズンは自分とジョージにキュアーをし、自分は全快しますがジョージは8点だけ。引き続きチーたんの微妙なピンチは続きます。

ジョージも後退しながら攻撃したり、ユーリリアがエネボルを撃ち込んだりもしたんですが、流石にダブリンはそこそこ頑丈です。

一方NPCの竜牙兵は単独で左翼に突出。マリリンの懐に飛び込んで斬りつけ、その1匹の《幻影》を封じます。GJ竜牙兵。


モリブはズンとジョージに"ファイア・ボール"。"アシッド・クラウド"でないのは精神力を考え、"シェイド"で1発を防ぐ為。

ハイロードPはゴブLからのキュアーを想定した上でポジションを決定し、ズンとジョージに攻撃しながらも回復も受けさせます(上手いな)。

そしてハイロードPは再度ジョージに凶刃を振るいますが、1点残し!!。流石は"ハイロード"、称号だけでなく変なものまで受け継がれてます。

あとモリブはゴブSからトランスファー。……実は倒すチャンスだったとか?(壁あるけど)。しまった、孔明の罠だ!。装置はグルリン追加。


ROUND8

ウィンドは竜牙兵の加勢とばかりに左翼に走り、マリリンを一撃で倒す!。どうやら完全に"ハイロード"からは脱却したらしい。

そしてモニカはザルリンへ接近し、愛と炎のセッシー・レイピアの刺突が回りに回って29点ダメージ、ザルリンも即死させます!

更にユーリリアとトリムのW攻撃魔法でハイロードPの影武者を1匹倒す。これでジョージは撤退してセッシーのキュアーで9点回復。

これで残ったデモリンは途中追加されて生き残ってる4匹だけ。あとはPLのいる敵幹部とその影武者、及び竜牙兵だけ?ですね。


しかしこの状況がかえって敵軍師の謀略魂に火をつけます。まずハイロードPが敏捷度27の機動力で大きくサイドチェンジ、ウィンドに攻撃!

突如始まった新旧ハイロード対決に備えてゴブLも壁の中を通って回復の為に移動。影武者軍団も移動して左翼の道を閉ざします

そしてモリブは範囲拡大"アシッド・クラウド"でズン、モニカ、トリム、ジョージに痛打。ジョージは呆気なく気絶(生死判定成功)。

そしてゴブSがモリブにトランスファー。結果敵の右翼を魔法で、左翼を部下で完全にブロックとは、実に見事な戦術です。装置はザルリン追加。


ROUND9

猫の手はまずセシウスのトリム、モニカ、ジョージへの3倍拡大キュアー。続いてズンが自分とジョージへの2倍拡大キュアーで、全員全快。

ユーリリアは右翼に退避。シュバルツはトリムとジョージにプロテク。ウィンドはハイロードPに攻撃するもハズレ。

レット姉弟は敵竜牙兵を攻撃するも、モニカ空振り。一方味方の竜牙兵は最後のマリリンに攻撃を当て、またも《幻影》を防ぐ。

それと先ほど追加されたグルリンが忽然と消えてるんですよね。その後の別のマップでは普通に復活してるので、誤植(と言うか)でしょう。


そして装置の増援もこのラウンドまでです。元々ゴブの生命力を代替エネルギーとして無理に動かしていたから、それが尽きたと言う訳です。

そこでモリブは再度"アシッド・クラウド"。竜牙兵がズンを狙うも全員無事。一方ウィンドは先程のジョージのように包囲されていました。

何しろハイロードP3人とラグリンとガガリンとマリリンに包囲されてますからね。《囮攻撃》込みで延々回避させられました。

そして装置は最後の増援としてグルリンをもう1匹追加。これで現在稼動しているデモリンは(影武者除いて)6体。これ以上は増えません。


ROUND10

ユーリリアが"ライト"でモリブの"ダークネス"を解除。続いてモニカが「不信」を行い、最初に建てられた壁を消去します。

ズンとジョージは敵竜牙兵を叩きますが倒せず。セシウスは怪我をしていた4人にキュアーして一通り回復させます。

トリムはモリブに"サイレンス"を試みますが、"精霊封じの魔石"でシルフを吸い込まれて失敗。しかしそれも今回限りです。

ウィンドは相変わらず包囲されてるので動くに動けず、《幻覚》を放置するのは危険なのでハイロードPを無視して最後のマリリンを撃墜


対するモリブは更なる嫌がらせを実行します。竜牙兵とPの影武者はシュバルツに、ゴブSはユーリリアに、ゴブLはトリムに全力移動で接敵

つまり魔法を使うと攻撃するぞと脅してる訳ですね。竜牙兵や影武者はともかく、LやSは最早魔法を使えないという意味でもある(笑)

そしてハイロードPは9マス移動を駆使してセシウスに攻撃!。白骨の為にクリティカルはしませんでしたが、6点削られ残り8点。

セシウスはゴーストだけにダメージが回復しないという弱点がありますからね。これは次に手をうたないと体を壊されてファントム化する。


そしてモリブはユーリリア達を巻き込むように"ダークネス"。"ライト"で消したらゴブ達の集中攻撃を食らわせるとプレッシャーをかけます。

モリブ「ふふふ、圧倒的ではないですか、我が軍は

ハイロードP「この"暗黒"があれば、我々はあと十年は戦える

嫌な戦術を使ってくると思ったら、こうしてフラグも立ててくれるとは、本当に有能な助っ人ですね。


ROUND11

ユーリリアは仲間を信じて"ダークネス"を"ライト"で消滅させます。そしてトリムとシュバルツの"シェイド"でゴブLとゴブSは気絶!

こうしてできた安全地帯へセシウスは退避。モニカは残る敵竜牙兵を阻みます。そしてジョージは逆にモリブへ接近してプレッシャーをかけます。

ウィンドが相変わらず包囲され、デモリンや影武者達が残っているとはいえ、敵は回復手段を失いました。もう大分詰んでますね。


モリブは最後のあがきとばかりに距離を拡大してジョージ、トリム、シュバルツの3人に"ライトニング"。出目11でなんと達成値19!

しかし"ダイス・オブ・ミニマムフォー"の力を使ったトリムとにゃんこ様は抵抗し、失敗したジョージも普通に生き延びました。

モリブは直接攻撃を避けようと影武者を盾にしますが、"シェイド"を食らう分は無意味だと、最早自身が詰んでいる事を悟っていました。

ハイロードPはトリムに攻撃を加えますが、ミスリル鎧のお陰で僅かに3点ダメージ。最後の道連れを作ることすらできなかったか……。


ROUND12

トリムはトドメとなるダメージ拡大"シェイド"をモリブに放ちます。実は既に精神力1点。しかもクリティカルしてモリブ全てをやり遂げて気絶!

モリブが倒れると共にデモリンや竜牙兵も活動停止。残るはハイロードPのみ。魔法装置にのみ頼った末路がこれですか。

最後にウィンドとハイロードPとの一騎打ちもいいかもしれないな、と思いましたが、ご主人様のお許しが出なかったので却下。

ユーリリア「帰るよ、ウィンド。一人で勝手に戦って負けるのは、もう許さないから」←先輩?

ウィンド「はい、先輩。ということだ、プラチナム。ごめん、許可が下りなかった」←従順過ぎるよ

え〜〜……という訳で、許可が下りなかったので決闘は無し!ハイロードPは1人空しく砕石所に取り残されましたトサ。


実はこの時点で計4時間半にも及ぶ戦闘に全員憔悴しきり、しかも終電も近かったので、お開きとなったのでした。

仮に続けたとしてもシュバルツの"バルキリー・ジャベリン"をバンバン撃ち込めば、普通に終わってたと思いますよ、人生が。

しかし放置プレーはあんまりなので、全員でフルボッコにした事になりました。これで少なくとも"ゼム"のモリブ一派は全滅した訳です。


★そして、別れが訪れる

はい、ここからは最終決戦の後日に集まって行われたピローグ部分です。モリブを倒した彼らには、悲しい別れが待っていました。

セシウスは元々「モリブへの復讐」という未練があるからこそゴーストになっていた訳で、それが果たされた今、彼の魂は現世に止まれません。

体が白い粉になって崩れていき、泣きじゃくるモニカに引き止められながらも、彼なりに別れを告げながら、笑って逝きました

もし復讐だけを考えてたら、こんな死に方はできなかったでしょうね。憎しみを慈しみに変えられたからこそ、本当の意味で昇天できたと思う。


モニカ「恨みが足りないんなら、今すぐにでもセッシー絵を三十枚ぐらい、追加でぶん殴るから

セシウス「本当に、おもしろい娘だな。楽しかったぞ」

それは無理ってものですよ。何故ならば、愛する人が自分の為にする事は全てが愛しいのだから、恨みなんて抱けやしない。


モニカ「あたし、この冒険終わったら、セッシーと一緒に旅をするつもりだったんだよ
    世界のいろんなところ見てきて、いろんなおもしろいもの見つけて。だから、ね」

セシウス「ああ、楽しそうだな。自分の意思でどうにかなるのなら、喜んで、受け入れていたかもしれぬ

初読時はこの辺りでガチで泣きました。「小さな花」や「優しくキミは微笑んでいた」といった感動系の歌を聴いていたせいもあって。


モニカ「そんな。セッシーがいなくなるってわかってたら、モリブなんてやっつけなかったよ。そんなのないよ、うわーん」

セシウス「すまんな、娘。侘びと礼の品を用意する猶予も、もはやないようだ。代わりに、これを受け取ってくれ

そしてセシウスは自分の左手の薬指の骨をモッキリ折って、モニカにプレゼントしたのです。それはエンゲージ・リングの場所……。


助けられるものなら助けたいですよ。でも死後かなりの日数が経ってるし、ミンクス以上に蘇生が困難な状態でしょう。

加えて光の神の神殿ではミゴリ信者の彼の蘇生はできないだろうし。いっそ超英雄を探して蘇生して貰った方が手っ取り早いぐらいです。

超英雄ポイントがあれば自動的に成功にできますからね。でも実際そんな司祭は世界全体でも数えるほどしかいない。特にロードスにしか。

ところでゴーストを蘇生するにはまず"セーブ・ソウル"が必要になるんですが、未練が晴れて昇天した魂の場合はどうなるんだろう?


モニカ「だったら、あたしが生き返らせるもん。復讐神の司祭になって」←コラ!

セシウス「気持ちは嬉しいが、そこに捕らわれるのは、娘、お前の人生ではない

結局最後まで「モニカ」って呼びませんでしたね。それをやるとそれ自体が未練になるので言わなかった、と考えると美しいかな。

それで現世に止まれればいいけど(いやよくないが)、もし止まれなかったら、それは身を引き裂かれるような苦しみでしょう。


セシウス「泣くな、娘よ。余は楽しかったぞ

こうしてセシウスの体は塵となりました。彼の体は風に流され、いつまでもいつまでも、モニカの旅の行く末を見守っているでしょう。

墓標はここに建てられました。「貴人、宿怨を晴らし、ここに眠る」。唯一残った指は首飾りにして、モニカがずっと身につけていきます。


モニカ「絶対に、忘れないよ


★エピローグ〜それぞれの明日

セシウスとの感動の別れの後になんですが、ネイラードへ帰還したウィンドはポロンから呼び出されます。……来た、ついに来た。

既に彼女の逆洗脳は成功したのか、以前のような異様な目のギラつきはなくなり、相当落ち着いた様子で安心しました。


ポロン「わたしは、「ハイロード」ではなく、「ウィンドさん」を、やはり好きなのかもしれません

「キュン?ドキドキ?キュンキュン?」by.トリム。変な形で盛り上がってきました。

ポロン「けれども、あなたと一緒にいると、わたしは過去を常に意識せざるをえないと思います。それを背負って一生を生きていく自信はありません」

いい感じにドラマチックになってきました。デパガメをしてるような、妙な気分です(笑)


ポロン「ですから、別れましょう」←付き合ってもいないのに!!?

思い込みが強いのは元からだったんですね……。そして彼女は泣きながら部屋から飛び出していったのです。

これでウィンドは心底ホッとしたのか、非常に爽やかな表情でフラれた記念に飲んでいました。まぁセッシーとの別れと比べると軽い(笑)


他のNPCですが、グレイ君は遭難してる所を保護されました。伯爵が新人を雇わない限り、ブラウンの苦労は絶えませんね。

マーブルはギルドで再教育。そのライナス盗賊ギルドもNO.2が新たなギルドマスターとなって、再建しているでしょう。

シュバルツは街の守護者に戻ります。元々猫はものぐさ、スローライフ当たり前です。正体をバラしたのでチャ・ザの祠にでもいるんでしょう。

あとマーキュリーやクロームはどうしたんだろう。このまま牢屋で衰弱していくのかな。割とどうでもいいんですがね。


ユーリリアはネイラードに留まるようです。時々フラっと冒険に出るそうですが。挿絵の神官服のユーリリアが可愛い。

モニカは世界を巡る旅に出るのです。お土産と想い出を沢山集めて、セッシーと再会した時の為に取っておくんです。

トリムは実家を継ぐ。ズンはそれと業務提携をして"ふぃぎゅあ・チョコレート"を作るそうで。大陸には早くも食品玩具の時代が来る!?

ウィンドはジョージと共に"ゼム"と戦い続けます。まだカーネルとエミッサリーがいるかもしれないし、少なくとも組織はまだ潰れてない。


彼らはここで離れ離れになるけど、別にずっとお別れという訳じゃない。ちょくちょく顔を合わせたり、冒険に出たりしてるようです。

例えばズンは博物館を作る為に、セシウスの幽霊城を利用するつもりです。暫定アデルチェ男爵夫人のモニカが許可しました(笑)

元々あの城はセシウスの爵位である「アデルチェ男爵」のもので、後継のいない今本家の「ゲートフォード子爵家」から後継が出る筈。

でもセシウスは本家の人間を直接間接に追い出してたんです。そのセシウスが左手の薬指をモニカに与えたんですよ、それが彼の本意だと思う。


今のまま幽霊城なら本家にとってもお荷物ですから、トリムが商人として表と裏で色々やって権利を獲得するつもりです。

お金を上納した上に、セッシーが闇司祭をやっていたというスキャンダルをチラチラさせれば、満更不可能ではないと思う。

トリムは姉ちゃんの旦那さんの遺志だからと、急に張り切っちゃいまして。ウィンドなんて目じゃないぐらい積極的になりました。

まずズンとの業務提携は、売れないものは作らせない。そしてネイラードから圧力をかけられるよう、ユーリリアを介してコネクションを強化

結局一番「男の子」になっちゃったのは、マクスター伯爵ではなくトリムでした。最終回にして逞しくなり過ぎ、将来が楽しみです。


モニカ「じゃあ、モニカは、旅先から、お家に連絡入れときます。「モニカは、げんきです。しんぱいしないでね」

一方通行の連絡だけど、それはそれで風情があっていいのかもしれない。

モニカ「「ついしん トリムわ いただいた」

また攫ってるーー!!?。猫の手冒険隊の冒険は……まだまだ終わりそうな気が一切いたしません(笑)


★レットタウンはんじょうき

今回は最終巻なので、今までは割とスルーしてきた巻末オマケの感想も綴っていきましょう。なにしろ彼らの後日談ですからね。


まずはモニカの実家前の風景。長旅から帰ってきたモニカが、何故か扉一枚越しに両親へ連絡を入れています(笑)

ここのモニカはちゃんとセッシーの薬指の首飾りをつけていて、涙腺をまた緩ませます。あと胸がやたら成長してて、随分大人っぽくなりました。


次の見開きでは猫の手の面々が幽霊城の改装をしています。買取に成功したのかな。皆で力を合わせてリニューアルですよ。

ユーリリアと何故か手伝いに来たポロンは書物の整理をしつつ、ウィンドの話題で妙な盛り上がり方をしていました。

ユーリリア「だからね、ポロンちゃん。ウィンドって男はね、○○が△△で××なのよ」

ポロン「いいえ、わたしのときは◎◎で■■でした。それはユーリリアさんのほうに問題が」

当のウィンドはにゃんこ様と一緒に祭壇のあった隠し部屋に引き篭もり、機を逸したのか二晩経つまで出るに出れなかったとか


モニカは城中の罠をチェックし、竜牙兵はホールの掃除をして、虎型ボーン・サーバントは某優しい虎の如く番犬を勤めています。

ズンはよく見えませんが、どうやら陳列品のチェックに余念がないようです。そういえばあそこにあった神像とかどうなったのかな。

トリムは色々と指示を出し、ジョージは忙しそうに工具や建材を持って動き回っています。やはり彼には肉体労働が似合ってます。


そして城内には、ズンの立体ではない作品、絵画が飾られていました。その中では城主とその嫁が幸せそうに笑っていました

城主は亡者丸出しで完全に白骨なのですが、不思議と笑って見えました。表面の下の内面が見える、そういう意味でこの絵画は傑作と言えます。


次のページでは髭を生やしたトリムが商談に臨んでいるようでした。童顔だから髭を生やして威厳を保っているのかな。

この髭ってモニカが帰ってくる度に「似合わない〜」って引っ張られてそうですね。確かにベルバラみたいになってるし(苦笑)

そして工房で新作を作ろうと作業をするズンは、産業スパイのつもりが何故か弟子入りしてしまったマーブルに苦笑していました。

ズンの呼び名が「師匠」ですよ。大分素で居ついていると思う。ちなみに彼女が作った新作はマーブル・チョコに相違ない(笑)


幽霊城と特性ふぃぎゅあ入りのチョコレット。レットタウンは歴史あるラムリアースにあって、きっと革新的な街として栄えるでしょう。








★おわりに

以上でこの最後の作品のレビューを終えます。モリブではありませんが、何かをやり遂げた気分になっています。

正直08年5月現在、ヘッポコースや初期のペラペラーズなどは、至らない所が多くて書き直したい気分で一杯です。

多分時が経つと今書いたこのレビューですらも加筆修正したくなるんでしょうね。レビューは私の見える世界を皆さんに見せる為の手段です。

しかし世界の在りようというのは、知覚や認識の仕方でいくらでも変わるものです。同じ人間でも時が経てばいくらでも変わります。


リプレイというのは不思議ですね。ゲームと現実が交差し、文章なのに臨場感があって、小説とは違う魅力が溢れています。

想いより出た言葉と、混沌より出たダイスによって紡がれた物語なのですから。1人の頭脳で産み出された小説とは違って当然なんです。

そのリプレイを更にレビューにしてしまう訳ですから、実際のセッションの様子を著者と私と2重のフィルターを通している事になります。

実際の様子とはきっと違う所もあるし、書き手の主観で修正されている部分もきっと多い。それでも伝えようと、残そうと、文章に起こすんです。

その試みがどれだけ成功してるのか分かりませんが、バトンを渡せればそれで十分。私の渡したバトンを皆さんがどう扱うかは、皆さん次第です。


現時点でSW2.0のリプレイである「新米女神の勇者たち@」という作品が出ています。ヘッポコーズの秋田みやび先生の作品です。

新世界ラクシアは、私の慣れ親しんだフォーセリアと比べるとまだまだ未知数です。それでも私はそこに新たな感動を求めて移ろっていきます。

でもフォーセリアのSWリプレイを忘れる訳じゃありませんからね。遠からずヘッポコーズなども書き直す事になるでしょうしね。

ただ皆さんにも新世界に触れて欲しい。少なくとも見る前に拒絶しないで欲しい。先人がそうしてきたから、今日のフォーセリアがあるのだから。


最後になりますが、私はフォーセリアに出会えて、SWリプレイを好きになれて、本当に幸せでした



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