「バブリーズ・フォーエバー」著:清松みゆき/グループSNE 出版社:富士見書房
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前回の最大障害は7レベル盗賊のバラストだったので、基本経験点は3500点です。
これでアーチーはファイター6→7と、ついに7レベルに突入。7レベルという事は既に騎士団長クラス、レドリックぐらいですね。
レジィナはバード4→5、本当に使いませんよね。グイズノーはセージ4→5、ついにプリーストと並びました。まぁラーダだし。
スイフリーはシャーマン5→6。パラサはシーフ6→7。これで6レベル前後のパーティーになったのですね、もう中堅じゃ利かないかも。
今回の冒険は今までにはなかった海洋冒険です。それもただ船に乗るだけでなく、海底へ潜水します。それはもう何百メートルと。
スイフリーがついに6レベルになったので、水圧減少の魔法である"ディクリース・ウォータープレッシャー"が使えるようになったんですね。
加えて水中呼吸の"ウォーター・ブリージング"を合わせれば完璧です。−4のペナルティを受けることなく、自由に水中で活動できます。
余談ですが、完全版では「ディクリース」になってますが、旧版だと「ディクリーズ」です。より英語のイントネーションに近くなったらしい。
両方とも持続時間は1時間なので大分動けますね。1人辺りの消費精神力が6点ですが、大量の魔晶石があれば十分可能です。
本来の水中戦闘で使える武器はダガー、ショートソード、スピア(1H)だけですが、今回のケースだとそういった制限はありません。
でも流石に飛び道具は使えないんですよね。水圧減少はあくまでも人だけで、矢にまでは効果は及びません。どうせ普段から使いませんが。
あと魔法もちゃんと使えますよ。ただ持続時間が途中で切れると怖い事になるのでそこは注意しないと。ちなみに生命力ラウンドで窒息。
★危険を買うのが冒険者の仕事〜スイフリー用外づけモラル判断装置
前回の冒険でうっかり暗黒面に堕ちかけたスイフリーですが、無事に帰還できました。でも呪いは消えましたが、本性は消えません。
スイフリー「"負傷"などという暗黒魔法を使ってしまった。このことはわたしの心の中に、氷の刃のように突き刺さっているのであった」
フィリス「あの高揚感は忘れられない」
スイフリー「けっけっけ……」
アーチー「やはり本性は消えてないか」
スイフリー「いや、そんなことはない。"火弾"のほうがなんぼか強かった。結論、ダークプリースト技能なぞ、役に立たない。だから、いらない」
それじゃあ役に立てば使うんか。善悪というよりも、有効か否かで判断してるらしい(笑)
あんだけ期待していた報告書ですが、気づいてみれば結局金ヅルにはなりませんでしたね。スイフリーにあんな事があったし。
ここの人は恩に着るという事はない。自分の正義で動いているから、助けてもらって当然。礼を言う事もない。それもどうかと思いますがね。
そんな嫌な思い出しかないアノスからはさっさと出て行きたいところですが、お腹がすいているので御飯だけのつもりで宿屋に入りました。
そこには前回登場したエライセンとバンダオートさんがいました。バンダオートさんには恩があるんですよね、2日も寝ずの儀式をしてもらったし。
そこでバブリーズは仕事の話をもちかけられます。恩があるし、悪い話でもないらしいから、断れませんよね。
レジィナ「みんな、そう言うんだ、最初は」
パラサ「姉ちゃん、何があったん?」
スイフリー「レジィナもついに人を疑うことを覚えたわけだ。よかったよかった」
パラサ「はとこの悪影響が……」
スイフリー「何を言う。それが正しいものの見かただ。本当においしい話は一人占めにするものなのだよ。
わざわざ赤の他人に儲け話を教える人はいないのだ。わかったかね?」
これがスイフリーの処世術講座その2。ちなみに1は「不正は見逃してこそ金になる」。良い子も悪い子も普通の子も見習っていいのか(苦笑)
しかしエライセン曰く、能力がついてこない事もある。いくらいい話でも、当人にそのスキルがないと意味がない。なるほど、確かにその通り。
冒険者の能力は危険に立ち向かえるという事です。つまりバブリーズは危険を売りつけられようとしてるんですね(笑)
ちなみにお話をする際にはお酒をゴチになります。そういえば前回もそうだったし、随分太っ腹な人ですよね。
挿絵でスイフリーが「ここからここまでゼンブね。このヒトのツケで」とか普通に頼んでる横で、エライセン氏の額に青筋が走ってますが。
さて今回の仕事ですが、エライセン本人ではなく、その従兄弟の外務大臣カルプラス伯爵からの依頼になります。
カルプラス伯は割りと革新的な方で、個人的に交易などもしています。それも交易先はあの"東の果ての島"イーストエンドです。
当時は謎の島でしたが、現在は「神代の国の魔法戦士」でその全容が明らかになっています。流石はスイフ水野先生ですね。
あくまでも個人的なもので、国交はありませんよ。ただ関わりが薄い国の産物は高く売れるらしく、大分私腹を肥やしてるらしい。
その分何かあったときには国に頼れないのは商人とかと一緒ですがね。今回もそうです、交易船がトラブったのです。
距離的にはロードスやケイオスランドよりも大分近いのですが、それでも海には海賊やモンスターがいるし、沈む可能性もありますからね。
余談ですが、今後ロドーリルの脅威がなくなったバイカルの海賊達がイーストエンドを脅かすという、新しい情勢が生まれます。
概略を聞くと、2隻の船を出したのですが、内片方が沈没。もう1隻は帰ってきたのですが、ちょっと収支が合わないらしい。
そして伯爵の資金繰りが厳しくなると、そのしわ寄せが音楽堂に来る。だからエライセンはバブリーズにお願いしてきたんですよ。
当然保険なんてありません。そんな高度な金融システムがある訳ないじゃないですか。それに何かある事前提じゃ駄目ですよね。
ある程度無事に済むからこそ保険という業務は成り立つのです。今回は国交すらない国だし、グイズノー曰く軍艦には保険はかけられないし。
そこでバブリーズにはサルベージを頼む事になるでしょう。力のある精霊使いならばそれが可能だとエライセンは知ってるのです。
エライセン「エルフのかたは、すべからく精霊使いだと聞いたことがあります」
スイフリー「すべからく優秀だとは限らない」
エルフなら初期技能がシャーマンですからね。でも全員が全員6レベルな訳がないんですよね。
冒険者レベルは英雄レベル、パーティーの知名度でもあります。それならそれぐらいの実力があると思うのも当然ですが(実際そうだし)。
ただアーチーはまだローンダミスと互角ではありませんよ、あっちは8レベルだし。同じ8レベルになっても、能力値で微妙に負けてるし。
あと「すべからく」の用法なんですが、これは「all」ではなく「need to」であって、「全て○○である」みたいな使い方はできません。
本来は「すべからく○○すべし」という定型句なんですよね。今回は普通に「全て精霊使い」とか「全て優秀」と言えばいいだけの話。
ただ「必然的に精霊使いになる」とか「必然的に優秀」といった意図で使ったとも取れるので、完全に間違ってると断定はできません。
今回の事はエライセンの独断なので、本当に仕事があるかどうかは伯爵次第です。従兄弟からの口添えがあるなら雇っちゃいそうですが。
そこで直接カルプラス伯に会ってみる事にします。相手はこの国の外務大臣、物凄い偉い人なんですが、既に7レベルの人もいるので相応かも。
その前にグイズノーがセージ技能で《占星術》を試してみましたが、「水難の卦がある」と出ただけでした(笑)
これはプリーストの基本能力の"ディビネーション"と同じように、GMの都合の為にある能力ですから、こんなもんですよ。
伯爵の屋敷は大理石でできた家でした、流石に外務大臣です。既にアポは取っているので、門番も普通に通してくれますよ。
この時全員に様付けで名前を呼び上げたのですが、その順はアーチー、フィリス、レジィナ、グイズノー、スイフリー、パラサです。
妖精は後回しであとは年齢順ですね。グイズノーは異教徒なので後回し。でも妖精よりは上にくるらしいですね、とことん差別的な国です。
しかもパラサには"様"づけを躊躇ってる様子があったし、聖王国では妖精(特にグララン)の扱いが低いんでしょうね。
カルプラス伯は白髪でヒゲを生やした壮年(ていうか老年)でした。ちょっと柔和なようで目つきも鋭いという、多分ダンディ。
話を聞いてみると、エライセンが言わなかった事も教えてくれます。まず船を沈めたのはジャイアント・オクトパスでした。
文字通り巨大なタコですが、モンスターレベルは7もあったりする。つまりアーチーとパラサは大ダコ並ですね(笑)
知名度12なのにグイズノーが+5成功したから詳しい事も分かりますが、クリティカルしたら足が切れるというルールもあったりする。
そうなるとパラサがチョーン!とやっちゃうんでしょうね。完全版では一度に5点以上(防御点込み14点以上)与えると切れる事になりました。
何しろ足の長さが10mもある巨大生物ですからね、それぐらいの威力がないと切断する事はままならないでしょう。
これなら今度はグラランのように攻撃力のないキャラが切る事は困難になるんですよね。アーチーぐらいのレベルがあるとザクザク切れそうですが。
アーチーは打撃力13で追加ダメージ10点ですね。すると出目9以上ですか。ストレングスすると7以上になりますね。
あと積荷ですが、金塊と絹とフレアストーンと3種類積んでたらしい。絹はもう駄目だから、金塊とフレアストーンだけサルベージです。
フレアストーンは大陸にはない宝石で、魔法ではなく自然発光するらしい。多分内部に炎の精霊力とかを秘めているんでしょうね。
報酬は積荷の1割、どれぐらいかは分かりませんが云十万ガメルはありそうですね。敵の強さと共に、報酬もインフレ傾向にあるらしい。
あと前払いとして魔晶石(20)×9を支給してくれます。前払いというか、これは必要経費ですよね。計180点分です。
1人に6点×6人だから1時間全員で潜ると36点かかります。という事は最大5時間分ですね。時間的にも多分そんなもんでしょう。
"ウォーター・ブリージング"は2点、"ディクリース・ウォータープレッシャー"は4点と偶数だから、うまく使えば余りも出ませんね。
そういう雇用条件で港へ行こうとしたバブリーズですが、そこで前回出てきたあのクレアが待っていました。一緒に行くらしいです。
前回"リムーブ・カース"を独断でかけた件で、越権行為だと停職3ヶ月を食らったそうなので、暇らしい。
多分エリートであろう彼女ですが、これで経歴に傷がつきました。出世の芽はないかもしれないけど、本人は気にしてないらしい。
クレア「それよりも、わたしはあなた(スイフリー)を見ていたいのです」
スイフリー「な、なぜ?」
クレア「あなたが決して邪悪でないことを確認するためです。わたしの独断が間違ってなかったことを確認するためです」
そして万が一邪悪だと判断したら、チョーン!ですね。これがスイフリー用外づけモラル判断装置です。多分一途でしつこいですよ(笑)
彼女は自分でスイフリーを邪悪と断定しましたが、ファリスに伺った結果それが過ちであったと思い、自分の意思でそれを正したのです。
だから信仰面では全く悔いはない、というか悔いなくていいと確認したいんでしょうね。ではスイフリーへの思いはどうなってるのか?
ただ信仰の為だけに付き纏われたんじゃ複雑だと思うんですよね。それで知らず知らずの内にふてくされるスイフリーなんて可愛くないですか?
普段理性と損得だけで動くスイフリーと、純粋で真っ直ぐなクレア。一見トンデモカップルですが、実はかなりドラマチックなカップルかも。
何しろ全く接点がないようで、実はお互いに知らないものを教えられる間柄ですからね。そんな訳でこのカップリングは結構好きだったりする。
★無謀と慢心のマーマン〜海底都市ウリュウ
こうして戦力を増強して7人パーティーになったバブリーズは、港までやってきます。実はファーズは大分海に近い街だったりする。
船長は帰還した船の船長でもあり、仲間を苦渋の決断で見捨てねばならなかった人なんですよね。二次遭難を避けるのは救助するより大事。
イーストエンドまで行くような船だから、船員も戦えない事はない。けど軍船ではないからバリスタとかの武装はありません。
つまりあまり頼れないという事ですね。タコと戦う時は、やはり彼らだけで戦った方が無難です。ていうか何人も連れて行けないし。
そして船は沈没船のある海域まで何事もなく到着します。クレアは上に残っていてもらって、いつもの6人だけで潜水します。
計36点消費ですが、これだけ魔法を使えるとちょっと気持ちよさそうですね。でも調子にのって拡大して1ゾロ振ると嫌な気分になる。
ちなみにデイルもお留守番。猫だし、ちょっと船酔いでダルイらしいし。鮫とか出たらマズイしね。でも1kmまでは猫無線機に使えます。
《捜索》はレンジャー+知力で行うのですが、そこはレンジャーの低いこのパーティーだけになかなか成功しません。
魔晶石の無駄遣いとか言ってるんですが、まさか1回(あるいは数回)のロールで1時間経ってるとかいう設定ですかね。
前々から思ってたんですけど、レジィナ辺りがレンジャー伸ばせばいいんですよね。どうせバード使わないし。本人の好みもあると思いますがね。
それでも何度かやると成功するもので、例の沈没船を見つけます。でも一緒に大ダコも見つけちゃうんですよね、まだ絡まってるんですよ。
そこで1人のマーマンが寄ってきます。彼の名はブルボン、妙に柄の悪いパンクマーマンです。最低5レベルの精霊使いでもある。
どうやら沈没船の所有権を主張したいらしいんですが、単純なので丸め込むのも楽そうではあります。ちなみに清松先生の金魚の名前らしい。
競走馬の名前でもあるのですが、ということは一歩間違ってたら神様の名前にもなってたんですよね。ミルリーフとかも競走馬の名前だし。
ルールブックに載ってるマーマンは精々4レベルのマーマン・リーダーや、マーメイド・シャーマンですが、彼はそれよりも大分強い。
リーダーやマーメイドもマーマン社会ではエリートなんでしょうが、彼はその平均を越える実力の持ち主なのです。ジャベリン使えるし。
しかも装備はトライデントとミスリル製チェイン・メイル、水中でも使用できる高価な品です。集落で一番の使い手というのも頷けますね。
ちなみに普通のマーマンは2レベル。これらのレベルや能力はあくまでも平均なので、ブルボンのようなマーマンが存在するのは不思議ではない。
あとルールブックのマーマンはマーマン語しか喋れませんが、彼は東方語も喋れる。折角レジィナがマーマン語覚えてたのに、あまり意味がない。
幸いな事にタコとは敵対関係にあり、タコを操って沈めたという訳ではないので、戦う必要はない。タコを倒したら自分の物だと主張しますがね。
さてどうしたものかと思いましたが、パラサが「とりあえずタコ倒してきて」と言っただけで素直に突撃します。結構イイヤツなのかも。
スイフリー「こらこら、自信はあるのか?」
ブルボン「自信?あったりめーでい。俺様は集落一の腕利きなんだぜい。サメとやっても楽勝だぜ」
グイズノー「ホオジロザメとでもですか?」
ブルボン「ホオジロ?は〜ん、あんなもんはへのかっぱじゃー」
どうやら以前のスイフリーと同じく無謀と慢心の精霊に憑かれてます。バルキリー憑きですね。ていうか柄悪(笑)
パラサ「マーマンについてるバルキリーってマーメイド・スタイルなのかな?」
GM「そんなことはない(苦笑)」
パラサ「下半身、魚のバルキリーってメッチャかわいいような……」
GM「そんなことはないと言っておる」
ああ、分かる気がする。あとクレアのマーメイド・スタイルなんて最高だと思います(マジ)。
今回もスイフリーの策で、彼を利用して荷物だけゲットするという作戦に出ます。まず戦闘を手伝い、勝ったらヨイショします。
あとフィリスが可愛いマーメイドに変身するという手段もありますが、どうやら彼には彼女がいるらしいんで多分利かない。
こうしてブルボンを加えて戦闘に入るのですが、ジャベリンは使わずいきなり肉弾戦です。男前〜(笑)
ブルボン「精霊なんて危なくなってから呼べばいいんだよ、たー!」
スイフリー「わたし、マーマンの性格ってあんなものだとは思っていなかった」
GM「特殊だよ、このマーマンは(笑)」
スイフリー「陸に連れていきたいわ(笑)」
1ラウンド目、パラサがブルボンのトライデントにエンチャント。古代語魔法に慣れていないのか、ブルボン君は驚いていました。
スイフリー「あなたの勇気がね、そのトライデンドに宿っているのです」
ブルボン「おーし、いったれ」←納得したらしい
続いてスイフリーが17点でジャベリンを撃ち込みます。これだけで生命点30が一気に20点まで減りました。
あとグイズノーが"ウィーク・ポイント"をかけます。これでより足を切断しやすくなりましたね。
続いて17でブルボンが攻撃して2点削りますが、ぶよぶよのクセに妙に固いとお冠でした。レベルが高いと防御点も高いから(苦笑)
フィリスは前衛の4人にプロテク。アーチーは4点、レジィナは7点削ります。これだけで残り7点、もう次には落ちそう。
最後にタコの攻撃ですが、8本の足を同時に使い、1人につき2本の足を出します。攻撃点14が当たると《締めつけ》が起きますよ。
これにはレジィナだけが1回失敗、絡みつかれます。打撃点は14なのでブロックしますけどね。挿絵でジタバタしてる彼女が可愛い。
これを解くには冒険者+筋力で攻撃点14以上を出さないといけません。レジィナの場合出目6以上だから、その内抜け出せるでしょう。
2ラウンド目、パラサがクリティカルして足を一本切断。しかも6点も削ったので生命点は残り1点となりました。
更にスイフリーがジャベリンで9点も削り、8点オーバーでタコを倒します。スイフリーだけで半分以上削ってますね。
こうして見事に勝利しましたが、当初の予定通りヨイショします。「い、や、あ〜、さぁすがですねえ〜」by.スイフリー。
しかしブルボンの方はすっかりバブリーズの強さに感心していました。いきなりフレンドリーだし、やっぱりイイヤツなんでしょうね。
未だに吸盤に吸い付かれて動けないレジィナよりは強いと、やっぱり慢心してますけどね。ていうか誰か助けてやれ(苦笑)
ブルボンはバブリーズを集落に招待してくれました。お茶はない(当然)けど、海草サラダぐらいは出るらしい。
ブルボン「俺様の恋人にも会ってくんねい。かわいい、マーメイドだぜい」
スイフリー「ほー、それはぜひ」
パラサ「いっぺん会いたいな」
ブルボン「俺様の恋人だって言ってんだよ」
同じ妖精でも異種族婚は無理ですよね。くっつけるのは多分人間とエルフとハーフエルフぐらいじゃないですかね。
パラサはともかく、スイフリーはクレアが上にいるのにね(思わせぶりに)。外づけモラル判断装置がこの場にいたらどうしていたやら。
そうして案内された場所は、なんとカストゥールの海上都市ウリュウです。魔力の供給が絶たれて沈没した所に住み着いてるらしい。
こういった事にはセージ技能だけでなく、バード技能の《伝承知識》でも判定可能です。こういった伝説めいた事もバードの範囲なんですね。
カストゥールの魔法都市には色々なものがありますが、こんな所にもあったんですね。間違ってもアトランティスでもムーでもレムリアでもない。
しかし既に集落は何者かの襲撃を受けた後でした。マーマンがお腹を上にしてプカーと浮いてるし。ちなみに傷跡は槍っぽい。
スイフリーは同じクセを持つ清松先生の金魚の名前にあやかって、マックと呼んでました。ていうか本当にそういう名前なんですか。
マック(仮)「ダーク・エルフに襲われた……」
パラサ「はとこー!」
スイフリー「わたしじゃない」
あ〜そういえばスイフリーの武器も槍でしたっけ。そういえばジャベリンの傷跡ってやっぱり槍っぽくなるんでしょうかね?
手当てをするとマックはダークエルフの6人組に襲われたと証言します。ちなみに海ダークエルフなんてのは確認されてない、中つ国にはいたけど。
ここにいるという事は、奴さん方の中にも最低6レベルの精霊使いがいるんですよね。大分強いダークエルフなんでしょう。
しかも水中だから"ミュート"も"サイレンス"も使えない。今まで散々魔法使いを無力化されたGMの恨みを感じる(笑)
★邪神のふりするスイフリー〜デイル、飛ぶ
敵は遺跡の奥へ向かったというので、どうしたものかと悩む一行ですが、そこで船上の船長さんから猫無線機で連絡が入りました。
別の船が見えたというのですが、それはダークエルフの指令船だろうと判断します。船を叩くか、奥の敵を叩くかですね。
この場合は自分のベースキャンプを潰されたらどうにもならないし、逆に相手のベースキャンプを潰してしまおうと海上に戻ります。
船に戻ってくると、マーマンのブルボンとクレアも交えて、戦力は8人になりました。でもNPCだからアイデアとかに期待できない。
あとクレアはダークエルフは必殺という態度です。ファリス信者としては当然の考えですね、天敵みたいなもんだし。
そういえばブルボンも沈没船の所有権を主張してるし、ここで恩を売っておけば問題なく積荷を回収できますよね
船長「ところで、アレ(マーマン)を食べれば不老不死になれるという噂があるんだが、知ってるかね?」
パラサ「デマデマデマ」
レジィナ「多分、おなか壊すと思いますよ、あれを食べると」←気持ちは分かる
グイズノー「それでしたら、もっと寿命が長いエルフにした方が確実かと」
フィリス「それもおなか壊すと思うなあ」←確かに(苦笑)
実はワールドガイドにもその事は載ってるんですよ、人魚の肉が不老長寿になるという噂に翻弄され、彼らを傷つけたという事実が。
それで本来は温厚で友好的な彼らが人間を恐れるようになってしまったのは、残念というしかない。全くのデマなだけに愚かさが際立ちます。
作戦ですが、お互いに姿が見えてるし、正面から突っ込むしかないですよね。他に何ができるかってレベルですよね。
あるとすれば、魔法使い達が相手の船の下に潜り、魔法で穴を開けて沈没させるという荒業ぐらいですが(十分です)。
木造船の船底がどの程度の防御点と破壊点がいくつか分かりませんが、電撃や炎や純エネルギー系なら防御点無視できます。
するとMAXの15点以上出れば穴を開けることも十分可能です。スイフリーのジャベリン(純エネルギー)なら期待値16だしイケそうですね。
ちなみに炎による攻撃で破壊し、なおかつクリティカった時には着火しますね。結構イケると思うんですが。
当然NPCのクレアとブルボンも正面から叩き潰す事しか口にしません。NPCがリーダーシップ取っちゃ駄目ですからね。
こうして正面から突っ込む事になりました。どうやらスピードには元から利があるらしいので、その内追いつける事になってるらしい。
そうなると相手の船は騒然となります。どうやら船長は人間らしいんで、ダークエルフが人間の船乗りを雇っていると見た方がいいらしい。
逃げようとする船長ですが、ダークエルフは許しません。「仲間が帰ってくればあんなもの蹴散らせる」と強気です。
「どうやって連絡取るんだよ」「大丈夫だそのうち帰ってくる」と、妙に豪快なダークエルフですね。
「嫌だよう」と子供みたいにゴネる船長がなんか可愛いですね。あと挿絵の操舵主もヒゲのくせに情けない顔でなんか可愛い。
そういった盗聴には"ウィンドボイス"を使うのですが、相手が動いているとすぐに効果範囲から出ちゃいそうですよね。
次にスイフリーは盗聴だけでなく、相手を誘導するのにも"ウィンドボイス"を使います。挿絵で操舵主の辺りにスイフリーの顔が見えますね。
スイフリー「我は海の神ミルリーフだ。我は怒っておる、その黒き肌のものを我の領域たる海にもたらしたことを」
よりにもよってヤバイものの名前を(苦笑)。しかも生贄に捧げろとか、あわよくばクーデターを起こさせようとしてるし。
しかしダークエルフはすぐにカラクリに気づきます。冷徹で豪快なダークエルフですね、挿絵では妙にガタイがいい気がするけど。
その後もスイフリーは野村監督のように囁いて動揺を誘います。まったくその辺のダークエルフよりも質が悪い。
"ウィンドボイス"を使う上では、彼我の間に風の通り道が必要ですが、こういった海の上の甲板なら問題なく届きますからね。
お互いに見えていないと流石に難しそうですけどね。そこで船長はダークエルフの指示で見えない所に避難します。
すると今度は身動きできない操舵主をターゲットにします。「面舵」と囁き、ドンドン船を接近させる隙を作ります。
100mまで接近するとレジィナが珍しくクロスボウを発射しますが、敵は"ミサイル・プロテクション"をかけてるので当たりません。
これと対抗/消滅の関係にある"シュートアロー"を撃ち込んでやれば、一発で解除できますけどね。
あと舳先にはパラサが立って「へい、オレに魔法かけてみな!」と挑発します。精神抵抗も回避力も高いから、囮要員には格好です。
更に30mまで接近すると魔法の範囲です。ここからは多分戦闘ラウンドに入ります。
1ラウンド目、パラサはお馴染みカンタマ〜。全員にかけると8倍拡大なんですが、何処までを範囲にしたやら。
スイフリーは"シュートアロー"で"ミサイル・プロテクション"を相殺。達成値は存在しないので無条件に無効化できます。
17(平均より2遅い)でダークエルフ、なんと7レベルの"バルキリー・ブレッシング"をかけやがります。これで50点までダメージ吸収。
次にフィリスが距離2倍拡大"ファイア・ボール"を敵船のマストへ。これで帆は炎上し、敵船の乗員も大あらわです。
最後に行動を遅らせた?ブルボンがジャベリンをダークエルフへ。相手はダメージ減少できないので、ブレッシングを14点かそこらは削れた筈。
船と船の間の相対移動速度は15らしく、15mまで接近します。このラウンドの終わりには衝突する。
2ラウンド目、パラサは衝突に備えて足を踏ん張る。スイフリーは達成値10倍拡大"デストラクション"をダークエルフへ。達成値は27!
旧版では効果が及んで魔法を使えなくなるのは次のラウンドになるので、このラウンドでは使えるんですよね。
でも完全版だとそのラウンドの残り+次のラウンドいっぱいの間効果が及びます。つまり敏捷度が高い方が有利なのです。
するとダークエルフは"ウィンド・ストーム"を使用します。達成値18ってまた高いですね。魔力10とすると出目8だからそんなでもないけど。
抵抗できないと転倒した上に匍匐前進(静止と同じく3m)でしか動けず、成功しても移動速度が半分になる。流石に風の精霊王の魔法です。
失敗すると攻撃・回避に−4で、成功しても−2ですが、これって竜巻の内外によっては変わりそうですよね。飛び道具とか当たりそうにないし。
効果範囲は10mなので、匍匐前進する場合は中心にいたとして4ラウンドもかかりますね。その間毎ラウンドダメージを受けるし。
ただ打撃力はたったの10なので、敵の魔力が10あってもそうそう致命傷にはなりません。しかも船が動いてるからすぐに脱出できるし。
皆なんとかこれには耐えるのですが、デイルは耐えられませんでした。抵抗とダメージ減少には主人のレベルが使えるけど、生死判定です。
10点ダメージで5点減少して丁度0。生死判定にもレベルが使えるので生命抵抗は5ですから、1ゾロ以外は生きている。
こうして命は助かったのですが、10kg以下なので吹っ飛ばされます。挿絵では分かりにくいけど、奥の方に吹っ飛ぶデイルがいますね。
あとブルボンがもう一発ジャベリンをダークエルフに撃ち込みますが、まだ光は消えません。
最後に船が衝突します。冒険者+敏捷度で12の転倒判定をしますが、既に倒れてるレジィナとかには関係ない(笑)
アーチー「あちらは火がぼうぼうで、こっちは暴風で帆がびりびりか。スペクタクルだな」
あと船の移動速度を考えて、とっくに"ウィンド・ストーム"の効果範囲からは出ています。という事は後方で局地的竜巻が起きてるんですね。
3ラウンド目、ついに接舷したのでアーチー、レジィナ、パラサの前衛組は突撃。フィリスは"フライト"でデイル回収に飛び立とうして1ゾロ。
スイフリーの"シュートアロー"とブルボンのジャベリンで、ついにブレッシングは消滅。ダークエルフは"デストラクション"効果で魔法はなし。
4ラウンド目、パラサがまさかまさかのクリティカル20点斬りで、ダークエルフを一撃で沈めます。呆気なく戦闘終了。
ダークエルフの生命力の平均はエルフと同じく9.5で、筋力は5.5です。防御力6で3点止めると、計10点ブロック。確かに倒れそうですね。
あとフィリスは未回収のデイルの救出をブルボンに頼みます。放って置くと噂のホオジロザメとかに美味しくいただかれそうです。
★軍師スイフリー、痛恨のトイレ休憩〜報酬のインフレは留まらず
ダークエルフの話から、どうも潜ってる連中は魔法装置を狙ってるらしい。具体的な能力は不明ですが、渡す訳にはいきませんね。
都市を浮かせていた装置ならば、魔力の塔がない今まともに動くかは謎です。魔力が絶たれて沈没したんですから、その魔力をどう調達するか。
パラサ「おーい、マーマン、ダークエルフの行った場所、予想がついたら案内してほしいんだけど?」
ブルボン「任せときな、はとこ」
パラサ「妖精はみんなはとこかい!」
スイフリー「いや、マーマンとエルフは兄弟だ。グラスランナーだけ遠いのだよ、はとこの子よ(笑)」←そんなに遠ざけたいのか(苦笑)
今回はクレアも一緒に潜ります。またスイフリーが魔法をかけて、総勢8人になったパーティーは深海へと急ぎます。
すると底の方からシードラゴンの死体が浮いてくるではないですか。どうやらダークエルフ軍団と戦って敗れたらしい。
シードラゴンは8レベルの亜竜です。体力不足のダークエルフだとまともに戦ったら大怪我しそうですが、勝ったんですね。
牙の打撃点が19とかですからね、敵が8レベルで鎧で3点止めても8点とか来るし。更に尻尾まで食らったら普通に生死判定でしょうね。
敵は全員男だと思われるので、怪我を治せる人はいないと思う。闇司祭がいる可能性はありますが、確認できませんでした。
ちなみにシードラゴンは大ダコと並んで船乗りに恐れられますが、やってる事は船を沈めるだけでタコと大差ない(笑)
グイズノー「魔晶石を敷き詰めた廊下とか出てきてほしいですね」
レジィナ「古代の造幣局ってないかな?」
カストゥール王国では魔晶石は通貨でしたからね。という事は当時の物価は魔晶石で何点って数えられてた訳ではないんですよね。?
いえね、通貨というのは価値の尺度になり、交換手段になり、価値を保蔵できるからこそ通貨なのであって、魔晶石で不便はないのかとね。
魔晶石で何点というのはあくまでもゲーム的な処理であって、実際に精神力を数値で表せるか疑問だし、価値を表すにも賃金にするにも不便かと。
そもそもどういった経済が営まれていたのかすら謎ですよね。貴族や蛮族はどう関係していたのか、支払いの際釣りがあった場合どうするのか。
精神力を消費せずに魔法を使える点では貴族には便利かもしれませんが、魔力の塔があれば無意味だし、魔法が使えないとその利用法はないし。
ここで我らが軍師スイフリーはトイレ休憩に行ってしまいました。これがまた痛手になるのですよ、誰も警戒を呼びかけないんです。
案の定《不意打ち》判定ではレンジャー技能の低さも災いし、不意打ちを受けます。多分警戒してないから−4とかだったんでしょうね。
スイフリー「はあ!?わたしがいない間に何が起こったんだ?警戒はしてなかったのか」
してませんでした(沈痛な面持ち)。
敵はダークエルフ♂×6です。このうち5人はシャーマン/ファイター6であり、1人は何とシャーマン/ファイター8もあるんですよ。
ダークエルフの中でもきっと精鋭部隊ですよ、これは。8レベルってあのパーンやディードと同格ですよ、きっと部族の勇者とかですね。
という事は船の上にいたヤツはシャーマン/ファイター7だったんでしょうかね。レベルからするとこの部隊の副隊長とかでしょうか。
この時点で全員精神力は19点(MAX)あります。ただし魔晶石はさっきのシードラゴン戦で使い切った事になってますね。
すると6レベルのヤツはジャベリンを最大3発撃てて、8レベルのヤツは4発も撃てるんですよね。しかも魔力は9と11だし。
ふと思ったのですが、彼らはもしかしたら敏捷度が平均から−2で、精神力は+2なんでしょうかね。つまり数値が入れ替わってる。
ダークエルフの平均能力はエルフと同じで、敏捷度19の精神力17ですが、彼らは敏捷度17で精神力19と思われるのですよ。
もし敏捷度19のままだったら、グイズノーの回復が間に合わない(同時だと回復系は遅れる)ので、清松先生が両数値を入れ替えたとか。
これならシードラゴンも何とかなりそうです。一応ファイターでもあるなら攻撃は全部避けたか、受ける前にジャベリン斉射で即死させたか。
6レベルの手下のジャベリンは、抵抗を破って7振れば16だし破れなくても14。8レベルのリーダーは18/16点ですからね。
仮に全部に抵抗したとしても、6点×5と8点×1を食らえばダメージは38点にもなります。シードラゴンの生命点は35ですね。
1ラウンド目、ダークエルフ軍団は6人とも"バルキリー・ジャベリン"を使用します。これで手下は残り14点、リーダーは残り15点。
難を逃れたのはパラサとブルボン。グラランは普通怖くないし、ブルボンのようなマーマンは集落では怖いのはいなかったから。
この結果アーチー、レジィナ、グイズノー、スイフリー、クレアは大ダメージを受けますが、まだ生きています。
しかしリーダーからジャベリンを食らったフィリスは20点ダメージを受けて生死判定。でも生きてます、ピタリ0なら1ゾロ以外生存。
2ラウンド目、パラサは遅ればせながら8人にカンタマ。これで精神抵抗10前後になるから、何とか抵抗できなくもない。
ただフィリスだけは相手の魔力が高いから、抵抗の目標値が18なんですよね。精神抵抗はカンタマ込み9だから、出目9。厳しい。
一方精神抵抗が11もあり、カンタマで13にもなるパラサは楽なもんです。抵抗の目標値は16だから、1ゾロ以外は抵抗できる。
スイフリーはお馴染みのインビジ・エスケープ。スイフリーにいく分のジャベリンはブルボンに回りました。このラウンドはキャンセルですが。
グイズノーはキュアー対象6倍がけ。でも姿を消したスイフリーにはかけられません。この場合は実行かキャンセルかですが、実行するしかない。
結果として1点ほど無駄に消耗しますが、そうしないと回復しない状態で食らいますからね。数人死にますよ。これで10点ぐらい回復した筈。
続けて推定17(上のダークエルフと同じなら)でダークエルヴズがジャベリン斉射。手下は残り9点(1人は14のまま)、リーダーは残り11点。
今回も死者は出ませんが、フィリスはまた生命力0で生死判定。プカプカ浮いてます。抵抗失敗したけど、出目4〜5でたったの15点だったから。
もういっそ逝った方が楽なんじゃないかという気がしてきました、お金はあるし。でも法王が助けてくれるか疑問なので、もうちょっと頑張れ。
アーチーはリーダーに攻撃しますがハズレ。リーダーは回避力が推定11ですからね、アーチーの15とかじゃ当たらない。
レジィナは手下に17と言って攻撃しますが、回避力推定9の手下は出目8以上振って回避。ブルボンもハズレだし、ゴリ押しは通用しないか。
最後にクレアが行動を遅らせてキュアー。スイフリー以外はほとんど全回復します。プリーストが2人いて良かったですね。
3ラウンド目、パラサは自分とレジィナとクレアにエンチャント(ブルボンは?)。スイフリーはパス。グイズノーはフィリスを全回復。
そしてダークエルヴズはまた斉射。これで6レベルの手下は残り4点でもう使えない(1人はまだ9点)。8レベルのリーダーは残り7点。
フィリスは今度は根性で抵抗しますが、GMが6ゾロ振ってまた生死判定。抵抗してなかったら30点近くきて死んでましたね(苦笑)
戦士たちは今度は当てていくのですが、レベルが高いのでなかなか倒せない。クレアがキュアーしてまた命を繋ぎます。
4ラウンド目、パラサはアーチーと同じくリーダーに攻撃してハズレ。スイフリーは姿を現し、"シェイド"をリーダーへ。
これでリーダーは5点も削られて、残り2点です。流石はスイフリー、ここまで計算して今まで沈黙を守っていたのです。
グイズノーはまだ怪我をしていたフィリスとブルボンへキュアー。実は苦しかったのはここまでで、この辺から勝機が見えてきます。
次のダークエルヴズですが、ジャベリンではなくウィスプになってます。これで手下は残り3点(1人はまだ使えるかと)、リーダーはキャンセル。
打撃力10のウィスプでは、抵抗できなくても7振って3点、魔力と合わせて12点ですから、とてもではないけど倒せません。
そしてブルボンの攻撃の後、この戦闘初めてのフィリスの番が回ってきます。既に怒り心頭、どう始末してくれようかという雰囲気です。
案としては"サプレス・エレメンタル"ですね。これで水の精霊力を止めてしまえば、ダークエルフ達は窒息して水圧に潰される(エグ)。
しかしこの魔法は効果範囲が半径5mあるので、接敵してるアーチーやパラサも同じく海の藻屑になってしまいますね(苦笑)
そこで普通に"ディスペル・マジック"する事にします。これを個人対象としてかければ、仲間を巻き込む事はない。
ただ達成値の比較は必要ですが、それでも対象が魔法なので精神抵抗+4の恩恵は入らない。サプレスでも達成値の比較は要る(と思う)し。
フィリスは魔晶石と自分の精神力を併用?し、対象6倍&達成値4倍拡大"ディスペル・マジック"でダークエルフの魔法を打ち消します。
なんと精神力24点消費ですよ。これでフィリスの魔力は7+3で10になりますね。解呪の目標値が18あっても何とかなります。
こうしてダークエルヴズは海の藻屑になりました。"ミュート"などが効かない水中ですが、水中だからこその戦術ですね。
挿絵がまた素晴らしい。唖然とした顔をするアーチー、レジィナ、パラサと、サディスティックな女王様の顔のフィリスが最高(笑)
ただフィリスは大分服がヤバイ、ジャベリンを何発も食らいましたからね。ていうか見えてるし。あと至って無表情のクレアに恐怖を覚えた。
見事にダークエルブズを屠り、金塊とフレアストーンをサルベージしたバブリーズは、カルプラス伯から報酬を貰います。
魔法装置についてはヤバそうなので、国で引き取ってもらう事にします。その代価はなんと城。伯爵の持っていた城を譲ってくれるんです。
スイフリー「沈没船から荷物を引き揚げた報酬は別にもらいますよ。そういう約束でしたから。フレアストーン一掴みほどで結構です」
カルプラス「勝手に持っていけー!」
……ついにお城を貰っちゃいましたよ。ここまで来ると冒険者としては一つのゴールじゃないですかね。
★
前回の最大障害は8レベルのダークエルフだったので、基本経験点は過去最高の4000点です。アンデッド・ナイトの時は半分だったから。
今回の成長はスイフリーがファイター1→3。本業の精霊使いではなく、白兵戦能力を向上させようと思ったらしい。
フィリスはレンジャー1→3。レンジャー技能は確かに伸ばした方がいいんですが、最も経験点がキツイ魔術師だと更にキツイ。
グイズノーはファイター1→2、セージ5→6。ついに本業を追い越しちゃいました。ラーダだから、そういうのもアリだと思いますけどね。
しかし魔法使い達は本業はもういいんでしょうかね。伸ばしにくいからと他の技能を買うのは結局は経験点の無駄で、貯蓄も必要ですよ。
前回の報酬ですが、フレアストーン一掴みだけでなく、魔力+2のグレソー(16)も手に入れてます。これはレジィナ用ですね。
そしてそれ以上に凄いのが城!ついに城持ちですね。レベル的には妥当だし、冒険者が城を手に入れるのも異例では決してないんですがね。
それでも城って凄いですよね、他のSWリプレイでは見られない事ですよ。城持ちのレベルまで達したのはバブリーズぐらいだから当然ですがね。
★さまざまな再会
ついに一城の主となったバブリーズですが、領地や領民を貰った訳ではないので、貴族ではないんですよ、まだね。ただ住居として貰っただけ。
城の名前はバブリー城にすると消えてなくなりそうで縁起が悪いので却下。貧乏な時期もあったのでキャッスル・わらしべです。
あるいはストローウィック城です。こちらの方がそれっぽくていいですね。キャッスル・わらしべだと何かチープで。
ここの挿絵がまたいい。アーチーとフィリスなんて、若城主様とその奥様って感じですよ。あとちいさいレジィナ以下4人はその子供って感じ。
レジィナ(どん!と机を叩く)「座長さん一家を迎えにいくぞ!」
この城ならばトップを飼っていても問題ない。現在田舎暮らしをしてるであろう座長さん達ですが、こっちの方がくつろげそうですよね。
普段あまり前に出ないレジィナですが、リズちゃんやトップに関しては本当に真剣ですよね。ちょっと嬉しいですよ。
虎ならガーディアンになりそうですが、トップは優しい虎ですからね。ちょっと向かないと思いますが、判断するのは侵入者です(張子)。
こうしてバブリーズは座長さん一家の足跡を辿りつつ、久しぶりにオランへと戻りました。そういえば店にお金を預けっぱなしだし。
するとソーミーに入った所で、1人の男の存在に気づきます。背の高い優男でした。気づく為には冒険者+知力で16と、やたら高い目標値でした。
後で分かる事ですが、彼は7レベル盗賊であり、敏捷度+2なんですよね。基準値9に期待値7で16、恐らくは《潜伏》とかでしょう。
これに気づいたのはフィリスとグイズノーのみ。どうも彼はフィリスを見てるようですが(間違っても破戒坊主ではない)、この場はスルーです。
既に金持ちチェックを始めてるフィリスは恋愛と結び付けようと乙女ビジョンを全開ですが、怨恨から考えるスイフリーはやっぱりドライ。
どんな顔で見てたのかにもよるでしょうね。憎々しげに見てたら今までと同じく恨みや敵意なんですが、どうもそうじゃないらしい。
GM「憎々しげということもないし、頬赤らめてということもない。そうだなあ珍しいものを……」←大・爆・笑
フィリス「それっとひどい」
GM「いや、そうじゃないな。えっとね、懐かしいものを見るような感じだった」
レジィナ「デイルの昔の飼い主とか」
フィリス「そうかもしれない。取ってきた猫だからな」
勝手にその辺の猫を使い魔に仕立てると、飼い主から引き離しちゃう事もありそうですよね。特にネイラードとか(いや野良もいるけど)。
やがてとある田舎村に座長さん一家らしい家族の情報を得ます。街道から2〜3日奥まった場所という事は大分田舎なんですね。
となると往復で1週間近くかかるかもしれないんですよね。でもオランまでは往復20日と待ち時間が長いので全員で行きます。
そしてその村に行ってみると、座長さん一家発見。テントを張ってトップを隠し、レジィナから貰ったお金で食い潰してるらしい。
挿絵のレジィナとリズちゃんは可愛らしいんですが、何やら私の知らない作品のパロみたいなんですよね。当時のジャンルコード20って何さ。
レジィナ「でね、座長さん。わたしたち、アノスでお城を手に入れたんですよ」
ハーリー「ええええええ!?」
そりゃあ驚きますよね。お城を手に入れたって、いつの間にそんな大出世したんだって思いますよね。
そこで座長さん一家もトップも皆一緒にお城に招く事を提案します。扶養家族ではなく、ブラウニーの代わり(使用人)としてですが。
これには座長さん達もよろこんで了承します。これから始まる新しい生活に思いを馳せながら、帰り道に合流する事を約束してオランへ向かいます。
アーチー「よし、実家へ久しぶりに顔を出そう。お父さん、お久しぶりです」
アーチー父「やあ、久しぶりじゃないか」
アーチー「実は、わたし、アノスで城を手に入れましてね」
アーチー父「ええええ!?じゃあ、アノスへ引っ越すのかね?うちの財産はお前に継いでもらわなければならないんだが」
やっぱり驚くか。城を手に入れただけでなく、莫大な財産までも相続しないといけないなんて。何処までブルジョア属性なんだこの男(苦笑)
まぁモラトリアムしてた頃を思えば、きっとご両親も安心してますよ。あとはお嫁さんですが、急いで事を進めてもロクな事にならないし。
そして冒険者の店でお金を引き出し、魔晶石も補充。グイズノーはまた神殿に献金しますが、飛ばされた人を戻すよう交渉してやれ(笑)
あとアーチーは自分の書斎用の家具を購入。家具ってアンタ、それだけで一体何万ガメル使ってるんですか。
GM「どこで買っても同じだろ?」
アーチー「いや、やはり慣れ親しんだ形のものがほしい」
グイズノー「故郷を思い出すこともできますしね。どうせお金は売るほどあるんですから」
そのセリフ、食い詰めているであろう一般的な冒険者の皆さんが聞いたらひんしゅくものですよ(苦笑)
あとこの家具ですが、まさか陸路で輸送って事はないですよね。グロザルム山脈には石段がありますし、流石に無理っぽいですよ。
そこで私はオランから海路を使ってアノスまで運搬するのではないかと推測しています。多分王侯貴族とか商人もそうしてると思う。
石段以外にあの山を越える術があるか分かりませんが、無理に山中を通らずに、無難に沿岸を船で行ったほうが楽でしょうね。
最後にフィリスは久しぶりにお父さんに会っておきました。一体どれだけ家を出ていたやら、きっと心配してますよね。
娘が帰ってくると凄い嬉しそうだったお父さんですが、娘はまた出るって言うし、辛いですね。
手紙を書こうにも、デイルに運ばせるのは無理ですよ。片道1月はかかろうかという行程ですよ。使い魔とのコネクトも切れるし。
かと言ってお父さんの使い魔(カエル)に運ばせるのはもっと無謀です。野犬に襲われたらイチコロですよ。名前はやっぱりケロぴょんかな(笑)
だからフィリスはお父さんとは違う生き物を使い魔にしたんですね。まぁデイルは限りなくカエルっぽい猫なんですが。
フィリス父「そうか、また行っちゃうのか……」
フィリス「まあまあ、結婚したら知らせるから」
フィリス父「する前に知らせろー!」←やっぱり大・爆・笑
うわ、酷い娘。親に心配かけっぱなしな上に、結婚式にハブられるなんて哀れ過ぎて涙も出ません。良い子も悪い子も見習っちゃいけません(笑)
★マイキャッスル・ドリーム
オランでの用事も終えたバブリーズは、帰り道に座長さん達と合流し、アノスへ戻ります。目指すお城はファーズから1週間の位置にあります。
グイズノー「着いてみたら、ぺひゃら〜へろへろへろ〜なものだったらどうしましょう?」←お馴染み素敵な擬態語
パラサ「そんなことはないっしょ」
スイフリー「そういう人を騙すようなやつは邪悪なり、だな」
そうか、アノスにはそういう利点もあったんですね。頭が固い代わりに、決められた約束は絶対に違えない人達なのかもしれません。
案内してくれるのは伯爵の使用人。曰く、城は以前は狩りに使ってたらしい。ただ当人が年を取るわ大臣になるわで、もう使ってないだけ。
沼地に小高く土を持って作られた城で、水鳥が多い。城壁は円形で、直径1kmあるらしい。つまり敷地の円周は3km強もあるんですね。
計算してみると、その敷地の広さは東京ドーム17個分ですね(お約束の単位)。広い、使ってないとはいえこれは凄いですよ。
スイフリー曰く、守り易く攻め難いよい城のようです。沼地ですもんね、攻城兵器も足を取られそう。でもリザードマンには無力(出ません)。
GM「領地をやった覚えはないぞ」
スイフリー「勝手に村人がそう思うに違いない。で、働かせているうちに、それは既成事実になるのだ」
多分この辺の土地や村は伯爵の領土だと思います。その一部を勝手に使わせてもらってるだけ。分譲してもらった訳じゃない。
まぁ城に住んでるのだから、村人もそれなりに敬意を払うんじゃないですかね。爵位も騎士位もなくても、大富豪ですし。
城は長い事使ってなかったので、あっちこっちを補修しないといけないようですが、これって自腹でしょうかね。自腹なんでしょうね。
でも村人を借り出して働かせちゃうからそんなにかからないかな。徴税権はないんですが、用心棒ぐらいにはなってくれるし、いいかな。
★こけら落としで大事件〜カルプラス伯の容疑は?
お城の修復作業もまだ済んでいませんが、どうやら例の音楽堂が完成したらしく、こけら落としにお呼ばれしてしまいました。
エライセンと伯爵の連名でわざわざ手紙をよこしてくれたんですよ。気づいてみれば強いコネができたもんです。
演目は当初の予定通り、エライセン作曲の交響曲やファリス聖歌などです。とにかく最後まで荘厳らしいけど、寝ないように頑張ろう(笑)
聖歌ってやっぱり聖歌隊がいるんでしょうかね。オッサンとか混じったプロっぽい集団なのか、少年少女のみの愛らしい団体なのか。
当然そういう席だから正装しないといけません。女性陣はドレスで、アーチーはやっぱりスーツなんでしょうかね。でもスーツってあるのか?
グイズノーは本来なら立派な神官服とかがいいのかもしれませんが、アノスでラーダの服というのはちょっと肩身が狭いし(苦笑)
フィリスはフレアトーンで指輪などを作ったらしい、後の短編集でもつけてましたね。パラサはなんか七五三のお坊ちゃんみたいな格好に。
スイフリー「わたしだと、あれだな。トンガリ帽子にトンガリ靴履いて、革のマント、肩から革のベルトで矢筒を背負って、手に弓を持つ」
正装というか、よりエルフっぽい格好ですね。レゴラス風というか、童話風な。ていうかエルフに正装なんてあるんですか。
音楽堂は石造りの立派なものですが、カーテンを多用していてそうと感じさせない内装です。こういうのも建築の範疇なんでしょうかね。
バブリーズは伯爵の隣の席を用意されていて、VIP席に法王の姿まであります。思ったよりも凄いイベントになってますね。
指揮棒を振るうのはやっぱりエライセン。音楽家だと聞いてはいましたが、そんな事もできるんですね。なかなか多芸な人です。
そういえばアーチーは音楽が嫌いとかいう設定がありましたが、変調を許さないこういうのはOKらしい。嫌いなのはグラランが歌うようなやつ。
ここでスイフリーがセージ技能を使って、エライセンの腕前を見てみました。セージにはこういう使い方もあるんですね。
達成値は15と結構高めでしたが、エライセンの作曲家技能の達成値はそれ以上あったらしいので、少なくとも15の出来栄えだと分かりました。
作曲家という事は、コンポーザー技能といったところですかね。達成値15以上という事は、これはかなりいい出来栄えなんですよね。
そういう風に進んでいくプログラムでしたが、ある時騎士団(多分光の騎士団)が入ってきて、カルプラス伯爵を逮捕してしまいます。
伯爵は身柄を拘束され、全財産権を停止されてしまいました。つまり彼が本当に有罪なら、お城も取り上げられちゃうんですね。
あくまでも口約束で伯爵の領土の一部と城を使わせてもらってるだけですから、財産が没収されると城もなくなっちゃいます。
この事は伯爵は当然ながら、エライセンも法王も予想してなかったらしく驚いてます。エライセンなんて可哀そうになるぐらい固まってるし。
しかしこれは大事件ですよ。一国の大臣が、公衆の面前でおロープ頂戴ですよ。一国の重臣にここまで恥をかかせるとは、この国はやっぱり怖い。
法を犯した者、正義に反する者は、どんなに偉くても容赦なく裁く。ちょっとだけ今の日本でも見習って欲しいかもしれない。
流石に騎士団長からの説明があるのですが、具体的な罪状は明かしてくれませんでした。ただ罪が確定し次第財産は停止から没収へシフトします。
しかもこの音楽堂も伯爵の所有物なんですよね。このままではバブリーズもエライセンも、折角手に入れたものが取り上げられてしまいます。
こうなってしまうと他の人々は帰るしかありません。下手に噛み付いてもロクな事になりませんからね、公務執行妨害とか言われそうだし。
こういう時はクレアとか居てくれると色々聞けるのですが、既に停職は明けたとはいえ、招待はされてないんですよね。
サルベージには確かに貢献したんですが、停職中の行動は評価できない。そういう事をすると政治上のライバルにエサを与えるだけだし。
政治的には至極真っ当な判断なんですが、既に無意味な判断に成り下がりました。本人がパクられたらそれまでだし。
硬直してるエライセンにも話を聞くのですが、やっぱり罪状は分かりません。伯爵本人ですら全くの予想外といった顔でしたし。
エライセンもやっぱり貴族の筈なんですが、政治は嫌いで自分から避けてたからそっち方面には疎いんですよね。そして今は芸術オタクと。
詳しい事を聞こうにも、伯爵の側近も今頃は芋づる式に捕まってそうですから、自分達で捜査するしかありませんね。
エライセンはエライセンで独自に調べるそうなので、こちらも同じく捜査をして、後で情報交換です。まさかこの人と共同戦線を張るとは。
★ファリス神官かく語りき〜冒険者、だるま状態(手も足も出ず)
カルプラス伯爵の無罪を証明しないと城はバブルの泡のように消えてしまう訳ですが、本当に伯爵が無罪なのか、というとよく分からない。
「あの人は無罪です!冤罪なんです!」と庇ってやるほど知らないし。ただ私服を肥やしていたのは確かなんで、全く胡散臭くない訳でもない。
調査を始めるに当たって、このファーズで数少ないコネにして知人であるクレアを尋ねてみる事にしました。
パラサ「じゃあ、姉ちゃんに会いにいくにゅ」
レジィナ「嬉しそうね」
パラサ「めっちゃ好みやもん。ちょっと手足が長すぎるけど(笑)。あれで、手足が短ければもっといいのに(爆笑)」
あの顔でグラランのような等身だと流石に嫌ですよ。金髪美人のイメージが音を立てて崩れ去る(笑)
ちなみにグラスランナーの恋愛感ですが、ああ見えてちゃんと恋をする事はあるんですよ。ただ人間とはちょっと違ってますが。
夫婦ならば、お金が必要ならば何かして稼ぐし、狩りで自給自足したりもする。「牧歌の国の魔法戦士」を読むとあまり貞操は気にしないらしい。
子供が育つまでは一箇所に留まる訳ですが、成長してしまえばお互いどうするも勝手。グラランは基本的に定常を好まないんで。
しかし血の繋がった家族でもそうして離散してしまうのはちょっと悲しいですよね。まるでドラゴンボール家族ですよ(笑)
クレアの家ですが、パラサが既に調査済みです。それって一歩間違えるとストーキングですよね。屋根裏を散歩してたりして。
もしこの事件がキチンとした捜査を行っているものならば、クレアも情報はバラせませんよね。ていうか騎士団によるものなら彼女は所属が違うし。
友達のよしみ、というのが通用するかも微妙です。友達でも法に反する事はしないでしょうし。ただ彼女は変わりつつあるようですが。
クレアですが、神殿に泊り込みです。という事は実家は他にあるのか、遠国かもしれませんがね。街っ子という気もしますが。
才覚ある者は、他の地方からファーズへ修行に来たり赴任したりしますからね。多分外国出身の人もそれなりにいると思う。
スイフリーなんて、呪いは解かれたものの、あまり良い顔はされない気はします。門前払いはされないと思いますがね。
スイフリーが呪いにかかっていた(過去形)事は、一連の事件で知られてるでしょう。それもこれも、クレアが停職3ヶ月になった代償。
パラサ「ひょっとして、あの件って、はとこは丸儲けで、姉ちゃんがワリ食ったのかな?」
スイフリー「よく気がついたな、はとこの子よ」
流石はスイフリー、転んでもタダじゃ起きませんね。クレアにも責任はあったとはいえ、邪悪判定してなければこうもならなかったでしょう。
運命の分かれ道というのは、振り返ってみれば確かに存在するんですね。この白粉エルフにノータッチなら、出世してたでしょうに(苦笑)
クレアを尋ねてみると、彼女の部屋に入れてもらえました。パラサがゴロンゴロンと喜んでましたよ、分かる分かる(笑)
挿絵のクレアはなんか普通のお姉さんって感じでいいですね。丈の短いスカートと長袖が一緒になったような黒い服がよく似合う。
その後ろでクッキー的なものをモシャモシャ食ってるスイフリーを見ると、なんか若いカップルみたいで(なにそのフィルター?)。
この際横にいるレジィナとか、後ろで何かしてる破壊坊主とか、タンスを空けて下着をパクろうとしてる?グラランは無視の方向で。
あと手前に紐でスイッチオン・オフするような電気スタンドがありますが、きっとこれはそういう外見のランタンかなんかなんですよ、多分。
さてクレアに本題を聞いてみると、カルプラス伯爵には不正を働いて私腹を肥やしてるという噂があった事を教えてくれます。後者は事実ですね。
そして先日、街で起きた喧嘩騒動で当事者を捕まえてみると、なんと彼はオランのスパイで伯爵が情報提供者だと供述したのです。
更に伯爵の屋敷をガサ入れしたところ、オランからの密書が発見されて逮捕と。これが伯爵のスキャンダルの概要です。
それじゃあ不正どころか売国奴ですよ。ていうかこの場合だとバブリーズが繋ぎみたいじゃないですか、オランから来たんだし(苦笑)
スイフリー「この目が悪人に見えますか?」
パラサ(ぽそっと)「見える」←ごめんスイフリー、庇えない
スイフリー「えーい、黙らっしゃい。見えるのですか?さあ?」
クレア「あなたは邪悪ではありませんでしたね」
どうやら本当に邪悪ではないと認めてくれたらしい。彼女の性格から言って、そういった事には嘘はつかないでしょう。本当にそう思ってるらしい。
現在は伯爵の釈明などはまだ不明です、パクられたばかりだし。政敵を考えると、相当な数がいると思いますしね。
アーチー「ただ、あんな強硬な手段を使う以上、検察側は相当な自信を持っているようだったから。案外、事実かも」
スイフリー「いや、それは逆かも。相手の無防備な状態を奇襲するというのはいい手だ」
アーチー「捕まえておいてから、ゆっくり証拠を捻り出すと?」
スイフリー「あの場面で捕まえるというのは、劇的な効果を狙ったフシもある。風聞が広がるでしょ?それが大きい」
流石は二大巨頭、推理小説やサスペンスドラマみたいな会話です。スチャラカ冒険隊の和気藹々とした空気が懐かしい……(遠い目)。
スイフリー「わたしが政敵を潰すなら、やはりああいう手段を取る」
グイズノー(ボソボソ)「やっぱり……」
パラサ(ボソボソ)「はとこって……」
2人(ボソボソ)「邪悪……」
邪悪かどうかはともかく、この男だけは敵に回すまい、と誰もが思うでしょうね(苦笑)
伯爵が失脚したとして、次の財務大臣は副大臣のアードウォール伯爵という線が濃厚です。ぶっちゃけ空気キャラですが。
もし政敵に陥れられたという話ならば、なにかにつけて対立していたそっちの伯爵が怪しいけど、まだ根拠なき憶測ですね。
捕まったスパイは牢屋です。流石に学習したのか、今度はトンネルを掘って脱出なんて、昔の漫画みたいな事は無いよう見張ってます。
するとオランとアノスの仲が悪くなりますね。そこでスイフリーは早速"指し手"ルキアルの謀略である事を推測します。実は正解、流石です。
伯爵が無罪だとするならば、それによって利益を得られる人が黒幕だと考えるのが妥当ですからね。推理の基本かもしれませんね。
「そういう考えかたもあるのですか」と驚いたような感心したようなクレアがちょっと可愛かった。そういう発想は案外ないのかもしれません。
色々推理したものの、伯爵の無罪を証明するにも話が大き過ぎるんですよね。伯爵を脱出させたとしても、無罪を証明できないと無意味です。
ていうかそもそも伯爵が無罪かどうかも分かりませんからね。分からない事が多すぎて動けない、トップの時と一緒ですよ。
推理モノはなんでも情報の出し方が難しい。推理するのは所詮PLだし。実際推理小説を読んで先に解決できちゃう人なんて稀だと思う。
そこまで本格的なミステリーではないんですが、それでもやっぱり単純に敵を倒せばいいだけのゲームよりも、遥かに頭を使いますよね。
スイフリー「事実は調べよう。もし、無実ならかわいそうだからね」←えっ!!?
グイズノー「えっ?今、何と言いましたか、スイフリー?」
スイフリー「彼が白なら我々の城も無事。その上、裏に潜む事実を突き止めれば、カネにもコネにもなろうというもの」
グイズノー「ああ、よかった。病気になったのかと思いましたよ」
そこまで信用無いのかスイフリー。でも打算であっても、善行は善行です。100%善意でなくても、善行である事に変わりない。
スパイ容疑をでっちあげるなら、その伯爵邸で見つかった密書が、実は黒幕が用意させた偽書類だった事になりますね。
その辺の真贋を見極めるのは多分無理。蜜蝋とか判子ならいくらでも偽造できる。指紋照合とか、そういう科学的捜査はできませんもんね。
ならばファンタジー風に魔法で虚偽を見極めればいい。"センス・ライ"や"センス・イービル"を駆使するのです。
しかしそれらはあくまでも主観的認識であって、裁判とかで必要な客観的事実ではないからちょっと弱い。無論魔法使いに信用があればいいけど。
それなら傍目にも虚偽が明らかなマジックアイテムの"真実の口"を使うとか。これなら尋問の仕方でマルっと事実が分かります。
そしてそのスパイですが、罪が確定すれば死刑らしい。どのラインから死刑なのか分かりませんが、アノスの法律は何処まで徹底してるのか。
ファリスは二義的に法の神でもありますから、多分それなりの法律があると思う。流石にお偉いさんも一存で生殺与奪の権利を振るえないでしょう。
しかしそのスパイがとにかく怪しい。スパイが自分から喧嘩を始めて、捕まって、アッサリ吐くなんて、あまりにも怪しいですよ。
ここでグイズノーが、そのスパイがソーミーで出会った長身の優男なのではないかとピンと来てましたが、実はその通り。
クレアからの聞き込みはこの辺で精一杯なので、次は裏の情報といきます。友愛団と接触するのですよ、今度こそね。
これはシーフ+知力で14と、相変わらず絶対的には低くない目標値なんですよね。そこまで深く潜ってるのか友愛団。
パラサの基準値は9もあるんで、出目にして5以上です。確率にして83%。これなら今度こそと思いましたが、出目3で失敗。
パラサ「深い、深く潜っている。さすが友愛団」
本当にどうなってるんでしょうね、友愛団。もうローゼン・クロイツみたいに実は存在して無い組織だったりして(そんな馬鹿な)。
★謎の男、やっと登場〜謎の男、失踪
翌日、疎いながらも必死で色々調べたらしいエライセンが訪れます。怪しい人は無理やり考えて3人ですが、実は3人とも無関係(笑)
1人はリアーロ子爵。もう60超えた老人ですが、かつての外務大臣でした。しかし不正を伯爵が発見して、表沙汰にならないまでも失脚。
もう1人は例のアードウォール伯爵。最後の1人は、心苦しいながらエライセンのお兄さんのアレオール・エライセン男爵です。
音楽堂やイーストエンドとの交易とか、ファリスの教えに関係ない事をすると嫌ってたらしい。弟は仲良しさんなんですけどね。
しかし財産は国家が没収するから、それが目当ての犯行ではないんですよね。身内であっても一文の得にもならないし。
これからエライセンは伯爵と面会しようというので、アーチーが従者としてついていく事にしました。他の人だとちょっと不自然なんで。
しかし大した情報も得られませんでした。アードウォール伯爵もリアーロ子爵も白っぽいらしいけど。挿絵でもしょぼくれてますね。
そこでスパイの方を見ると、判定の必要なく例の優男だと気づきます。判定して失敗したら凄い面倒な事になりますからね(苦笑)
レジィナ「お姉さん、記憶をなくしていた頃ってありません?」
フィリス「ないない」
レジィナ「お姉さん、放蕩している間にどこかの諜報組織に接触したことは?」
フィリス「ないってば(笑)」
つまりフィリスに関係あるとしても、こちらには全く心当たりが無い。初対面か、そうでなくても覚えてないという事です。
実はフィリスが好きだけど、あんな連中と付き合ってるから嫌がらせしてやれ、という屈折した愛情説があります。
するとフィリス1人の為に、伯爵とバブリーズの関係を調べ上げ、命がけで伯爵を失脚させたと。ちょっと考え難いですよ、それは。
アーチー「この人非人め、と怒っているふりをしよう」
スイフリー「よくもあんな高潔な人をおとしいれるようなことをしたな」
GM「きみはここにいないだろ?」
スイフリー「……というようなことをアーチボルトが言っているに違いない。アーチボルト用外づけ発言装置と呼んでくれ」
"言葉の魔術師"スイフリー、こういう場面でも頼りになる……ような気もする。
さてこのスパイですが、自分はスパイなんだと猿みたいに繰り返すだけです。あくまでも本心は語らない気ですね。
しかしアーチーが「どうせ、お前には大したことはできまい」というと青筋が浮かび上がるんですよ。つまりプライドはあるんです。
スイフリー「お前がいくら人をおとしいれたつもりでも、ファ、ファ、ファリス神がすべてをお見通しに……。ひゃー!」
パラサ「似合わねー!」
グイズノー「外づけ発言装置、煙を吹いてます」
スイフリー「ブスブスブス……」
愉快な人達(苦笑)
次にアーチーは、自分達をスパイと誤解してる説を挙げます。つまりフィリスの身代わりになったのを喜んでると。
人の思いやりを考慮しないのもどうかと思いますよね、今まで人生裏街道な話ばかりしてたから(苦笑)
すると彼は黒幕に騙されてる説も兼ねますよね。そうなると本当にフィリスとフラグが立っちゃいそうですが。
そこで最後に「ふふん、お前のやったことはまったくの無駄だぜ」と言いますが、悲しい顔をするどころか薄ら笑いを浮かべます。
スイフリー「何だ、やっぱり悪いやつじゃないか」
フィリス「いや、死ぬ前にあたしの顔が見れてもう満足してるとか」
一同「そんなことがあるかー!」
それは流石に自信過剰過ぎますよ。ていうかフィリスはこの場にはいないし(苦笑)
そこで翌日はフィリスがメイドとして訪れます。彼がフィリスに何か特別な感情を抱いているのは確かですから。
ちなみに入り口で待ってるのは、持ち物検査ではなく"センス・イービル"です。ルーズなのかそうでないのか分かりませんね(笑)
いや例え単純な面会でないとしても、邪悪でないなら放置しても問題ないかもしれませんね。もしかしたら慈悲深い方法なのかも。
そしてついにスパイとまともに対峙するのですが、相手も目を皿のようにしてフィリスを見ていました。
実はフィリスは、亡くなった彼の恋人クラリッサに瓜二つなのです。だからフィリスに姉妹はいないかと尋ねたりしますが、全く縁が無いんで。
しかしそうと知らないフィリスは、なじるように、アクセントを頭に置いて、男を追い詰めていきます。ダジダジでした。
フィリス「旦那様、違うと、言ってます。どうして、嘘つくんですか。本当のこと、言ってください。旦那様、助けてください」
目に涙を浮かべるこの精神攻撃を1週間も続ければきっと落ちる。精神に0レーティングでダメージが行きそうな勢いです(笑)
自分が恋焦がれた恋人のソックリさんにこんな風に詰め寄られた彼は、大分傷ついちゃいました。グラスハートの持ち主ですね。
そして翌日、彼は失踪した後に死体が発見されます。また急に事件が動きましたね。ていうか失踪って、ここの牢屋はどうなってるんだ(笑)
古典的トリックとしては、"カメレオン"や"インビジビリティ"や"コンシール・セルフ"で姿を消し、扉が開いたら脱出というのがあります。
あとは"トンネル"ですが、流石にそんな事許すほどザルじゃないでしょう。"トンネル"で密室はフォーセリアの常套手段なんですがね。
実は彼は7レベル魔術師でもあるので、"テレポート"という手段が濃厚です。発動体がなくても使えることは使えるし。
実際は靴底に指輪型の発動体を隠してたそうですが、本当にチェックが甘いですね。服や靴ぐらい囚人用を新しく支給すればいいのに。
あとは差し歯として隠してるという手段、胃の中に入れておいて人間ポンプで取り出す(笑)という手段など、考えれば色々ある。
7レベルのソーサラー/シーフですか。この前の8レベルのシャーマン/ファイターといい、この連中が相手だと強力な魔法戦士になるらしい。
そんな彼が川原で首無し死体として発見されたのです。これにはミステリー好きのアーチーが、水を得た魚のように活き活きしてました。
首が無いのに何故例のスパイなのかというと、服装と体格が同じだったから。つまりアレですね、自分の死を偽装する為に作った死体だと(苦笑)
本物の死体なら、わざわざ首なしにする必要はない。身元を明らかにして殺すだけでも、伯爵の無実を証明する手段が潰えた事になるんだし。
案の定出血量は少ないし、何度も斧かなんかを振り下ろした跡がある。やはり他の場所で作った死体です、私は生きてますと言ってるようなもの。
一撃で首を飛ばすとなると、多分シーフの軽い武器じゃ無理でしょう。アーチーみたいな高レベルファイターならともかく。
相手もまさかこんな推理マニアがいるとは思わなかったでしょうね。何処ぞの迷探偵のドワーフとかだと十分な事件なんですが(笑)
これで「迷探偵判定」とかしようものならどんな結果になったか分かったもんじゃありません。スパイ死亡説を肯定するデュダさんが見える。
首無し死体を調べる時、クレアが便宜をはかってくれましたが、正当な理由はあるのかと言ってきました。これは身元確認と無難にかわします。
クレア「では、いいでしょう。嘘を感じないわけではありませんが」
スイフリー「ファリスの神官よ。法は正義を守るためにあるが、それはあくまでも手段なのだ。
自らの正義のためには、人の作った法をあえて破らねばならぬこともあるのだ」
クレア「なるほど。そうだったのですか」
所詮神ならぬ人が作った法律は、完璧ではない。時に秩序や真実を求める障害になる事もありますからね。それでも法は必要ですが。
★呼び出されたフィリス
死体を検分し、スパイが生きている事を確認したバブリーズですが、宿へ帰ってくるとデイルが勝手に動き出します。
どうやら黒いメス猫に誘われているらしく、フラフラとついて行っちゃいます。ツインテール・キャットじゃないですよ。
他の人の使い魔なのかと"センス・マジック"などもしてみますが、どうやら使い魔には反応しないらしい。
このままデイルはホイホイとフィリスの制止も聞かずについて行ってしまうのですが、基本的に使い魔は主人に服従ですよ。
ただ特に命令しなければ動物として勝手に動きますし。その時でも感覚共有なんで、何処にいるかは分かるでしょうけどね。
この時はGMが誘導したいからデイルを勝手に動かしてますが、フィリスが面白かったから放置した、と上手い具合に話を合わせてます。
やがてデイルはとある廃屋に入っていきます。そこでデイル視点に切り替えるとスパイがいました。ローブを纏って発動体は指輪という姿で。
すると男はデイルを抱えると、フィリスに1人で来れば危害は加えないと誘ってきます。スパイのくせに私情で動いてるんですね。
ていうか普通なら使い魔を敵に握られるというのは、大変危険です。切って治してを繰り返されると、一方的に殺されるし。
ここではフィリスを1人で行かせるか、それとも全員で突入して片をつけるかで散々悩みます。事件解決が目的なら後者なんですけどね。
でもフィリスが1人で行く事を選びました。ミッションよりも、ドラマを優先させたらしい。フィリス1人殺すメリットはないし。
フィリスが1人で入っていくと、彼(そういえば名前が無い)はフィリスがクラリッサに似てると、ちょっと悦に入ってるようでした。
そして彼は自分が伯爵を嵌めたのだと証言しました。しかしそれはフィリスの前でだけだから、証拠にはなりませんけどね。
更に彼はフィリスに、自分に使命を与えた人を教えようと油断させて接触。"テレポート"で誘拐しようとしました。
そういえばそうですよね、殺すメリットはなくても、攫う機会を与える事になるんですよね。ドラマを選んだ代償ですよ。
彼の魔力を9とすると、"テレポート"1回で5点消費で、達成値3倍拡大で基準値は11にもなる。しかし出目3で14というショボさ(笑)
一方フィリスの精神抵抗は7ですから、出目7以上で抵抗できますね。案の定抵抗成功、誘拐は未遂に終わります。
本当ならそこでフィリスは仲間を呼んで、対決に持ち込むべきでした。しかしできませんでした、心が揺れたようです。
達成値を思いっきり上げて"スリープ・クラウド"といきたいところですが、実は彼は"毒無効化の指輪"を持っているんですよね。
あらゆる毒物が無効化されるし、毒物である○○クラウド系の魔法も効きません。"アシッド・クラウド"すら無力です。
これを竜語魔法の"ポイズン・プルーフ"のデータを基に価格計算すると、2×8×40×100=6万4000ガメルぐらいかな。
フィリス「捕まえなきゃいけないとは思うんだけど……心が揺れるのよ。
自分が捕まる危険を冒してまであたしを呼び出して、"瞬間移動"を使ってまでさらいたいなんて。いっそさらわれてみたい」
パラサ「姉ちゃんにも女心が。その気持ち分かるよ。オレも"混沌の地"のゲートに飛び込んでみたかったもん」
スイフリー「わたしも盗賊にさらわれたとき、このまま友愛団の幹部もいいかな、などと」
パラサはともかく、スイフリーが幹部になったら、いずれ国家転覆も可能な組織に成長してそうなので勘弁してください(笑)
そんな風にウダウダやってるから、結局は魔術師は逃げます。そして今回はミッション完全失敗、アンデッド・ナイトの時よりももっと下。
ノリでゲームをするのは悪くないけど、ノリが良かったから経験点を与えていると、ストーリーを作る意識が希薄になりかねないんで。
GMのプロットなんてものはそんなに重要じゃないんですよ。どんなに道なき荒野に踏み込もうとも、踏破しきればいいだけです。
ただ今回は踏破すらせず、途中で見つけた面白いものに夢中で、結局日が暮れてしまった。だからその分のペナルティーは受けねばなりません。
この名称不明の高レベル魔術師との直接対決は、次回のお楽しみ。彼を捕らえて吐かせないと、結局は城は不意になっちゃいますよ。
★
前回は3部通しての初めての完全失敗という事で、基本経験点は500点。倒してたら3500点だったんですけどね。
成長する人も流石にいませんでした。まぁ相手の出目がショボかったお陰でフィリスは攫われずに済んだんだし、ちょっとはマシですよ。
グイズノー「だんだん魔女のようになっていくフィリスにひっかかるなんてのがそうそういると思えませんが。
この機会を逃してしまったらかわいそうじゃないですか」
フィリス(すんごく怖い声で)「なんだって」
……あの名称不明の魔術師は、本当にフィリスが欲しいのか。一度考える機会を与えたいところです。
★腰を上げない冒険者〜さあ、いらっしゃい
今回は魔術師がフィリスの前からシュワポンと瞬間移動した、前回のラストから始まります。
魔術師「また会うぞ」
フィリス「待ってます」
グイズノー「ああ。目がハートになってる。バックに花が咲いてる」
そんな大昔の少女漫画みたいな事になってるんですか。それってフィリスの方も満更では無いってことじゃ。
フィリス「彼は罪があるから、捕まえましょうって言うの」
スイフリー「なるほど。捕まえた上に恩を売って一生養わせると。けっけっけ」
ああ可哀そうですね、魔術師が。
グイズノー「でも、彼は犯罪者ですし、アーチーのような資産も持ってませんし……」
スイフリー「財産持ってるよ、普通犯罪者の方が。非合法的手段を使わないと儲からない」
一応彼はロマールからのスパイですし、7レベルという事は小さな魔術師ギルドなら最高導師級ですからね。貧しくはないでしょうね。
多分高給取りだと思いますし、それ以外にも色々やって儲けてると思いますよ。犯罪者である事に目を瞑れば結構いい物件かと。
グイズノー「大魔術師ですからいろいろライブラリーも充実してるかもしれませんね」
アーチー「ライブラリーでは負けないぞ。『変幻する精霊』の書がある限り、わたしに匹敵する魔法使いなどそうはいない」←アンタ戦士だし
でもあれって魔術師ギルドに引き取られましたよね、多分それなりの額と引き換えに。
アーチー「ふふふ。あれが最後の危険な書物だとは思えない」
パラサ「第2第3の本があると?(笑)」
GM「売るのは最後から2番目の書……、売るのは最後から3番目の書……」
アーチー「きっと親父はしおらしい顔をして学院に本を渡しながら、心の中ではニヤリと笑っていたに違いない」
あの人がそんな腹芸のできる人だったとは……。ていうか本当にアーチーの家にはまだヤバイものが残ってそうなんですが(苦笑)
さて、バカやるのはこれぐらいにして。ヤツを捕まえて伯爵の無実を証言させない限り、城は取られちゃうんですよね。それは面白くない。
そこでお馴染みの便利屋さんに成り下がったクレアに真相を話しにいきます。会いに行く度にパラサがとっても嬉しそうです。
クレアもバブリーズが嘘をついてるとは思ってないのですが、上の人を説得するにはどうしても証拠が必要なんですよ。
無罪にはできないならば、有罪にならなければ当面はよし。取り合えず上の人にかけあって、延命策を施してはくれるそうです。
「無実の人が捕らわれてるのは許せない」by.クレア、というのもまた、ファリス信者としては(ていうか人として)当然の感情でしょうね。
これまでの事件を整理すると、彼はオランとアノスを仲違いさせる為に自ら(オランの)スパイとして逮捕され、伯爵に容疑を着せたのです。
その後、牢屋から脱走し、首無し死体まで作って自分が死んだ事にしました。本当ならそこでさっさとトンズラしてしまえば良かったのです。
それだけで伯爵の容疑を晴らす手段は消え、スパイの行動が不審ながらも伯爵を疑惑の総合商社としてスケープ・ゴートにしておけました。
しかし彼にも心残りがあった、それがフィリス。既に亡い恋人クラリッサに似ている彼女がどうしても気になる、とノコノコ姿を見せました。
スパイには向かない男ですが、お陰でまだ伯爵の無実を証明する手段は潰えていないのです。鍵はフィリス、彼女がどう動くか。
ということは、フィリスを奴さんを捕まえるのに活用できるのです。フィリスも悪いと思ってるから囮にぐらいはなるつもりです。
フィリスをダシにヤツを誘き寄せ、またノコノコやってきたところを捕まえる。今のところはそれが一番いい手段だと思いますよ。
スイフリー「ただしフィリスが裏切らなかったらの話」
フィリス「ふふふふふふ」
スイフリー「このパターンは女性はねー、だめだからね」
パラサ「男でも女でも、この手のことが絡むとちょっと信用しづらいです」
ああ、そういえばパラサも、クレアが絡むと正気の沙汰とは思えませんからね。理性を超越する感情、それこそが愛(笑)
囮にするにしても、あんまりフィリスに厳しく当たると、手に手を取って、が実行されちゃうかもしれませんけどね。
スイフリー「しかし、あの男は敵なんかな。別にあれと手を組んで、城よりいいものもらえれば……」←流石スイフリー、視野が広い
アーチー「わたし、オランに実家があるんで、戦争が起きるのは……。やっぱり敵とみなすべきでは?」
グイズノー「フィリスの心もわしづかみにしましたしね」
アーチー「別に、そんなことはどうでもいい」
フィリス(低ーい声で)「アーチー」
アーチーってば、本当に連れない。でもフィリスの方は、実は駆け落ちする気は無い。印象はいいんですよ、でも添い遂げるかどうかはまた別。
スイフリー「旅先のナンパで住所を教えたぐらい。向こうが会いたければ会ってもいいわ、ぐらい」
フィリス「エルフの男ごときに、あたしの心を読まれてしまった(笑)」
という具合に、彼に対していい印象は抱いているけど、そこまで盲目的に愛に突っ走るつもりもないんです。現実的な女なんで。
囮作戦を実行するとしても、ただその辺に隠れてるとかいう策は二大巨頭が許しません。2人とも策略が大好きなんです(笑)
スイフリー「何のしかけもなく、彼を出迎えて失礼やと思わんのかね!!」←多分相手はありがたくないけど
アーチー「つまらん。取るに足らんな、そんな作戦」←つまらんってアンタ
こんな感じです。首無し死体を用意するような相手が出てきたから、2人ともどうしてやろうかと、凄い楽しそうです。
アーチーはセージ1、スイフリーはセージ3、それに対してグイズノーはセージ6ですね。つまり智謀知略はセージとは無関係。
あくまでも趣味の問題。彼らは賢者とは別に一般技能:策謀家(マーキネイター)とか持ってそう。それも高レベルで(そんな人嫌です)。
そんな策略が好きなアーチーは、自分とフィリスの新居を用意する事を提案します。
フィリス「アーチーってあれだけすげなくしていたくせに自分の陰謀となるとなんでもするのね」
スイフリー「利用するものは利用する。あんたは利用されてるのよ。向こうのほうが誠意あるよね」
フィリス「ねえ」
スイフリー「だって任務失敗の危険を冒してでも彼女に会いにこようとしてる。愛だよ、これは」
まさかこのエルフの口から「愛」なんて言葉を聞けるとは思いませんでした。それでいいのかアーチー(笑)
屋敷はこの前の事件でスイフリーが連れ込まれた貴族の別荘を借ります。当然仲介役はクレア、本当に便利屋扱いされてます。
その貴族とはちゃんと賃貸契約書を結びます。甲が乙にどうしたこうした、ってやつ。口約束で借りて酷い目に遭った事があるんで(笑)
賃貸料は、1週間1万ガメル。この額だと相手の貴族も快く承諾してくれました、どうせ使ってないならいい稼ぎですよ。
ちなみに被害が出た場合はきちんと弁償します。猫の爪とぎは勿論の事、屋敷内で"ファイア・ボール"とか絶対ダメですよ。
借りた後はバブリーズがここにいるという噂を流します。あとレンジャー技能を低いながらもフル活用し、《罠設置》をしまくります。
挿絵だと窓際に、どこかの貴族のご令嬢のように優雅に座るフィリスが描かれてますね。すっかりシチュエーションに酔ってる(苦笑)
そしてその下で土木作業員のようにボッコボッコと穴を空けまくってるんですが、いいのかな。芝生だと荒らすと怒られそうですが。
仕掛けるのはやっぱりレンジャーの高いフィリスですが、あの相手なら、自分を捕まえようと罠を仕掛けてる、と解釈してくれるはず。
あと敵が魔術師なんだから、探知系の"ビジョン"とか"シースルー"とかを受ける可能性もあるので、"カウンター・センス"も欠かせません。
これなら探知系魔法をかけられたらその効果を打ち消し、尚且つ相手の位置も把握できる。すぐ逃げそうだけど、いい牽制になる。
★思わぬ事件〜ぼやぼやしてたら大変だ
そうやってバブリーズは魔術師を迎え撃つ準備をしていると、それとは別に魔術師はアノスに対してテロ行為を働きます。
これがまた凄いのなんの。"テレポート"→攻撃魔法連発→"テレポート"といった手口で要人を次々に襲い、全く手がつけられません。
これと同じ手段で老竜が"テレポート"→街にメテオ&ブレス→"テレポート"を不定期に繰り返せば、住民は王都を放棄して脱出すると思う(笑)
最初の犠牲者はあの副財務大臣のアードウォール伯爵でした。そっちの伯爵は、全身なます切りで死亡したとか。情報提供はやっぱりクレア。
7レベルのシーフ技能を使ったか、あるいは"ブレード・ネット"でズッタズタか。伯爵が何レベルか知りませんが、ちょっと対抗するのは難しい。
相手は顔を隠さずに、血まみれでニタァリと笑ってたそうです。それって見せてますよね、思いっきり過剰演出です。
これに対して法王は慎重な人なので、まだ結論を出すのは早いと言っています。ていうか敵がどこかもまだ謎だし。
でもカルプラス伯爵の有罪を証言したスパイが、実は暗殺者だと分かったんですよね。それって伯爵の立場が変わりますよね。
もし本当にグルならば、そんな事させるわけ無いから、伯爵は白である可能性が高い、と普通思いますよね。
しかしアーチー曰く、逆説の論理が罪が晴れた事は無いそうなんで。まぁクレアが上申すれば延命策には都合がいいか。
つまり相手は伯爵の失脚ではなく、国家の中枢を混乱に陥れる事が目的。あわよくばオランとアノスを仲違いさせる。
伯爵失脚はルキアルの策であり、この事件から始まる無差別テロは魔術師の案です。だから計画の緻密さにギャップがある(笑)
相手の魔術師の身元を照会しようとオランの学院に掛け合うそうですが、きっと無関係だと思いますよ。ていうか無関係です。
7レベル魔術師なんて、大陸全土でもそうはいません。でも魔術師ギルドが全ての魔術師を監督してる訳でもないんで。
当然ギルドに所属してればいずれは足がつきますがね。例え脱会していたとしても、ギルド所属段階までのデータは残ってる筈。
多分協力を求めれば答えてくれると思いますが、別に無線とかで繋がってる訳じゃないんで大陸全土のギルドに照会は時間かかり過ぎです。
ていうかこの魔術師はどこで魔術を学んだんでしょうね。ロマールの魔術師ギルドは大した実力はないんですよね。
もしロマールのギルド出身ならば、残っていれば今頃高導師か、あるいは最高導師になってた可能性が高い。
ちなみに亡くなったアードウォール伯爵には、法王がさっさと"リザレクション"で蘇生を施します。
死んだ直後で遺体を全回復させれば、目標値は僅かに15です(完全版は14)。法王の魔力は12らしいんで、1ゾロ以外で簡単に蘇生。
これが儀式とかが必要なら、法王の執務を止めるわけにはいかないとやらないかもしれませんが、片手間に蘇生できるし(笑)
それでも1週間安静なので、財務は滞りますね。別に近々お金を使わないといけないような国儀はありませんが。
次の被害者は外務大臣です。真昼間から"ファイア・ボール"を何十発と屋敷で炸裂させて逃走したらしい。
どんだけ魔晶石持ってるんでしょうね、バブリーズが言えませんが。多分公費なんでしょうね、気楽なもんです。
あとその情報を持ってきてくれた神官は何者ですか。わざわざ一介の冒険者にハイテンションに血管切れそうな感じで報告したナイスガイは(笑)
アノスの大臣クラスの官僚は、内務大臣・外務大臣・財務大臣・騎士団長・近衛騎士団長・図書館長だそうです。
この内財務と外務は既に襲われたのですから、残る標的は推定4人ですね。法王を入れれば5人。恐るべき7レベル魔術師です。
この図書館長、窓際と呼ばれてます。聖書は神殿が、魔法の本は魔術師ギルドが管理してるので、役に立たない行政資料を管理してるとか。
しかしそれは表の顔。彼はとんだ昼行灯で、実はアノスの情報局長だったりするんですよね。よくあるよくある。
ちなみに"テレポート"で移動できる範囲は無限なんで。一度行った場所、行き先を想像できる場所なら、何処でもOKです。
一度来る時は本国から普通に移動かもしれませんが、今現在アノス国内にいるかどうかも定かではない。一々ロマールに戻ってたら手が出せない。
かといって要人達を一箇所に集めたら国務がストップするし、魔術師1人相手にそこまでビビってたら国家の威信が傷つく。
次の被害者はカルプラス伯爵でした。牢屋に現れて、見張りを眠らせて、伯爵と相談してたらしい。また伯爵に疑惑を上乗せしてますね。
なんて事はありません、伯爵も寝てたんですよ。「あなたの言うとおり大臣を狙ってます」みたいな事をわざと起きてた見張りに聞かせます。
こうなると益々伯爵が犯人だという可能性は低いと思っていいんですが、逆説の論理は通用しないようなんで。
宮廷内では"ジハド"やむなしか、とシリアスに話し合われてるようですが、何処の誰に向かって聖戦を勃発させる気なんだか(苦笑)
そろそろバブリーズも動こうと、大臣クラスを護衛しようとしますが、断られます。かといって勝手に警備作戦だとこっちが捕まるし(苦笑)
もちろん交渉してくれたのはクレアです。自分の出世を捨てた人は強いですよね、ていうかどんどん彼女の立場も悪化してるような。
なおそうしてる間に今度は騎士団長が襲撃されます。演習中に木の上から"アシッド・クラウド"を当て逃げしたらしい。
団長は生きてますが、若い騎士と従者が2名亡くなり、ラムリアース産の名馬が死亡。競馬ファンのフィリスとスイフリーはお怒りです。
そうなると益々聖戦ムードが強まるんですよね。強硬派が襲われた人ばかりというのは面白い。内務と図書と法王は穏健派ですが。
しかも魔術師ギルドへの突き上げもきつくなってます。たった1人の魔術師で聖王国はガタガタか、怖い話ですよ、色々と。
残る標的は内務・図書・近衛ですね。一か八かバブリーズは内務大臣の所に行っちゃいます。このままだと嘲笑われてるだけなんで。
当然クレアも一緒ですよ。何かあった時は身分保障してくれます。その分彼女の身分が危ないんですがね。スイフリーと会わなければ(苦笑)
★明かされた図書館長の正体〜テロリスト退散
これから出陣しようと息巻いていた時でした、またも冒険者+知力で16の判定をする事で、何者かの気配を感じたのです。
屋敷の壁にへばりついてたソイツは猛烈な勢いで逃走しますが、こっちには75mダッシュのグラランがいるので追いつけます。
敏捷度25ということは、100m走のタイムが9秒台ですからね。それじゃあどんな人間も走り負けますよね。
あと16ということは、ブラードでの魔術師の《潜伏》?と同じぐらいですね。多分こっちも7レベル盗賊なんでしょう、《忍び足》っぽいけど。
逃走者はフィリスの作った罠に引っかかる可能性がありましたが、直前で避けやがりました。
《罠設置》の達成値が10で、相手は《罠感知》だから−4のペナルティが入って目標値14。7レベルで知力+2なら十分気づけますね。
続いてそれ追うパラサも引っかかる可能性があったので判定しますが、こちらは事前に分かっていたのでペナルティなしで楽々成功。
やがて追いついたパラサは18という素晴らしい達成値(でも出目7)で組み付きに成功。ここまではグラランの身体能力の高さが幸いします。
しかし相手を倒せたかどうかの判定は冒険者+筋力で判定です。これじゃあ無理だろうと思いましたが、なんとこれが成功します。
パラサの基準値は7で、相手が7レベルの筋力+2だとすると9。一応相手に分があるんですよね。倒せる確率は24.7%程度だし。
しかしパラサは出目9で16、相手は15(出目6?)だったので倒せちゃうんですよ。グラランに力負けするとは予想外です。
捕まえた人は挿絵では黒子っぽい人でとっても怪しいですね。高レベルだから、余人の目に止まらないよう動けそうではありますが(笑)
彼は口の固い人1人だけに事情を話すそうなので、アーチーが代表として聞きます。「え〜、でも〜、だって〜」と駄々をこねるのが可愛い。
すると彼は情報局の密偵であり、図書館長が実は情報局長である事を教えてくれます。密かに聖なる情報局(笑)が動いてたんですね。
彼としては、国の建前上では頼めないけど、できれば腕の立つバブリーズに魔術師を捕まえて欲しいとぶっちゃけます。
相手はアレですからね、普通の神官戦士じゃちょっと対抗できません。それならいっそ、実力のある冒険者に頼った方が確実ですからね。
そこでこれから手を回して、内務大臣の屋敷の衛兵を偽命令で近づけないようにします。バブリーズはその代わりに大臣を護衛するのです。
良かったですね、ジャベリンとか背中に撃ち込まないで。そんな事したら最悪死んでましたよ(苦笑)
この件が終わった後口封じにアーチーを殺すのではないかと邪推できますが、そんな事するのは邪悪(笑)なので、その心配は無いらしい。
色々面倒な国だと思ってましたが、正直なファリス信者の国だというのは、考えようによっては都合がいいのかもしれませんね。
密偵君はそのまま急いで報告に走り、アーチーは大臣の護衛につけるようになった事を仲間に話すんですが、正体をバラしてるも同然。
でもそれは言っておかないとねぇ。そんな謎めいたやり取りに首を傾げつつ、やっぱりついてくるクレアがちょっと不憫になった(笑)
さて内務大臣の屋敷の警備体制ですが、まず大臣の身辺には情報局の腕利きを2人ほど配備してあります。
多分高レベル盗賊なんでしょうが、相手も同様に盗賊であり、しかも高レベル魔術師でもあるから立ち回るのは厳しいでしょう。
神聖魔法で回復できれば大分違うんですが、彼らは密偵であり、邪悪な作業は辞せないのでファリスの声は聞けないらしい(苦笑)
ファリスでない神官は駄目らしいんですよね、やっぱり面倒な国です。ていうかファリスに限らず、神様は結構寛容なんですけどね。
あとはバブリーズ7人をどう配置するかですね。えっ、1人多くないかって?。そんな事ありません、彼女はもう仲間ですから(いいのか?)。
スイフリー「へっへっへ、もう完全にこちら側の人間だ。わたしに"センス・イービル"をかけたのが運のツキだったね」
パラサ「運命の出会い(笑)」
グイズノー「こうしてハーフ・エルフが誕生するわけですね(笑)」
やっぱりこのカップリングは公式なんでしょうね。他の所でも散々言ってますが、個人的には大分好きなカップリングなんです。
密偵君達が神聖魔法を使えないので、グイズノーがそっちに回ります。あとフィリスも無力化できる可能性を信じてそっちへ。
クレアとアーチーは門番として玄関に待機。スイフリーは魔法を封じる役目があるのでやっぱり玄関、はとこも一緒に隠れてます。
最後に残ったレジィナは白兵戦力として大臣の方へ。3・4に分かれたんですね。玄関で魔法を封印できればもう勝ったも同然ですが。
窓には"ハード・ロック"をかけます。正面から来そうだし解呪できるからあまり意味が無いけど。あと裏口には"ウィンド・ボイス"を朝まで拡大。
そういった布陣で魔術師を待っていると、やっぱり敵は堂々とやってきました。"フライト"で空を飛んで(目立つ奴)。
近づくのに気づいたかどうかの判定を冒険者+知力で17でやったんですが、多分《忍び足》かなにかの変形で相手は判定してると思う。
1ラウンド目、魔術師の不意打ち。門番の2人へ"ファイア・ボール"。「わたくし、こういうものですので、以後よろしく」と名刺風に。
抵抗の目標値は16で、2人とも大分削られます。アーチーは抵抗失敗で5点削られて残り10点、1発で1/3も削られちゃいました。
クレアは14点食らって生命力半減。彼女がまだ5レベルとすると、9点ダメージだから、約18。結構あるんですね。
この前のダークエルフとの戦いでレベルアップして6になってたとすると、8点の倍で16点前後ですね。多分能力値オール+2だと思いますが。
2ラウンド目、実は魔術師が"フル・ポテンシャル"で敏捷度+6され、敏捷度22になってた事が明らかになります。
つまり21のスイフリーよりも早い、考えましたねGM。かくして魔術師はスイフリーに魔法を封じられる前にもう1発"ファイア・ボール"。
今度はアーチーは7点削られて残り3点、ここで癒し手を倒されると次で倒される。そしてクレアもまた同じダメージを受けたら倒れる。
しかしクレアは1ゾロでノーダメージ。ファリスの加護?、いえいえ、スイフリーの愛情ですよ(笑)
次にスイフリーが達成値5倍拡大"サイレンス"。魔力9+4で出目8で達成値21。これで黙らせたか、と思いました。
しかしその瞬間、ダイスを振るまでもなくシルフは敵の指輪に吸収されてしまいます。つまりそういうアイテムも持ってると。
次にクレアが自分とアーチーにキュアーします。アーチーは相手が上空なので手が出せないからパス。
3ラウンド目、散々暴れた魔術師は、"テレポート"でバイバイしちゃいます。どうやら大臣は守りきれたらしい。
あの指輪については、グイズノーがセージで達成値19(出目10)という数値を叩き出したので正体が分かります。"精霊封じの指輪"でした。
文字通り精霊を閉じこめてしまう魔石が嵌ってる指輪です。つまり1回だけ精霊魔法を無効化できるアイテムなんですね。
空の時は周囲に現れた精霊を吸い込んじゃいますが、1つ入ってる状態だと他の精霊は吸い込めないのがネックです。
入ってる精霊は精霊使いが取り出せますが、古代語魔法の"サプレス・エレメンタル"で無理矢理追い出す事も可能です。
下位精霊は吸収ですが、中位精霊は吸収と同時に魔石が破壊。上位精霊になると吸収すらできず破壊されるらしい。
シルフやサラマンダーなどの下位精霊(4レベル)では駄目だけど、バルキリーや知られざる生命の精霊なら破壊できるんですね。
上位精霊さえ使えれば問答無用で破壊できる上に、更に効果を及ぼす事もできる。できれば上位精霊の魔法で潰したいですね。
6レベル精霊使いでも使える上位精霊の魔法といえば、"コントロール・プラント"ですね。今のところはそれだけです。
ここではスイフリーは上位精霊は使えないと言ってますが、実は使えるんですよ。しかも精神集中の限り効果が持続するし。
★フィリス、怒る〜悪夢の1ゾロ
やがて夜が明けると、魔術師はバブリーズに挑戦状を叩きつけてきました。とてもスパイとは思えない人ですね。
持続時間を拡大したストーン・サーバントに手紙を運ばせたのです。また魔晶石を無駄遣いしてるし(苦笑)
そうなると街中は騒ぎになって衛兵にも囲まれますが、それでも構わずサーバントは内務大臣の屋敷にまでやってきて、手紙を渡します。
なんかこの挿絵のストーン・ーバントがちょっと可愛いです。顔がサンショウウオというか、イワオというか。
ところが宛名が「クラリッサへ」となっているのがフィリスの逆鱗に触れます。お前の顔だけが目当てなんだよ、と言ってるようなもんです。
彼の仕事はもうすぐ終わりなので、フィリスや生意気なエルフ(スイフリー)と決着をつけたいんだそうです。
どうやらルキアルは、彼のような特異な能力の持ち主がワンマンで働くのは、組織にとって有効ではないと考えてるらしい。
だからこれが最後の仕事なんです。その前にフィリスは連れて行きたい、あくまでも死んだ恋人の代わりとして。
アーチー曰く、自己陶酔、自己中心的、自意識過剰……。とにかく判断の基準が自分しかないという身勝手な人なんですね。
アーチー「きっと自分のことを最後の諜報ヒーローとでも思ってるに違いない」
ああ、分かりやすい。確かにそんな節がありますもんね。ちょっと自分に酔ってるというか。
そして手紙は「本日正午、町外れの"ニーフェルの丘"で待つ」と締めくくられていました。何時の時代の番長ですか(笑)
フィリス「まず、あたしの感想を言おう。こいつは嫌い(きっぱり)」
レジィナ「しばきに行きませんか?しばいたほうがいいと思いませんか?だからしばき倒しに行きましょう」
やっぱり嫌われましたね。あとこのレジィナのセリフは、全編通して秀逸な語呂だと思う。色んな所で使えそうだし。
フィリスもずっとついて行ったら面白いかなと期待してたんですね。でももう駄目です、一連の行動ですっかり愛想がつきました。
スイフリー「しゃあないな、行くのか。わたしより敏捷度が速いのが問題なんだよな」
フィリス「あたしがあんたを速くすればいいのよ」
手段としては"フィジカル・エンチャント・クイックネス"ですかね。これで敏捷度27にはなりますし。
こうしてやって来たニーフェルの丘は、見晴らしが良くてだだっ広いという、子供の遊び場には良さ気な所でした。決闘場になるんですがね。
対抗策として、まずは散らばる。範囲魔法がありますからね。1発で全員がやられないようにします。
あとクレインクィン・クロスボウを買って、巻き上げていつでも発射できるようにします。当たれば大分削れる筈(魔術師だし)。
スイフリーはいつも通りインビジで隠れますが、同時に"シェイド"を出しておきます。出会い頭に吸い込まれる筈ですね。
ただし持続時間が18ラウンド(3分間)の魔法はかけませんでした、時間通りにやってくるとも限らないんで。
1ラウンド目、やっぱり奴はやってきました。しかも今度は"フライト"で上空1.5kmの位置から"ビジョン"でこちらを見ていました。
このラウンドは不意打ちですが、フィリスのすぐ傍に"テレポート"で現れたのでそれでお終い。ていうか魔晶石どんだけ持ってるんだ(笑)
上空1.5kmから地上へ瞬間移動って、鼓膜破れそうですよね。でも水圧はあっても気圧が無い世界なんですよね、フォーセリアって。
今回は魔晶石をふんだんに使い、いかに7レベル魔術師が恐ろしいかを存分に発揮できるような戦闘プランを構想しています。
まず"ヘイスト"をかけて敏捷度32になっています。これならパラサにクイックネスよりも速く動けますね(32って……)。
1ラウンド目には誰よりも早くフィリスを瞬間移動。これで"ヘイスト"を解除する術はなくなる("リムーブ・カース"があるけど)。
精霊使いの諸魔法は指輪で1ラウンドは防げる。更に2ラウンド目に、"ブレード・ネット"でスイフリーを八つ裂きにします。
白兵戦は7レベルで敏捷度+5なので、回避力12もあるから何とかなる。下手すれば全員無力化とかにもなりかねない戦術です。
でも多分この状況だと、"シェイド"を吸い込んでも、スイフリーは別の魔法をかけられると思うんですよね。
スイフリーが自分の意思で"シェイド"をぶつけたなら駄目でしょうが、ただそこに置いておいた"シェイド"を指輪が勝手に吸収しただけだし。
つまりスイフリーが1ラウンド目に自発的行動を取るまでもなく指輪は"シェイド"を吸収するんですよね。果たしてこの解釈はどうなのか?
でも「周囲に精霊が現れた瞬間」というのは、どうも自発的に魔石が精霊を吸収するように思えるんですよね……。
ただ指輪の能力が持ち主の意思で精霊を吸収となると、スイフリーを1ラウンド止める事は可能です。でもそれじゃあ文意が違うような。
これと同じものと思われるものが完全版にあります。それが"精霊封じの魔石"で、4万5000ガメルの品だとか。
その説明を読むと、「精霊魔法が使われた」時に効果を発揮するようです。それも着用者が使うか、着用者に使われようとした時。
このルールの場合、ただそこに"シェイド"があるだけでは吸収されませんね。これをぶつけようと自発的に動いた時です。
多分完全版にする際に、「精霊が現れた時」ではあまりに使用しにくいからと変更されたんじゃないかと思います。
2ラウンド目、魔術師は魔晶石がゴロゴロついた杖(趣味悪)を使い、フィリスに予定通りに"テレポート"をかけようとします。
しかしこれがオープンダイスで振ったのが運の尽き。なんとスネークアイズ(1ゾロ)でした。この魔術師の"テレポート"って(苦笑)
ここぞとばかりにフィリスのディスペルが"ヘイスト"を解除。スイフリーが"シェイド"をぶつけて指輪を使用不可能にします。
3ラウンド目、魔術師の敏捷度は16に戻ったので、スイフリーが先に動いて"ミュート"で魔法封印。終わりましたね……。
フィリスの"パラライズ"が炸裂し、あれだけ綿密に練ったプランを全て不意にして魔術師は捕縛。呆気ない幕切れでした。
縛り上げた魔術師にはフィリスが「この自分勝手がー!」とビンタを見舞います。ここの挿絵がもう、フィリスがドSの顔をしてて最高(笑)
ダークエルフの時のような女王様の顔でビンタ、すると魔術師は首がヤバイ形に変形しつつ歯を飛び散らせているんですよね。
飛び散る血を浴びながら、「ひぃぃぃぃ」と身を強張らせるアーチーとパラサ。えっ?死んだ?
縛り上げてしまえば魔術師はもう無力です。官憲に引き渡せば事件は今度こそ終了ですね。
魔術師としては、黙って死んでもルキアルの手駒として終わるだけだから、全部ぶちまけて気持ちよく処刑されるそうです。
ということはこれでカルプラス伯爵の容疑も晴らせる、城も手に入る。一時はどうなるかと思いましたが、何とかなるもんですね。
一スパイとして駒になるにはちょっと我が強すぎましたね。能力的には問題は無いと思うんですよ、ただ性格が駄目でした。
あとこれで"指し手"ルキアルによる謀略であった事も確認できるんですね。トップの時といい、すっかり因縁ができちゃいました。
傷ついたと思っていたフィリスは、思った程じゃないんでちょっと安心しました。まぁ結果は良かったんじゃないですか(苦笑)
★
全14話に渡ったバブリーズの冒険も、今回で一応の幕となりました。雑誌連載としては全29回と過去の2部の記録を大きく更新しました。
後に全10巻で全27話(実質29話)になるヘッポコーズなんて化け物作品も出ますが、あっちはほとんど書き下ろしなんで。
クリスタニアのリュースパーティーとかは連載期間はもっと長いんですが、SWではなく「クリスタニアRPG」だから除外。
最大障害レベル×500点という駆け足式のルールだっただけに、既にバブリーズは英雄レベル。
冒険者レベルは英雄レベル、既に7レベル前後のパーティーですからね。世界的に見ても、これほどのパーティーはそういない(筈)。
今回でアーチーなんて8レベルですからね。つまりあの"自由騎士"パーンと同格。能力値的にも本当に大差ないんですよ。
もしここからファイター10にするとなると、2万7000点ですね。つまり最大障害レベルの合計がたったの54です。
もしまた長めの話をしようものならば、普通に10レベルになっちゃいそうです。3冊(9話)やろうものなら平均6、余裕で行っちゃいますね。
それにこれ以上はどうしてもパワーゲームになっていく。リプレイはプレイの例示でもあるから、公式でこれ以上はちょっとやり難いのかも。
グイズノー「プレイの例示にしては特殊のような」
パラサ「魔晶石で拡大だにゅう。どっかーん」
スイフリー「今までがパワーゲームでなかったとでも?」
確かに特殊ですよね、実力も金もコネもあり余ってるし。世の多くの冒険者は生活も楽ではないのに、成功し過ぎた冒険者です。
でもそれがあったから普通ではありえない冒険もできたし、ゲームの欠陥も色々浮き彫りになったんで、怪我の功名かも。
それにこの特殊過ぎる要素もあったからこそ、こんなにも面白くなったのかもしれない。こんなにリプレイが好きになる事はもうないという程。
前回の最大障害は7レベルの魔術師(結局名称不明)だったので、基本経験点は3500点です。
これでアーチーはついにファイター7→8になります。他の8レベル戦士というと、パーン、ローンダミス、死神の首領とかですね。
この事から、何かにつけてアーチーは自分をローンダミス級だと誇るようになります。能力値で微妙に負けてますが、装備では勝ってる。
またこの後日談のリプレイである「デーモン・アゲイン」ではとことん魔法の装備で強化してるので、実質抜いたと思っていいかも。
レジィナはファイター6→7、生命力14→15。経験点を使いきろうと生命力まで伸ばしてますね。生命力・精神力は1刻みで意味があります。
それにしても本当にバード使いませんでしたね。5レベルというのはヘッポコーズのバスと同等なんですが、彼はかなり有効にバードを使ってました。
でもファイター7、他のリプレイではお目にかかれないレベルです。これに次ぐのは6レベルのイリーナとかでしょうかね。
スイフリーはファイター3→5。つまり今巻で一気にファイター1→5になったんですね。その経験点があればシャーマン7になってましたが。
ファイター5って実は結構強いんですよね、アーチーが強過ぎて目立ちませんが。戦士には全く向いてませんが、雑魚なら魔法使うまでもない。
ファイター/シャーマンといえば、共に7レベルのピロテースや、シャーマン8でファイター6のディードがいますが、いずれ追いつきそうです。
グイズノーはファイター2→3。やはりスイフリーと同じくルーンマスター技能は伸ばしませんでしたね。途中からセージに転向したし。
グイズノーの過去の言動を見ていると、小説ではお目にかかれないような神官ですもんね。本人も6レベル以上は似合わないとか思ってるとか。
……という考察の出所は私ではありませんよ。清松先生のサイトのバブリーズのコンテンツより。
SWリプレイ史上最高の神官になれる機会を逃がしたのは惜しいですよね。ちなみに現在(06年11月)最高はガルガドとマロウの6レベル。
フィリスはソーサラー5→6。最後の最後でギリギリで6レベルになれました。これで"アシッド・クラウド"とか"シースルー"も使えます。
彼女はSWリプレイ史上では、現在最高レベルの魔術師なんですよね。とにかく重たいソーサラー技能ですから仕方ないんですけどね。
同じ一本伸ばしでもアーチーは8レベルですもんね。ファイターとソーサラーの経験点には2ランクの差があるから必然ですが。
しかし同時にソーサラー/セージ救済ルールが存在しない旧版ルールの被害者でもある。お陰で魔術師のくせに虎を猫と勘違いする始末(苦笑)
そして唯一成長しなかったパラサは、あと49点でシーフ8になってました。シーフ8って、フォースとかジェノアと同格ですね。
今巻の冒頭にあるキャラシートに、各冒険の経験点を足すと、本当に8951点で微妙に足りないんですよね。
この状態だと5レベルモンスターを自力で倒せばレベルアップしますが、そんなん認められる訳がありません。
能力値オール24で全技能習得ならいいそうですが。ついでに魔剣と魔晶石も……って何者ですかその人は(苦笑)
さて、ここで気になったのは経験点。本当に足りないのか?と思ってちょっとだけ調べてみました。
というのも、どうも経験点の計算間違いがあるみたいなんですよね。3巻のキャラシートとか下一桁が全員違ってるし。
1の位はモンスターを倒した時に得られる経験点であり、成長の際にも使わないから、パーティーで食い違う筈が無いんですよね。
多分お金の欄と勘違いして、経験点を減らしてるんだと思います。そういえばパラサは前にもそういう事があったし。
それで1巻から得られた経験点を合計してみると3万1488点と出ました。これに+して各自の1ゾロが加わります。
パラサの初期技能はシーフ/レンジャー2でセージ1。現在はシーフ7のレンジャー/セージ2です。つまりシーフ2→7でセージ1→2。
これに必要な経験点は2万2000点。余り9488点。つまりシーフ7→8に必要な経験点は貰ってたんですよ(計算間違いがなければ)。
でもパラサのPLの方はパラサの人生はこれからも続く、と考えて無理に技能を買わずに成長しない事にしました。
それも一つの考えた方です。実際この続編の「バブリーズ・リターン」ではちゃんとシーフ8になってます。この冒険の経験点もあるし。
話変わって前回倒した魔術師の件ですが、彼を退治した事で彼の持っていたアイテムも手に入りました。
まず魔晶石が10個ほど埋め込まれた杖。埋め込まれてるのはいいけど、これって使ったら意味無くなりますよね。交換可能ですか。
この杖は悪趣味なので使わない。魔晶石の充填具合が気になりますが、魔晶石のみ穿り出して使う事にします。さもありなん。
次に"精霊封じの指輪"。凄いアイテムなんですが、こんなもん持ってるとスイフリーがうかつに魔法を使えないので売却?
あとここで初めて存在が明らかになる"毒無効化の指輪"。"アシッド・クラウド"とかも防げるので、貧弱なスイフリーが装備します。
今回は最終回という事で、各キャラのビジュアルが大分変わってます。「デーモン・アゲイン」ではもっと変わりますけどね。
アーチーは髭を生やしました。今回で領主にもなるので、威厳が出たかな。あと体格もよくなったような。
フィリスはウェーブがかかった長髪になって、片目が隠れてます。より魔女っぽい雰囲気になりました。
レジィナはほとんど変わってない。パラサは髪が伸びて、ウサギ耳のような三つ編みのツインテール?になりました。
悲惨なのはグイズノー、何を思ったかツルッパゲです。でもアホ毛だけ生存。スイフリーはオカッパになり、身体が徐々に黒く浸食(え!?)
★アノスの騎士アーチボルト
前回テロリストの魔術師を退治し、国の危機を救ったという事で、バブリーズは"神聖王国"アノス救国の英雄となりました。
これで伯爵も無罪放免、財産も取り戻せて役職復帰です。これで約束通り、ストローウィック城はバブリーズのものとなりました!
それだけでなく、騎士叙勲もされて領地も貰えます。領地も貰えるならもう貴族ですよね、爵位とかあるのかな。この辺は清松先生のサイト参照。
しかし妖精は除外。よってスイフリーとパラサは資格なし。人種差別は当然のようにある世界ですから。
あと女性も除外。よってレジィナとフィリスも資格なし。普通騎士になる者は男性になってます。性差別もまた当然のようにある世界ですから。
更には邪教徒も除外(せめて異教徒)。つまりグイズノーも資格なし。この厳格なファリスの国では、異教徒はやはり肩身が狭いのです。
すると残ったのはアーチーのみ。騎士といったら普通ファイター/セージだし、本国でも学者貴族?ですからね。
爵位はともかく、騎士位は間違いなく貰ったので、これでアーチーはアーチボルト・アーウィン・ウィムジー卿と呼ばれるようになるんですね。
ちょっとふて腐れ気味の仲間達でしたが、受けないと城を貰えないと分かると積極的にアーチーを叙勲させようとします。素敵な仲間達ですね(笑)
領土だけでなく、この間から働かせている村も貰えます。領民まで貰っちゃうと責任を感じますが、それは全部アーチー持ちなんで。
地位もなければ責任もないが、そのくせしっかり城には住むアーチー以外の人達。そっちの方がいい身分だと思いますがね。
グイズノーは城つきの司祭になり、更には寺小屋の先生にもなるらしい。そういえば破戒坊主とはいえラーダですもんね、啓蒙運動。
しかも6レベルセージって、物凄いインテリっぽいですよね。魔術師ギルドで生徒を取って講義とかできそうなレベルですよ。
あとフィリスは女先生、セージ1ですけどね。スイフリーはここを拠点にエルフ帝国を築こうとしてるらしいけど、誰か止めてください(笑)
そうして腰を落ち着けたバブリーズの為に、エライセンが曲を作ってくれたらしい。どんな曲か知りませんが、きっと荘厳な曲。
一応救国の英雄だし、もう友達っぽいし。エライセンも気の効いたことしてくれますね。あと伯爵はどうしてるんだか。
あと他の貴族が狩りに誘ってくれたそうですが、8レベル戦士の矢なんて受けたらウサギとか粉々になるんじゃないかな。貫通しそうだし(笑)
★事件が歩いてやってきた
そんな悠々自適のナンチャッテ領主生活(コラ!)が2月3月過ぎた頃、領民が行き倒れの女性がいると報告してきました。
かなり衰弱していて、裸足で傷だらけでした。アーチーは「グイズノー師、介抱したまえ」と領主気取りに指示を出すとアッサリ復活。
「人魚や人魚や」というレジィナの推測の通り、彼女はマーメイドなのです。魔法の薬で人間になって、裸足で歩いて来たんですね。
実は彼女はブルボンの恋人で、集落がまたもダークエルヴズに襲撃されたので、バブリーズに助けを求めに来たらしい。
あの集落でまともに戦闘できるのはブルボンだけらしいんですよね。そんな状況で数日置いたら、今頃皆殺しになってそうな……。
薬はマーメイドに恋したウリュウの魔術師が作ったものを、ブルボンが発見したものです。そのロマンスをわざわざ碑文に残してあったとか。
多分人間限定の"ビースト・メイカー"でしょうね。様々な動物に変身する薬ですが、人間になるものがあってもいいと思う。
ただ海水をかけると元に戻るそうなんですよね、普通の"ビースト・メイカー"ではなさそう。呪泉境にでも行ったか(それだと解除は温水)。
これを作った魔術師は、マーメイドが好きに故郷に帰れるようにそういう仕様にしたのかもしれませんね。だとすると優しい人だったのかな。
特に見返りはありませんが、このSOSには応じます。理由があるとすればブルボンは友達という事ぐらいですけどね。
当然7人目の仲間も拾っていきます。すっかり出世の道は閉ざされ、毎日毎日を詰め所で頬杖ついて過ごしてる。可哀そうなクレア。
フィリス「でも暇なわけじゃないと思うけど?」
スイフリー「いや暇に違いない。我々が暇にした」
GM「お前だよ。お前が暇にした」
こうなったら責任取らないとね、スイフリー(笑)
港までは領主らしく馬車をかっ飛ばします。馬車には本の周りを金貨が取り巻いた紋章のついた旗がついてますが、みっともないので燃やす。
一度ファーズに寄って、やっぱり暇だった7人目の仲間を拾い、更には魔晶石を大量に購入。潜るには必要ですからね。
ここではサイコロを振って売ってる個数を判定したのですが、14とか出てるし、2D6+2D6でしょうかね。14は平均になります。
これは普通に買占め、なんか桃鉄みたいな事やってます。20点だとしたら1つ4000、14個買ってもたったの5万6000です。
クレアにはパラサが5個?(2万)プレゼント。そういう本人も既に6つ持ってたりします。これだからコモン・ルーン持ちグラランは(苦笑)
★悪夢の毒々海域
港までやってきたバブリーズは、アーチーが騎士の権限で漁船を徴発。「さあ、そこの漁師、船を出せ」ってどんどん傲慢になっていく。
ダイビング・ポイントまで来ると、前と同じようにスイフリーが全員に魔法を施して一気に潜ります(42点消費)。
しばらく潜ると一行はダークエルフが撒いた毒に行き当たります。毒々しい紫が層になっているんです。けしからん漁法ですね(違う)。
この毒の層がどの程度の厚みがあるのかは、"毒無効化の指輪"を持つスイフリーが全力移動(1ラウンド63m)で測定します。
すると厚さは750m、おおよそ2分間(12ラウンド)もかかった事になります。すると他のメンバーはちょっと厳しいですね。
どうやらこの毒は服用毒らしく、息を止めてれば大丈夫のようですが、無呼吸でいられるラウンド=生命力ラウンドなんですよね。
すると"毒無効化の指輪"を持たない他のメンバーの場合、果たして息は保つのか見てみましょう。
アーチーは敏捷度13なので、全力移動で39m。抜けるまで20ラウンドかかり、生命力15。足らない。
フィリスは敏捷度14なので、全力移動で42m。抜けるまで18ラウンドかかり、生命力15。足らない。
レジィナは敏捷度12なので、全力移動で36m。抜けるまで21ラウンドかかり、生命力15。足らない。
グイズノーは敏捷度19なので、全力移動で57m。抜けるまで14ラウンドかかり、生命力12点。足らない。
パラサは敏捷度25なので、全力移動で75m。抜けるまで10ラウンドかかり、生命力13点。唯一行ける。
なおスイフリーが試した場合は12ラウンドかかり、生命力8なのでやっぱり足らない。この分だとクレアも厳しい。
そうしてスイフリーが毒の層を抜けると、そこではブルボンがダークエルフ×3と戦っていました。相変わらず元気な奴(苦笑)
ここでスイフリーが助けに行かないと大分ヤバイですよね。仲間を呼ぶにしても4分(24ラウンド)かかる。普通死んでます。
仕方ないのでスイフリーは慎重に接近します。250m先だから、通常は4ラウンドでつけるところ、5ラウンドかかる事にします。
それでもやっぱり死んでそうですが、孤軍奮闘するブルボンはジャベリンでダークエルフを2人始末します。頑張りますね。
途中でダークエルフに接近に気づかれるのですが、「味方だ」とエルフ語で言っただけでアッサリ信じます。やっぱりあの肌は白粉……。
ここでは暗いからダークエルフは判別できないんですが、完全版になるとダークエルフって暗視も備わるんですよね。
レジィナ「ブルボンから"戦乙女の槍"食らわないといいけど……」
パラサ「『ちくしょう、新手か、ドス』」
グイズノー「『あれ?今度は肌が白いや』」
でも本当に食らうと大分やばいですよね。ブルボンの魔力が8でも、抵抗できないと7振って15点来る。9点抜けるから本当に生死判定(笑)
ていうか4ラウンドずっとジャベリンを使い続けてるブルボンって精神力凄いですよね。5〜6レベルでも5点だから、計20点使ってるし。
もしかして7レベルとかあったりするんでしょうかね。すると1発4点だから何とかなりそうですが。しかも魔力もその分高いからエルフは瞬殺。
やがて5ラウンド目にはスイフリーは魔法が使える範囲に来ます。つまり4ラウンド全力移動+静止で射程(20m)に入ったと?
遠回りしてるから具体的にどの程度の距離を移動したのか分かりませんが、250だと全力移動で丁度4ラウンドかかるんですよね。微妙です。
スイフリー「"戦乙女の槍"2倍掛けね」
グイズノー「一気に両方ともというわけですね。『わたしがダークだということを知ってしまった奴は生かしてはおけん』」
パラサ「1本はダーク・エルフ、もう1本はブルボン」
スイフリー「違う、ダメージの確実化だ」
ダークなエルフさんは精神抵抗が高いですからね。達成値よりもダメージを拡大した方がよっぽどマシらしい。
という事でダメージ2倍拡大"バルキリー・ジャベリン"で最後のダークエルフも海の藻屑となり、ボロボロのブルボンを救いました。
一見ブルボンが余裕そうに見えましたが、実は彼も大分怪我をしてたんですよね。スイフリーが入らないとヤバかったらしい。
しかしブルボンって本当に強いですよね。仲間が虐殺される中、ダークエルフを次々に1人で倒してたんですから。精神力もギリギリでしょう。
毒を流してるダークエルフのリーダーをとっちめる前に、スイフリーは浮上して仲間を呼びます。
ところでここの挿絵がまたいい。中央にニプレスつき?人魚で、それを囲むように「人魚や人魚や」とにやけるバブリーズがゾロリ。
人魚さんは物凄い嫌そうな顔してますけどね、上半身裸だし。肩の辺りにエラっぽいのがあるのが芸が細かい。
そして750m下からは「バルキリージャベリン!!」「ぎぇえええええ!!」という応酬が水中なのにクリアに聞こえてくる。
何よりもいいのが、画面左上で膝を抱えて空ろな目でブツブツ言うクレア。なんか生活に疲れたOLみたいですよ。
「わたしはナゼこんなところに」と延々呟いてますが、その疑問はまだ早い。これからもっともっと振り回されるんですから(苦笑)
毒の層を突破する方法として、全員に"ヘイスト"をかけて突っ切るというのが採用されました。でもクイックネスでもいけますよ。
アーチーは敏捷度13→19になって全力移動で57m。抜けるまで14ラウンド、クリア。
フィリスは敏捷度14→20になって全力移動で60m。抜けるまで13ラウンド、クリア。
レジィナは敏捷度12→18になって全力移動で54m。抜けるまで14ラウンド、クリア。
グイズノーは敏捷度19→25になって全力移動で75m。抜けるまで10ラウンド、クリア。
"ヘイスト"なら敏捷度2倍だから、もっと早く抜けられますね。でも結果が同じならコストが低い方がいい、時間制限がないならば。
★ダーク・エルフ、沈没
いつかの海底冒険の時と同じ8人パーティーになった一行は、ブルボンの案内で毒をまいているダークエルフ×6を確認します。
1人が毒の壷を抱えていて、そこから紫色の液体がドクドクと流れています。そしてもう1人がそれに対応すると思われる蓋を持っています。
更にリーダー(ガルバス)は妙な兜を被っています。この兜は一対になっているトランシーバーのような、連絡用のマジックアイテムです。
壷というのが実に分かりやすいですね。壷と蓋をセットで奪えば毒は止められそうです。壊すと怖い事になりそうなのでそっちの方がいい。
当初は壊す気満々でしたが、この手のマジックアイテムって壊れない仕様になってるような。壊すと止めどなく毒が出てきそうだし。
グイズノー「えー?壊すんですか?わたくしたちに使えればそれでいいじゃないですか。まず、壷に"水上歩行"ですよ」
確かに"ウォーター・ウォーキング"をかければ一気に海面まで吹っ飛ぶでしょうね。すると今度は海面が浸食されそうですが。
あとPCは毒の使用禁止。毒の使用は極めてインモラルです。そのくせ闇司祭とかダークエルフは好んで使うんだからなんか悔しいですね。
ここからダークエルフまで接近する訳ですが、何mの段階で気づいていたか、の判定でレンジャー技能を使用しています。
(レンジャー+知力)×10mで気づいた事になるので、達成値が高い程に逸早く相手の位置に気づいていた事になります。
ここではフィリスが140mという距離で気づいたと思いきや、暗かったので実は無理でした、という事に気づきます。
でもダークエルフは完全版の暗視持ちのデータになってるんですよ。さっきは暗くてスイフリーを仲間と思い込んだくせに(笑)
この連中は完全版の暗視持ちダークエルフで、さっきの連中は暗視持ちになる前の進化前のダークエルフとか(そんなんいるか)。
しかしこれで本格的にエルフはダークエルフのレッサー種ですよね。暗視、精神抵抗+4、暗黒魔法。エルフにできてダークにできない事がない。
レッサーエルフなんてスイフリーが言うのも無理はない。そういう本人は徐々に徐々に浸食率が上がってるんですが。
あえて言うならば社会的信用でしょうかね。能力ではありませんが。ダークエルフが大手を振って歩ける人間の国は限られてます。
フィリスでは無理だったので、暗視か赤外線視を持つ人だけなんですが、それだとスイフリーとブルボンしかいないんですよね。
フィリスが"シースルー"を使ったとしても、範囲は半径30m。100mという範囲で気づくにはそこそこ拡大しないと。
それならば"ビジョン"&"シースルー"のコンボを使えばいいんですよ。これなら暗かろうが壁があろうが、かなりの範囲をまるっとお見通し。
振り直した結果、ブルボンは100m、スイフリーは平目で40mの距離でようやく確認できたことになりました。
対するダークエルフは110m、実は先に気づかれてたという背筋の寒くなる事実が発覚しました。ジャベリンの恐怖再びか(苦笑)
そうなる危険があるから、前と同じくグイズノーが予めキュアーを拡大しておくのがセオリー。ケアルガケアルガ。
ここではスイフリーがとにかく小賢しかった(褒め言葉)。インビジエスケープ&ジャベリンのコンボで反撃を受ける事なく攻撃を重ねます。
旧版のインビジは、行動しようと思えばその行動順で解除される仕様でした。だからラウンド頭の行動宣言で攻撃の標的になる事はなかった。
そして標的になる事なくジャベリンで攻撃し、次のラウンドでまたも先手を取って消える。優れた敏捷度があればこその戦法です。
敏捷度が高いから最初のラウンドでも大抵は先に消えて、敵に攻撃をキャンセルさせられます。私はこれをインビジエスケープと呼んでます。
よくよく考えれば、アニメのロードスのダークエルフとかもこの戦法を使ってような気がします。それにしても相変わらず汚いなはとこ(笑)
完全版になると、ラウンドの頭で解除される事になったのでしっかり標的にされます。これもまた彼らが見つけた旧時代のルールの穴です。
そんな"白いダークエルフ"スイフリーが、幸運な事にとあるダークエルフの抵抗を破った時の出来事でした。
なんと"バルキリー・ジャベリン"が4回連続クリティカル55点でダークエルフに炸裂したのです。歴代SWリプレイ最高ダメージです。
こんなん食らったらミンチですね。仮に7レベルぐらいあって、生命力も10あったとしても、−38点。既に原形を留めていない気が(苦笑)
スイフリー「怖い。やっぱり、この魔法、怖い。汚いと言われようが卑怯と言われようが、これだけは絶対に食らわないからな」
フィリスが前と同じように魔法を解いて水圧で潰したりしつつ、こうしてダークエルフ達は蹴散らされました。
まず押収した壷には蓋を嵌めただけで簡単に毒は収まります。続いてトランシーバー兜ですが、中から敵の親玉の声が聞こえます。
エルフ語なので"言葉の魔術師"が被り、適当に口裏を合わせて情報を引き出そうとしますが、これが結構難しかったりする。
次の作戦とやらがあるそうですが、普通に聞いたら怪しまれるだけだし。アドリブで頭を使ってどうにかする、TRPGならではのシチュです。
取り合えず治療できる者を寄越してくれと要請します。直で情報を聞きだすのは難しいから、敵を誘き出して聞き出そうという腹らしい。
ダークエルフの癒し手といえば、闇司祭か女か。女ならジャベリンがないからそんなに怖くないけど、闇司祭だと精霊使いと兼用してる可能性あり。
しかし向こうも余裕がないらしく却下されて、作戦から外れろとか言われちゃいます。大分交渉の難易度は高く設定されてますね。
動ける人が2人だけだと言ったら無能扱いされるし。「もう1人の奴と変われ」by.パラサとか言われたら凄い困る(笑)
ちなみにバブリーズの中で他にエルフ語を喋れるのはグイズノーのみ。レジィナは5もあるけど実は取ってなかったりする。
結局「ファラリスのもとへ行ってしまえ」と吐き捨てられ、通信終わり。どうにもなりませんでしたね。
仕方ないので兜を被っていた推定リーダーのガルバスから尋問します。多分早い内に気絶したから、解呪で潰されずに済んだんでしょうね。
するとガルバスはさもバブリーズを知っているかのように挙動不審です。つまりこいつから情報を聞き出せと。
ここでのスイフリーの行動は槍で突く。怪しい行動をしない限りキャンセル。要は槍でツンツンして脅してる。
その尋問シーンの挿絵ですが、皆結構くつろいだ顔してますが、ここは海底なんですよね。008かアンタらは(苦笑)
レジィナがウィスプだか"ライト"だかで暖を取ってるように見えますが、基本的にこれらの魔法にそういう効能はない。ウィスプは痛いけど。
画面奥の石壁の上に座ってすましてるクレアも気になりますが、右奥にいる謎物体の方がもっと気になります。何ですかコレ?
あとガルバスに槍を突きつけてるスイフリーですが、何か肌の色以外瓜二つという気が。2Pキャラでしょうか。
なかなか強情なガルバスでしたが、仲間の肉片や、今にも襲い掛かりそうなブルボンがいるので、結局は吐いてしまいます。
彼はアノスに復讐する為にダークエルフ達が蜂起した事を伝えます。マーマン達にもエライ目に遭ったから復讐したらしい。
聞くだけ聞くとガルバスは逃がしてやりますが、そこですかさずブルボンがジャベリン。集落を襲った虐殺者を生かしてはおけなかったようです。
スイフリー「わたし、やっぱり邪悪かなー。完全に予想してたもんな。でもブルボンの気持ちを考えると、生かしてはおけんかったからなー」
このセリフってクレアの前で言ってるんですよね。彼女の前で自ら邪悪かと自己批判するなんて、何か深い意図があるかと深読みできそうです。
友達の気持ちを考えて、あえて敵を殺すに任せる。これは邪悪なのかとクレアは問い返していそうな気がします(妄想全開)。
ブルボンから感謝の言葉を貰ったバブリーズ7人(やっぱり入ってる)は海上に戻ります。
例の兜と壷はアーチーがアノスの騎士として接収。すっかりアノスの騎士気取りですね、しかも権力を振りかざしつつあるし。
壷についてはグイズノーがセージ判定しますが失敗。そこでフィリスが"アナライズ・エンチャントメント"を使用します。
6レベルの古代語魔法、その効果は魔力の鑑定。この魔法にかかれば、あらゆる魔法やマジックアイテムの詳細が分かるのです。
なんと"カース"や"ロック"の解除キーなども分かるし、発動する前から呪いの詳細も分かったりするという優れものですね。
ただし魔力を隠蔽する遺失魔法の"シール・エンチャントメント"とは対抗関係。達成値が足りなければ分かりません。
するとコマンドワードで毒を発生させる事がわかります。毒は液体にも気体にもなる。しかもコマンドワードも分かりましたよ。
グイズノー「ふふ、これで使い放題ですね」
……スイフリーよりも、破戒坊主の方がよっぽど邪悪のような。
★ああ、破局〜テーマは"愛"(笑)
アノスの危機だと分かった今、アノスの騎士は急いでファーズへ戻って報告しないとけませんね。フィリスが冷めた目で見てますが。
アーチー「さあ、荷車に積みこむのだ。騎士の言うことがきけないか?」←般ピーにダークエルフの死体を運ばせてる
般ピー「わかりました。やだなあ、こんな悪魔みたいなものに触るのは」
アーチー「四の五の言わずに積みこむのだ」
アーチーがどんどん傲慢になっていく(笑)。お金と権力を握ってから人格変わりましたね。これにはフィリスもウンザリ気味です。
フィリス「もういや、あの男」
あ〜あ、言っちゃた。最終回なのにフラグが立つどころか破局ですよ。何このドロドロした愛憎模様(苦笑)
フィリス「お金も権力もなくってもあの頃のアーチーがよかった」←あったのは家柄だけ
アーチー「ま、わたしの正体なんてこんなものなのだよ。わっはっは……」
本当にキャラ変わりましたね。主役(的)な男がいいのか、こんなんで。
そして挿絵は、1人バックに暗闇を漂わせて高笑いするアーチーと、それに嫌気が差したような顔で立ち去る仲間達(最高)。
アーチー「ハハハハハハ」←凄い顔してる
レジィナ「あー帰ろ帰ろ」
フィリス「他人やからね。タニン。アイツ」
グイズノー「まあサンザン甘い汁もすわせてもろたし」←破戒坊主が言うとなんか越後屋みたい(苦笑)
パラサ「ま、ころあいかなっと」
……素敵なパーティーですね(そうか?)
という具合にファーズへ報告に走ろうとしてた一行ですが、キャンプにルキアルの密偵が接触してきました。挿絵見たときドワーフかと思った。
彼はなんと8レベル盗賊、パラサと(本来は)同格なんですよ。大陸最大のロマール盗賊ギルドでも最高幹部になれるぐらいですね。
あとここの挿絵で、飲んだくれてるクレアが可愛いかも。「もーいいのわたし。どーなっても。おじさんおかわりちょーだい」って(笑)
場末の酒場の姉ちゃんみたいですね。そしてその横でイカの足をしゃぶってるダークエルフスイフリーは、もう鎖骨や耳まで浸食中。
彼は単刀直入にバブリーズにある頼み事をしてきます。それはダークエルフとアノスの全面衝突の阻止です。
ルキアルはパワーバランスを気にかけています。ダークエルヴズと戦ったらアノスは負けないまでも弱体化する。それを避けたいのです。
そこで正規軍を動かさずにダークエルフを蹴散らせれば、1人頭10万ガメルくれるとか。もうそれぐらいじゃ驚きませんがね。
彼の調査によると、ダークエルフは東西南海4路に分かれて進軍中。さっきのは海分隊ですね。本体は西の部隊です。
所詮ダークエルフ、アノスと正面からガチで戦う実力はありません。体力不足だし。ファーズに侵入してテロ行為でしょうね。
ジャベリンを使えるような手強いのは10人ぐらいで、そうでないのが60人(笑)ぐらい。ここらの部族の総力だとか。
普通の冒険者なら尻込みして逃げるしかありませんが、魔晶石をジャラジャラ言わせてるバブリーズなら十分対抗できそうですね。
さてどうするか。今のところは報酬ぐらいしか理由がない。あとは人道的に、戦争になるのを避けようという良心かな。
アーチーはアノスの騎士ですから(すっかり身も心も)、ファーズへの警戒を怠り、万一民草に被害が出るような事は避けたいのです。
スイフリー「というわけで、警告はする。結果的に、正規軍に被害が出なければ、報酬をもらうということで」
密偵「計算高いですね」
スイフリー「妥当な提案をしただけだが」
密偵「褒め言葉ですよ」
これでスイフリーは、「計算高い」は褒め言葉だと知ったのです。「エルフに変な言葉教えちゃダメだって」by.レジィナ(懐)。
クレアですけど、やっぱりこういう裏取引にはピクピクしてるんですが、正規軍が動けば被害が大きくなるというのも理解できるらしい。
だってダークエルフですからね。ハトコみたいにインビジエスケープとか使ってこられたら被害が出る、できればこういった精鋭のみで潰したいです。
スイフリー「そうそう。世の中融通だよ、融通」
パラサ「はとこが姉ちゃんを黒く染めていく〜」
という訳で了承したクレアは先にファーズへ戻ります。融通の利く冒険者連中にも声をかけて、最悪の事態だけは避けるよう警戒です。
6人になったバブリーズは、最寄の南分隊を攻めようと、またトランシーバー兜を使って親玉から情報を収集しようとします。
被害が大きく単独行動は無理だから、南分隊と合流したいという要請でした。これは上手く行ったんですよね、戦力を割く訳じゃないから。
でもこの兜って対になってるんですよね。という事は今頃親玉は兜を3つ抱えて、連絡を取り合ってるんですね。嵩張りますね(苦笑)
こうして南分隊の居所は分かったのですが、そこにアーチーの領民がやってきて、リズちゃんが高熱を出して死にそうだと報告します。
"センス・ライ"や"センス・マジック"を駆使しても本物のようです。でも何でこの場所が分かったんだか。
酷い熱なので動かせないそうです。かといってそっちへグイズノーを行かせると、南分隊との決戦が絶望的になる。
今さっきクレアが行ったばかりだったんですよね、間が悪い。リズとダークエルフ、どちらを取るかですね。
これにはどうするか散々悩みますが、結局はレジィナが1人で帰る事にします。グイズノーがいないとどうにもならないし。
お金を使って手を尽くしてるとするならば、必要なのは医者や神官ではない。レジィナが手を握ってやる事でケロっと治ったりするんですよ。
帰る人間によってシナリオが変わると、GMが口を滑らしたフリをして誘導してます。読者の不意を突く為かセリフがページを跨いでるし(苦笑)
散々っぱら「帰れ」コールされてふて腐れてるレジィナがちょっと可愛かった。分隊だから、戦士1人いないぐらいなら何とかなるし。
スイフリー「お前なんか、本国に帰れリト●ルスキー!」
アーチー「日本にいたいですぅ」
スイフリー「いらんわ、帰れ」
レジィナ「ひどい言われようだ」
リ●バルスキーは本編では全部が●で潰されてましたがね(苦笑)
という訳で、レジィナはストローウィック城に帰りました。すると案の定リズちゃんの容態は回復していきます(こいつぅ〜―笑)
それは良かったんですが、何故か城内にはあの密偵がいたりするんですよ。これは彼にも予想外だったらしい。
どうやらこの密偵は、ダークエルフとも同盟を組み、城の人間(=弱点)を攫ってバブリーズを誘き出す事も画策していたらしい。
多分今回の謀略は2面作戦だったんじゃないですかね。ダークエルフともバブリーズとも同盟を組んだフリをしていたような気がする。
両方ともアノスのパワーバランスを崩しかねない存在ですからね。両方と仲良くしたフリをして、どちらか、あるいは両方潰せればラッキー。
ルキアルの謀略は一つのものを練りに練るのではなく、下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる的な所がありますからね。
複数の策を用意して、その中から1つでも上手くいくものが出てくればいい。そんな感じです。もっとも、複数の策を用意する方が困難ですが。
しかしこうなった以上は、レジィナだけでも殺っちまう事をこの密偵は選んだようです。ギャロットを構えて戦闘開始です。
この時のレジィナはパジャマらしいので、金属鎧ではない。だから対締め効果が無いからギャロットも効くのです。
しかしこのギャロットには旧版では致命的欠点があります。攻撃が命中した際の達成値を目標に、冒険者+筋力で判定しますね。
ところがギャロットの攻撃力は−4なんですよね。これじゃあ運良く命中しても達成値は低めになり、抜けるのも容易なんですよ。
完全版では、締めてる側は器用度ではなく筋力で判定するからこの弱点はない。あとギャロットの当たりの悪さも微妙に改善。
攻撃力−2に上がっていて、締めで相手が回避力−2だから±0。ただしその前の《組み合い》で攻撃力−2とやはり微妙に当たり難い。
相手が8レベルでも、攻撃力−4じゃ当たらないと思いきや、2ラウンド目にはレジィナが1ゾロ振ってアッサリ首が絞まっちゃうんですよね。
ここの挿絵ですけど、何かヤバイ。最後だからと中村先生もはりきったんですね。なんてマニアックな構図でしょう(苦笑)
これで負けると奥で声を上げているらしいリスちゃんも危ないんですよね。ここでトップ乱入とかあると燃えるんですが。
でも所詮達成値が低いからアッサリ脱出。反撃とばかりに攻撃し、クリティカルして21点ダメージ。
実は1ラウンド目にもダメージを受けてたので、これで密偵死亡。今回の真相は謎のままになってしまいました。
一方仲間達ですが、フィリスがレンジャー+知力で南分隊の野営地を発見していました。敵は15人ほど、こっちの3倍はいますね。
グイズノー「風向きは?」
GM「ん?きみたちが近づいている方向から、野営地のほうへ」
グイズノー「チャンスですね。ここは毒の壷で一気に……」
だから駄目だって(苦笑)
ここでは小細工は使わず、プロテクやらカンタマやらの援護魔法をかけて突っ込むというシンプルな戦法が取られました。
どうなるかと思いきや、アッサリ勝利。実は5レベルが1人いただけなので、戦闘シーンすら省略。4レベル以下の集団では勝てないんですね。
グイズノー「楽勝だったですねぇ。わたくし、汗一つかいておりません」
アーチー「アーチブレイドが久々に唸ったか」
パラサ「ま、オレの25回クリティカル・アタックのおかげだね」←それって物凄い確率低いし
という訳で捕虜から尋問したところ、衝撃的な事実が明らかになりました。なんとバブリーズはブラックリストのトップに載ってるんです。
そういえば随分な数殺してますもんね。勇者っぽいのも倒したし、精鋭部隊も殲滅したし。ここらの部族を全部的に回しました。
しかし捕虜は今頃は同盟者(密偵)が弱点を攫ってると満足気ですが、残念ながら失敗しています。キャラクターは知らない事ですが。
時間的にどの程度開きがあるかは分かりませんが、パジャマで格闘の挙句、返り討ちにしてるでしょう。
スイフリー「きみたちは"愛"に負けたのだよ」
GM「はぁ?」
スイフリー「きみたちの一隊がわたしたちに潰されたのも、1人のマーメイドの愛と、それに応えたわたしたちの愛ゆえにだ
そして、愛ゆえに、わたしたちの戦士は今、城に帰っているの」
パラサ「言ってて恥ずかしくない、はとこ?」
スイフリー「ちっとも。そうか、この第3部リプレイのテーマは"愛"だったんだ。今、気がついたぞ」
"愛"だったんですね、テーマ。そのくせ人生裏街道な事ばっかりやってるような気がしますが。ファリスは口にできないくせに、愛はいいのか(笑)
★バブリー・アドベンチャラーズよ永遠なれ
しかしこの状況は果てしなくマズイ。ダークエルフ達の最大の仇敵だなんて、あまりにも危険過ぎる立場ですよ。
真実については、スイフリーが正しく推論したらしく、やはりそういう事でした。流石はルキアルに匹敵すると言われるだけの事はある(笑)
ルキアルにとってのリスクは、高レベル盗賊を失うかもしれないという事のみ。突出した才能は要らないなら別に問題ありませんからね。
その時定時連絡をトランシーバー兜が受信します(こっちのリーダーはユーリエルらしい)。ここでスイフリーは一気に正体を明かしました。
スイフリー「ふふ、お前たちの企み。すべて見破ったぞ」
親玉「何っ?貴様、ユーリエルではないな?」
スイフリー「そのとおり。お前たちの宿敵だ」
親玉「うぬ?なぜ?」
パラサ「"愛"だにゅ(爆笑)」
カッコイイですね、小説でもそ滅多にこういうシチュエーションはないだろうに。
ところがここからスイフリーは、正規軍を動かすとかブラフ(ハッタリ)を効かせ過ぎてしまいました。
親玉「くくっ。よくも。貴様ら、覚えていろよ。必ず復讐は果たしてくれる」
かくしてダークエルフ軍団は一時撤退。一網打尽にして危険を解消しようとしてたのに、引き上げちゃいました。居所も謎です。
つまりこの時点でバブリーズは姿なき暗殺者の影に怯えるような立場になってしまったんですね。……また厄介な。
アーチー「放浪の旅に出るしかないな」
もし領地に留まっていれば、領民や座長さん達に危険が及ぶのは分かりきってます。ならば身を隠さないといけない。
フィリス「せっかくの騎士職は?諦めるのかなー?アーチーさんは」
アーチー(あっさり)「いいんじゃない?」
あれだけ人格変わっておきながら、またコロリと昔のアーチーに戻っちゃいました。結局アーチーって、ちょっと領主をロールしてただけとか。
しかし全くの留守にするのも問題です。手っ取り早くそっちを狙わないとも限らないし、誰かが領地を経営してやらないと。
そこで名代にクレアを据えます。散々振り回されて、ついには名代ですか。彼女もここ数ヶ月で波乱万丈ですね(苦笑)
スイフリー「わたしの帰りを気長に待っていてもらおう」←それって……
パラサ「エルフの帰りを気長に待つなんて。お婆ちゃんになっちゃうにゅ」
こうしてバブリーズは人々の前から姿を消し、放浪の旅に出てしまいました。
それでも成金冒険者達の数々の功績は決して消えない。いずれまた人前に姿を現す時も来るでしょう。
彼らが世界とゲームに果たした功績は比類ない。そして本当に面白い冒険をありがとうバブリーズ。
そして奴らは伝説になった