「デーモン・アゲイン」著:清松みゆき・藤澤さなえ・秋田みやび/グループSNE 出版社:富士見書房

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「やっぱり、猫は好き」作:秋田みやび

★出奔希望キャラメイク

「Role&Roll」誌上に掲載された三つのリプレイが本となったのがこの「ソード・ワールドRPGリプレイ・アンソロジー デーモン・アゲイン」です。

この「やっぱり、猫は好き」は「Role&Roll」(以下R&Rと略す)のVol.5とVol.6に掲載されました。

雑誌掲載時に書いたのも一応残してあります→旧版、結局文庫化するまでは書き直さず終いでしたよ。

その最大の特徴は人気イラストレーター(と声優)がPLとして参加しているということでしょうね。


SWとは直接関係のない方もいますが、TRPG経験が豊富という強者もいたりします。

歴代リプレイでは原則PLの正体は秘密でしたけど、今回はPCとPLの両面を強く意識できる作品となっています。

PLの経歴を知っている人ならばニヤリと笑えるような所もチラホラ。私としては是非ともまたやって欲しい形式です。


そういえば「レジェンド・オブ・クリスタニア〜はじまりの冒険者たち〜TRPGサウンド・リプレイ完璧盤」というCDがありました。

これは声優さんたちが水野先生のGMでTRPGを遊んだ様子をCD化したものです。実はそんな凄い企画もあったんですね。

これをヘッポコーズやバブリーズでやってくれたらさぞ面白いでしょうね、まぁその場合はリプレイのリプレイになりますけど(苦笑)


さて、今回のキャラ達です。


パル・スタンド 40歳/伊藤舞子

2レベルのシーフ/バードでレンジャーも1な男のグラスランナー。

今回のパーティーはグラランが2人ですが、もう1人に比べるとかなり役立ってる気がする。

グラスランナーらしく人間の少年のような感じ、グラランにしてはかなりマトモです。

パラサというかマールに近いかな。まぁマールのような強かさはありませんけど、それもまた愛嬌。


習得呪歌は"スリープ"と"サモン・スモールアニマル"。この場合の小動物というのは手に乗る程度の哺乳類・鳥類だそうです。

つまり、同じサルでもパタスザルは駄目だけどピグミー・マーモセットはOKということです。まぁ近くにいればだけど(笑)。

PLは声優の伊藤舞子さん。代表作は「ガオガイガー」だそうです。


ガス・ハスクバーナ 120歳/緒方剛志

レンジャー3、シーフ/バードは1なもう1人の男のグラスランナー。

一応冒険者レベルはパーティー内で1番高いです。しかしその実体は妖怪のんべえ!(笑)

大陸中のご馳走を求めて諸国を回るグルメなグラランです。

通常連想されるグラスランナー像とはちょっと違う愉快なオッチャンです。


緒方先生は「ガンダムSEEDアストレイや「ブギーポップ」等のイラストレイターです。

「R&R」の表紙も担当していますし、TRPG経験もあるそうです。

今回の企画の発端となった方でもあるそうなので、私は非常に感謝しています(笑)


エルマ・オーリリア 16歳/浜田よしかづ

1レベルのファイター/ソーサラー/セージ、今回のヒロインらしい人間の女の子。

その最大の特徴は23もある知力、これはロードスのディードと同じです。

でも精神力は13でヒースとどっこい(笑)。しかも生まれは傭兵という何か食い違った子です。


浜田先生は私にとっては今回のリプレイの中で一番親しみ深い方です。

なにしろ、新リプレイのイラストレイターですもんね。SWと最も縁深い方かもしれません。

でもTRPGの経験はサッパリ・ポンです。この文庫が出た先月に新リプレイがフィナーレを迎えたので、何かと感慨深い。


サイ・シグニード 23歳/ほづみりや

2レベルシャーマンなインテリっぽいお兄さん。でもその知力は10しかなかったりします。

イリーナとそう変わらないんですよね。精神力も11と低いのに、器用度と敏捷度は微妙な17という愉快なキャラです。

しかも生まれは「呪い師」、彼もまたエルマ同様に生まれと能力値に食い違いがありますね。

ほづみりや先生は同誌の「トラベラー」の印象が強いですね。やはりTRPG経験は豊富なので頼りになります。


ハーギィ・ダッツ 36歳/緑一色

ファイターを2、セージは1なドワーフの女の子。なんかSWリプレイのミンクスと印象が一緒です。

しかし筋力はたったの13。ドワーフの筋力の最低値は12で最高値は22です。つまり平均値は17なんですよ。

デュダさんだって14あるんで、かなり貧弱ですよね。知力も敏捷度も9、ただでさえ低いドワーフの中でも際立ってます。

人間で言うところの「スプーンより重いものは持ったことないようなお嬢様」みたいな娘です(笑)


本編にもあるようにアレクラストの女性ドワーフには髭は生えません。

「ロードス島コンパニオン」でも生えてなかったし、フォーセリアには髭女ドワーフはいないんでしょうかね。

逆に髭の生えた女ドワーフというと何かありますかね?。トールキンの中つ国とかどうでしたっけ?

緑一色先生は「六門世界RPG」のイラストで馴染みでしょうかね。


テッド・キールティ 21歳/刈谷

ファイターは2、プリースト(マイリー)が1という典型的な神官戦士。見た目普通の人間の青年です。

しかしその知力は7で生命力は10、はっきり言って一般人以下ですね(笑)

7は本当に低いですって。母国語は一応書けるものの、モンスターで言うところの「低い」に当たります


Q&Aにを参照しますと

人間には及ばないが、原始的な道具や言葉、文字などを使う。

 やや鈍いものの、ふつうに行動する上では的確な判断をする。が、高度な戦術を駆使して戦えるほどではない』

なんか絶望的ですね、装備のせいで金もないし。しかも人間には及ばないとなってる時点でなんかやり切れません。


しかも生まれは「司祭」、今回のパーティーは悉く能力値と生まれが合いませんね。

こういう場合は「ロードス島ワールドガイド」の邪神戦争のルールを使うのも手ですよ。

刈谷さんは編集の方だそうです。TRPG経験はそれなりだそうです。


グラスランナー2人が大いに騒ぎ、成人男性はいまいち頭が回らず、淑女なドワーフが奮戦し、やたら知能の高いお嬢さんが頼り。

グラランに至ってはパルが小動物を呪歌でおびき寄せ、ガスがそれを狩って食すというコンボが出来そうです。

案外使えるかもしれませんよ、"サモン・スモール・アニマル"で引き寄せられた動物は攻撃を受けると逃げちゃうから先ずは足です(笑)

そんな感じですね、小説なら。ちょっと見てみたいかもしれません、イメージが広がるしこれはこれで面白そう

ということで、イラストレイターリプレイ第一弾の開幕です!


★到着、猫の町

今回の冒険の舞台は人口1万程の中堅都市ネイラードです。

この街はコンベンションで使用されたシナリオで登場しています。そのシナリオもR&RのVol.2に載ってますよ。

今回のセッションではラムリアース近郊ということになってますが、多分その辺は適当に決めていいんでしょう。


ネイラードはカストゥール王国の時代から存在する街ですが、王国が打倒された時に太守の館を中心に街を興したそうです。

なかなか歴史のある街なだけに、カストゥールの遺跡もちゃんとあったりします。

領主はマクスター伯爵家が代々勤め、現在はなかなか治安もいいらしい。


この街には昔、近くの遺跡にあったデーモントラップが作動して魔神が召喚され始めるという事件がありました。

その事件を解決したのが現在の領主のご先祖様です。その人はデーモントラップを破壊した後、遺跡に閉じ込められてしまいました。

ところが彼は友人であったツインテールキャットに導かれ、出口にまで辿り着いたのです。

帰還した彼は英雄として讃えられ、領主となりました。現在のマクスター伯爵家も彼の家系です。


そのツインテール・キャットは「たまたま黒猫が助けた」という風聞を放置しました。目立たないようにね。

それ以来、そのツインテール・キャットは領主となった友人の家系とネイラードの守護者としてこの街に居ついています。

街の人々もまた、かつての英雄を救った猫を大切にしています。そんな理由でネイラードは猫達が多く住んでいるのです。

現在の伯爵はその事実を知りません、猫又の存在なんて想像だにしていませんよ。


ちなみにその英雄を出口にまで導いたのは幻獣としての能力だそうですが、それって魔法を使ったということですかね?

ツインテール・キャットは5レベルで古代語魔法と精霊魔法を使い、高い知性を有す5レベルモンスターです。

かなり優秀ですが、具体的にどうやったんでしょうね。もしかして"センス・オーラ"で風の精霊力を辿ったとか?

そんな事出来るんでしょうかね。風の精霊力を感じることは可能でしょうが、そこまで辿れるかな。

"センス・オーラ"は嗅覚とかに近い感覚ですが、本来地下に存在しない筈の風の精霊力を辿る程度なら出来そうですけど。


一行が街に入ってみると、やはり猫尽くしですね。猫パラダイスです、略して猫パラ(笑)

猫の為に餌場を作ったり、糞の清掃をしたりしてるぐらいです。やはり猫の方も人間に馴染んでいます。

私のような猫好きには堪りませんね、一匹ぐらいかっ払って飼っても良さそうだし。

でも猫を傷つけたら死刑、みたいな非常識な法律があるわけじゃないですよ。「生類憐みの令」じゃあるまいし。


ガス「ほほう。どれ、黒猫から始めてみようか………」

いきなり食う気ですかオッチャン(苦笑)。いくら法がなくても、流石にそんな事したら街の人達にボコにされそうです。

ガス「しょうがない、またの機会にするかな

テッド「見つからないようにだな」

だから止めろってば(笑)。でも実際猫を食す文化もあるんですよね、雄猫が上手いとか………。


テッド「昨日までは39ガメルあったんだが………レンジャー技能もないし、その辺の雑草を食べるしかないか

ハーギィ「とりあえず、そこに生えてたぺんぺん草、煮付けてみるけ?」

テッド「うう………まずは、何よりも己の胃腸を鍛えねばならんとは

昨日まではってことは今はそれ未満ってことですよね。流石に貧乏すぎですよ。

早く仕事を見つけないと飢餓で生死判定ですよ。でもほら、猫の餌場あるじゃん(食えと―笑)。

テッドの生まれは「司祭」だから、所持金は最低400ガメルですね。装備を買えば素寒貧なのも無理ない。


パルがバード技能で稼げば当面の食事代ぐらいは出ると思いますよ。

パルは2レベルだから、1時間歌えば(2×2×2D)ガメルだけ稼げますね。具体的には8〜48ガメルです。

一泊の宿代(30ガメル〜)は微妙ですが、食事(3ガメル〜)なら何とかなりそうですよ。


でもこれってテッドの稼ぎじゃないんですよね、まぁ驕りや貸しということでいいんじゃないですかね。

ハーギィ「んじゃ、トイチでどだ?リアル時間十分で一割

うわ、暴利です。人生は戦いなんですね、テッドがマイリー信者なのも無理はない(それは関係ない)。


★泣きべその事情〜病んだ導師

この街には現在原因不明の病気が蔓延しています。風土病というかなんというか………ぶっちゃけ猫アレルギーなんですけど。

猫アレルギーだからって舐めちゃいけません、あまりにも症状が酷くて猫を手放すよう言われる事だってあるんですから。

細かい事は旧版コッチを見てください。猫の街であるネイラードでは一度考えるべき事なのかもしれませんね。

あまりにも症状が酷くて街を離れなければならないこともあるらしいし、大変ですよ。


一行は恩師が猫アレルギーで苦しんでいるリン君と出会ったことで、この事件に首を突っ込む事になります。

リン君はラーダ神官のアベルという人から勉強を教えて貰っていたので、彼にかなり懐いています。

そんな人がもしかしたら街を離れるかもしれないとなったら、やっぱり辛いでしょう。

アベル神官はオランから来たそうなので、街に住み着いてからドンドン酷い症状になっていったんでしょうね。


一行はそんなリン君の話を親身になって聞いていました、なんか優しいですね。

テッド「み、みんな何故そんな、金にならない依頼とも言えないような件に、うきうきとして足をつっこもうとするんだ」

ハーギィ「え?解決すると、何となく気分がいいから

うわ、いい人だ。極めて善良な行いを見た気がします、こっそり見ていた例のツインテール・キャットの心を動かしたのも無理はない。

ちなみに、そんな事してる横ではガスのオッチャンは既に酔っ払ってます。流石はオヤジランナー、競艇場にいそうです(笑)


とはいえ、他にロクな仕事もなのでこの事件に関わり抜く事になります。

リン君「いざとなったら、お兄ちゃんたちが神殿の扉をぶち破って先生を救出してくれるんだよね?

何を教えてきたんだアベル神官(笑)。いや、こういうことは家庭の問題かな。

まぁそれは最後の手段として(選択肢ではあり続けるんかい―苦笑)、なるべく穏便にね。


アベル神官の症状を見ると、"キュアー・ディジーズ"をかけてもすぐに再発するそうです。

アレルギーの原因であるアレルゲン(猫毛とか)が街に満ちている訳ですから、そうなるでしょうね。

ちなみに「猫毛による生命の精霊力大暴れ症候群」というそうですが、長いよ

しかも生命の精霊力ですか。病気の原因は精霊力の異常というのは常識ですが、生命の根本に異常が現れたらもっと酷い事になりそうですけど。

いっそ「キャット・ディジーズ」とかでいいじゃないですか。アレルギーのニュアンスを出したければそれっぽく。


親切そうな一行の様子を観察し、例のツインテール・キャットはこのパーティーにこの病気の解決を依頼することにしました。

彼はシュバルツと名乗り、一行に接触してきます。もしかしてシュバルツって偽名じゃなくて彼の本名?

シュバルツというとマスクをつけたドイツのガンダムファイターを思い出すのは私だけでしょうか(笑)


シュバルツは宴会を続けるパーティーに待ちくたびれたりしつつ、この病気の研究を続けるハミル導師を紹介します。

シュバルツ「体が資本の冒険者が夜明けまで騒ぐのはどうかと思う」

確かに、既にオヤジランナー約1名は出来上がっちゃってるし。いっそ二日酔い判定でもしますか(苦笑)

ちゃんとエールにもデータが存在するんですよね、毒性値は10と一般人には微妙に高いし。

飲み過ぎて酩酊状態になると全行動に−4の修正が入るし、最悪死亡する事もあるから、お酒は程ほどにね。


報酬は1人700というのだから、そこそこ高い仕事ですね。1〜2レベル(一部3レベル)パーティーにはいい稼ぎです。

2レベル4人で1レベルと3レベルが1人ずつならば、パーティー全体の報酬の相場は1300〜5200ガメルですね。

これを6人で分ければ1人216〜866ガメル、やっぱり高めですね。しかも領主の家から持ってくるらしいし。

シュバルツ「大丈夫、あとで領主の夢枕にでも立って、丸め込んでおくから」

それでいいのかネイラードの守護者(笑)。まぁこの規模の領土を持つ貴族にとったらはした金なんでしょうけど。


リン君をはじめとする子供達も結構期待してるようだし、この仕事って結構重要ですね。

ガス「で、誰?このガキ

酔っ払ってヘベレケなグラランの約束なんて、こんなもんですよね(苦笑)

子供たち「がんばれー、冒険者のお兄さんお姉さん、がんばれー(万歳三唱)

強い………加えていい子です。僅かなお小遣いで震える手で依頼しようとしたり、子供には適わないね。


さて、ハミル導師は例の猫アレルギーを克服するために、体質を改善する薬草を開発してたりします。

その草はカロス草というらしいんですが、勿論ルールブックには載ってません。知名度も結構高めらしいしね。

この草はちょっとした環境の変化で変質するらしく、そういったカロス草を導師の用意した薬液につけて食べると様々な特殊効果が現れるのです。

そういった変種を発見すれば1種類につき50ガメル、自らモルモットになって効果を試せば更に50ガメルのボーナスです。

これは面白い趣向ですね、探索しながらも全種類コンプリートを狙いたくなります。SWPC2が出るとしたら、是非加えて欲しいアイテムです(笑)


ハミル導師は猫アレルギーでグチョングチョンですから、街から離れた所に小屋を建てて住んでいます。

そのくせ使い魔は猫だというのだから大変ですよね。早く治してにゃんにゃんに頬擦りしたいそうです(笑)

猫好きには深刻なんですよね猫アレルギーって。かくいう私も猫アレルギーらしいんですが、猫を抱いても全然平気なんですよね(何故に)。


一行は小屋に入る前に着替えなどをするのですが、テッドがうっかり見つかってエライ事になりました。

ガス「ふー、やれやれ。信じられんな。技能もないのに、覗こうとするなんて」

パル「まったくだよねー、やーらしいんだから人間って」

テッド「は!そんな、まるで他人のように!拙僧がそのような破廉恥なマネをするはずが………ぎゃー!」

シーフ技能持ちなグラランズは当然気づかれてません、この時ばかりは2人ともグラスランナーなんだな……と実感(笑)


★出撃!新米冒険者〜最終決戦!真・カロス草の行方は?

一行はカロス草を植えておいた地下薬草園に草を取りにいくわけですが、ここは既にゴブの巣窟だったりします。

最近起こった地震によって通常の出入り口は塞がれ、下水道から侵入するしかない状況だったりします。

もちろん変種カロス草もゲットしておきたいところですが、肝心の体質改善の真・カロス草の方が優先です。


一行はカロス草の詳細も聞かずに遺跡に潜ったので、一度引き返す羽目になりました。昔の漫画かあんたらは(苦笑)

その前に鳴子に引っかかってゴブたちが岩を転がそうとしてたんですけど、流石に待ちくたびれて警戒を解いちゃいました。

ウッカリさんだけどラッキーなんですかね、まぁインディー・ジョーンズごっこは冒険者とはいえやりたくありませんけど。

テッドなんて鎧はそこそこ厚くても生命力が約1.7クレスポしかないし、しかも本人が癒し手だから無茶はして欲しくない。


薬草園ではレンジャー3なガスのオッチャンが便りです。頼っていいのか微妙ですが、不意打ちや足跡については助かります。

途中でコボルドやバットなどを蹴散らしたりするんですが、パル1人でジャイアント・スパイダー×2と戦った辺りが一番冷や冷やしました。

しかもガスの放った矢がパルに1点ダメージ、最近のSWでは味方から誤射されるのがトレンドなんでしょうか?(笑)

蜘蛛との戦闘の時は、戦士のテッドとハーギィがロープを支えるので手一杯だったりと、明らかに段取り悪すぎです(笑)


そういえばエルマみたいに前線に立つ魔術師もいますよね、ヒースとかリウイとか。後者はともかく、前者はいずれ撲殺されそうですが。

戦う魔術師といえばセシルもそれっぽい。生命力18の3レベルファイターな魔術師だし、即死はないですよ。

近頃はスレインのように分かりやすい、学者っぽい貧弱そうな魔術師の方が珍しいんですかね?

スレインなんて娘と1しか筋力が変わらないんですよ。それもどうかと思いますが、そういう魔術師の方が分かりやすいですよね。


さて、お楽しみの変種カロス草の試食タイムです。さり気なく役立つ効果、面白い効果が目白押しです。

まず薬液は3種類あります、赤・黄・青とね。赤は肉体系、黄は精神系、そして青は変身です。

どの草を漬けて食べるかによって微妙に効果が変わってきます。


黒い草を薬液無しで食べると3ラウンドの間、敏捷度+3。

黒い草+赤い薬液で10ラウンドの間、敏捷度+3。

黒い草+黄色い薬液で10ラウンドの間、精神抵抗+2です。


敏捷度+3なんて敏捷度22のグラランズが食べたらボーナスが1増えますね、なかなか役立ちます。

器用度・敏捷度・筋力・精神力が1上がればボーナスも上がるサイにとっては試す価値ありでしょう。

草を漬けなければ3ラウンド、漬ければ10ラウンドということですかね?


実はこの冒険で手に入る(筈の)変種カロス草って結構あるんですよ。

萎れた草、細い草、赤い草、黒い草、ギザギザな草、赤い斑点の草、エスノアと一緒に燃えた草、とね。

もしかしたらエスノアの草は他の草と一緒かもしれませんが、多分違いますね。

環境によって変質するなら、同じものは偶然では生まれにくいでしょう。

多分中には知力が上がったりするのもあるでしょう。上手くすれば魔術師ギルドで購買できますよ、これ。


一番面白かったのは黒い草+青い薬液ですよ、変身しちゃうんですもの。

もしかしたら青い薬液の力はその他の特殊効果で、違う草で試すと変身以外の効果が出るかもしれませんけどね。

この場合は、好きな動物が頭に浮かんだか?→何の動物に変身するか?→何処が変身するか?、という3段階の判定があります。

勿論1度目に成功すれば2度目を行う必要はないでしょうね。これが噂の動物パワーです、ジャングルの王者って感じ(笑)


その結果エルマは皮膚が魚に、ガスは鼻が鳥になってしまいます。なんでこんな微妙な組み合わせに(苦笑)

上手くすればエルマなんてマーメイドになれたかもしれないのにね、よりにもよって肌ですか。

ガスなんて鼻梁がなくて、鼻の穴だけが空いている状態です。なんというか………嫌な"パーシャルビースト"です。


最終決戦はホブゴブ・ゴブシャーマン・ゴブでしたが、普通に勝利しました。

テッドって生命力こそ低いけど鎧はそこそこだから、ゴブ如きなら何とかなるもんですね。

筋力が16だから金属鎧を着てれば21にはなるでしょう。21だとしたら、本人は2レベルだから期待値で8点は止まる筈

ゴブの打撃点は7だし、ホブゴブは10点です。ホブゴブの攻撃を1ゾロったらピッタリ生死判定ですね。


ガスがシャーマンの14点"ファイア・ボルト"を食らって吹っ飛んだ時は笑いました(笑)

とはいえ結構重傷ですよ。3レベルで生命力14点だから、残り3点。あと一息で死ねますね

エルマ「草葉の陰で見守っててよ、おじいちゃん!」

ガス「………本当に死んだような扱いをすると、呪うぞ」

エルマ「ダメージが………1ゾロぉ!

凄いや、こんな所でグラランの呪いが(笑)。今回のセッションで一番面白かったのはガスかもしれない。


何故か魔術師の筈のエルマがクリティカル連発で大活躍、いいぞ鱗ヒロイン

サイ「………すいません、マスターの出目が凄く良くないですか?見たところ、期待値8なんですけど」

テッド(編集の刈谷さん)「え?8ですんでた?ラッキー」

じゃあ普段幾つなんですか。流石は秋田GM、"ダイス母神の愛娘"です(苦笑)


★すべてが終わって……

色々ありましたが、こうして一行は猫アレルギーを治す真・カロス草をゲットしました。

変種も6種類発見(1種類ロスト)したし、更にモルモットになればボーナスもガッポリです。

人知れずネイラードの猫アレルギーな人達を救ったんですね、このパーティー。


何だかんだで面白かったですよこの企画、またやりませんかね。

リプレイの面白さを広めるには格好の企画だと思いますよ、見てる方も面白いし。

それとは別件で、ヘッポコーズCDドラマ化とかしませんかね。面白そうだし。

次のリプレイも同じ形式ですが、この調子でアンソロジーが2巻、3巻と続けばいいと思います。


冷気の杖(チル・ロッド)を奪っちゃえ!」作:藤澤さなえ

★キャラクターを作ろう〜六人の冒険者たち

イラストレイターリプレイ・パート2、微妙にメンバーが変わってます。しかもイラストレイターは6人中3人だし(笑)

今回の話はR&RのVol.10に掲載されました。今回収録の3作品の中では一番新しい作品です。

でも私は雑誌掲載時、他の2作品のようにレビューを書き下ろしていなかったので、旧版はありません。


さて、今回のキャラ達です。


ロナウジーコ 10代/せんのあき

ファイター3でレンジャー2な離島出身の女の子、年齢10代というのが非常に気になる。

離島って何処ですかね、北の島だそうですし今回の舞台はオーファンです。それで北という事は、かなり珍しい地域の出身ですよ。

本人はジーコでメスロバのロナウドを連れています。何処かで聞いたことのある名前ですね(苦笑)

筋力10で武器はパイクな風変わりな戦士ですね、パイクは2H専用の武器で修正込みで打撃力15です。


しかもパイクって普通突っ込んでくる騎兵を相手に使うものですよね、冒険者向きの武器じゃないですよ。

長さは優に3メートル、ファランクス(重装歩兵密集方陣)に使われていたとか。

こういう槍系の武器の長さはSWでは必要筋力×15センチなので、ジーコの場合1.5メートルになりますね、丁度半分です。

せんのあき先生は「ユエル・サーガ」とかで有名ですね、TRPG暦は無きに等しいそうですけど。


ティース 24歳/友野詳

ソーサラー2でシーフ/セージが1なドレックノール出身の盗賊。

ボーナスは上3つが3・3・3とかなり優秀、精神力11というのは魔術師としてはちょっと不安ですけど。

出っ歯で芸人チックで関西弁な辺り明石家さんまみたいです(笑)。2枚あるカラーイラストでは微妙にキャラが違ってる。

PLは友野先生、今回は秋田先生同様にSNEから参加。やはり経験上リーダー的になりますよね。


スフラン・フラワーリング 100歳/緒方剛志

2レベルのシーフ/バードで1レベルのシャーマン/セージという器用貧乏の典型なエルフです。

性格的にはナンパで貢がせ上手、たらしのエルフというのは微妙に珍しい気がする。高品質っぽい装備や銀細工が大好き。

今まで白粉付け耳エルフとか頷きエルフとかいましたけどね。そういえばケインやシラルムに近いのかな。

緒方先生は前作「やっぱり、猫は好き」でガスとして出てましたよね。今回もその予定だったけど、急遽こっちに変更。


ライラ 36歳/伊藤舞子

プリースト(チャ・ザ)3で1レベルのファイター/セージなハーフエルフのお姉さん。

商家のお嬢様でワインが大好き、オスロバのフェルナンデスを連れています。ジーコのロナウドはメスだし、繁殖しちゃうぞ(笑)

能力値的にはあまりツッコミ所がない。まぁ知力17だからあと1あればね、ぐらいですかね。

伊藤さんもまた前作「やっぱり、猫は好き」でパルを演じていましたね。緒方先生ど同じく前作から続投です。


トライアンフ 80歳/弘司

ファイター3でプリースト(ブラキ)が1なドワーフの神官戦士、クラフトマン技能は銀細工なのでスフランにとっては嬉しいかも。

これまた平均的ドワーフで突っ込み所があまりない。知力9は平均の11に比べると微妙に低いかな、共通語読めないし。

性格的には一行の中ではまぁ普通ですね。ちょっとバカ正直かもしれないけど。

弘司先生は「ゴーストハンター」や「トーキョーN◎VA」のイラストを手がけています。


リト・ルー・カム 40歳/秋田みやび

シーフ3、バード2、セージ/センジャー1なグラスランナーの女の子。

気楽に生きようと真剣になっている点、ちょっと気苦労の多いグラランです。前作のガスとは大違い(笑)

その最大の特徴は精神力30です。あの"鉄の王"フレーベは32でしたけど、30って凄いですよ。

グラランの精神力は最低値14で最高値34なので平均が24なんですよね、グララン恐るべし。


となると呪歌の効果が期待できますね。呪歌は精神力ボーナスですから、知力じゃないよ。

基準値はなんと、2〜3レベルのパーティーでは普通考えられないような数値です。

名前から察するにルーとカムという友達がいたんですかね?パラサがピルペとパンという友達がいてパラサ・ピルペ・パンになったわけだし。

秋田先生はSWファンには説明不要ですよね、全10巻の新リプレイはとにかく有名です。


さて、これが今回のパーティーです。やっぱり濃いパーティーですね、微妙に息も合ってるし。

さり気なく全種族コンプリートしてますよ、人間が2人しかいないけど。

友野先生「ドワーフが三人で前衛とかどうや?」

秋田先生「いいですねー。神官戦士が3人!

藤澤GM「お二人とも、助っ人に来てくださったんですよね?ね?」

友野先生&秋田先生「もちろん!」

本当ですか(笑)。まぁ何だかんだで真剣なプレイで面白いセッションになってるし、助っ人なのは間違いないでしょう。


しかもこのパーティーって既に3回冒険してるんですよね。物凄い組み合わせですけど。

2回成功し1回失敗してるので、初期経験点+2500点でスタートです(笑)

スフラン「いやー、前回はオレのせいで失敗しちゃって、みんなごめんねー」

ってやっぱりアンタか、まぁそんな気はしてたけど(笑)。2〜3レベルパーティーのくせにシャーマン1だし。

このパーティーのトラブルメイカーですね、ノリスの方がマシと思えるぐらいに。


★ようこそ、トートツの村へ〜祠の中は?

一行がトートツ村の「赤いもぐら亭」で仕事を請けるのが今回のお話です。微妙に報酬は高い(5千と6千)し、敵もソコソコ強いですよ。

依頼は2つ、ゴブリン退治墓荒らし捕縛。もちろん2つのシナリオは水面下で繋がってますよ。

その橋渡しとなっているのが今回の重要アイテム"冷気を呼ぶ杖(チル・ロッド)"です。

墓荒らしも杖を狙ってるんですよ、どっちを取っても結局は杖が絡んでくるのです。


ちなみに一行はゴブ退治を選びます、コッチの依頼では2つのマジックアイテムを取り戻し、ゴブを倒すのが目的となります。

2つのマジックアイテムとは、片方は銀の杯でもう片方は例の杖です。両方ともゴブが占拠した祠にあるとされています。

杯の方はどんな泥水でも真水に変えることが出来るらしい、多分"ピュリフィケーション"の杯ですね。

使用制限が特に無しで好きなだけ使えるとしたら、1万2千ガメルぐらいにはなる筈です。魔力はあまり関係ないし。


杖の方は名前通り冷気を発生させるものです、込められている精神力の消費具合によって強さが決まるらしい。

つまり"ブリザード"を起こす事も可能という事ですね、なかなか面白い杖です。

でも精神力の消費具合で変わるという事は、使い過ぎると力を消失するって事ですよね。


祠でのゴブ達との戦闘は快勝でした、相手はゴブ×3とホブゴブ×2でしたけどね。

やっぱりリトの呪歌が効きますね、ドワーフやグラスランナーのような精神力お化けには最適の技能ですよ。

"キュアリオスティ"で味方を巻き込みつつ、1体のホブゴブ以外みんな出てきます。効果は抜群だ(笑)


リトの達成値は13、ゴブとホブゴブの抵抗は9(2)と11(4)ですから、失敗するのも無理はない。

まぁそれでも当の秋田先生がGMだったら抵抗できそうなのは何ででしょうね、やっぱり"ダイス母神の愛娘"だからでしょうか(笑)

戦闘中もリトの出目は冴まくりです、グラランのくせに20点ダメージとか叩き出すし。17点でゴブは倒れるんですけどね。

あと"ダンス"も歌いましたよ、やはり微妙に仲間も巻き込みつつホブゴブ達を躍らせました。


スフランはエルフらしく"スネア"連発です、精神力は16だけど4回も使ったので残り4点です。

いきなり全てを出しつくした感が否めません(笑)。スフランはなんか、シリーズ化してたらヒースっぽいキャラになってた気がする。

単身ホブゴブのいる祠に突入したりするし、なかなかに無謀な男です。それがあんな事になるなんて………。


★隠し扉の奥〜戦い終わって……あれ?

生き残ったホブゴブは祠の中の隠し扉から地下のダンジョンへ逃げ込んでいます。

既に2つのマジックアイテムも持ち出されているので、一行はこの地下ダンジョンへ挑む事になります。

実はこのダンジョンはとある古城に繋がっていて、そこには墓荒らしこと闇司祭がいたりするんですよ。

そして既に杖は闇司祭の手に渡っています。今頃は墓荒らし退治にいった別の冒険者たちが奮戦していることでしょう(苦笑)


そうとも知らず一行はダンジョンに潜り、潜んでいたゴブの群れともう一戦交える事になります。

これがまた多い、ロード×1、シャーマン×2、ホブ×2、ゴブ×1と7匹もいます。

ちなみに例の銀の杯が転がってたりします。お酒大好きなライラはこれを平目で11を振ってゲットしました(笑)

ここではまたもリトの呪歌が絶大な効果を発揮しました。"キュアリオスティ"で誘き出して穴に落すという作戦です。


達成値はなんと16(出目9)!。これでロード以外の全てのゴブがフラフラと誘き出されてしまいました、凄いぞリト。

何しろゴブとホブゴブとシャーマンでは6ゾロ振っても抵抗出来ませんからね。モンスターの場合は1ゾロ・6ゾロはない筈。

ロードは辛うじて12(5)あったので、抵抗出来たようです。本来なら全員抵抗失敗してもおかしくないですよ。

さり気なくトライアンフはまだ一匹も倒してなかったりするんですよね。トドメとかは刺してるかもしれないけど、撃墜はしてない。


ティースが300ガメル分の魔晶石で"スリープ・クラウド"を唱えてたんですけど、300ガメルの魔晶石なんてないですよね?

ティースは2レベルなので3点で唱えられる筈、でも3点魔晶石って900ガメルですよね。

(使用前の値段)−(使用後の値段)=300、なのかとも思いましたが、計算が合うような数値がありません。

仮に使用前の点数をxとすると、{x^2-(x-3)^2}100=300、という式が出ますね。この式では解が2となりますが、これは成立しませんよね。

この戦闘もまた落とし穴にゴブが落ちたりなんだりで勝利するんですが、その後がマズかった………


スフラン「オレ、今、することないから探検に行くー。あれだけ騒いだのに他のゴブリン出てこなかったじゃん。へーきへーき」

という具合に一人で見探索の通路に行ってしまいます。ちなみにスフランはシーフ技能は持ってますが、2レベルだけです。

GM「……じゃあ、靴の底でカチッて音がしたかなと思うと、天井からたくさんの槍が降ってきます

冒険者レベルと鎧で2点ずつ止めて4点減点、ダメージは12点だったので8点ダメージですね。


スフランの生命力は7なので−1、生命抵抗は3なので出目は5必要です

しかし出目は4、一本足りずにスフラン串刺しになって死亡!!…………嗚呼、あと1レベルか目が高ければ。

かつてこれほど情けない死を迎えたリプレイキャラがいたでしょうか?。まぁカシスとかイリーナもそうですが、あれはまだ許せる。

しかしこの状況で蘇生させるのは無理でしょう。ファンまで結構距離があるし、金もコネもないし。

スフランは知らないダンジョンで一人歩きしちゃ駄目だよという教訓を与えてくれました、身をもってして(苦笑)


仕方なく一行は例のマジックアイテムの銀の杯杖の制御装置だけ持って帰還します。

つまり、今の杖はいつ暴発して"ブリザード"を巻き起こすか分からない非常に危険な状態なんですね。

冒険者ならともかく、一般人では即死してしまうようなダメージが来そうですよ。まぁ適用される魔力次第ですが。


ライラ(元パル)「もしかしたら、宿に帰ったら、あのグラスランナーのガスおじいちゃんがいるかもしれないし」

GM「っ!!ソレダ!!」

そうか、その手があったか。緒方先生だからこその解決法ですね、ライラが死んでたらパルが来たまでですけど。


一応編集の方(多分刈田さん)がガスのキャラシートを持ってきているので、すぐに復帰できます。

でもまたグラランが1パーティーに2人か。ガスはレンジャー4に成長してるので、先輩冒険者になるんですかね(苦笑)

もしも当初の予定通り緒方先生がガスでプレイしていたとしたら、死亡までには至らなかったでしょうね。


★犯人は墓荒らし?〜大冒険のエンディング

新たな仲間ガスのオッチャンを加え、一行は墓荒らしから命ギリギリで逃げてきた別の冒険者達と接触します。

彼らは危うく墓荒らしこと闇司祭に殺られそうになったのですが、杖の暴発の隙に脱出してきたのです。

いやぁ、運がいいのか悪いのか分かりませんね。ティース達は彼らと協力して墓荒らしと戦う事になります。


報酬は折半ですね。成功すればゴブ退治で5000+墓荒らし退治で3000(6000の折半)で計8000ガメルになりますね。

ちなみにそのもう一組の冒険者は戦士・盗賊・司祭・魔術師だそうです。スフランが死んじゃったから精霊使いがいないんですね。

まるで「賢者の国の魔法戦士」みたいです、あの時も今回同様10人(+1人と1匹)もいて精霊使いがいなかったし


とりあえず全員で墓荒らしこと闇司祭のいる古城に行きます、10人でゾロゾロと。

現地ではグラランズが斥候を勤める事にしましたが、なんかガスが凄い有能に見えるのは気のせいでしょうか(笑)

《忍び足》は出目が11で達成値18!。インプに気づくための判定でも出目が11で達成値17!

どうしちゃったのオッチャン、いくら4レベルだからって有能すぎです。他の皆から見たら頼りになる先輩冒険者に見えるんだろうな(笑)


ここでリトが呪歌を歌おうとするんですが、やっぱり闇司祭も抵抗が必要になるんでしょうかね?

"コントロール・インプ"は魔術師の使い魔同様に感覚共有だし、歌は聞こえると思うんですよ。それとも自分の耳で生声を聞かないと駄目?

もし効果があり、闇司祭が"キュアリオスティ"に抵抗出来なかったとしたら、インプを通してリトを見たら効果は切れるんですかね?


一行は例の祠からダンジョンを通り、闇司祭の潜伏する古城に侵入します。

ダンジョンには闇司祭が創ったらしいゴブや犬のゾンビもいたりしましたが、敵ではないですね。

このダンジョンは抜け道だったようなので、結果として闇司祭の不意をつけました。いや、「不意打ち」は出来てないけど。

ティース「お前のせいで死んだ仲間の仇、今とらせてもらうでー!

何かカッコイイよティース。でもあのエルフが死んだのはこの闇司祭のせいじゃないですよね、自滅というか……(苦笑)


この闇司祭結構強いですよ、魔力7とか言ってるし。流石にボスキャラだけあってレベル高いですよ。

闇司祭はゾンビを創っていたので5レベルの"クリエイト・ゾンビ"は使える筈です。

それで魔力7という事は、そのまま5レベル闇司祭ってことでしょうね。6レベルで知力ボーナス+1はないだろうし(笑)

"ウーンズ"対象6倍がけとか普通にやってきますもんね、5レベルなら1点で"ウーンズ"が唱えられる筈です。

その闇司祭をたったの2撃で倒しちゃうし、このパーティーって結構危なげなく戦いますよね。


他にいたホブゴブと犬のゾンビも難なく滅ぼしました。トライアンフ、初の撃墜もここでした。

ここで注目なのは制御装置のない杖です。ガスが制御装置を取り付けに走るのですが、1ゾロったら"ブリザード"です(笑)

これで成功したら本格的にヒーローなんですが、途中で二つの意味で投げ出しました。やっぱりガスはこうでなくちゃね。

魔術師のティースが止められない時は冷や冷やしましたが、今回MVPっぽいリトが見事に制御装置を嵌めて一件落着です。


こうしてこの事件も無事………いや1名ほど死にましたけど、解決出来たのです。

途中でスフランが死んだときはどうしたものかと思いましたが、お陰でガスが再登場出来ました(笑)

スフランはこの町に埋葬し、一行は旅立つそうです。イラストレイター・リプレイ第2弾はこれで終了です。

本当に面白いですよ、PLにゲストが入っているのは。是非とも第3弾が見たいものです、今度もガスが出そうですけど(笑)


「デーモン・アゲイン」作:清松みゆき

★八年ぶりの再会

アンソロジーのトリは……ついに来ました、我らがバブリー・アドベンチャラーズの登場です!

R&RのVOl.3に掲載され、一躍評判になった復活のバブリーズです。

私は事情が合って2〜3日読むのが遅れて悶絶しましたよ(苦笑)。もちろん当時書いたのも記念に残してありますよ→旧版

これもまた結局は修正せずに文庫が出ちゃいましたよ、いっそ書き直した方が楽ですけどね。


データは「バブリーズ・リターン」と同じです。パラサは8レベルになってるし、アーチブレイド3もあります。

ストーリー的にもその続きです。オランでの劇団騒ぎを解決し、今度はオランにコネを作った直後です。

相変わらずカネとコネで世の中渡ってますね。実力がある分余計に厄介ですよね、ルキアル的にもGM的にも(笑)


流石に8年も経ってるとPLの方が当時のテンションを取り戻すのが難しかったりするらしい。

パラサ「え?この歳になって「にゅう」はないっすよ。「にゅう」は」

実年齢幾つか知りませんが、確かにちょっと恥ずかしいかもしれない。


アーチー「「にゅう」のないパラサなどパラサではない」

グイズノー「何を臆しているのです。難しいことではありませんよ。さあ、にっこりと笑って、「にゅう」と一言」

パラサ「にゅ……にゅう?」

スイフリー「ちがうなあ。照れがある

やっぱりブランクがデカイですねぇ、まぁ気づいてみれば昔みたいににゅうにゅう言ってますけど(苦笑)


でも本当にみんな懐かしいですよ、挿絵も中村博文先生のままだし。まぁ文庫化にあたって新しい挿絵がないのが残念ですけど。

みんなキャラデザも変わってます、リプレイの最後の方でもイメチェンしてたのにね。スイフリーは黒くなくなってる(笑)


アーチーはを生やしましたね、オールバックにもなってすっかり騎士というか貴族っぽい。城はクレアに任せっ放しですけど。

スイフリーは以前の前分けはやめてオカッパになってますよ、一番当時の面影を残しています。白粉付け耳はどうした?(笑)

フィリスもまたオールバックですね、服がなんか白い薄手のドレス?だけになってます。微妙にSFチック。

レジィナは髪を伸ばしました、綺麗になっちゃって。全身にまきついた網目状の革ベルトが特徴的。あと挿絵が多い。

パラサはグラランっぽい陽気な格好になりました。マラカスかカラス避けの目玉みたいな髪型は可愛いかも(苦笑)

グイズノーは一番謎の変身を遂げました、王冠つけてるし。ゴミ袋に入っているのか、はたまたゴミ袋からはみ出しているのか。


★竜は舞い落ちた!〜でかい竜も舞い降りた!

一行は「わらしべ城」こと「ストローウィック城」への道中、2頭の竜の争いに立ち会います。

「雲の上の街道」を使うとオラン⇔ファーズ間は28日+αです。+αというのはソーミー⇔ファーズ間の日数、これは不明なんです。

もちろん28日というのはオラン⇔ソーミーの日数です。ストローウィック城はファーズから更に一週間、結構長旅ですよね。

「雲の上の街道」は"脅威の山脈"ことグロザルム山脈を越えます。一行が騒動に巻き込まれたのもそんな険しい山岳地帯でした。


アーチー「いきなり追い込まれたな」

グイズノー「もう何か出てくる気でいますか?」

スイフリー「出るだろ?」。GM「すいません、出ます」。スイフリー「やっぱり」。フィリス「空から?

ニュータイプかあんたら、清松先生曰く先読みさせたら世界一(笑)。こういうところがまたバブリーズらしい。


片方は10レベルの成竜、もう片方は15レベルの老竜、はじめから勝負は見えてました。両方とも火竜なのでルールブックのデータです。

やがて成竜の方が老竜にボコにされ、降りてきた所をバブリーズがトドメを刺しました

20点魔晶石を使い潰して"バルキリー・ジャベリン"とか"ライトニング"とか使ってるし、負けやしませんよ。

スイフリーは最終回で経験点を無駄遣いしなければシャーマン7になってただろうし、そうなれば竜が相手でもなんとかなるかもね。


スイフリー「自分の出目は6まで、相手の出目の最低は7。これがわたしの基準だ。
      一回しか触れないときは1ゾロ前提。振っても後悔しない選択でないといけない」

サイコロを振らないと何も出来ないからそれは仕方ないとして、振っても後悔しない選択というのは理想ではありますね。

実際はリスクを背負ってサイコロを振らないといけない場面も沢山ありますけど、ダイス運だけに頼らないのは大切ですよ。

スイフリー「あかん、クリティカルする。わたしのサイコロは、わたしを裏切るようにできている」

今まで何があったんだ水の……スイフリー、無謀と慢心の精霊はどうした(笑)


実はこの老竜、シナリオ「流星落ちるとき」で10レベルパーティーを全滅させた"天をも焦がす"コーラスアスだったりします。

このシナリオで出てきた"メテオ・ストライク"落し放題の魔法装置はこの竜が所持していることになってるらしい。

コーラスアス「ふむ、久しぶりに、か弱く小さなものが力を発揮するのを見せてもらった。感動したぞ」

老竜なだけに知性的ですよ、いきなりお褒めの言葉です。しかも一人称が「余」だったりします。

余談ですが、R&Rの時には載ってたこのシーンの挿絵が文庫版では消えてますね。


15レベルの火竜といえば、ロードスの五色の魔竜にも匹敵します。さぞ色々なアイテムを持ってるんでしょうね。

実力的にも引けは取りませんよ、こいつに勝てるのは古竜であるシューティングスターマイセンぐらいでしょう。

あとドラゴンズ・クレーターにいる古竜アクシズとかかな、同じ老竜では勝てるかどうか………。

ナースも同じく15レベルで打撃点ではコーラスアスには劣りますが、暗黒魔法10レベルな分有利かもしれない。


でもやっぱりバブリーズには強力な相手ですよ。ブレスや咆哮への抵抗が22ですし、バブリーズとはいえ流石に勝てませんよ。

仮に抵抗できないとして、ブレスの期待値22点がスイフリーとかに行ったら絶望的ですね。咆哮一発で総崩れとかもありえます。

咆哮に全員が抵抗できない確率はカンタマなしだと72%ぐらい、ありでも41%ぐらい(だと思う)。

スイフリーは6レベルの生命力8、こんなの浴びたら生命力−8ですよ。この時点で死んだッぽいですね。

生命抵抗が7だから、生存する為には出目にして8が必要。やっぱり死にそうですね、なにしろ出目は最高6なわけだし(笑)


幸い戦いにはなりませんが、厄介事には発展しました。なにしろバブリーズはコーラスアスから依頼を受けたのですから。

黒エルフがコーラスアスの巣に侵入し、上位魔神を召喚できる"魔神召喚の壺"を盗んでいったのです。それを取り戻すのが今回の依頼。

この辺一帯のダークなエルフ達はみんなバブリーズの敵です。確実にブラックリストに入ってますよ、あの事件で。

もちろん上位魔神を使ってバブリーズに対抗しようとしてるんでしょうね、連中も必死ですよ。


まぁそんなわけで、スイフリーが言うように「報酬前払いで、無理難題」となります。

その報酬がまたデカイ、いやこのパーティーの感覚で言えばそう特別でもないかな(笑)

報酬は「60万ガメル−現在の所持マジックアイテム価格」、スイフリーが魔晶石の所持数を減らしておいたのは正解でした。


その辺の勘の良さもまたスイフリーらしい。20点魔晶石って旧版だと4000ガメルだけど、完全版では4万ガメルなんですよね。

そういえばスイフリーの持ってる"毒無効化の指輪"っていくらするんでしょうね。何処かにデータは載ってたかな。

竜語魔法の"ポイズン・プルーフ"のデータで計算するとしたら6万4000ガメルになりますね、特に制限を入れなければ。


アーチーの持つアーチブレイド3に合わせる為でもあるんでしょう。アーチブレイド3って55万ガメルもするんですよ。

しかも魔力+3でミスリル製、そりゃあ高くなりますよ。付与者はあの"色を鍛えるもの"ソムスカ

ソムスカといえばミスリル細工に関しては数々の逸話が残っているらしい人物です。

ミスリルの加工技術は現代では失われていますが、多分ロードスにはまだ残ってます。少なくとも石の王国にはありました。


主なものを挙げるとこんな感じです、筋力に特に規定のない装備品(鎧とかね)の必要筋力は各々の筋力にピッタリだとしています。

アーチーは魔力+3のプレートアーマー(50万ガメル)。

レジィナは魔力+3のグレソー(43万ガメル)と魔力+2のプレートアーマー(13万ガメル)。

パラサは魔力+2でクリティカル値−2の"猫の爪"(13万ガメル)、フィリスは"ルーンの指輪"(6万ガメル)。

スイフリーは"ファスト・フィンガー"(7万2000ガメル)と"パリー・パリー"(7000ガメル)。

あと、"アミュレット・オブ・カウンターマジック"(6000ガメル)を4つ。他にも魔晶石、竜の牙、魔力のカードetc.......。


何か凄い事になってますよ。オランでは王城エイトサークルに侵入したこの連中なら、城を落せるかもしれない(笑)

"アミュレット・オブ・カウンターマジック"はウォートがナシェルにあげたやつですね。あまり珍しいものでもない。

魔力のカードは基本消費精神力×320ガメルですから、"フライト"の場合は6400ガメルですね。もちろん使い捨て。

これは魔法強度が15(つまり魔力8扱い)だからです。魔力0なら4000ガメルになりますね。

この辺はSNEのマジック・アイテムの価格計算式を見れば分かります。


"猫の爪"は完全版では珍しいクリティカル値の下がる武器です。必要筋力は1ですが、ミスリル製なので打撃力6。

旧版では魔力の分クリティカル値も下がる設定だったんですけどね。完全版では消失したルールですよ。

パラサが"猫の爪"を使えばクリティカル値7、グイズノーが"ウィークポイント"を使えばにまで下がります。

とはいえ元の打撃力が低いわけだし、何回もクリティカらないとそう大きくはなりません。滅茶苦茶強力という訳でもないんですよね。


スイフリーは"パリー・パリー"と"ファスト・フィンガー"でとにかく回避力を上げました。

"パリー・パリー"は回避力に+2、"ファスト・フィンガー"は敏捷度+6というアイテムです。

実はファイター5レベルなスイフリーは素の状態でも回避力8だったりします。エルフだから元々敏捷度は高い。

これらのアイテムの効果が加わればなんと回避力11、フル装備のレジィナと同等だったりします。

これで防御専念でもしようものなら13ですからね、アーチーだってはずす確率のほうが高い。


バブリーズは報酬の上に条件付きでこの依頼を受けることにします。

その条件とは「人間を襲わない事」、本人にとっては大した問題ではないのであっさりと承諾です。

とはいえそれはコーラスアスが自主的に襲わないというだけで、挑まれたら戦う事までは止めさせられません。

まぁそれは当然の事なんですけどね。老竜に喧嘩を売るのは訳ありの勇者宝に目が眩んだ愚か者だけでしょうし。

前者ではアシュラム様とかですね。ロードス統一の為に老竜を3匹も屈服させてるし、その上古竜まで(笑)


★奇病の街

バブリーズはコーラスアスの"ロケーション"で大方の位置を知り、とある街までやって来ました。

既にこの街はダークエルフの、というか上位魔神の影響下にあります奇病が蔓延しているのです。

そのせいで強制隔離とかも行われていて、なかなか深刻な状況なんですよ。

僅かな情報でそんな街の状況を看破するなんて、やっぱりバブリーズはいい読みしてます。


実は闇エルフは上位魔神を召喚したはいいけど、魔神の病にかかって大変なんです。既にリーダーなんて虫の息(苦笑)

とはいえ上位魔神のほうも壺の強制力から完全に脱している訳でもなかったりしますから、病気はまだまだ収まらないでしょう。

領主は闇エルフ達(複数形)を屋敷に止め、自分と領民を犠牲にして足止めしてたりします。

そういった事情も調査しつつ、魔神と黒エルフどもを退治しなければいけないんですね。


一応舞台はアノスなので懐かしの友愛団(盗賊ギルド)を探すんですが、またも1ゾロって拠点は謎でした(笑)

パラサ「衝撃のニュース。「友愛団は病気で壊滅!」

GM「してねぇよ」

パラサ「オレが見つけられないんすよ?8レベルの盗賊が

でも確かに8レベルの盗賊が盗賊ギルドを見つけられないなんて異常ですよね。


アーチーは自らの騎士身分をチラつかせつつ、隔離先なんかを店のオヤジにキリキリ白状させます(笑)

"センス・ライ"を使って館へ領主との面会にも行けるし、騎士位というのはこういう時便利なものです。

スイフリー「そのくらいでボロ出すシナリオにはなってないから、安心しろ」

微妙に信頼してますね(笑)。会話のゲームであるTRPGなだけに、"センスライ"というのは何かと気を使う魔法です。

あと"センス・ライ"って持続時間が1時間もあるから、予めかけておけばそう心配する事もないですよ。

結局領主は神殿の方で黒エルフに付きっ切りで会ってくれませんけどね。


更にパラサは某米国の蜘蛛男の如く、館の壁を這い回ります!

流石は8レベル盗賊なグララン、もはや手足に吸盤でもついてるかのような動きです(笑)

そういえばホビットって毛深かったですよね、特に足が。グラスランナーはどうなんだろう?

もしかして壁に粘着するような足の裏毛と手の平毛が(豪君か―笑)。


《登攀》(とうはん)の基本目標値は10、壁がツルツルで足がかりが無いような時は目標値は14になります。

でもパラサの場合は基準値が12もあるんですよね、1ゾロらない限り落ちやしませんよ。

落ちたところで《受け身》で12メートルまで無傷です。それ以上だとしても、やはり防御ロールで減点出来るし。

なんか凄いですよ高レベルグララン、12メートルって結構ありますよ。具体的にはマッコウクジラの全長ぐらいです(分かりにくいよ)。

それでも大した情報は得られません。リスクを避けるあまり情報に近づけませんしね、慎重すぎて臆病ですらあります。


あまりにも情報が集まらないので、スイフリーに至っては一般人にスパイ活動をさせようとします。利点も幾つか挙げました。

  1. 最初からここの住人なので、情報収集が比較的スムーズ。
  2. 我々が探っているのだとバレずにすむ。
  3. 万一諜報員を失うことになった場合、それが有能にして大事な仲間であるパラサであることに比べれば損失が少ない。

無関係のNPCを何処まで使い捨て前提で扱うか、ですけど、これにはレジィナとかが抵抗を示しますね。

いくら老い先短い爺さんや恋人の為なら命も惜しくない特攻野郎とはいえ、流石にそれはどうかな。裁定自体もいないになるそうだし。


★地下墓地へ

そこで一行は地下の共同墓地から神殿に侵入することにします。これもまた侵入経路の一つだったりしますね。

地下には病気を広めている魔神もいますし、今回のボスである上位魔神とかもいたりします。


そういえば病気を広める方法ってなんでしょうね。もしかして9レベル暗黒魔法の"プレーグ"ですか?

この魔法は「非常に強い伝染力」を持っているので、使い方によっては今回のような事件を起こすのも可能でしょう、

しかも進行強度8で治癒値11という難病です。しかも致死深度は3、進行速度を考えると3人に1人は罹患後6日で死亡します。


病気を広めていたのは下位魔神だそうですが、9レベルで暗黒魔法を使える下位魔神なんていませんよね。

それどころか9レベルで暗黒魔法となると上位魔神にすらいません、魔神将からですね。

となると"プレーグ"じゃないのかな。病気自体も大したものじゃないらしいし、"プレーグ"は症状こそ色々だけど進行強度とかは一律なんですよ。

まぁ魔神にも個体差があるらしいし、暗黒魔法9レベルのファルゴーンとかいる可能性はありますが(笑)


やがてバブリーズは魔神の群れに遭遇します。3体は6レベルのラグナカングですが、最後の1体は12レベルの上位魔神ザワンゼンです。

そういえばナシェルはコイツの下位魔神バージョンである8レベルのガランザンと戦いましたね。

しかも12レベルって上位魔神の中でも最高レベルですよ、これ以上となると魔神将になっちゃいます。


ガランザンよりコッチの方が強力だけど手口は一緒です。それは魂の契約で、これは他人の魂を宿主とする能力です。

抵抗ロールに「冒険者レベル/2(端数切り上げ)」回失敗すると魂に寄生されます。ちなみにガランザンは「冒険者レベル」回。

器となっている魂が存在する限り、ザワンゼンは生命点が0になっても1日で復活してきます。

これを防ぐには宿主を殺すか精神力0にするかして、新たな器を獲得する前に倒すしかありません。

この辺が実に厄介、近くに弱いのがいるとそっちが乗っ取られます。しかも抵抗の目標値は19、下手したら仲間が器にされます。


今回の戦いはバブリーズの勝利でしたけどね、今更ラグナカング程度相手にならないし。

ザワンゼンだって確かに強いけど魔法は使ってこないし、グイズノーがいればよっぽどダイス運が悪くなければ死なないし。

しかも魔晶石をガンガン使って魔法使いますよ。フィリスなんてダメージ5倍拡大とかやってるし、まぁ出目は悪いけど(笑)


ちなみにザワンゼンの打撃点は24点、これは魔神将の打撃点と変わりません。あと水竜エイブラや氷竜ブラムドとかね。

レジィナなんて魔力+2の鎧を着ていて生命力9点減少ですよ、まぁグイズノーの魔力(8)なら軽く治りますけど。

レジィナは7レベルで鎧の魔力が+2、そして必要筋力16で防御力21の鎧を着てた場合7・8を振ると6点。これで15点ダメージは減ります。

こんな化け物を相手にしても負ける素振りを見せないなんて、やっぱり金持ちで物持ちは強いですよ(苦笑)


こうしてザワンゼンは倒したんですが、24時間経てば復活しますね。早く宿主(黒エルフリーダー)を押さえないと。

一行は神殿に侵入し、数々の魔法を駆使しながら黒エルフたちを次々にブッ殺していきます。やっぱり強いや(苦笑)

"シースルー"を使った所で真っ暗で見えないと裁定されましたが、文庫版ではちゃんと訂正してあったりします。

そういえばSARSの件の辺りでも「本当に廃れましたね」と追記してありますよ、微妙に修正もしてるし。


裏門の黒エルフを1人ブッコロ、表門も2人ブッコロ、更に領主と一緒にいた3人もブッコロ。計6ブッコロです(新単位)

"シースルー"で相手は丸見えだし、その上"アシッド・クラウド"とか打ち込まれたら抵抗が高くても貧弱な黒エルフではキツイでしょう。

フィリスは指輪の力で魔力が9ですから、抵抗されても期待値14点。相手が7〜8レベルあっても2〜3発で逝けそうですね。


スイフリー「ふっ。エルフなんてそんなもんだ。ひ弱な連中め

そういうアンタは何なんですか(笑)。憧れの対象が黒エルフから魔神になりつつありますよ。

他にも色々使ってますよ、"ヘイスト","プロテクション","インビジビリティ","フライト","サイレンス","カウンター・マジック"……。

魔晶石を腐るほど持ってるからこそ出来る芸当です、隠密行動も不意打ちも何でもアリです。


★最終決戦、それってあり?〜そして姿を消すバブリーズ

残る黒エルフは病気で行動不能のリーダー1人、コイツが宿主になってるわけですね。

あとはアーチーが身分を名乗りつつ司祭を通して領主に接触、黒エルフを地下墓地に引っ立ててブッコロしてザワンゼンと再戦です。

アーチー「わたしは騎士アーチボルト・アーウィン・ウィムジーである。ここの領主殿が苦境に陥っていると知り、手助けに参った」

芝居がかったセリフが決まってますよ、名前も知られているし。流石は救国の英雄、この辺では有名人なんでしょうね。


さて、ザワンゼンに魂の契約を迫られたらバブリーズでは3〜4回で器とされてしまいますね。

何しろザワンゼンの知能は「高い」です。逸早く陥落させられそうな相手に集中して囁いてきても不思議ではありません。

アーチーやパラサはちょっと多い、特にパラサなんてカンタマ付きなら約83%で抵抗しちゃいます(笑)

案の定レジィナに囁いてきます。レジィナの精神抵抗はカンタマありでも11、抵抗できる確率は約42%ですね。


レジィナの場合4回失敗すれば陥落しますから、それまでに1回ぐらい抵抗できても良いですよね。

でもどういうわけか3連続失敗、8以上で抵抗できるのにね。3連続失敗なんて確率にすれば20%未満ですよ。

そこでスイフリーがレジィナを"スリープ"で眠らせるという策に出ました!。久々に来ましたね、スイフリー戦法(笑)


眠らせてしまえば戦線離脱は避けられないしちょっと危ないけど、最悪のケースだけは防げますよ。

今度は自分に誘惑がきたとなれば、"サイレンス"で時間稼ぎしようとするし。やっぱりスイフリーは面白いです。

まぁ"サイレンス"は下手したらグイズノーの"キュアー・ウーンズ"の妨げになっちゃいますけどね。

だったら、"トンネル"で掘った横穴に入って"サイレンス"とかは駄目なんですかね。トンネルの中央部でかければ穴の外には影響しませんよ。


ザワンゼンの場合、攻撃点は18(11)で回避点は19(12)です。

一方アーチーとレジィナは攻撃力がそれぞれ13,12で回避が13,11です。悪くない勝負ですよ。

アーチーの場合は、当てる確率が約66%。回避する確率は75.6%といったところです。

レジィナは当てる確率も避けられる確率も約55.6%ですね。連続で1ゾロらない限りそう死にませんね。


当たったとしてザワンゼンの防御点は16だから、アーチーなら6以上、レジィナなら(打撃力21なら)7以上振れば通りますね。

問題は相手の生命点が35もあるんですよね、早いところ倒さないとスイフリー戦法があるとはいえ心配です。

パラサの"猫の爪"も結局1回しかクリティカらなかったし、ダイス運に頼って戦うのは危険ですね。


1ラウンド目、パラサがクリティカって2点。ザワンゼンの生命点は35点なので、残り33点。次にザワンゼンはレジィナを誘惑し、抵抗失敗。

フィリス"ライトニング"を撃って6ゾロ出して4点、アーチーが20点を叩き出して4点通し、最後にレジィナが2点通し、残り23点。


2ラウンド目、パラサがクリティカルせず、アーチーは1ゾロ。レジィナも外す上に誘惑される。フィリスの"ライトニング"で2点削り、残り21点。


3ラウンド目、パラサはまたクリティカルしない。レジィナも抵抗に失敗し、あと1回で完全に器にされてしまう所まで追い込まれます。

次のフィリスは"ライトニング"で1点通し。アーチーが2点通す。レジィナは寝かされないよう頑張りますが、16点で貫けず。残り18点。


4ラウンド目、パラサはまたクリティカルしない。次に沈黙を守っていたスイフリーが動き、レジィナを"スリープ"で眠らせる。

続いてフィリスがまた6ゾロを振って4点削り、アーチーも2点削ります。これで残り12点(の筈)。


5ラウンド目、スイフリーがダメージ4倍拡大ジャベリンで4点削り、フィリスとアーチーもそれぞれ4点削って、ザワンゼンは倒れる(筈)。


本来は以上のようになる筈なのですが、本文を見るとなんかザワンゼンの生命点の減り具合がおかしくないですか?

残り23点の2ラウンド目でフィリスが2点だけ通して残り21点になりますよね。

次の3ラウンド目ではフィリスが1点、アーチーが2点通して残り18点になる筈ですよね。

レジィナが寝た4ラウンド目でフィリスが4点、アーチーが2点通して残りが12点になる筈が、13点になってます

更に5ラウンド目でスイフリーとフィリスとアーチーが4点ずつ、計12点通してるからこの時点で死んでません?

5ラウンド目のアーチーの攻撃が決まった時点で残り5点になってます。仮に13点だとしても、13−12が5点になるのは変ですよね、P.318。


いろいろあったけど、バブリーズはザワンゼンを滅ぼす事に成功しました!

まさか最高レベルの上位魔神ですら足止め程度にしかならないとはねぇ、歴代リプレイ最強の名は伊達じゃありません。

ザワンゼンは魔神戦争の時の賞金でいえば小金貨10万8000枚、これは銀貨にして108万枚(ガメル)に相当します。

時と場合が違えば最も深き迷宮にでも潜っていたでしょうね、そして正式な百の勇者になっていたでしょう(笑)


事後処理では全ての手柄を領主に譲ります、要らぬ波風を立てぬようにね。相変わらず小賢しい(褒め言葉)ですね。

スイフリー「この街を救ったのは、あなたの先見の明による政策が上手くいったから。私達の手助けはたまたま。いや、ファ……ファ……」

フィリス「ファリス?」

スイフリー「そう、それ

ファリスを「それ」扱いとは、相変わらずですねこのエルフ(笑)


例の壺も取り戻したし、それをコーラスアスに返せば依頼終了です。

これからバブリーズは懐かしのストローウィック城に帰るわけですから、クレアとの再会もあるでしょうね。

いや、スイフリーは「バブリーズ・リターン」のちょっと前に帰ったことになってますけどね。

出来ればその辺の話も読みたいですね、短編でもリプレイでもいいから。いっそ「リウイ」に出ないかな(笑)


久しぶりのバブリーズの冒険は懐かしくて、面白くて、当時凄いはしゃいでいたのを覚えています。

いっそ文庫化する際には書き下ろしを2本入れてくれないかな、とか本気で思ってたりしましたし(苦笑)

まぁそれは叶いませんでしたが、こうして文庫でも見れるようになりました。

バブリーズに何らかの形での再登場がある事を祈って、今回はこれで幕となります。




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