「アサシンをやりこめろ!」著:清松みゆき/グループSNE 出版社:富士見書房
★はじめに
このリプレイはあのバブリー・アドベンチャラーズに続いて発表されたリプレイ第四部であり、「風雲ミラルゴ編」と題されています。
文字通り大陸東部の牧歌の国ミラルゴを主な舞台とし、そのワールドガイドも兼ねています。また初の完全版ルールのリプレイでもある。
ぶっちゃけた話しバブリーズほどの人気はない。どうも成功したリプレイの次はコケる法則が昔はあったらしい(一部の次の二部とか)。
まぁ六部ヘッポコーズの次の七部ペラペラーズではその法則も返上しましたけどね。いずれにしろこの四部はバブリーズほどの知名度は無い。
ではつまらないのかというとそんな事は無い。追っ手をいなしながらお姫様を親元にまで届けるという、非常に分かり易いストーリーです。
挿絵のぴぃたぁそると先生の素朴な絵柄もマッチし、実に牧歌の国の冒険に相応しい、どこかのんびりした雰囲気を醸し出しています。
キャラもなかなか立っていて、大まかな役柄や人間関係も決まっていますしね。個人的には凄い好きなリプレイだったりします。
ただバブリーズのような成金御大尽アタックは期待しない方がいい。もっともっと素朴で、ある意味冒険らしい冒険なのかもしれない。
★キャラクター紹介
それでは今回のキャラクター紹介です。この第四部と次の第五部で、第一部から続いていた6人パーティー制は終わっちゃうんですよね。
ステラ・ベルローズ 61歳
ソーサラー/セージ1、マーチャント3。オランを拠点とするベルローズ商会に嫁ぎ、現在は旦那にも先立たれて息子に跡を譲ったお婆ちゃん。
嘘か誠か故郷アザーンでは一二を争う美人だったとか。引退後は55歳にして魔術師の修行を初め、フィリスのお父さんに弟子入りする!
徒弟関係から孫ぐらいの歳のラーンを「姉弟子様」と呼ぶ。ある意味スイフリー以上に口が達者で、次々と設定や交渉をまとめる暴走婆ちゃん。
そのバイタリティー故にこのパーティーの実質的リーダーである。知力は流石のもので18あるが、筋力6に生命力10と年齢を反映している?
ミンクス 35歳
ファイター2、クラフトマン5。自称チャーミングなドワーフの女の子。「罠は嵌って踏み潰す」というミンクス理論の持ち主(笑)
敏捷度は9と低いが、ドワーフならではのパワー(筋力16)で斧を振り回し、その頑強さ(生命力/精神力22)を活用して前衛を務める。
能力的に若干優位にあるラーンにいつも美味しい所をもっていかれ、その度に地団駄踏んで悔しがるという光景が恒例となる。
ラーン 19歳
ソーサラー/セージ/ファイター1。魔術師の家に生まれながらに筋力18という怪力を誇り、戦士の道に走った人間の女の子。
ステラとは姉妹弟子であり、一緒にバブリーズのフィリスのお父さん(オランの学院の導師)に師事する。ただしラーンの方が姉弟子(笑)
普段は金属鎧を着ている為に古代語魔法は使えない。本人曰く古代語魔法は隠し芸。これは遠い未来に某妄想戦士に受け継がれる。
器用度も21あり、武器は槍。能力値の最低は15の生命力/精神力とかなり優秀で、某"至高神の猛女"よろしくパーティーの最大戦力となる。
グレゴリー・ウータン 28歳
プリースト(チャ・ザ)/ファイター/バード1。オランではそこそこの名家であるウータン家の生まれで、不幸な幸運神の神官(笑)
その不幸さは能力値決定の時から祟り、器用度9の敏捷度10で筋力13と、戦士にも盗賊にもあまり向かない事になってしまった。
知力と精神力は15と平均程度はあるので神官を務めるが、生命力は11しかないので、強力な攻撃魔法を食らうと直ぐにHPはレットゾーン。
物語が進むに連れてラーンとエース(その内出てくるNPC)との奇妙な三角関係を演じるようになる。移動時は専らステラの足である。
チップ・タップ・ボン 55歳
シーフ/レンジャー2、バード1。アザーンのマフォロ島出身のグラスランナーで、子供を一人成人させてる。自称落ち着きのあるグララン。
名前はバブリーズのパラサからヒントを得ていて、ゲスト出演したパラサにより、後ろ2つは友達の名前という設定が決まった。
ベルローズ商会の交易船に密航し、荷物を海に落としてしまったのが運の尽き(ステラ設定)。ステラに丁稚奉公して借金を返すようになる(合掌)。
何かと「○○したら△△△ガメル」という条件で様々な仕事をこなす。能力値は概ね種族平均を上回り、器用度/敏捷度23は流石である。
マイス 145歳
レンジャー2、シャーマン1。バイカルの森出身のエルフで、見聞を広めに旅に出た。おっとりしていてあまり喋らない=存在が消える。
一見ただののんびり屋さんだが、「そうですねぇ」の一言で様々な決断を下し、"伝説のうなずきエルフ"とまで呼ばれるほどになる(笑)
能力値的には種族平均を前後していて精霊使いとしては無難。ただ生命力が6(=1クレスポ)しかないので、ダイレクトアタックは死の香。
以上の6人がミラルゴ編のパーティーです。なかなか癖の強いキャラが集まってますね。あと女性の方が力持ちという法則を相変わらず守ってる。
パーティー内の行動順位は、チップ(22)→マイス(20)→ラーン(16)→ステラ(12)→グレゴリー(10)→ミンクス(9)。
ぶっちゃけ戦闘はあまり強くはない。魔法使いが3人の生命力が、いずれもボーナス+2もない貧弱さですからね。
清松先生曰く、グレゴリーの精神力が高くないので、敏捷度に劣るミンクスがボロボロになった時に困る。勿論グラランは戦力にならない。
それでも何とかなってるのは、前衛の女性2人がそれなりの戦力を持ってるからかもしれない。特にラーンがやたら強いイメージがある。
なお今回の冒険の出発点は聖王国アノスの王都ファーズです。バブリーズでも後半はよく出てきた街ですね。
何を思ったか皆オランだと思っていたのでちょっと困りましたが、ステラ婆ちゃんの設定好きが功を奏して何とかなりました。
まずオランにいたステラとラーン(ついでにチップ)は、師匠であるフィリスのお父さんに対し、お嬢さんを捜しに行くという名目で街を出る。
その途中で、兄が家を継いだのをきっかけに旅に出たグレゴリーと知り合い、ステラを負ぶわせる。更に武者修行中のミンクスとも知り合う。
あとマイスはファーズに着いて初めて入った冒険者の店で仲間になった……そんな感じ。いやはや、ステラの口の上手さは異常ですね(苦笑)
★さあ、初仕事〜リーダーはうなずいた
ファーズの冒険者の店「雄々しき鷲亭」から彼らの冒険は始まります。最初の依頼は……という前に信用問題が立ち塞がりました。
冒険者なんてのは限りなくアウトローに近い連中です。中にはチンピラや犯罪者同然の奴もいますから、無条件に信じられません。
では信用の無い冒険者は仕事ができないかというとそんな事も無い。店主が信用して任せ、裏切られたら別の冒険者を雇って捕まえるのです。
今回はステラがベルローズ商会の手形を持っていたので問題ありませんでしたがね。ただしファーズには支店が無い事になっています。
さてそうして紹介されたお仕事ですが、なんと依頼人はあのグレゴール・エライセンです。チャ・ザ神官のバンダオートさんもいますよ。
この2人はバブリーズに登場し、バブリーズがファーズに来た際初めて知り合った人達で、後も色々とお付き合いのあった人達です。
一行は彼らと一泊600ガメル!もするような高級店で会って、お高い酒を奢ってもらいつつ仕事の話をしました。バブリーズの時と一緒ですね。
宿屋の宿泊費は一泊あたり30ガメルからです。上限は無いので600ガメルというのもあるでしょうが、普通の人は入れませんね。
その依頼とは音楽堂の幽霊事件の解決です。グレゴールは音楽家にして建築家であり、従兄弟のカルプラス伯爵の後援で音楽堂を建てました。
バブリーズでは音楽堂が完成し、こけら落としなども行われましたね。ファンには周知の事実です。その音楽堂で幽霊が出るというのです。
報酬は成功報酬で全員で3000という事で落ち着きました。1レベルと3レベルが3人ずつの相場は750〜3000だからいい報酬ですね。
途中まで一日300というとんでもない額をステラが要求してましたが、世事に疎いエライセンの代わりにバンダオードがストップをかけました。
1〜2レベルのくせに一日300なんて法外です。全員だとしても、一日いくらというのでは時間をかけるほど報酬も膨らむので不適当ですし。
別にバンダオートは報酬の計算式を知ってる訳ではないけど、常識として相場が分かるのです。まぁバブリーズ級に有能なら安いぐらいですが。
この2人もバブリーズという頼りになる知人が姿を消してしまったので、止むを得ず冒険者の店を頼ったんですよね。
バブリーズだったら簡単過ぎてパラサ一人で片がつくような仕事であり、駆け出しなら6人がかりで丁度いい程度ですが。
しかしあの連中を知っていると報酬の額も世間のソレとはずれてきますよね。何しろ最終的には城とかやりとりしてたぐらいだし(笑)
あとここでフィリスがこの国に来ていた事も判明しますが、その後の行方が依然として不明なのでステラの冒険旅行も続行です。
それと一連の交渉シーンでは、マイスはずっと頷いていました。いやリプレイだと声を出さないと存在が消えるんですけどね。
そういう場合は「ここで僕は頷いています」とでも言わないと、本当に消える。それに対してステラなんて何人もいるような気がします(笑)
あまりにも喋らないので、以後マイスがリーダーという事になります。決定役というと聞こえはいいけど、実際はタダの認印です(リュースか)。
「こうしましょう」「そうですねぇ」。「あっちに行きましょう」「そうですねぇ」となるのです。これが"うなずきエルフ"伝説の始まりです。
★聞きこみ、また聞きこみ〜お向かいにて
捜査はまず音楽堂に向かう所から始まりますが、何も無いので目撃者への聞きこみを始めます。目撃者は全部で4人でした。
疾風のエース占い師ビードル
娼婦シールズ
酒乱のディーン
以上の4名が目撃者?です。見ての通り見事にABCDとなっていて、分かり易い清松流ネーミングの真髄は健在ですね。
まずエースとディーンに聞き込みしますが、ぶっちゃけこいつらはただの目撃者。それ以上でも以下でもないのであてになりません。
ただエースだけは名前を覚えておくべきです。彼はこのシリーズの重要NPCですから。現時点では「有名になる」と吹聴するコソ泥ですが。
あと彼らの目撃した幽霊ですが、「うぉーん」というむせび泣き?の声が聞こえ、壁に人の顔面が浮かび上がる感じで出現するそうです。
顔はリアルなものではなく、真っ黒けで目と口の部分が白く抜けているだけ。お面のようなものが壁にくっついている感じですね。
その後彼らは大胆にもカルプラス伯爵と会見します。カルプラス伯爵といえば、バブリーズにも出てきたアノスの外務大臣ですよ。
この国のトップである法王の次に偉い人であり、とてもとても駆け出し風情の会える人ではない。けど会えちゃうんですよね。
どうやらグラランのいる冒険者と聞いて、バブリーズと勘違いしたらしい。やはりそうでもしないと外務大臣とは会えませんよね(苦笑)
かつてカルプラス伯爵は謀略に巻き込まれ、危うく国賊の汚名を着せられる所でしたが、バブリーズのお陰で命拾いした経験がある。
だからバブリーズが帰ってきたというのなら、このように二つ返事で会うでしょうね。それにしても、微妙に引きずっていますね。
当然勘違いだと知った伯爵はかなり適当に一行と話します。冒険者レベルは英雄レベル、そりゃあ差別もされますよね。
バブリーズは最終的に6〜8レベルに達し、紛れも無い英雄でした。そんなのと1〜2レベルの駆け出しじゃ対応も違ってきますよ。
ここでは音楽堂が建つ前は商人の屋敷があり、商売に失敗して手放したのを伯爵が手に入れ、従兄弟に抵抗したのだと知りました。
その後再び音楽堂に行くもやはり手がかりなし。使用人(チップ)を壁に登らせたり、植え込みをレンジャー+知力で探っても見つからない。
ただ見つからないというのは、何も無いのとは微妙に違う。単純に見つけられなかったという事もあり、恐らくは今回がそれでした。
しかしお向かいの家の人に、例の商人は詐欺に遭って破産して自殺したという話を教えて貰いました。それだと商売に失敗したのとは大分違う。
家族構成は親子3人で、お父さんはパパスさん、お母さんはママスさんだったとか(笑)。そしてお嬢さんはシールズといったそうです。
そう、シールズといえば例の目撃者の1人です。また妖しい占い師(ビードル)が、悪霊が出るとか言っていたんだとか。
重要な2人だけを飛ばしていたんですね。それでこそ泥や酒乱のけだものに行っちゃうんだから、これも不幸な幸運神の神官のせいか(濡れ衣)。
★妖しい占い師と哀れな娼婦〜突き止めた真相
一行はまずビードルに会いに行きますが、これがもう見事なまでに怪しい霊媒師。ていうか占い師じゃなかったのか?
ステラ「幼いお子さんもおったという話でございますが?」
ビードル「ああ、子供の霊もいました」
グレゴリー「寝たきりのお婆さんももろともの一家心中だったと聞いたよ」
ビードル「そうでしょう、そうでしょう、お婆さんの霊もいました」
とか言っちゃう人です。簡単なかまかけに見事に馬脚を現していますよ。つまり彼は噂を広める事で何かを企んでいる。
続いてシールズにも会いに行きます。彼女はただのミスディレクション、幽霊事件に便乗して両親の無念を晴らそうとしているだけでした。
幽霊の話を広めれば詐欺を行った犯人も現れるかもしれないと、色々な噂を吹聴していましたが、逆に両親の名誉を損なうだけですよね。
まぁその悔しさは相当でしょうけどね。それで彼女は娼婦(アノスでは違法)なんて仕事に、身を落とさねばならなかったんですから。
彼女への説得はステラが行いました。これぞTRPGの真骨頂ですね。ここまで説得というものが重要なのはTRPGだからこそ。
シールズはしつこく真相を追究され、ついには泣き出します。若い女の子が泣き出したのだから、普通の男ではそれ以上問い詰められません。
ステラ「40も年上の婆あを泣き落としでごまかそうというのか。甘いぞ、小娘」
グレゴリー「婆さん、もうやめてあげなよ」
ステラ「甘いんじゃ、お前らは。若い女の涙に騙されたらあかん。これは手じゃ。わしも若い頃はよう使った」
と、強硬な姿勢を貫きながらも、親身になって両親の冥福を祈るかのように説得し、ついには彼女に狂言だったと認めさせたのです。
これで追求すべきはビードル唯一人である事がハッキリした訳ですね。もうグッジョブ・婆ですよ。GJ・BBAですよ(無理に略すな)。
更にはシールズにベルローズ商会(カゾフ支店)への紹介状まで書いてあげたんです。もう黄門様みたいな見事な交渉でした。
その後幽霊については、実際にグレゴールに演奏してもらう事で、声については音漏れである事が判明しました。ていうか設計ミスかい(笑)
顔は紙を切り抜いたものの影絵である事が判明し、その勢いでビードルを吐かせる。弱気な彼は迫られるとアッサリゲロしました。
詐欺師であった彼は、黒いローブの男に、音楽堂を封鎖させたら1万ガメルという仕事を持ちかけられ、音漏れを利用したそうです。
これで一応依頼は果たした事になりますね。依頼は幽霊事件の解決。ビードルをとっちめたので、これでもう幽霊事件は起こらない。
しかし黒いローブの男が気になるので、エライセンから追加報酬(1人150ガメル)を貰い、その調査も行う事にしたのです。
★さあ、正義の鉄槌を
ローブの男の捜査は、ビードルに司法取引(多分比喩)を持ちかけて囮にします。囮になる代わりに罪を見逃すという取引ですね。
音楽堂は封鎖するという噂を流し、ビードルを金の受け取り先に向かわせるのです。封鎖と言っても、本当に修理で封鎖するんですが。
するとやはりローブの男はやって来て、ビードルを連れて行きました。その追跡はチップが突出して行い、他の人達は遅れて続きます。
このようにシーフ技能の《尾行》でも使わないと相手に気づかれちゃいますからね。金属鎧のミンクスとかいるから尚更です。
仮に全員がシーフ技能の持ち主でも、ゾロゾロ続けば何人かは失敗するものです。もう少しレベルが上がれば使い魔に追跡させるのも可。
この場合チップがシーフ+敏捷度で追跡し、尾行される側は冒険者+知力で気づくかどうか判定する訳ですが、気づかれます。
するとワラワラと部下らしきローブ男(雑魚)×6人が出てきて、7人揃って逃げようとするチップの背中に斬りつけます。
とはいえ実際攻撃できたのは3人だけですけどね。それでも回避力−4だから命中しまくり、ボロボロになって逃げました。
まぁ怪我するだけで死なないで良かったですよね。もし完全包囲されていたら、フクロ叩きにされて流石にヤバかったでしょう。
それからローブ男達は取引現場である廃屋に篭ります。ていうか、この現場はビードルから教えて貰っていたんだから、尾行の必要性無し(笑)
しかも中ではビードルが刺殺されていたり………。可哀想に、こっちの判断ミスやら出目の悪さやらで殺されてしまいましたよ。
こうなったらこっちも本気です。放火して一網打尽に……は延焼しそうなので却下。裏口で火を炊いて煙で燻し出す事にします。
その際表口に"ロック"をかけておけば、相手は扉をぶち破るのに精一杯で体勢を崩すので有利。なかなかいい作戦ですね。
ただしチップが気づかれずに裏まで回れるかが問題ですね。すると何と《忍び足》6ゾロを振り、相手も6ゾロを振って気づかれる(苦笑)
そうして敵に気づかれたのを、更にチップがレンジャー+知力で6ゾロを振って気づくという、妙にレベルの高い応酬もありました。
仕方ないので更にチップが呪歌の"キュアリオスティ"で敵を呼び出そうとしますが、失敗したのが2人だけ。結局ノリで全員出てきて戦闘開始。
構成は闇司祭(3レベル)と手下(1レベル)×6。チップの達成値は11だから、精神抵抗9(2)の手下はよく抵抗できましたね(出目10以上)。
ちなみに音楽堂を封鎖させようとした動機は、神殿にしようとしたから。そんな野良猫の宿みたいな神殿では、その内追い出されそうですが。
戦闘が始まると、ステラとマイスは"ウーンズ"一発で気絶。グレゴリーも精神力切れでキュアーできなくなるという大ピンチに陥ります。
闇司祭はファイター/ダークプリースト(ファラリス)3であり、こいつが手強い。前衛の女性2人も、雑魚は一蹴だけど闇司祭はなかなか…。
2レベル戦士が2人はいる筈だったのに、ラーンは1レベルだからまだ分が悪い。チェインメイルを着る相手では、チップでは歯が立たないし。
結局闇司祭を倒したのはミンクスでした。相手が防御ロール1ゾロで素通しになったお陰です。ある意味クリティカルよりラッキーヒットです。
こうして倒した闇司祭はファリス神官が何処かへ引っ立てて事件解決。この国ではファラリス信者の行く末はきっと悲惨ですよね。
以上のように彼らの最初の冒険は成功の内に終わりました。次回からはいよいよミラルゴへ向かう大冒険に突入しますよ。
★
バブリーズでは経験点は最大障害レベル×500点という高水準でしたが、この第四部は一律1000点というスタイルになります。
バブリーズ方式だとPCが加速度的に強くなっちゃいますからね。これだと2冊やれば誰かが5レベルに到達している程度ですね。
なおこの一律1000点方式は、第四部発表から10年以上を経た第八部WaltzやxS猫の手冒険隊でも、依然として採用されている水準です。
これでレベルアップしたのは、ステラがセージ1→2。グレゴリーがプリースト(チャ・ザ)1→2。ラーンがファイター1→2です。
あとラーンが指輪型の発動体を入手。"クリエイト・デバイス"だけでも3600ガメルかかるんだから、結構高価なものを貰ってますね。
でもラーンの場合、古代語魔法を使うのは鎧を脱ぐ余裕のある時だけです。それならいっそステラが持ってる方がいいような。
★チップはいかさま師?〜とっても妖しい依頼人
今回のお話は前の事件から1週間ほど経った辺りから始まります。1週間というと、1泊40ガメルで280ガメルもかかるんですよね。
これが最初の内は結構馬鹿にならない出費になります。まぁミラルゴに旅立ってしまえばそんな心配もなくなるので、今の内なんですが。
その余暇を利用してそれぞれ自由に振舞っていましたが、ある時ステラのお供をしていたチップがイカサマ師扱いされると事件がありました。
ゴロツキっぽい2人組の男が、チップがカードでイカサマをしたと掴みかかってきたのです。ところがチップには全く心当たりは無い。
幸い通りかかった"疾風の"エースが助けてくれましたがね。どうやらグラランの顔というのは、普通の人からすれば見分けがつき難いらしい。
丁度日本人が外国人の顔が見分けられないのと同じですね。これは今この土地に別のグラスランナーがいるという事でもある。
グラスランナーの人口は、大陸全体で見ると1%未満。それなら大きな街ならちょっと探せば見つかりそうなもんですよね。
ここはファーズであり、グラランが特に多いミラルゴは目と鼻の先ですから、尚更にいても不思議ではないんですよね。
例えば「牧歌の国の魔法戦士」ではグラランが集団で湧いて出ましたしね。まぁ今回はそのもう1人のグラランが重要NPCな訳ですよ。
それから暫くすると、お金がなくなってきた一行の前に一人の依頼人が現れます。彼の名はイーグルさん(仮名?)、どうやらシーフっぽい。
彼はさる高貴な人に仕えていて、そこの娘さんが誘拐されてしまったので、助け出してくれる冒険者を求めているというのです。
ところがその高貴な人も犯人も名前は明かせない。ただ何処にいて誰が犯人かは分かっていて、何も聞かずに助けて欲しいというのが条件。
政治的な理由もあるので、もし失敗したら押し込み強盗としてトカゲの尻尾切りにされてしまうという、非常にデンジャーな依頼です(笑)
報酬は1人800の計4800というのですが、至高神の国で強盗なんてリスキーにも程がある。どんな重罰食らうか分かったもんじゃない。
多少お金に困っていても受けないのが普通なのですが、ミンクスがどうしてもやりたいというので結局受けてしまうんですよ。
ミンクスは無茶な言動をワザとして仲間に止めてもらう、というロールをしている訳です。止めてくれるのを期待してるんですね。
猪突猛進の「罠は嵌って踏み潰す」ミンクス理論の持ち主としては至って適当ですね。まぁ今回はそのまま引きずられちゃいましたけど。
今後もミンクスはそういう行動に出るのが多くなりますが、ある意味仲間を信頼しているからこそできる演技ですよね。
★お城の正体は……〜アイデア一発城の中
お嬢様が捕らわれているのはファーズから徒歩で1週間程度の位置にあり、ストローウィック城と呼ばれる城でした。
バブリーズファンには周知の事実ですが、この城こそはバブリーズの持ち城。最終的に彼らはこの城と、小さな領地まで貰ってましたね。
リーダー?のアーチーは貴族となった訳ですが、現在は名代のクレア・バーンロードが治めています。詳細は「バブリーズ・フォーエバー」参照。
勿論そんな事はプレイヤー(PL)は先刻承知です。しかしPLが知っていてもPCが知らなければ、知らないものとして行動すべきです。
バブリーズは6〜8レベルの歴代最強パーティーであり、名代を務めるクレアだってファイター/プリースト(ファリス)6の強豪です。
もしそんなもんが敵に回ったらと思うと、まず勝ち目は無い。またそんな所に誘拐犯がいるというのだから、イーグルが尚更妖しく見える。
それでも何も知らないとして行動しないといけない、それがこの辺の面白い所ですね。ちなみに現在バブリーズは留守で、城にいるのはクレアのみ。
クレアはファーズの聖堂騎士団の出身である金髪美人。正直再登場してくれるのは非常に嬉しい。まだスイフリーを待ってるのかな(苦笑)
正確にはあと2人ほどいるんですが、彼らはお客さんのようなもの。あと座長さん一家もいる筈だけど出てこなかった。トップはいたのに。
途中で一行が立ち寄った30〜40戸程の小さな村は、きっとアーチーの領土ですよね。一行はそこで情報収集をしました。
その際妖しくないように、ステラが旅の隠居婆さんを装い、ラーンとグレゴリーはその護衛という事で振舞いました(最早「水戸黄門」)。
そこでPLは大まかな背景を悟り、PCは城に名代とグラスランナーがいる事を知る訳です。勿論このグラランは例のイカサマのグラランです。
城にグラランがいる、という事で村人などはパラサが帰ってきたのだと勘違いし、PLもまた多少なりともそう考えてしまう仕掛けですね。
もしパラサだったら、やっぱり勝ち目はないですね。一応アレは8レベル盗賊ですから。ガチでやってもまず倒せないでしょう。
まぁそれはいいとして、城に到達した一行が何に苦労したかというと、城壁です。高さ15m程度で、外周1.5〜2kmを囲ってます。
これをどうやって攻略しようかと試行錯誤。高さ15mだから、《登攀》しようにも2回判定する必要があるんですよね。
目標値は14ですから、ロープ無しだとチップでも出目9以上(危)。ロープがあれば、盗賊の場合1ゾロ以外で成功ですね。
他のメンバーは冒険者技能でチャレンジする訳ですが、それだとロープがないと挑戦すら不可能。あってもやっぱり目標値14です。
仮に1回目成功しても、2回目も失敗すると最低でも10m(30点ダメージ!)の高さから落ちるので、なかなかスリリングですよね。
最悪14m落下で42点ダメージ!、これでは普通に死ぬ。盗賊は《受身》があるから、盗賊レベル+敏捷度mを落下距離から引けますが。
それだってチップでも5mしか引けないから、10m以上の高さから落ちると普通に怪我をしますね。14m−5m=9mだと27点だし。
この強敵にチップとイーグルが果敢にも挑み、落ちる落ちる。それだけでグレゴリーが3回も"キュアー・ウーンズ"を使ったんですよ。
2レベルになって3点で使えるとしても、精神力15だから5回しか使えない。3回使えば残り6点で2回しか使えない(しかも気絶―笑)
たかだか壁を越えるだけで既に神官がヘロヘロ、盗賊もボロボロ。一体何をやってるんだか。まだ城の中にすら入っていないのに。
なお壁は防御点30の破壊点25です。「構造物破壊ルール」により、これを壊そうと思うならまず30点ダメージを叩き出す必要がある(笑)
壊そうと思うならもっとレベルが上がらないといけませんね。ていうかその前に精霊魔法の"トンネル"で風穴を開ければ済むんだし。
この強敵に彼らは全プレイ時間の優に半分を使い、最終的には鉤爪つきロープを投げる事で解決しました。
盗賊はロープさえあれば1ゾロ以外で《登攀》できるんですよね。だから城壁に鉤爪つきロープをひっかければローリスクで登れる。
また一度中に入ってしまえば門番すらいないので、内側から閂を開ければ全員入れる。……まぁ、アイディアが出る時なんてこんなもんさ(苦笑)
あと城壁内にはやっぱりトップがいるんですよね。デカイ猫という程人に慣れた優しい虎のトップ……それでもモンスターレベルは3です。
今の一行にしてみれば、タイガーは全く勝てない相手でもありません。しかしガチでやるとまず怪我をする。そんな強敵だったりします。
そう考えると番犬代わりとしては十分役に立つんですよね。まぁ実際戦えるかというと微妙ですが。ていうか座長さん一家は?
★突如登場、バンビちゃん〜明かされた敵
城壁を越えた一行は裏口を目指し、精神力を温存してラーンが"アンロック"をかけ(勿論鎧は脱いで)、城内に侵入しました。
なお現在この城にはブラウニーがいるらしい。長期間放置されていたならいない可能性もあるけど、スイフリーが持ち込んだのです。
持ち込んだって事は別の家から連れてきたのか、それとも精霊界から召喚したのか。いずれにしろそんな即席でもちゃんと憑いてくれるのか?
何しろ小さいとはいえ城ですからね。クレア一人では掃除も行き届かないでしょう。精霊使いがいなくても勝手に掃除とかしてくれるのかな。
ちなみにマイスのような精霊使いの命令があっても、鍵を開けるみたいな複雑な真似はできませんね。それができたら"アンロック"要らずだし。
侵入した先は台所、廊下に出ると左右に4つずつ計8つの部屋が並んでます。チップが《聞き耳》を行うと、3番と4番の部屋で寝息を聞きます。
それで3番の部屋の部屋に《鍵開け》で入ってみると、そこにはケンタウロスの少女と、グラスランナーの姿がありました(当たり)。
イーグルはこの土壇場に来て、このケンタウロスこそが攫われたお嬢様なのだと言い出すので、仕方なくその子を連れ出そうとします。
ここではその子を捕まえてラーンがバンビちゃんだの何だの言ってますが、バンビは小鹿だから。一応この子は半分馬だし(笑)
少女を連れ出そうとすると流石に少女も目を覚まし、「はにゃはにゃひひーん」とばかりに意味不明のケンタウロス語を口走ります。
すかさず彼女を連れ出してグラランが出てくる前に扉を閉め、ついでに4番の部屋にも"ロック"をかけて封印し、もう安心……。
かと思ったら5番の部屋からクレア登場!!。実は5番の部屋は《聞き耳》の達成値が7で非常に微妙だったんですよね(苦笑)
こうなったらもう待った無し。ステラは自分達には非がない事を知らしめるように、クレアを誘拐犯扱いして堂々と振舞います。
これなら「自分達はイーグルに雇われて善意で娘を助けに来たんだ」という言い訳が成立しますね。あとはイーグルとクレアの言い合いを傍観。
やがてクレアの"センス・イービル"でイーグルの邪悪が確定すれば、今度は「騙していたのか!?」という風に振舞えば完璧ですとも(笑)
イーグルは咄嗟に逃げ出しますが、そこに現れた謎の影によって瞬殺されてしまいます。彼は犯人は"風"であると言い残して事切れました。
"風"もすぐに姿を消し、残されたのはイーグルの死体のみ。これでようやくクレアに事情を話し、事の真相を知る事ができる訳です。
この事件の背景を教えてくれたのは例のグラスランナーでした。彼の名はピルペ・パラサ・パン、あのパラサの友達だったのです!
勿論ファーズでイカサマ賭博をしたのも彼です。路銀が底をついて仕方なくやったそうですが、ぶっちゃけグララン相手にカードやる方がカモ。
ピルペはこの事件がミラルゴの部族扮装に端を発している事を教えてくれます。人間の部族とケンタウロスの部族の争いです。
草原の国ミラルゴでは人間、ケンタウロス、グラスランナーという大きく3種類の種族が遊牧生活をし、数多の部族が混在しています。
その中でも長年仲違いをしていたその2つの部族は、ある日和平を結ぼうとしますが、これが真っ赤な嘘。罠だったのです。
人間側がケンタウロス側の和平使節を襲い、ケンタウロスの部族の族長の娘であったこのケンタウロスの少女、タウを殺そうとしたのです。
見かねたピルペは彼女を助け出し、冒険者として大成功を収めたパラサに助けを求めてここまで逃げてきて、クレアに保護して貰ったのです。
ちなみにイーグルはその部族の人間ではありません。その人間の部族には顔にペイントをする習慣があるというのです。
そしてその部族には諜報暗殺部隊が存在し、"四元素"という4人の隊長がいます。勿論"地"、"水"、"火"、"風"の4人です。
彼らは権謀術数を好む集団で、4〜5レベルぐらいらしい。部下も何人かいます。しかしそれぞれ手柄争いをしてるので一緒に動く事は無い。
イーグルは"風"に雇われた何処ぞの盗賊だったんでしょうね。そしてステラ達はそのイーグルに更に"雇われた"訳です(ややこしい)。
★GM泣かせのトラップ屋敷
真の敵がハッキリした所で、一行はクレアの後ろ盾を得て篭城戦を決め込みます。彼女の実力があれば楽勝ですからね。
とはいえ食料の問題もあるので、大胆にも全員で村に向かい、村長の屋敷を徴発して敵を迎え撃ちます(人の家を勝手に―苦笑)。
ところが名代であるクレアの下に、沼地に怪獣が出たという報告が入り、彼女は名代としてその討伐に向かってしまいました。
これは実は"風"が創った幻影なのです。クレアを引き離し、別の"四元素"を冒険者達にぶつけて様子を見るつもりなんですね……。
こうなったら黙ってはいられない。チップが村長の屋敷に罠を張り巡らし、全員で2階の大部屋に立て篭もりました。
ちなみに罠の内容ですが、階段の上に油の甕(かめ)を設置し、階段の一段に足首の高さにロープを張って登り難くしました。
更に大部屋の入口には、人間の腰の高さに横木を打ちつける。これは潜るにも跨ぐにも蹴るにも微妙な高さの嫌な罠です。
おまけに扉の上には小麦粉爆弾を設置。紐を引っ張ると落っこちてきます。……いやここ村長さんの屋敷だったんじゃ?(苦笑)
準備が終わった頃には"四元素"の一人"地"が現れます。彼は3人の部下を引き連れ、果敢にも屋敷に突入してきました。
4人とも情報通りに顔にペイントをしていましたね。特に"地"が派手でした。このゴージャスさは階級によって違うんでしょうかね?
屋敷に侵入してきた彼らでしたが、予想以上に罠に掛かる。"地"がステラ達の所に到達した頃には部下が全滅しちゃってました。
部下Aは、甕には耐えたもののロープに引っかかり、3m落下して防御1ゾロ。9点素通しで残り1点になって脱落(能力値オール10?)。
Bは横木と小麦粉爆弾に引っかかり、突破できないでいる所に飛び道具の集中砲火を受けて、気絶しないまでも士気崩壊して脱落。
Cは横木を壊そうとしている隙に、チップやラーンの攻撃を食らって気絶。罠1つで50ガメル借金天引きなので、計200ガメルの仕事でした。
これでようやく"地"との直接対決です。"地"は4レベル戦士で、装備はハードレザーにバスタードソードの2Hです。
戦闘そのものは割りとすんなり終わりました。トドメはラーンのクリティカルでした。これからこういうのが恒例になっていく。
あと気になったのはやはり行動順ですね。ラーン(16)→ステラ(12)→グレゴリー(10)→ミンクス(9)という風になっていますよね。
ミンクスはいいんですけど、ステラの援護魔法(エンチャントとか)をラーンが受けようと思えば、行動を遅らせる必要があるんですね。
他はやはりグレゴリーの行動の遅さ。多くのドワーフ司祭と同じように、後掛けキュアー&キャンセルという作戦をやらないと危険。
宣言していないラウンドに攻撃を受け、次のラウンドで慌てて回復しようとしても、その前に敵が先に動く。何も無ければキャンセルすればいい。
倒した"地"は適当に《応急手当》をして目を覚まさせ、怪獣が"風"の仕業である事を吐かせて、城の地下牢にぶち込む。
これ以上ここにいても村人の迷惑になりますから、一行はタウちゃんを送ってミラルゴに旅立つ事になります。進路は一路東へ。
★
今回の成長は、マイスがシャーマン1→2、チップがシーフ2→3、ミンクスがプリースト(マイリー)0→1です。
精神力旺盛なミンクスがトランスファー要員として司祭になったのが大きいですね。今後伸ばす事もないので、完全に乾電池化の為の技能です。
★確認、敵は四元素(もはや三元素)〜続々登場NPC、収拾はつくのか?
今回から冒険者達は草原の国ミラルゴへと旅立ちます。その目的は、ケンタウロスの部族の族長の娘タウちゃんを、無事に親元へ届ける事です。
道中彼女の部族に敵対する人間の部族の暗殺部隊"四元素"が襲い掛かってくるので、それらを撃退しながら進む事になります。
まぁ"四元素"とか言いつつ、既に"三元素"なんですけどね(笑)。ただし単細胞の"地"とは違い、他の三人は謀略好き?なので注意が必要。
旅の仲間はPC6人+NPCのタウちゃん……だけではない。他に2人もNPCが同道するんですよ。つまりPC6人+NPC3人で9人パーティー!
その2人とは、グラスランナーのピルペと、あのこそ泥"疾風の"エースです。2人とも2レベル盗賊なので、まぁ壁にはなるかな。
普通NPCというのはGMが管理するものですが、今回はエースをステラが、ピルペをマイスが管理する事になります。
2人とも魔法使いだし、時に手持ち無沙汰になる事もあるだろうし。ちなみにタウちゃんは全くの戦力外なのでキャラシートは無し。
ただピルペもエースも、NPCのくせに妙に目立っている気がするのは気のせいかな。チップよりかはピルペの方が活躍しているような気が。
あとエース→ラーン←グレゴリーという三角関係も見物ですね。特にグレゴリーが物凄い勢いで失点を重ねてエースに負けていく様が(笑)
ラーンとしてはもっと強い人が好みのようなので、2人ともあまり相手にしないんですけどね。それでもエースの方がポイント高い。
そういう意味では、NPCが目立っているのではなく、PCが目立たないので自動的にNPCに目が行っちゃうだけなのかもしれない。
タウちゃんを助けた張本人であるピルペはともかく、何故にエースまでついてくるのかといえば、彼が盗みを働いて尋ね者になったから。
とある魔術師の家から指輪の発動体を盗み出したのですが、捕まりそうなので集団の中の一人として一緒に連れて行って欲しいと言うのです。
報酬は3900、疑われたら素直に捕まるという条件で、彼もパーティーの仲間入りです。個人的にはグレゴリーより彼の方が好き。
なお指輪の発動体は、宝石がついているので1万ガメル相当の価値があるらしい。それなら報酬も払えるけど……実はこの指輪が伏線だったとは。
★妖しい歌うたい〜耳を塞いじゃ見張りにゃならぬ
今回襲い掛かる"四元素"は"水"です。"水"は顔にペインティングしたお姉さんで、バード技能と、シーフかレンジャーは持ってる感じ。
総勢9人になった一行がアノス国境近くの村に差し掛かった際、"水"は村の中央で"チャーム"を歌い、村人をけしかけようとしていました。
もし成功していたら鍬やら鋤やらを持った村人が冒険者達に襲い掛かったでしょう。しかしこちらも呪歌で効果を相殺する方法で対抗しました。
具体的にはグレゴリーが"ララバイ"を、チップが"キュアリオスティ"を歌いました。"チャーム"と同じく精神に属する呪歌ですね。
この場合同じ精神系の魔法として、互いに対抗/優越。達成値が相手の呪歌のそれを上回り、尚且つ村人が精神抵抗に失敗したら効果が出る。
すると2人とも達成値14(出目出目11&10)とやたらと高く、アッサリと"水"の呪縛を打ち破って村人の支配を解いてしまいました。
この場合行動順はチップの方が早いから、先に"キュアリオスティ"効果で村人がチップに注目し、続いて"ララバイ"がかかって全員寝ちゃう訳です。
本当は村人一同の精神抵抗も行わないといけないんですが、14なんて数値はモンスターデータだと6ゾロ振っても破れないので、省略可。
こういった一般人のデータは、ルールブックではモンスターデータなんですよね。人間なのにちょっとおかしいけど、そっちの方が便利。
ステラ「なんじゃ、"水"だったのか。歌うというから、てっきり"火"かと」
GM「何で?」
ステラ「真っ赤な服を着て、『俺の歌を聞けえ』最近の流行だ」
あぁ「マク○ス7」ですね(笑)。そう言えばバサラの中の人って、「英雄騎士伝」のパーン役の神奈延年(元は林延年)さんだったんですね。
しかしこれで引き下がる程"水"はヤワではありませんでした。野営をしながら旅を続ける一行に、なかなか巧妙な罠を仕掛けたのです。
野営をする以上、必ず見張りというものがいますよね。このパーティーでは見張りは3交替制で、2:3:3制となっています。
具体的には「ミンクス&グレゴリー」「マイス&チップ&エース」「ステラ&ラーン&ピルペ」。それなりにバランスの取れた分け方ですね。
戦闘面では、一応前衛と魔法使いの両方がいる。ただ一直目はレンジャーがいないし、相手を考えると三直目にバードがいないのがちょっと難。
その三直目が見張りについている時に、森の中からまたも歌声が聞こえてきました。そこで大急ぎでチップを叩き起こして対抗させたんです。
全員が耳を塞ぎ、チップがピッコロを思いっきり吹いてグレゴリーも演奏し、またも2人とも達成値14という数値を叩き出します。
しかしそれこそが敵の狙いでした。耳を塞いだ上に楽器を演奏していては、《危険感知》にも相当のペナルティーが入る事になる(笑)
その隙に"水"とその部下達は、クロスボウによる《狙撃》を行っていたのです。4ラウンドフルに狙いをつけたので、クリティカル値−4!。
本当ならその4ラウンドの間、狙撃する側はレンジャー技能の《カモフラージュ》か、シーフ技能の《潜伏》の成功ロールをする必要がある。
受け手がPCの場合は《危険感知》でそれに気づくか判定する訳ですが、それにペナルティーが入るもんだから気づきやしません。
結局冒険者達は不意打ちの為に回避力−4でクリティカル値5!の狙撃を受けた訳です。実に見事な不意打ちでした。
狙われたのはミンクスと、エース・ピルペ・チップの盗賊3人。マイスとステラは本当に死にかねないのでワザと外したそうです。
ちなみにクリティカル値が下がるのは最初の1回だけであり、仮に回ったとしても次のロールは元通り9になるので大丈夫。
それでもチップには13点、ピルペには15点とかが行ってましたけどね。確かにこれがマイスやステラだったら死んでますね。
ミンクスだけ微妙に攻撃点が高かったのは、多分"水"に狙われたからでしょう。攻撃点13だから、攻撃力6。4レベルの器用度+2ぐらい?
それで概ね怪我をしますが死者は出ず、"水"はまたも捨て台詞を吐いて逃げます。確かに謀略好きのようだけど、微妙に実力が不足している感じ。
★まだ何か企んでおるんかい!〜死闘、ゴブリンの洞窟
襲撃の夜の翌日、東へ進む一行はまたも村に差し掛かります。この村でも既に"水は新たな罠を張っていました。
その罠とは、冒険者達をゴブリンの洞窟へ向かわせるというものでした。その為に"水"は村の子供を一人誘拐しています。
そして村長に「ゴブリンが子供を攫ったぞ」と吹き込んで、冒険者に助けを求めさせた訳です。もししくじったら「ゴブリンに子供を殺させる」、と。
それじゃあ自分が黒幕であるとバラしているようなもんですがね(笑)。しかしいくらバレバレでも、見殺しにはできない状況です。
ちなみに何故にゴブリンズが"水"の言う事を聞くかというと、昔"水"はゴブ達の戦争に力を貸してやったので、その恩返しです。
しかし恩返しとは、ゴブのくせに妙に義理堅い連中ですね。上手く行ったら人間の村の家畜を全部やると言われたのもあるんでしょうが。
そのゴブの洞窟ですが、そこには昔邪神の神殿があり、中央から派遣されてきたファリスの神官戦士団に叩き潰された跡だそうです。
神殿はどうやらカーディスの神殿だったらしく、「死ね死ね死ね死ね死んじまえ」とばかりに壁に痕跡が残っています(嫌な所だ)。
洞窟は底に谷川の流れる渓谷に入口があり、"水"達は上流にいて、冒険者達が洞窟に入ったら背後から追いかけて挟撃するつもりです。
また洞窟のある崖の向かい側の崖には、飛び道具で武装したゴブもいて、まともに正面から突っ込むと色々と危険ですね。
そこで冒険者達は一人の老人から抜け穴の存在を教えてもらいます。その人は子供の時に、神官戦士団の突撃について行った事があるんだとか。
逃げ出す邪神の信徒、それを追う神官戦士。更にそれを追う村一番の勇気を持つ自分が……とかいう感じで、武勇伝デンデデンデン(笑)
何処の村にもいるんですよね、冒険好きの少年が。後ろからついていってドキドキを味わい、他の人が全く知らない所で一生の誇りにしちゃう人。
度が過ぎると村を出て冒険者になっちゃうんですよ、サーラみたいに。実際そういう子供がいるからこそ、世の中に冒険者が尽きないのかも。
とにかくこちらだけが知る情報が手に入ったので、冒険者達は裏口から洞窟に侵入し、ゴブリンズを蹴散らしていく訳です。
面白かったのは、最初に差し掛かった丸太迷路。ところどころ穴が開いていて、裏から飛び道具で狙う事もできるんですよ。
迷路の出口にはホブゴブリン×1と、ゴブリン×4がいて、命令された通りに忠実に動いて戦うよう吹き込まれています。
本当なら表から敵がやって来たら、ホブゴブが迷路に走って侵入者を誘導し、ゴブリンズが裏からホブゴブ諸共射殺す筈でした(笑)
しかし本来表口からやって来た敵を迎え撃つ為の作戦を教え込まれているので、裏口から入ってこられた事で、その作戦も台無しです。
裏からやって来ても馬鹿正直に命令を守ったので、ホブゴブは冒険者達に突撃してアッサリ玉砕。ゴブリンズも裏に走ったまま放置されてお終い。
今でも「まだかな〜侵入者まだかな〜」とか待ってたら、ちょっと可哀想。もしかしたら"水"の部下として吸収されたかもね。
更に階段を上り下りしながら奥を目指し、冒険者達はかつての祭壇に辿り着き、ゴブリンズの本命部隊と捕らわれている子供を発見。
敵はロード/シャーマン/ホブゴブ×1とゴブリン×5。頭数だけならこっちと同じ。SWPCの斧のシナリオにもこんなの出ましたね。
今回の戦闘の鍵はステラの"スリープ・クラウド"でした。3ラウンド続けて撃ち続け、最後には6ゾロ!を振って勝敗を決しました。
ステラの精神力は15なので、5点消費を3回やったら気絶しますね。でもグレゴリーが1点だけトランスファーしたので気絶しませんでした。
6ゾロという事は、モンスター側が例え6ゾロを振っても眠りから覚めない。戦士達が行動順0で《強打》による袋叩きをしてお終い。
もし殺せなかったら相手は起きますが、次のラウンドには起き上がるだけなのでやはり攻撃チャンス。それでロードもシャーマンも死にました。
面白かったのはミンクスが全然報われなかった点ですかね。通常戦闘でも一匹も倒せず、眠っている敵を狙ってもトドメを刺せず(笑)
それどころか自分はシャーマンの"ストーン・ブラスト"を食らって怪我しただけ。手柄は全部ラーンのもの。これが今後も恒例になっていく。
★"水"、最後のあがき
子供を救出し、お礼に荷馬一頭と1600ガメルを貰い、冒険者達は更に東を目指します。しかしこれで諦める"水"ではありませんでした。
彼らの行き先にショートボウを構えたゴブリン×7を配置し、射撃。当然前衛組はゴブに殺到し、魔法使いやタウちゃんは後ろに残ります。
"水"は後ろから馬を全力で走らせて強襲を仕掛け、無防備な後衛を狙おうとします。前衛と後衛を引き剥がす、その狙いは悪くない。
慌てて走り出すステラ達、追う"水"。このままでは危ないと思いきや、"水"が後衛に追いつく頃には前衛と再合流してて無意味(笑)。
しかも前のゴブリンズも、ミンクスのキャノン砲(クロスボウ)やラーンやエースの攻撃で蹴散らされ、作戦は大失敗でした。
この戦いでは珍しくミンクスが活躍してましたね。いや相手は所詮ゴブリンですけど、こういう風に活躍できるだけまだマシですよね。
チップなんて、NPCであるピルペやエースとあまり変わらない活躍度ですもんね。リーダーなんて頷いているだけだし。
ゴブリンズが負けちゃうのは仕方ないとしても、馬の走る速度と最初の距離を全く考慮していなかったのが敗因ですよね。
SWの馬の移動速度は30です。全力移動で10秒で90m、秒速9m。現実の馬は馬場の状況によって違ってきますが、秒速15〜17mらしい。
清松先生曰く、競走馬なら10秒で250m?だそうですが、それだと秒速25mになりますね。なんか随分とSWの馬は足が遅いんですね。
余談ですが、100m3秒強のチーターなんて、SWデータではエライ事になりますね。10秒(1ラウンド)でおおよそ300mですよね。
それが全力移動だとすると、移動速度100!。"フライト"の50とか見ると速いな〜とか思うけど、実は全然大したことは無い。
まぁ通常ルールでは移動速度より敏捷度ですからあまり気になりませんが、これがVEだったら通常移動で34マス!も動ける事になる。
現実のそれが必ずしもゲームに妥当するとは限らないし、その逆もそうです。それでもこうして比較すると違った見方ができますね。
"水"の謀略は結局狙撃の時以外は散々な結果に終わりましたが、彼女の最後の挑戦は次の話に引き継がれるのでした。
★
今回は全員が成長しました。ラーンとミンクスは一緒にファイター2→3。副技能もマイスがレンジャー1→2、チップがバード1→2と強化。
グレゴリーがプリースト(チャ・ザ)2→3でキュアーを2点で唱えられるようになったし、ステラも伸び難いソーサラー1→2と成長。
★ミラルゴを予習しておこう
今回のお話は前3話と比べると異様に短いんですよね。"水"との戦いの決着となるのですが、ミラルゴに入国する前の消化試合って感じ。
実を言うと既に"水"の能力ではパーティーに対抗できないんですよね。一騎打ちできないほど弱くはないだろうけど、全員を相手にするのは無理。
その前に次の巻から入国するミラルゴについて予習しておきましょうか。ミラルゴ編と言いつつ、結局1巻の内は入国すらしなかった(笑)
ミラルゴは草原の国であり、定住地を持たない遊牧民達の暮らす牧歌の国です。モンゴル大平原の遊牧民達をイメージするといいですね。
この国は一応王国ですが、大陸に数ある他の封建国家とは一線を画しています。何故ならばミラルゴは複数の部族の連合国家なのですから。
重要な国事は諸部族の族長が一同に会する部族会議によって決定し、大臣も王すらもその会議で主に有力部族の中から選出されるのです。
王は外政を主に担当し、内政は諸部族の掟や戒律によって処理されます。部族間の争いは、当事者の部族同士の戦いにより決着をつけます。
ところがこの戦いがなかなか呑気なもので、一方が一方を滅ぼすような血みどろの殺し合いではない。代表者による騎馬同士の試合です。
飛び道具は使用不可。馬から落ちたら死人として試合から除外されるし、攻撃する事も許されない。だから死人だってあまり出ない。
ちなみに外部からの脅威に対しては、諸部族による連合軍で対抗します。この辺に遊牧民である彼らの大らかさが伺えますね。
他の知識として、現在の王はジャーバ族のクーナで、王城はグレートプレーン。主な都市は王都ブラード、北のフォス、南のヴァンカーです。
これらの都市ならば、定住地を持たない遊牧民達も数多く逗留し、交易や情報交換が行われます。ちゃんと固定された建物だってある。
主な住人は、人間・ケンタウロス・グラスランナー。異種族であるケンタウロスもそれなりの勢力を持っているのが、大陸全土でも珍しい。
グラスランナーは……気ままに生きている(笑)。しかし比較的多くいるのも間違いなく、多くのグラランの故郷であり、子育ての居留地もある。
以上色々とミラルゴについて述べてきました。他の作品では「牧歌の国の魔法戦士」がミラルゴを舞台にした作品であり、とても詳しい。
さて、部族間の争いは試合形式で治められるというのに、何故にタウちゃんの部族と"四元素"の部族はこんな戦いをしているのか?
それは小部族ならではの悲劇です。有力部族ならば、体面もあれば大臣職等もある。掟破りをすれば反感を買い、それらを失ってしまいます。
しかし小部族ならばそういった失うものが無いので、「やられたらやりかえす」を繰り返す内にどんどんエスカレートしてしまったのです。
お陰でイーグル(仮)なんて無関係の人は殺されちゃったし、ステラ達は命を狙われながら遥々こんな所まで来る破目になった訳です。
★恋の鞘当て宅配便〜自ら出てきてこんにちは
では本編に入りましょうか。今回のお話の主な舞台は川です。幅40〜50mはあろうかという大きな川。そこを渡し舟で渡ろうとした訳です。
ところが一行が行ってみると、渡し守の一家が行方不明になっていたのです。勿論それは一行を倒そうとする"水"の計略です。
一行に自力で船を漕がせ、不慣れな水上に誘き出して倒そうとしたんですね。ぶっちゃけその程度で勝てる戦力差でもありませんけどね。
その川に着く前に、一行は小さな集落に立ち寄りました。そこで彼らは渡し守のヒギンズに、食料等を宅配する仕事を受けていたのです。
その配送料と渡し賃を相殺するという取引ですね。ちなみに渡し賃は1人10ガメル。9人で90ガメルだから、大した額でもないんですよね。
ちなみに実際に運んだのは、パン20個、肉と薪を10sずつです。パンはともかく、肉と薪はそれなりに重いし、きっと嵩張りますよね。
結局ラーンへの恋の鞘当てで、エースとグレゴリーが争うように荷物を持って解決。勿論ラーンには彼らへの恋心なんて皆無ですが(笑)
その集落の人にも報告して、一行は渡し守一家を探しました。しかし彼らは川に投げ込まれたらしく、大分絶望的ですがね。
やがて日も沈んだ時分、マイスがレンジャー+知力で16という達成値を叩き出し、対岸に松明だか焚き火だかの光を発見しました。
インフラビジョン(赤外線視)はサーモグラフィーのように温度が見えるそうなので、そんなもんがあったら一発で分かりますよね。
そしてこちらの岸にはなんとか全員乗れそうな小船……渡るしかないですよね。いくら他人でも、手がかりらしきものがあればねぇ。
ちなみにこの船は細長い10人程度乗れそうなやつで、竿で川底を突くタイプ。操作には冒険者技能の《操船》を使用します。
この船のように一人で扱えるのは小型船です。複数人必要なのは大型船で、こちらにはセイラー技能の《大型船の操船》が必要。
船頭は暗視ができるミンクスが担当し、左舷にチップ・ステラ・エース・マイス、右舷にピルペ・タウ・グレゴリー・ラーンです。
一応バランスの取れるような配分ですね。グララン、年寄り&子供、青年、エルフ&女性という4組に分けて考えると、多分釣り合ってる。
ちなみに泳ぐ事のできる装備は、鎧ではクロースかソフトレザーだけ。武器だとダガー、ショートソード、スピア(1H)程度です。
戦士達の装備を考えると、2人とも鎧はペラペラになる。ミンクスは斧を使えないし、ラーンの槍は……1Hとして使えるならOKかな?
暗闇の中をミンクスの暗視を頼りに進むと、いよいよ"水"一派が攻撃を仕掛けてきました。
とはいえ彼岸にいる雑魚×2は、適当に弓を使うだけ。当てずっぽうなので攻撃力−2され、回避の目標値は8とかいう低さ(笑)
それじゃあこちらの戦士や盗賊に当たりやしません。鎧が薄くても当たらなきゃ怖くない。ちなみにチップはステラを庇うと、矢一本で200ガメル。
ちなみに暗闇の中での戦闘なら、ペナルティーは本当は−4ですね。−2というのは、代わりとなる器官が発達しているような場合です。
その雑魚達はステラの"スリープ・クラウド"が飛んであっさり夢の世界へ。周りで戦闘する訳でもないので、抵抗ロールで目覚める事もない(笑)
その間に"水"は川に飛び込み、潜っては頭を出して周囲を確認を繰り返し、こちらに近づいてきます。暗闇と水流の中よくやりますね。
やがて"水"は船底に回りこんで、穴を開けて沈没作戦を実行すべくガリガリと船底を削り出したので、戦士達が飛び込みました。
この時ミンクスは斧を持ったまま飛び込んだから、ミンクス斧を一度船の上に戻す為に1ラウンド費やし、背中に一発受けたりしてました。
これには冒険者+敏捷度で13の判定を行いました。代わりの武器にチップのダガーを使用。なおエースは筋力17もあるのでブロードソード。
ステラの"ファイア・ウェポン"の援護で(水中でも有効)"水"にクリティカルで14点与え、逆にクリティカルで18点を受けるという壮絶な事に。
結局は自ら隠し芸で自分の槍に"エンチャント・ウェポン"したラーンが"水"を倒し、またもミンクスが手柄を逃す事になりましたトサ。
まぁここまでは割といつもの雰囲気でしたが、後味はかなり悪かったですね。やはり"水"は渡し守一家を気絶させて川に放り込んだんですから。
いや一行を船に乗せるだけなら、拉致監禁だけで別に殺す必要は無いと思いますけどね。幸い子供だけは発見されましたが、両親は……。
"水"は次の"四元素"に出番を明け渡さないといけなかったから、焦ってたんですよね。だからって許していい事ではありませんけどね
ちなみに"水"の顔の化粧(油性顔料)は化粧落とし(エース提供)で落としたのですが、なんと化粧がないと知ると舌噛んで自害!
化粧を落とすと自害か……何でこんな事までするかは、その内明かされる。しかし渡し守一家への仕打ちを考えると同情できませんね。
彼女の部下達も村人の「吊るせ」要請により、絞首刑に処せられました。この村って領主もいない自治区だから、村人の裁量次第なんですよね。
その部下達も"水"の命令だからやったというだけでした。自分の意思は無いのか、あっても殺しているのか。結局分かりませんでした……。
こうして苦い思いをしつつも、次の巻からようやくミラルゴ入りです。地平線の見える大草原での冒険を乞うご期待。