「名乗れ!今こそ大英雄」監修:清松みゆき 著:秋田みやび/グループSNE 出版社:富士見書房
★てんやわんやのマイリー神殿
今回の元ネタは「ケロロ軍曹」。"□"だから伏字になってない。「サイボーグ009」も「0○9」にすると隠せてないのと同じ効果。
今巻で長かった"ヘッポコーズ"の冒険も(本当に)最後となりました。イリーナの死という偶然があったとはいえ、ついに10巻ですよ。
今までフォーセリア関連のリプレイは数多くあっても、同一シリーズで二桁というのは稀有ですね。間違いなくSWの一翼を担った傑作でした。
前回うっかり死亡したイリーナを抱えたヒースと、ガルガドを抱えたヤムヤルは、夜間飛行でファンの街にまで到達しました。
ただし以前も検証したように"ワイドウィング"は時速30km。"フライト"の時速50kmには追いつけないのでヒースは待機の必要があった。
到着するとヤムヤルはファンの郊外に待機して貰います。この街は以前竜司祭の襲撃を受けた訳ですし、流石に色々問題があるから。
しかしヤムヤルの方はどういう感情なんだろう。そもそもリジャールの"竜殺し"を知ってるのか。それが堂々とした勝負なら納得しそうですが。
そしていよいよヒースがイリーナを抱えて魂救済&蘇生の奇跡に縋ります。
ヒース「こらぁあ!リジャール出て来い!手前のせいでイリーナが大喜びの野にも逝きそびれたぞ!
現在アンデット街道驀進中だ!イリーナのテレビから出てきた貞○に遭ってしまったかのような、苦悶の表情を見ろ!
女の風上に辛うじて置いてもらっていたやつが、ついにその座から放り出された悲しみが、わかるか!」
すると魔術師ギルドからやってきたハーフェン導師は、根性の入った達成値19"スリープ・クラウド"で寝かしつけました。
多分達成値4倍拡大、素敵な師匠です。そして牢屋に放り込まれるヒース。でも妹の為にキレてたんだし、カッコイイ……いや気のせいだ(笑)
さて現在ワイトになりつつあるイリーナを救うには、マイリーの最高司祭ジェニの2つの奇跡に頼る必要があります。
1つは10レベル神聖魔法"セーブ・ソウル"。アンデッドと化した魂を救済する神聖魔法。拡大しなければ8000ガメルです。
もう1つは9レベル神聖魔法"リザレクション"。過去多くのPCがお世話になってきた蘇生の神聖魔法。拡大しなければ9000ガメルです。
前者はアンデット(イリーナ)が同意するなら達成値は要らないから、多分拡大なし。ていうかジェニって本当に10レベルだったんだ。
後者の目標値は20ですが、本人の遺体には破損が無いので+6のボーナスが入って実質14。死後1日以内なら他に修正も入らない。
ジェニが10レベルで知力+2しかないとしても、1ゾロを振らない限り助かる。実際イリーナが振っても(危な!)大丈夫でした。
単純にアンデット化を防ぐだけなら呪歌の"レクイエム"でもいいんですが、それをできるバードを探す間に時間切れという恐れもあったので。
"至高神の猛女"イリーナ復活!!
一時はどうなるかと思いましたが、これで1週間の静養をすれば元通り動ける。リハビリとかも必要ないんだからありがたいものです。
しかしヤスガルンでバンパイアが蘇っているのです。ガルガドがこれを伝えると、オーファン首脳陣は一様に青ざめました。
現在レッサーは1匹放置され、村人も1名拉致されてる。付近の村は避難を始めてますが、それで全ての人が逃げられる訳がない。
よって今後吸血鬼の軍勢は鼠算式に増えるでしょう。対応を誤ればオーファン自体が滅亡しかねない大事件が既に起きているのです……。
★それから一週間
そしてそれから1週間が経ち、ヤスガルン各地でレッサーが出没。それで恐慌を来たした住民は都市部へ集団避難。
しかしそれだけの人を受け入れる余裕がないので、現在都市部の周辺に難民キャンプが形成され、都市の内外で猜疑感が溢れています。
一応はキャンプの周辺を騎士団や神官戦士団が守っていますが、それでは根本的に解決しない。オーファンは建国以来の大混乱に陥ってました!
イリーナ復活後、ガルガドはヤスガルンへ蜻蛉返りし、神官戦士団や仲間達と共に吸血鬼の洞窟へ挑みましたが、既にそこはもぬけの殻でした。
ここで重要なのは「邪な土」です。バンパイアは生命点を0にしても体を靄に変える事ができ、この土を寄り代に24時間で復活するのです。
バンパイアは靄になればいかなる攻撃も通用しないし、"パラライズ"等で麻痺させても任意に靄になって逃げる事ができるのです。
よってバンパイアは土を取り除いた状態で生命点を0にする事で倒せます。また精神点を0にしても倒す事はできます。
ガルガド達は洞窟内の土は除去しました。しかしバンパイアの生命線とも言えるこの土は、普通数ヶ所に用意するものなのです……。
洞窟探索を終えたヘッポコはファンへと帰還し、マイリー神殿でイリーナと再会を果たします。
マウナ「イリーナ!イリーナ、イリーナ、イリーナぁああっ」←周囲も憚らず抱き締める
イリーナ「うん、ごめんね。心配かけて」←姫抱っこでマウナを運ぶ
マウナ「一週間寝てても、筋力落ちないんだ」
これを見てると、マウナの本命はむしろイリーナなんじゃないかと思う(笑)
そしてヒースはマイリー式説教部屋にぶち込まれてました。イリーナ共々、ハーフェン導師の差し入れで体力は落ちなかったようです。
ヒース「うなぎやら、すっぽんの生き血やら、プロテインやら、バイア○ラとか……」←最後の待てや
イリーナ「おかげで必要以上につやつやふくふくです」
エキュー「蘇生なんて滅多にしてもらえることじゃないんだから、これからは気をつけなよ(ヒースに親指ビシッ!)」
ヒース(そっぽ向きながら親指ビシッ!)
バス「あやうく、英雄のサーガが悲劇オチになってしまうところでしたぞ。全員で、逆襲編を紡ごうではありませんか」
エキューとヒースの無言の友情と、バスの心遣いにちょっと感動。特にバス、もう悲劇の歌は求めていないんですね……。
イリーナ「その怒りで眠っていたスーパーパワーが目を覚ましました。髪が金色に逆立ち、超イリーナとして目覚めたのです!」
ガルガド「その場合は大切なものを殺された側が、覚醒するのだ」
ヒース「「イリーナのことかぁあっ!」という感じだな。俺は叫び間違えて、一週間ムショ暮らししてしまったぞ」
死線を越えても、英雄レベルになっても。こういうどうしようもないアホな会話をする皆が大好き(苦笑)
★びっくり、いきなりパーティー分裂?
こうして合流したヘッポコ総勢11名は、その後オーファン最強夫婦ローンダミス&ラヴェルナから事件解決の協力を頼まれます。
ローンダミスはオーファン近衛騎士隊の隊長であり、リジャールを除けばオーファン最強とも言える、パーンとタメ張る8レベル戦士。
ラヴェルナは"魔女"の異名を持つ天才魔術師。「アレクラスト見聞録」の著者にして、カーウェスに次ぐ9レベル魔術師です。
2人はリジャールの命令で大陸を一周し、つい最近帰ってきました。彼らの冒険は「SWワールドガイド」に散りばめられています。
こうなってしまった以上、こういう大物が出るのが必然ですから。ちなみにデータは「剣の国の魔法戦士」と一緒です。
今回はこの2人もPCとして参加したりしますが、PCならではのハジケっぷりは水野先生的にはOKなんだろうか?(笑)
ローンダミスといえば大陸全土に知れ渡る強豪です。まして地元のイリーナからすれば憧れの英雄です。
イリーナ「ろーんだみすさんだぁ………ほんものだあ………サインほしい………たたかいたい…………」←乙女ビジョンで言うことか
ガルガド「マイリーの信徒として、最強の戦士に挑みたいという夢はわからんでもない(興奮してハァハァ)」
イリーナ「うふふふ〜。ガルガドさ〜ん、白手袋用意してませんか〜?」
ガルガド「うむ、任せよイリーナ。マイリー神官の嗜みとして、ここにほれ。こうして……」←かつてのヤンチャをぶり返した
ヤバイよこの2人。戦いたいという欲求はアリとして、手鏡みたいな感覚で決闘用手袋を持ち歩くな(苦笑)
この大事件はヘッポコに責任なんてない。でも原因ではあるし、当事者でもある。最後まで関わり抜くのが筋でしょう。
さて例のクランズのメモに「兄弟の国」という記述があった事から、このバンパイアがオーファン建国前後に誕生した事がまず分かります。
そして故郷はオーファンであることも。それならば6レベル以上の魔術師の身元を割り出していけば奴さんの正体が分かりますね。
更に身元が分かれば縁の地を調べて、「邪な土」を見つけられるかもしれない。秋田GMもよくぞこんなにも上手く辻褄を合わせたものです。
イリーナ「ということは!ついに、ファンドリアに突入ですね!」
ラヴェルナ「調査も国内よ」
イリーナ「……いち、にー、ふぁんどりあ……にー、にー、ふぁんどりあ……♪」
バス「それは地方限定CMですぞ」
地方限定だったんだ、サンガ○ア……。関東圏に住んでますが、私は知ってますよ。
そこで今回はパーティーが2つに分かれます。それぞれがローンダミスとラヴェルナについていくんですね。
ローンダミス班はレッサーの動向調査をします。ラヴェルナ班はバンパイアの身元を割り出して「邪な土」の駆除です。
PCとして使えるのはヘッポコ7人に、クラウス・ヤムヤル・チビーナ&プチーナ。それに面白夫婦で計12人、1班6人ですね。
そして自分のPCが参加していない時は、レギュラー以外の6人のPCを従来のプレイヤーが演じる事になります。
つまりPCはクラウスさんだけど、中の人はガルガドのPLとかいう風になるんですね。リプレイの「傭兵伝説クリスタニア」みたい。
私はリヴリア・ティオシー・アロートの3人のレギュラーPCに、部下となる3人の傭兵が加わったパーティーが好きでした。
あの時はその3人の傭兵に、お休みだったリュース・シロフォノ・バッソーのPLが入ってたんですよ。別にこれが初めてという訳でもない。
しかしこれには色々な悩みがありますよね。自分が演じるわけだし、技能のバランスや人間関係もあるし。
まず土を感知できる精霊使いは分けるべきだし、バスとノリスも分けておかないと色々と困る。役に立つかどうかはともかく。
「マウナ、クラウス、エキューは同じ班にしたいなあ」「ノリスとは、是非別に」
「アルラウネたちは、イリーナとセットかなあ……」
色々と故人の思惑も交差しています。約1名明確に誰だか分かりますが。
その辺色々あったけど、2つのパーティーが何とか決まりました。
『ラヴェルナ・イリーナ・マウナ・バス・チビーナ&プチーナ・クラウス』の班。
『ローンダミス・ヒース・ガルガド・エキュー・ノリス・ヤムヤル』の班。
前者は女性が多い華組です。魔法はラヴェルナが最強なので、神官2人が電池になる。イリーナ、クラウスさん、バスは前衛になりますね。
マウナとチビプチは精霊使いなので土を見つけられる。多分チビプチをイリーナと一緒にしたいという欲求も通ったんでしょう(マウナ?)。
後者は男が多いので男組です。ロンダミはイリーナ並みの前衛になるし、ヤムヤルやエキューも戦力になるし、ノリスとガルガドも戦える。
エキューの無謀の槍やヤムヤルのワイバーン召喚も侮れないし、ヒースも魔法的に頼りになる。ノリスだって土を見つけられますね。
でもそれぞれ不満もある。
ガルガド「やり直しを要求したい気がするのう」
ヒース「おやっさんとノリスももう、分かちがたい絆だろう」
ガルガド「それはない!金銭トレードでもいいから、引き取ってくれ」←落ち着け
そこまで嫌か。でも華がない男組の中で、ノリーナの可愛さは貴重じゃないですか!(お前が落ち着け)
エキュー「ローンダミス!三時間に一回、奥さんとのラブコール・アイテムを、貸してくれ!それで精神の安定を図るから!
ああそうだよ、マウナさんを、危ない場所に連れていくことなんてできない、うん、そうだよ!これでいいんだ!」
ヒース「クラウスはマウナ組だけどなー」
エキュー「それが許せないんだー!」
マウナ「しょうがないなあ、エキューを別れ際にハグしてあげる。ぎゅ。いい子だから、がんばってきてね?」
エキュー「ぽわわわあぁぁん。みんな、行こう!バンパイアの野望を砕くんだ!夕日に向かってダッシュだー!」
……悪女。
ヒース「そういえば、ラヴェルナって使い魔は何だ?」←不明です
バス「では、何の動物かは描写しない。ただ、不便なので、名前だけは決めておきましょう……『けろぴょん』です」←爆笑
マウナ「わあー、ケロピョンかわいいー」
イリーナ「ぬるぬるで、ぴこぴこ跳ねてて可愛いですね」
ガルガド「昔はよく、尻に爆竹詰めて遊んだのう」
いや思いっきり特定できてるし!。だから今回のタイトルはケロ□だったのか。……ていうか本当に大丈夫?(心配になってきた)。
★
今回の元ネタは維さんのご指摘により、乙一先生の「きみにしか聞こえない」であると思われます。
なお第26話は表・裏に分け、両パーティーの活躍を個別に処理します。同時進行にすると時間管理が大変だから(笑)
パーティーが分割したのでPCをおさらいしておきましょう。
イリーナ・フォウリー
ファイター6、プリースト(ファリス)3、セージ1。最初は遠慮がちだけど、徐々にラヴェルナへ強烈な突っ込みを放つようになる。
マウナ・ガジュマ
シャーマン5、レンジャー3、セージ2。クラウスさんとちょっといいムードになったりしつつ、チビ&プチに妨害される事が多い。
バス
バード6、シーフ5、セージ/プリースト(ヴェーナー)1。この特殊な状況の中、相変わらずマイペースなのはむしろ立派か?
ラヴェルナ
ソーサラー9、セージ7、ファイター2。中の人は確実にヒースの人。ファミリーネームはルーシェンだけど、結婚して変わったかも。
能力値は知力24の精神力20と極めて魔法使いらしく、且つ器用度20の敏捷度19は戦士としても結構なポテンシャルである。
ただし今回は中の人がヒースなので傍若無人で1ゾロ乱舞のドジっ子と化し、高レベルで地位もある分ヒースよりも質が悪い(笑)
クラウス・フォーゲル
ファイター6、レンジャー4、セージ1。実はファミリーネームはフォーゲル。マウナとくっつくとマウナ・フォーゲルになるのか。
能力値はデュラハン戦の時と同じく全部+2の人。ただし生命力は17と高め。魔力+1のバッソー(15)を返してもらってます。
中の人は確実にガルガドの人。マウナに対してストイックなアピールをしてチビプチの妨害を受ける。一行の中では良識派のツッコミ侍。
チビーナ&プチーナ(成長途中)
シャーマン4。技能のレベルは4ですが、冒険者レベルは6扱い。ボーナスは上から2・2・2・1・1・2です。
生命点と精神点は本来(成体)のデータより4ずつ低くなっています。2体で1体の扱いです。精神点なども1体分として処理します。
中の人は確実にエキューの人。本編ではえきゅーぱぱの命でクラウスさんとマウナの接近を阻止し、ラヴェルナへ突っ込む双子のモンチッチ。
しかしいざ始まってみると不思議な雰囲気。違うリプレイを見てるみたい。クリスタニアの時と違ってNPCにも思い入れがあるせいか。
でもラヴェルナやチビプチの行動パターンが、中の人のPCとそんなに変わらない辺りやっぱりヘッポコと安心。それでいいのかはともかく。
また今回の任務は調査系なので6人中5人がセージ技能を持っていますが、知力10以下同盟の2人は下位古代語すら読めないのはご愛嬌。
ラヴェルナ「私たちは何をすればよかったのかしらぁ?(やさぐれ)」
イリーナ「うわああん、ラヴェルナさんの雰囲気ダダ変わり!スレまくってます!」
ラヴェルナ「ほほ、気が抜けたのよ。ローンダミスも浮気のできない機構に放り込んでやったし、一安心ね」←ノリーナがいるよ
バス「その極限状態の中で……新たな嗜好に目覚めた近衛騎士団長によって、押し倒されるガルガド」
ラヴェルナ「実害がないならいいわ」
チビ&プチ「ラヴェルナ、めっちゃ大物でつ」
クラウス「うおいっ!(裏手つっこみ)」
……大丈夫なのか、主に水野先生的意味で。
★ラヴェルナ部隊・出撃!
バンパイアの身元と「邪な土」の調査を始めたラヴェルナ班は、魔術師ギルドで6レベル以上の魔術師をリストアップする所から始めます。
ラヴェルナ「導師たちを顎で使えるのは気分がいいわ。あら、ハーフェン。今日も冴えない顔してるわね」
マウナ「変わってないし!色んな意味で、対応が!」
ラヴェルナ「もう、使えないわねえ。そんなのだから、弟子に分校を燃やされるのよ(ふふんふんふん)」
いいのかこれで。いや、もしかしたら今我々は"魔女"ラヴェルナの素顔を見ているのかもしれない……(ゴクリ)。
イリーナ「ものすごーく、力一杯グレソつっこみをしたくなって、腕がわきわきしています」←いつものこと
マウナ「無意識にお盆を探してしまうの」←いつものこと
チビ&プチ「なんだか、ものすごーく、"ストーン・ブラスト"したいでつ」←それは違う
ラヴェルナ「……ふ。万が一攻撃を食らったら、開きになるような気がするから、今日はコレくらいにしてあげる(額汗)」
そして仲間達もいつもの対応を試みようとして、辛うじて相手がカリスマだから堪えてる。でも、いつまでも耐えられるかな?
既に学院内は古代語魔法の"センス・オーラ"で調べています。これなら精霊使いのそれと同じだから、土も判別できるのです。
そして現在実務トップのハーフェン導師がロクに食事も取れずに調査に勤しんでいると。……ハーフェン導師(泣)
チビ&プチ「……おばたんは、おちごとしないの?」
ラヴェルナ「……ふふ、私の出番にはまだ早いようなのよ(チビプチを踏みつつ)」
チビ&プチ「……悲鳴あげるでつよ。おばたん」
ラヴェルナ「あなたのつるぺったんな色気ナッシングマザーと違って、色気むちむちだから大人っぽく見えるかもしれないけど……まだ二十代よ」
チビ&プチ「おばたん。ままを悪くいう人は、邪悪なおばたんでつ。ぷん」
何だこの光景。リウイがいてくれたら色々間に入ってくれただろうな。……いやこの上野郎がいたら逆に混乱するか。
ちなみにギルドはまだ最高導師であるカーウェスの管轄ですですよ。宮廷魔術師はラヴェルナに譲りましたけどね。
魔力の塔のおかげで魔力の枯渇による病は癒えてるし。まぁ例の事件から日も浅いようだし、完全に健康体に戻っていないのかも。
そして意外にもイリーナが《文献調査》で6ゾロ振って、怪しい魔術師3人をリストアップします。
チビ&プチ「さすがでつ!まま!(拍手)」
ラヴェルナ「NO――ッ!ダメよ!空気の読めない桃色筋肉ね、私の見せ場をとらないで頂戴!」←じゃあ手伝えよ7レベル賢者
これでトーニオ、ジーニアス、ミシェイルという3人の魔術師が、同じ師匠の下で"クリエイト・ブアウゾンビ"を習得していた事が判明します。
後に「SWツアー3」で、この3人がファン王国の時代に名を馳せた学院の"三才"であると判明します。木の葉の里の三忍みたい。
ラヴェルナ「ハーフェン、ちょっといらっしゃい!あなたこの三人のこと知ってる?」←導師の先輩格です
クラウス「ハーフェン導師が気の毒に思えてきたので、ラヴェルナさんを引き離させてもらおう」
ラヴェルナ「あっ、何をするのちょっと好青年だと思って!私には夫がいるのよーっ!」
マウナ「クラウスさんは、あんたにだって何にもしないわよ!あたしだってまだ、ユニコーンに触れるのに!
いやまあ、その前に色々と手順や段階があるし、ときめきながらその階梯を登っていくのが楽しいんだから……て、何を言わすかーっ!」
チビ&プチ「マウナ、エキューぱぱから浮気しちゃだめでつ!(じたばた)」
バス「クラウスさん。翻訳すると、カイショなしと言われてるようですが?」
……いいのか、本当にこれでいいのか。ラヴェルナへの憧憬が秒単位で崩れていくけどいいのか。まぁ面白いからいいけど(さらり)。
ファン王国の時代もこのファンの街が王都であり、魔術師ギルドも当然この街にあって、ハーフェン導師なんかはその頃からいる古株です。
ところがオーファンとファンドリアが建国し、旧ファン王国の領土が南北に分割されると、当然現在のファンドリア出身も出てくる訳です。
トーニオさんはファンの街出身ですが、ジーニアスさんはファンドリア方面の出身であり、ミシェイルはグードン方面の出身です。
"三才"と評された彼らは次期最高導師と目されていましたが、ファン王国が解体してギルドがオーファン領になると不都合が生じました。
それがカーウェスです。オーファンとなった魔術師ギルドの最高導師に赴任したのは、"三才"の誰でもなく、彼だったのです。
本人達は不当人事であると訴えましたが、何しろカーウェスは大陸でも稀有な10レベル魔術師。実力的にはとっても順当でした。
戦おうにも彼らが"ルーン・ロープ"とか言ってる隙に、カーウェスは"ライトニング・バインド"とか唱えてくるし、明らかに負けていました。
それまでエリートコースを歩んでいた"三才"でしたが、こうして超えられない壁というものにぶち当たり、挫折したのでした。
こうしてミシェイルとジーニアスはギルドを離れたのです。それ以前にトーニオさんは家庭の事情でファンの街にある実家に戻ってました。
続いてヘッポコは彼らの研究論文を発見します。
ラヴェルナ「余計なものまで見つけてしまったわ。カーウェスの家計簿……ふふ。カーウェスも貧しかったのね。」
うわ、どんなものだったのか見てみたい。ある日を境にリウイの養育費を計上し始めてたら泣けるかも。
また「ラヴェルナ、研究費用を計上しすぎ」という一文があったので、危険文書として"ティンダー"で燃やす。
ところが研究論文を見つけても、肝心のラヴェルナはやる気なさ気(駄目じゃん)。そこで一言入れたのがクラウスさんでした。
クラウス「序文だけでいいんです。学術論文には、大抵まず最初に、こういう結論が出ました。というのがついているはずなんですから」
マウナ「クラウスさん、もしかして博識……(うっとり)」
クラウス「ふ……常識ですよ、マウナさん」
チビ&プチ「マウナ、だまされてはダメでつ!ダメなのでつ!」
しかしエキューはいつの間にチビプチにそんな教育を施したのやら。
そうして発見された論文が以下の通り。
トーニオ:「マナによる治癒魔法への転換の可能性」
ジーニアス:「死んだ肉と、死んだ骨における運動効率の一考察」
ミシェイルは不明。トーニオの研究ですが、可能ですよ。混沌魔術では水と光の複合で生命の精霊力を作れるのですから。
基本的に回復や蘇生というのは神聖魔法の分野ではありますが、古代語魔法も根本的にはそれと同じくマナに働きかけるものなのです。
続いて一行はファンの街のトーニオさんの家を訪ねますが、実は小鳩亭のご近所。家の人とも知り合いだったりする(笑)
マウナ「こんな近くにバンパイアの巣窟があったなんて!まるでショッ○ーの秘密基地じゃない」←ライダーネタは猫の手だけで十分です
ラヴェルナ「御用改めである!(ノック)」
イリーナ「一般市民を威嚇しない!(肘鉄突っ込み!)」
ラヴェルナ「はうっ!アクションを起こす前に"プロテクション"をかけておくべきだったわ……」←突っ込みに遠慮がなくなってきた
イリーナ「正義は我らにあるのです。こう高らかに宣言するだけでいいのです。ファリスは全てお見通しである!と」
いやどっちも高圧的だから。
奥さん「あら、イリーナちゃんと、マウナちゃん?あらぁ、クラウス君じゃないの大きくなったわねえ」
イリーナ「あ、こんにちは。すいません、うるさくしちゃって(低姿勢)」
マウナ「どうも、先日の火事の際には色々とお世話になりました(低姿勢)」
ラヴェルナ「あら、ファリスのお見通しは、どうしたのかしら?」
イリーナ「一般市民には、ご近所の手前とか、付き合いというものがあるんです!」
成長したなぁ、イリーナ。犯人追跡時に窓ガラスをぶち破ってダッシュしたのが嘘のようだ……(感動)。
この通りにトーニオさんのお宅とはご近所付き合いをしていたし、本人は既に亡くなってますが怪しい事もありませんでした。
トーニオさんは家族を養う為にギルドを離れ、以来知識を生かして薬草を商いつつ、丈夫ではない身体の寿命を伸ばそうとしていたようです。
薬草や湯治等にも凝っていたのですが、5年ほど前にとうとう亡くなったそうです。シャナおばちゃんとかは完全に知ってたでしょうね。
ちなみに子供は2人いて、上の子が家業を継ぎ、下の子はグードンのミシェイルの妹の娘と結婚して生活しているそうです。
続いてトーニオさんの書簡を調べさせて貰うと、亡くなる直前までジーニアスさんと親交があった事も判明します。
ちなみにヤバそうな部分は下位古代語で書かれているので、イリーナ、バス、チビプチは早速役に立ちませんでした。
イリーナ「チビーナ、プチーナこっちにおいで、遊んであげるー」
チビ&プチ「わーい、ままー」
ラヴェルナ「ふふ、魔女オリジナル一般技能速読8レベルの冴えを、今こそ見せるとき!!」←そんなものはない
結局ジーニアスさんは人間として手紙を書いているから白であると判定されました。トーニオさんもやはり白でしょう。
なお現在ジーニアスさんはファンドリアの学院の次席導師にまで上り詰め、国土統一の野望を燃やしている超鷹派だったりします。
こうして最も怪しいのはミシェイルとなりました。また彼らの師匠にもちょっと疑いがあり、実は生きている説なども浮かびます。
ラヴェルナ「暗い部屋の中で「行きますよ、トーニオ、ジーニアス、ミシェイル……」と笑う
三人のバンパイアを従えた、渋いノーライフキング……なんて素敵妄想全開なんだけど」
イリーナ「いやーっ!ダメです、もう終わりです!オーファンは滅亡します!」
ないない、流石にそれはないから。ノーライフキングなんてカストゥールの時代の死霊魔術師だって、確実になれるとは限らないんだから。
クリスタニアの"ビカム・ノーライフキング"なんて遺失魔法に頼るか、バグナードみたいにカーディスの力でも借りないと無理でしょう。
こうして一行はグードンにラヴェルナの"テレポート"で飛ぶ事にしました。
ラヴェルナ「アレクラスト周遊ツアーの時に、通ったことがあるから勝手がわかっていてよ。よく覚えているのは地下墓地ぐらいだけど」
何故そんな所に。ていうか何をしていた。しかしそう考えるとラヴェルナは大陸の大抵の場所に"テレポート"できるんですよね。
その気になれば大陸最東端のムディールとかにも行けるし。しかし西部諸国には(多分)行った事がないので無理でしょうけどね。
★ナントか到着
こうして一行はミシェイルの足跡を辿ってグードンに瞬間移動し、そこから1日かけて彼の故郷であるナント村に来ました。
ラヴェルナは1人"テレポート"で飛ばすのに4点だから、6人だと24点。2人も司祭がいるし、移動時間の間に精神力も回復するでしょう。
ラヴェルナ「イリーナを飛ばす時には、一瞬ファンドリアの町並みをもやもやっと想像してしまったわ(出目3)」
いや、SWでの1ゾロは普通の失敗であって、致命的失敗ではないですよ。まぁ承知の上でのジョークなんでしょうけど。
ちなみに「クリスタニアRPG」だと100(出目00)を振ると大失敗となって、なんらかのペナルティーを受けます。
それならばうっかり違う場所に転送する事があるかもしれませんね。SWの場合は不発という恥ずかしい状態になるだけです。
ナント村は現在レッサーのみでなく、ブアウ・ゾンビなどもやって来る状態なので警戒心がとても強い。
この状態でバンパイア=ミシェイル説を村人に教えてしまうと、暴動が起きてミシェイルの家族が危ない目に遭う事にもなるでしょう。
ラヴェルナ「ミシェイルを出しなさい!今すぐ、可及的速やかに、そのそっ首をここに持ってくるのよ」
イリーナ「あなた一体誰ですか、ラヴェルナさんだなんて嘘でしょう!」
バス「実は生き残っていたフォルテス疑惑濃厚ですな」
クラウス「それなら、イリーナさんが心配で追いかけてきたヒースさんというほうが、しっくりきますが」
イリーナ「万が一そうだとしたら、強打ダメージ+2でのグレートソードつっこみができるというものですが」
ラヴェルナ「あ、あら……ほほ。いけないいけない。ローンダミスがいないせいで、リミッターが色々と解除されてしまっているようね」
それじゃあ分かれて行動するのは駄目じゃないか。まぁ次の話のロンダミを見ると、それもどうかと思うんですが……。
村人は警戒心も顕でしたが、チビプチの純真さで呆気なくその牙城は崩れました。
チビ&プチ「チビーナたちはファンの街から、こっちにお婿にきた人に会いにきたのでつ。向こうで、ままが、とても心配しているのでつ」
自警団「シオンのことか。あいつ実家はファンだったよな」
チビ&プチ「おうち、教えてほしいのでつ」
自警団「ああ、いいよいいよ。ちっちゃいのに、遠いところを大変だったなあ、良くがんばったよ」
チビ&プチ「ままたちがいるから平気でつ!」
見事過ぎる。これじゃあ警戒心も吹き飛ぶ。こういう利点もあるんですね。
★ミシェイルさんの人となり
こうして一行はトーニオさんの次男坊シオンさんや、その奥さん、そしてミシェイルの妹さんなどから話を聞くのです。
実はミシェイルの家はファン王国の貴族の家柄で、この辺りを荘園として治めていた名家だったそうです。
ところが内乱でミシェイルの兄2人が戦死し、貴族制も廃止になり、維持費に困って屋敷も放置。今はちょっと大きな家に住んでます。
ミシェイルもギルドから離脱した当時は勝手に屋敷に住んでたようですが、今では行方不明という事になっています(怪しい……)。
チビ&プチ「そのみしぇいるお兄さんは、邪悪でちたか?」←ストレート!
クラウス「切れると「僕が魔術を一番上手に使えるんだーっ」とか叫んだり」
ラヴェルナ「もしかして……マザコン?」
マウナ(見るからに苛められそうなタイプだなあ)
これには妹さんも目を逸らしたり。実際妹である彼女から見ても清廉潔白とは言い難い人物でした。
戻ってきた直後もカーウェスの事で荒れていたようです。
バス「"ファイア・ボール"を撃つは"アシッド・クラウド"を唱えるは、精神抵抗が大変で危険な日々だったわけですな」
イリーナ「よく生きてましたね!」
いくら何でもそこまでしない。でもミシェイルはマザコンではあったけど、妹萌はなかったようですね。良かった、色物はペラペラだけで十分。
イリーナ「その程度では邪悪とは言いません。誰の心にでもあるものです。それと、いかにして向き合うかが大切です」
おお、イリーナが本当に大切な事を言ってますよ。でもやっぱり苛められっこのマザコンで、貧弱貧弱ウリリリリィィィ!でした。
その母親も貴族制が廃止され、環境が変わった事で他界してしまっています。それがミシェイルの人間性をいよいよ追い詰めたのです……。
★寝姿拝見
それから一行はミシェイルの母親が埋葬されている霊廟へ入ります。ここで何者かのすすり泣きが聞こえるというのです。
流石は元貴族の家柄だけあって、入り口も内部も立派なもの。世代毎にズラっと棺が並んでます。しかし肝心のお母さんの棺がない。
イリーナ「棺が見えません!この時代の棺ってバカには見えないんでしょうか!」
ラヴェルナ「あら?おかしいわね。私にははっきりと見えるのに(パントマイム)」
イリーナ「そんな!しかもバカには触れないなんて!(すかすか)」
チビ&プチ「まま、おばたんにだまされてはダメなのです」
なんて面白いんだ、知力格差14コンビ。ちなみにチビプチの知力は12ある。……イリーナ負けてるよ!
そして一行は奥でホーントと化した母親の幽霊と出会うのです。名前はマーリさん、没年は18年ほど前です。
ちなみに棺には「我が最大の理解者にして、最愛の母」と銘打たれ、中には「邪な土」がありました。
つまりママンと一緒に寝るつもりだった。バンパイアは安心できる場所に土を置く事が多い。母親の胸が最も安らげる場所だったか……。
一行は取り合えず速攻マッハで土を表に運び出して浄化してしまいます。この際ラヴェルナがサーバントを呼び出そうとして1ゾロ振ったり。
ラヴェルナ「ふふ。ちょっとお茶目をかましてしまったわ」
イリーナ「この人、ものすごい魔術師だって聞いていたのに……どうも、ヒース兄さんが乗り移ってるように思えて」
ラヴェルナ「何よ、アイアンマッスル小娘。うっかり精神力が11になっちゃって気分が悪いのよ」
ちなみにルール上土の浄化方法に規定はありません。ゲーム的にはあくまでも土を見つけるのが大切なのです。
よって聖水をかけてもいいし、祈ってもいい。月夜の晩の丑三つ時にヤモリとバラと蝋燭を焼いて潰して粉にしてスプーン一杯舐めてもよし。
そしてミシェイルの趣味でピンクのヒラヒラドレスを着せられたマーリさんから、彼の異変を教えられるのです。
最後に会った時の彼はすっかり若者らしくなり、人の道を外れたのではないか、という心配でホーントになってしまったのです。
また彼は自分の愛する母親が他界したのも、自分が最高導師になれなかったからだと思い込み、ギルドの頂点に立とうとしているのです。
その為ならどんな手を使ってでも………とか考えているうちに、その精神が故にファラリスの寵愛を受け、吸血鬼となったのです。
ファラリスの寵愛を受けるには自分の欲求に忠実である必要があります。彼は良くも悪くも純粋だったのでその資質があった。
これはあくまでも私の私見ですが、秩序を司るファリスの価値観は道徳。自由を司るファラリスの価値観は主体の幸福であると思います。
しかし人間は主体の幸福よりも社会や集団の道徳を美徳とします。故に責任感を欠落させたファラリス信仰は、社会的に忌避される。
勿論人は自分の幸福を追求すべきですが、同時に人は社会の中で暮らしている以上は何処かで譲る必要がある。大切なのは公私のバランス。
ラヴェルナ「ふふん。バカね、そんなにやすやすと私からトップの座を奪えると思う?」
イリーナ「ラヴェルナさん、まだ二番目ですね」
ラヴェルナ「そうね、まだ干物がいたわ」
チビ&プチ「まま、やっぱりこのおばたん、邪悪でつ!成敗するでつ(じたばた)」
と、このように公私のバランスを欠くと大変な事になる訳ですね。ファラリスが忌避される根幹は責任感の欠如といったところでしょう。
そしてマーリさんはミシェイルを救う事を条件に、例のアンデッド・ナイトが持っていたのと同じプレートを渡してくれます。
ところでこの後マーリさんはどうしたんだろう。本人は昇天したがっているんですが、下手に"イクソシズム"とかやると消滅しちゃうし。
彼女の未練はミシェイルなので、彼をどうにかした後それを報告すれば自然に昇天できると思うんですが。できれば強制消滅は避けて欲しいな。
★スケスケお屋敷探索
その夜一行はシオンさんの家に泊めて貰い、翌日はレッサー掃討戦で一宿一飯の恩義を返しました。
レッサーは3体襲ってきましたが、イリーナとクラウスさんの弓によって仕留められました。6レベル戦士からすれば所詮は雑魚か。
ラヴェルナ「なんで"エネルギー・ボルト"三倍掛けに1ゾロとか出るのよ!」
イリーナ「こんなところで、ドジっ子属性を付与しないでください」
もうダメだこのラヴェルナ。最早天才魔術師としての尊厳の欠片もない(笑)
チビ&プチ「おばたん、たいしたことないのでつ」
ラヴェルナ「うるさい、エセ根菜類。睡眠不要の特性をフルに活かして、ステレオでクラウスとマウナに睡眠学習していたくせに」
クラウス「夢見が悪かったんですよ。「クラウスしぬでつ」って声がずっと耳に響いていて……」
マウナ「そうなのよねえ。「エキューラブ。エキューラブ。エキューらーぶ」って、頭の中にいつまでも残ってるの」
チビ&プチ「効き目ありでつ(にたり)」
それは洗脳だ。
ここで一行は村の中にある5ヶ所の「邪な土」を浄化することになります。土があるのは当面はこの村だけです。
隠そうと思えばそれこそ誰の目にも触れないような樹の洞の中とかもできる。つまりGMが本気出せばまず倒せないのです。
その辺は妥協ですね。予め定められた「邪な土」だけを駆除して倒せばクリア、という事で手打ちをするしかありませんね。
TRPGは基本的にPCが勝つ事が前提であるべきだと思います。よっぽど対応を誤るか、出目が悪いと負ける。それで十分です。
土は母親のお棺に1つありましたが、それは先程浄化しました。ここでは残り4つの内3つを放置されたお屋敷で発見します。
本来ならそれも一苦労なのでしょうが、ラヴェルナの"シースルー"&"センス・オーラ"で半径30mも丸っとお見通しです。
前者で透視して2点消費、後者で土を判別して2点消費。たったの4点で屋敷はアッサリと攻略し、結果物置と寝室の土を除去。
流石は9レベル魔術師、出目さえ狂わなければ実力は確かですね。実はここでも1回だけ1ゾロ振ってますけど、乾電池は沢山いるんだし。
でもこんなのは序の口です。"シースルー"は6レベル、"センス・オーラ"は4レベルなので、ハーフェン導師でもできるんですから。
そして彼の書斎でミシェイルの追い詰められてく様子と、バンパイアへ生まれ変わっていく様子を記した手記を発見。
見てみると良くも悪くも純粋な人だったようです。"三才"の他の2人とは切磋琢磨し、いつか誰かが最高導師になる事を誓い合ったのです。
ところがカーウェスが最高導師に就任。「トーニオ、無念だっただろう!」や、「母様、きっと私はギルドの長に!」という記述も。
そしてバンパイアに生まれ変わっていく過程は流石に下位古代語で書かれ、自分は神様に選ばれたんだ的な記録がありました。
更にジーニアスさんと盟約を結んで国土の統一を目指し、寿命がなくなったのをいい事にカーウェスが死ぬまで待つスタンスになったようです。
こうして吸血鬼ミシェイルの人物像がかなり固まりましたね。続いてラヴェルナは井戸の底も透視で丸っとお見通し。
GM「奥の広くなった場所に、何かやばい雰囲気のものがいるのがわかりますね」
ラヴェルナ「え?リジャール王?」←違うから(笑)
その正体は7レベル下位魔神マリグドライでした。あのバブリーズをも苦しめた幻覚の魔神です。こいつが4番目の土の守護者なのです。
地下通路は一列でしか入れないので、ラヴェルナの魔法も前衛が邪魔になれば視線が通らないので封じられると踏んだようですね。
しかも実は9レベル相当に強化してあったりする。知名度は15ありますが、流石にラヴェルナは達成値20とか出して楽に成功。
バス「ではラヴェルナさん。"ライトニング・バインド"をお願いします」
"ライトニング・バインド"や"スリープ・クラウド"は空間に発生する魔法ですから、彼我の間に障害があってもかけられるのです。
"シースルー"で相手の位置さえ把握してしまえば遠くからかけられる。深さは10m程なので、到達距離10mのこの魔法も普通に届くし。
"ライトニング・バインド"は電撃の網で対象を絡めて焼き殺す恐怖の8レベル魔法。一度かかれは大抵の敵は焼き殺せます。
抵抗を破れば動きを封じる上に毎ラウンド打撃力20のダメージ。抵抗されても全ての判定に−4の修正が入って打撃力10です。
ラヴェルナは魔力13。マリグドライの精神抵抗は17(10)ですが、2レベル上がって19(12)なので、66%程で抵抗を破れる。
抵抗に成功しても毎ラウンド16点。減点しても7点は抜けますね。生命点は20だから、持続時間の18ラウンド以内には死にますね。
勿論マリグドライは古代語魔法は使えないし、仮に使えて抵抗を破っていても、−4修正の状態でラヴェルナの達成値を破るのは至難の業。
つまりマリグドライは為す術なく焼き殺される運命。
マリグドライ「侵入者こないな〜暇だな〜〜〜ギャアアァァア!!!(バチバチ)」
可哀そうに。何年もの間土の下で守護者をやってきて、こんな最期を迎えるなんて。蝉だって土から出て1週間は生きられるのに。
イリーナ「……そりゃ、ローンダミスさんも浮気ができないわけですよね」
クラウス「これだけの緊張感を強いられながら、夫婦関係を培ってるローンダミス……」
バス「今、どれだけのびのびと羽を伸ばしているか、知れようというものですな」
こうして4番目の土も除去。初めて魔神に同情しました。こんな切なさは魔神戦争の時にだって感じなかったのに(苦笑)
★最後の一土
最後の土の在り処は、ミシェイルと仲の良かった彼女ダリアのお兄さんが教えてくれました。
ダリアはミシェイルに恋をしていた女性であり、18年ほど前にミシェイルと時を同じくして「あの人を放ってはおけません」と失踪します。
ラヴェルナ「当時四十そこそこでしょう?いい年になって、どこぞのギャルゲーのヒロインみたいな行動してんじゃないわよ!」
バス「きっと後戻りできなかったのでは?若い頃のパワーで一途にミシェイルを待ったり追ったりしていましたが、
四十になればさすがに、色々と焦りとか諦めが出てくる。でも、そのとき!思い続けたミシェイルが、帰郷したのです!」
マウナ「これぞ運命!私にはもうこの人しかいないわ、ぽわああぁん」
クラウス「というか、この男を逃すと、後がない」
つまり片思いの末に嫁き遅れた。ミシェイルといいダリアといい、いかに吸血鬼がミステリアスとはいえ、身元が分かると間抜けでしかない。
さて最後の土ですが、今は放棄されたファラリス神殿にありました。実はファン王国ではファラリスは解禁されてたんです。
ミシェイルは当時からファラリス信者だった訳ですね。でも今はオーファン領にある大抵の神殿は壊されたり放棄されたりしてますよ。
元々この辺りはファラリス信仰が根強い土地柄だったんですね。もちろん罪を犯せば裁かれる、要はマーモ公国のような方針でした。
もっともファン王国はファラリスの最高司祭クロークによって支配され、破滅の道を歩む事になるんですけどね。
彼は不思議な魅力を持つ人物であり、王妃を篭絡して邪魔者を暗殺し続け、ついには宰相にまで上り詰めて国王を暗殺します。
そして鏡像魔神を替え玉にして実権を掌握し、ファリス神殿の司祭や神官を虐殺。ついには暗黒騎士団によるラムリアース侵攻を画策。
ところが魔法戦士とドルイドの連合に敗れ、追い詰められた彼は魔神に自分を「安全な場所」へ避難させるよう命じました。
でも相手はやはり魔神でした。安全な場所、すなわち魔界へ引きずり込まれたのです。こうしてファン王国の暗黒時代を終わりました。
しかし王位を巡る貴族同士の争いが内乱になり、邪竜クリシュの襲撃を受け、ファン王国は滅亡。オーファン・ファンドリアが建国されました。
閑話休題、神殿の位置を知ったヘッポコは川を遡り、ブアウ・ゾンビの群れを蹴散らし、神殿の土を除去する事に成功します。
イリーナ「くすん。祭壇を開けたら、いきなり毒ガスが噴出してくるなんて……(引っかかった)」
ラヴェルナ「しかも、箱を何気なく開けたら、精神力にダメージがくるなんて……(引っかかった)」
バス「ダメですぞ、不用意に開けては。ちなみにワククシはシーフではないのでトラップを見逃してしまいましたが」
ラヴェルナ「……今なら、怒りの力で隕石が呼べる気がするわ」
最後の最後で、こいつらダメダメだ……(生暖かい目)。しかしこれでもう1枚のプレートを入手。
これで彼らは5ヶ所の「邪な土」を除去し、累計3枚のプレートを入手しました。プレートの正体、そしてダリアの行方は……。
それは次のローンダミス班の調査で明らかになる事です。2つの班の成果を合わせれば、ミシェイルとの直接対決に臨めるのです。
★帰ってきた男
今回の元ネタは「魁!男塾」。私は雷電が好きでした。「馬鹿な、信じられん…………」「知っているのか雷電!」「教えてくれ雷電!」(笑)
今回のPCは以下の通り。今回は中の人が予想しづらいのが特徴。その辺うまく消してる。
ヒースクリフ・セイバーヘーゲン
ソーサラー/セージ5、レンジャー1。普段最も暴走する男の筈が、それ以上に暴走するローンダミスのせいでストッパーに回る事が多い。
エキュー
ファイター/シャーマン5。マウナと引き離されて士気が下がるかと思いきや、エルフラブは健在。ノリーナにちょっと惹かれ気味?
ガルガド
プリースト(マイリー)6、ファイター4。今回久々にあの男と組む訳ですが、中の人が変わっても全く態度が変わらず、むしろ楽しそう。
ローンダミス
ファイター8、レンジャー5、セージ3。さり気なく敏捷度が19あり、筋力20の生命力22とスペックだけならパーン以上。
しかし武器は何故か魔力+1のバッソー(16)。一国の近衛騎士団長でありながら、20(2万2000ガメル)を持たない謎の人。
ちなみに+2は21万、+3は53万ガメルですが、一国の騎士団長なら入手できない事もない。奥さんに財布の紐を握られてる可能性発生。
今回はある意味ラヴェルナ以上に厄介な、鬼嫁に怯えつつお姉ちゃんを求めるナイスガイと化す。女性PLっぽくなく、バスの人っぽい。
ノリス・ウェストイック
シーフ6、シャーマン/セージ3。第4巻以来久々の登場となりますが、中の人は元祖PLではないのが残念。でも性格をよく掴んでる。
さり気なく"プロテクション"のコモンルーンを持ち、精霊魔法も3レベルに上達していたりと、人知れず修練は積んでいた模様。
中の人は変わってもガルガドとの名コンビ?っぷりは変わらず。エルフ耳仕様のノリーナに女装もグレードアップし、男組の花形……かも。
ヤムヤル
ドラゴンプリースト7、ファイター4、レンジャー1。知力9の筋力・生命力20と、イリーナと同じ方向性である事が確定。
基本"パーシャル・ドラゴン"で戦い、"サモン・ワイバーン"でサム・メリー・ピピンという何処かで聞いた事のある名前の飛竜達を従える。
中の人はやはり不明だが、ひたすら戦いを追い求めるタフガイを演じる辺り、もしかしたらイリーナの人なのかもしれない……。
今回竜司祭ヤムヤルの加入について物議をかもし出しているようですが、私は別に構わないと思いますよ。
確かに竜司祭はPCとしては向かないでしょう。しかしそれは冒険者として参加するという意味で成立しないのです。
街を拠点にするのが冒険者であり、その街で生きていけない竜司祭はPCには向かない。しかしPCにできないという訳でもないのです。
これはリザードマンやフェザーフォルクにも言えますが、然るべき理由と事件の範疇においては一時的に参加してもいいと思う。
極端な話竜司祭の部族を題材にした野性味溢れるキャンペーンとかもできる訳で、そういうシチュエーションなら別に構わないでしょう。
ガルガド「一人、知らんヤツが混じっておるがいいのかの?」
ノリス「わーい、わーい。久しぶりだなあ、何だか手がわきわきするよ」
ガルガド「知らんヤツというか、いなくていいヤツというか……」
ノリス「やっほー。ねー、ガルガド、なんでそんなに目を背けてるわけ?仲良くしようよー」
ガルガド「むしろ、国家的危機を任せるには、ものすごい勢いで心配というか……」
ノリス「わーい、わーい、ガルガドーガルガドー(視界に回りこんでる)」
ガルガド「ええい、はしゃぐなクソガキ!(ぺちっ)」←はい、あなたの負けです
ノリス「やったー、かまってもらえたー(踊ってる)」
ガルガド「少しは(ぺちぺち)6レベルの(ぺちぺち)落ちつきを(ぺちぺち)持てといっておろうが(ぺちぺち)」
ノリス「うわーん、ガルガド、おばあちゃまみたいだよー」
という訳で中の人は違っていても、ノリス復活!。猫になって再登場した時はどうなるかと思ったけど、元気そうで何より。
やっぱりノリスがいると鬱陶しいけど楽しくなるから不思議。一応後のリプレイで中の人も復活(と思いたい)するけど。
ローンダミス「女の子が一人もいないのか……」
ヤムヤル「後光が差したかのような、晴れやかな表情しているぞ、お前」
ローンダミス「(周囲を見回す)別に、これで毎朝の"ライトニング・バインド"の恐怖から解放されるなんて、まったく、思ってないぞ!」
そういう夫婦関係かあんたら。それでこの解放感か……。でも一歩間違えれば前回のマリグドライの二の舞。
ノリス「まあ、この色褪せた世界の、せめてもの慰めに、ボクがノリーナになってあげよう!」
エキュー「なんないから、やめろ」
ノリス「筋肉もほどほど、所帯じみてもいない、正統派ヒロインの座を狙ってみようと思ったのにー。ほーら、付け耳仕様ー」
エキュー「うわああん、やめろー、尖り耳を冒涜するなー!(半泣きで槍を振り回す)」
ノリス「あははー、変な人だね、この人(回避・回避・回避)」
しかしノリーナは可愛過ぎる。男の子だけどいい。いや、男の子だからいい。そして後ろで「ほほう」と目を光らせるロンダミでした。
でもこの同年代コンビは結構好きです。後のリプレイでも結構良かったけど、可愛い。そりゃあマウナも801本を所有するよ(ファンブック)。
しかし我々はここから、ある意味ラヴェルナ以上に衝撃的なローンダミスの素顔?を知る……。
ヤムヤル「俺たちどこ行けばいい?」
ローンダミス「ん?ああ、これから綺麗なお姉ちゃんのいる店に繰り出すんじゃなかったのか?」
エキュー「……エルフのお姉ちゃん、いっぱいいる?」
ローンダミス「もちろんだ!(親指ビシッ!)」
GM「違うでしょう!皆さんたちは……」
ローンダミス「はっはっは、命の洗濯に行くに決まってるだろう」
ヒース「やあローンダミス、何かに解き放たれたようだな!」
あれですよ、このローンダミスはパロディーモードのローンダミスだと思ってください。特別な条件を揃えると出現するんですよ(笑)
今回一行はレッサーが怪しい動きをしているという報告のある、マナール湖岸のミナヨウ村に赴きます。
神秘の湖と呼ばれるマナール湖は、北はオーファン領、東はファンドリア領ですが、それ以外は何処の領土でもない無法地帯です。
今回向かうミナヨウ村もそういう王国の庇護を受けない土地でしたが、今回の事件でオーファンの庇護を受けたいという状況なのです。
リウイにもそういう話はありましたが、それをやると安全の代わりに税金もかかるのですが、命がかかってしまうと仕方がない事です。
ちなみに何故神秘かというと、湖の水が「万病に効く薬」といわれてるから。それが本当だとしたらえらい量の霊薬ですが(苦笑)
一応湖からは大きな魚が沢山獲れて、湖岸に住む人々が長寿ではあるらしい。それでわざわざ遠方から水を汲みに来る人もいるんだとか。
これはある種のシナリオソースでもあるのでしょう。何処かに本当に霊薬があるのかもしれないし、旅人の護衛で訪れる冒険者もいるだろうし。
ちなみに最近はフランツさんお抱えのゲテモノハンターもミナヨウ村を拠点にしているとか。それだけモンスターが出る場所でもある。
ガルガド「今回は景気付けは諦めて下され」
ローンダミス「しかたないな、依頼達成の打ち上げにしよう。目的達成は、速やかにだぞ」
一同(親指ビシッ!)
恐ろしい、恐ろしいよ暴走野郎パーティー。女性がいないから割と露骨だ(笑)
現地までは馬で向かいます。
ローンダミス「オレはマイ・軍馬に乗っていくぞ」
ノリス「持ってるんだ、マイお馬」←一応近衛だし
ローンダミス「これくらいの役職になると、いい車に乗ってないと、舐められちゃうからな。さすがに、カ○ーラやマー○じゃまずいだろ?」
それは馬の名前なのか。そんな某ファミリーカーみたいな名前だったのか(騙されるな)。
ローンダミス「身を守るのは国産のものに決まってる。外国産に頼っちゃダメだよ。……というわけで、愛馬のクラウンだ」
ヒース・エキュー「げっ」
ガルガド「非常に、不安になる名前ですな」
ノリス「さ、簒奪の匂いのする名前だよね」
ローンダミス「……あ、本当だ。すまない。危険な名前だと言って、ラヴェルナに馬刺しにされた前の馬の名前だ。今の愛馬はセルシオだ」
ヤムヤル「じゃあ、オレ、このコルベットって馬を借りる」
エキュー「燃費悪そうだね」
のっけから飛ばしてるなローンダミス。かつて御前試合に乱入してリジャールに挑戦した過去は伊達じゃない。
★湖岸の村到着
こうして前回のパーティーと違って割りとすんなりと現地に到着しました。しかし気付いてみれば装備が不十分でした(笑)
銀の矢とかマウナがまとめて管理していたので、折角のクレインクィン・クロスボウもレッサー相手にいきなり役立たずになりました。
しかもこの御時世では国内の銀相場も急騰してそう。……それじゃあガメル銀貨の価値も上がって経済的にも大混乱、恐るべし吸血鬼。
所持金はみんなそれなりに持ってるようですがね。
ヤムヤル「金なんていらん。そこらへんの、岩でも食っとけばいい」←"アイアン・ストマック"、あらゆるものを消化する竜語魔法
エキュー「ねえ、頼りになる御財布の近衛騎士団長。君いくらガメル持ってるの?」
ローンダミス「……三百だ。すまん、ラヴェルナの財布の紐が固くて…………」
ノリス「苦労してるんだね(肩ぽむ)」
小遣いを妻に握られているローンダミス。凄いや、オーファンのおしどり夫婦にそんな裏話が(笑)
ちなみに生まれ表の所持金の欄を見ると、何か買い物をしない限り300なんて数値が出るのは蛮族だけなので、多分アドリブでしょう。
こうして色々世知辛い思いをしつつ、一行はミナヨウ村の村長さんから、この村に起きている異変を教えられるのです。
まずこの村もそれなりにモンスターが出るのですが、そういったモンスターを水の妖魔マーシュマンに撃退して貰っています。
マーシュマンとは4レベルの水棲の妖魔で、ウォーターインプとも呼ばれる。精霊魔法4レベルの能力を持つ排他的な種族。
緑色の肌に背中には甲羅を背負い、頭に皿を乗っけてる(注:ルールブックには書いてない)。ぶっちゃけ河童っぽい生き物です。
《乾燥に弱い》為に身体が乾くと1時間ごとに1点ずつダメージを受ける。決して邪悪という訳ではなく、社会生活も営んでたりする。
マーシュマンは自分のテリトリーに入った敵を容赦なく攻撃する。それで村に来るモンスターを撃退して貰っていた訳ですね。
その代わり人間は彼らの集落を漁で侵さない、退治を依頼しない、多少の魚を融通するといった持ちつ持たれつの関係でした。
ところが最近彼らが空の魔獣ハーピィ(ディーラ)と抗争を始め、そういったモンスターが素通りして村を襲うようになったのです。
ハーピィは頭部と胸部が人間の女性という鳥人間で、海岸に住む美しく中立的なディーラと、山岳地帯に住む醜く攻撃的なフリアがいます。
今回登場するディーラの方は《歌声による魅了》で人間の男性を誘惑して卵を産むという、レッサーとはまた違う意味での誘惑種族。
通常の歌声に対する精神抵抗には10が必要なので、一般人は6人に5人はタリラリラ〜になってしまう。ある意味恐るべき能力です。
そうして生まれるのは殆ど雌ですが、稀に雄が生まれる場合もある。これをディーラ・キングといい、一族の王として君臨します。
これはキングがいれば人間を誘惑する必要もないからですが、その代わりキングは歌えない。正に歌を忘れたカナリア状態となる。
どういう訳だかレッサーはマーシュマンに加担していて、それに対抗する為にディーラ達もミナヨウの男衆を誘惑しているのです。
つまりモンスターが襲い掛かり、ガメラVSギャオスの抗争に巻き込まれ、レッサーやディーラに働き手を奪われるという状況な訳です。
このままではミナヨウ村は衰弱死するのも目に見えているので、それを何とかして解決してあげるのも今回の一行の仕事の一つです。
ちなみに村はディーラとの交渉はありません。でもたまに歌でぽややんと誘惑され、ねんごろ(死語)になって帰ってくる事はあるらしい。
村長「まあ、酒が入ったら大暴露大会になることもあるでしょうが」
ローンダミス「そうだとも、みんな。そういうことは一時の夢なんだ。黙っておくのが粋というものだゾ(指を立てて諭す)」
ヒース「……重いな、ローンダミス」
ローンダミス「ばれたら……三十秒で、あの世に逝けるんだ。輝く網が周囲に発生してな」
ノリス「ローンダミスも、モンスターに襲われたのなら、言い訳出来るもんね」
ローンダミス「む、その通りだ。不可抗力ならしようがないからな」
ていうか電撃の網がデフォルトなんだ。それは本気で死にますよ。せめて"ブレード・ネット"に加減しようよ奥さん(苦笑)
ヒース「うむ。一度状況を整理しよう。俺たちは、何のためにここに来たんだっけ?」
ローンダミス「バカンス」
……この通り、ヒースが突っ込みに回らざるをえないのも、この男があればこそです。
では亀と鳥、どちらと交渉するか。これは当然鳥です。
ローンダミス「もちろんハーピィのお嬢さん方に話を伺うのが先決に決まっている(ハアハア)」
ガルガド「……わしとしては、なんで、近衛騎士団長の息が荒いのかを先に伺いたいところですがの」
ヒース「ろーんだみすさんがそういうなら、しかたがないなあ(棒読み)」
ローンダミス「その上で、ハーピィたちに正当な理由があればマーシュマンどもを根絶やしに……(ハアハア)」
正に水を得た魚状態だよローンダミス。むしろこの男の暴走を止める為にラヴェルナは結婚したんじゃないか(笑)
★湖のお嬢さん
こうして一行はマナール湖に小船で乗り出し、ハーピィの住む島を目指して進みます。小船は四人乗りなのでまた分けないといけない。
エキュー「……僕は、ガルガドさんとローンダミスさんがいいです」
ノリス「えー?なんで?年齢近いんだし、一緒にのろうよー」
キュー「ええい、懐くな」
結局ローンダミス・エキュー・ガルガドと、ヒース・ノリス・ヤムヤルの組になりました。それぞれ水先案内人の船頭さんがつきます。
これだとヒースがノリス&ヤムヤル番になってしまうけど、もし沈んだら金属鎧のロンダミとガルガドに"ウォーター・ウォーキング"が要る。
ウォーキングは4レベルなので、3レベルのノリスには使えない。最悪"ウォーター・ブリージング"があるけど沈む事には変わりない(笑)
するとエア湖の連奇岩のように、湖底から溶岩が盛り上がるようにして冷えた岩礁地帯に近づいていきます。
そこでいよいよハーピィが現れ、早速《歌声による誘惑》を仕掛けてきます。彼女達は歌への抵抗が14と高め、練習してるのか(感心)。
ローンダミス「よし、1ゾロ!(ガッツポーズ!)」
一同「ローンダミスー!(爆笑)」
ロンダミは8レベルで、実は精神力も18あるので精神抵抗11なんですが……。超能力でも持ってるのかオッサン(既にオッサン扱い)。
これだと一般人は6ゾロしか期待できませんね。36人中35人は夢の国へダイビングです。目が覚めた時にハッ!と驚く怪奇体験(笑)
また全員が抵抗に成功する確率は13%ぐらいです。船頭さんを入れるもっと下がる。逆に言えば誰かしら失敗する確率が90%弱。
ところがヒースとガルガド以外全員失敗。あんたらそんなに欲求不満だったのか。これはイリーナやマウナには見せられない。
エキュー「もっともっと早く、あの岩場へ〜〜マウナさんのことを、忘れそうだぁ〜〜(ぽわわあん)」
ノリス「おねーさーん、あそぼー!ボクも、ついに大人の階段を上るんだー!」←ほぼ2段抜かしで
ヤムヤル「卵を産むというのが、気に入ったぞー!。デビルウィングこと"ワイドウィング"で一直線だー!」
ノリス「ああっ、ボクも連れて行ってよー!」
ヤムヤル「よし、気が合うな、まかせろ!」
こうして飛び上がった2人に、珍しく抵抗に成功したヒースはディスペルをかけて湖へ墜落させたのでした。
ちなみにガルガドの"サニティ"は接触なので他の船の人にはかけられないし、対象を拡大してかける事もできません。
エキュー「あの二人が男スピリッツ溢れるダイビングを……ここは、僕も負けずに、ルパンジャンプで……」←あの時のね
ローンダミス「それならオレは懐かしの、諸星あ○るジャンプで……おっねぇさ〜〜ん」
惜しむらくは冴羽リョウのもっこりジャンプがないという事でしょうか。いや流石にそれは挿絵にできないか(苦笑)
結局ガルガドは落ちた連中を"サニティ"で正気に戻し、回収して回ったのでした。
エキュー「ガルガドさん……なんて酷いことを……はじめて、耳が丸くても魅力的に思えたのに……(べそかいてる)」
ローンダミス「くっ、ドワーフには、やはり人間の機微はわからんか」
ガルガド「わしとて、9レベル古代語魔法で狙われるのは勘弁ですので」
ローンダミス「いや、これは事故だから(爽やかな笑み)」
ある意味故意だろ。
ヤムヤル「おめえら、何でこんなことろで、歌うたってんだ?」←種の起源を否定したよ
ハーピィ「……す、すてきな殿方と、フォーリン・ラブするために」
ローンダミス「実に残念です……あのドワーフを何とかすれば、もう少しだったんだが」
ガルガド「やめれ。ハーピィが不気味に猛禽類の目でわしを見とる」
ローンダミス「安心したまえ、ハーピィたち。オレは種族で差別はしないんだ」
ヒース「ある意味男らしい!」
ヤムヤル「区別はしろよ」
こうしてロンダミは下心を持ちながらも平和的に話し合いをしようとしたのです。武器を下において手を広げ「カモン、俺の胸に!」。
事情を聞いてみると、彼女達は西の方で領土争いに敗れ、海から川を遡ってこの湖の島に安住の地を求めたそうです。
ところがある日レッサーがマーシュマンの背中に乗って島に攻め込んできたのです。浦島太郎のような感じで(笑)
レッサーのリーダー格と思われる男の要求は島を引き渡せ。では一体彼女達の島に何があるのか、それこそ今回のシナリオ最大の謎です。
ヒース「確実な約束はできんが、色々と協力できることもあると思う」
ローンダミス「協力するって……どっちをだ?戦いか……メイク・ラブか」←ハーピィが嬉しそう
ヤムヤル「数年後。このハーピィたちに英雄、生まれるかもしれん」
ガルガド「……その前に、ローンダミスが殺されるんじゃないかの?」
ノリス「犯人は奥さん」
本気かローンダミス。あとで"センス・ライ"で尋問されたらどうするつもりだ?
それからヒースの嘘八百でちょっとハーピィ達を警戒させて、攫われていた3人の村人を護衛に呼び出されたりする一幕もありました。
どうやらレッサーにされていた訳ではなかったようですが、やはり遺恨が残る形で戦力強化をしても仕方がないと彼女達に説きました。
こうして村人を取り戻し、一行はハーピィの島に上陸する許可を得たのです。……女性陣がいないせいか今回進行が遅いの何の(苦笑)
★鳥乙女たちの楽園
一行はハーピィの案内で広大なマナール湖の更に先へと進み、彼女達の住むひょうたん型の島を目前としました。
少しずつ運ばれて発芽したと思しき2つの森が茂り、その側面の岸壁にハーピィは住んでいます。くびれ部分は砂浜です。
ディーラは本来海岸地帯に住むせいでしょうか、森よりも岸壁の方が住み易いのでしょう。そこが彼女達の愛の巣という訳ですか。
ここまで来たところで船頭さんやハーピィから、この辺りはレアなエルフ出現地帯であると教えられます。
彼らは突然現れます。船もなければ隠れ里もないのに、忽然と現れて忽然と去っていく。ハーピィ達も接触した事があるようです。
ハーピィ「ええ。見ました」
ヒース「三人くらい、誘惑しました」←ハーピィの真似
ローンダミス「ほーら。島には、エキューさん好みのハーピィが」←ハーピィの真似
エキュー「僕の安住の地は、ここだったんだ!(瞳キラキラ)」
ガルガド「砂浜に、「夢をありがとう」と伝言が」←ロマンチック(笑)
何であんたらそんなに息が合ってるんだ。しかもエルフ達は森から現れた。この謎を解き明かせば吸血鬼の狙いも判明するのですが……。
ノリス「我々は幻の海エルフを求めて、怪鳥の群れる島へと、こうして一歩を踏み出したのだった。
これから、ボクたちにどんな危険が待ち受けているのか、それは誰も知ることのない……」
ガルガド「川○浩探検隊か、わしら」
ああ、あの緊迫感よりも様式美を楽しみ番組ですか。もっとも冒険者は本当にその手のスペクタクルな体験も味わえたりするんですが。
とにかくこの島にレッサーの狙いがある事は間違いないでしょう。彼らはここでレッサーを待ち構えればいいのです。
ローンダミス「そして、待っている間はハーピィの美女と酒池肉林じゃよ」
ヒース「ローンダミス、アンタ何か解放されすぎだ!」
ノリス「ねえ、ローンダミスが結婚する時、ラヴェルナさんって今と同じだったのかな?」
ガルガド「少なくとも、天才で、既に"魔女"と呼ばれていたのは間違いないはずだがの」
ノリス「なんだ、じゃあ選択間違えただけなんだ」←おまっ!
ローンダミス「内緒だぞ、みんなぁ。お前たちは、オレとはもう兄弟のようなものだからな?ん?」
ヒース「誰にも言わないので、剣を抜いてにこやかに脅すのはやめてくれなさい、ローンダミスくん」
この短時間ですっかりヘッポコはオーファンの英雄と仲良くなったものです。ある意味彼の命を握ったようなものだし。
★とれたてぴちぴち緑の人〜天国への穴?
ところが上陸間際になって彼らはマーシュマンの襲撃を受けます。船底に穴を開けられてしまったのです。
穴を開けられたのはローンダミスの方の船。しかしさり気なくレンジャー技能の高いロンダミが《危険感知》成功。
そこで早速水中のマーシュマンに攻撃。
ローンダミス「爵位や血筋だけで騎士になったんとちゃうど、ボケがぁ!わしを舐めとったら痛い目にあわすぞ、コラ!」←性格違ってるし
相手が見えないので−4の修正が入りますが、それでも14と言って攻撃です。攻撃力11だから出目7、期待値だったんですね。
一方マーシュマンは回避点12(5)なので、避けられる確率は約16.7%。流石は8レベル、鬼嫁に尻に敷かれてるダメ男じゃなかった!
しかもダメージが18点。マーシュマンは防御点9の生命点18なので、これだけで平均的マーシュマンだったら生命点半減か……。
こうして湖面に血の花が咲きました……。怖いよローンダミス、なまじレベルが高いだけに敵に回すとすこぶる厄介だ(笑)
更にエキューが"ウォーター・ウォーキング"をかけて湖面に弾き出す。これでもこのマーシュマンは1時間は水の中に戻れません。
彼らも4レベルで精霊魔法が使えるから"シンク"で解除可能ですが。これらは対抗/消滅、つまり"ライト"と"ダークネス"のように対消滅する。
でも船は沈んでしまったので、ヒースとヤムヤルが空を飛んでロンダミとガルガドを船に乗せ、それぞれエキューと船頭さんを抱えて飛びます。
マーシュマンは紐をつけて湖面を引きずりました。絵的にはジェットスキー風でしょう。ただし沈まないので西部劇の拷問にも似てる(笑)
これでようやく彼らはハーピィの島に上陸し、捕虜にしたマーシュマンから情報を聞き出す準備が整いました。
ヒース「俺たちは決して鬼ではない」
ガルガド「そちらの事情を聞く準備はできてる」
ヤムヤル「しかし、問答無用で斬りつける準備も整ってる」←既にやってるしね
ハーピィ「やっちゃいます?」「やっちゃいます?」
爽やかに恫喝されたマーシュマンは、ガクガク震えながらすっかり捕虜の顔になっていました。
そしてマーシュマンは西方語で事情を話し出します。彼らの言語はインプ語と地方語(西方語とか)なので。
ノリス「レッサーに、いうことを聞かされているだけだって話も聞いたけど?」
ヒース「ほほう。尋問のテクニックがついてきたじゃないか」
ノリス「あはは。イリーナがいない分、ボクたちも色んな思い切った手段をとったりもしたからなあ」
ガルガド「は!クソガキ、それは内緒だと言っておいたではないか!」
何をしてきたんだアンタら。短編を見る限りそんな事もないようだったけど、多分見えない所で色々やってたんでしょうね。
マーシュマンが言うには、最近湖の主が暴れ出して今の棲家は危なくなり、彼らは引越しの必要に迫られているというのです。
そんな時に現れたのれレッサーを率いる人間の男ダリ・オ。彼は紳士的にハーピィの住む島の占拠に協力するよう頼んできたのです。
彼らの人口は女子供老人を入れても精々30人。精霊魔法が使えるとはいえ決して強い種族ではないし、彼らにも事情があったという事です。
ダリ・オは言いました「この道を制圧しておけば」と。道……それがこの島にある秘密であり、エルフさん達の謎を解く鍵という事です。
それを聞いたヘッポコはマーシュマンの怪我を治し、レッサーが攻めてくるよう情報操作を依頼しました。
ここでハーピィと共にレッサーを待ち伏せしてこれを殲滅するつもりなのです。同時にマーシュマンを手懐ける事も忘れない。
ヤムヤル「戦ってやろう!オレたちが、レッサーを滅ぼした後で、湖の主と戦う!」←言うと思ったよ戦闘民族
マーシュマン「本当か!そうすれば、オレタチ移住しなくてすむ。万歳だべ!」
ヤムヤル「強いんだな、主は!」
マーシュマン「めっちゃ強い!」
ヤムヤル「戦うしかない!」
これも交渉の内ですね。彼らの生活を保証する事で敵をレッサーのみに絞るのです。もっとも、それ以上に敵も増やしてる気もしますが。
去り際に彼は主の特徴を教えてくれました。
ノリス「んー、なんだろう。シーサーペント?」
ローンダミス「テルキーネスとか?」
ヒース「はっはっは、ヒュドラだ」
GM「あ、当たり。いい勘ですね」
ヒース「……は?」
ヒュドラとは10レベル!の魔獣であり、全長10mの九つ首の大蛇。レベルだけならバンパイアと同格の恐るべき魔獣です。
そうか、湖の主を名乗るに相応しい強豪モンスターですね。「新ロードス」にも登場し、多くの騎士を倒したとんでもない敵でしたね……。
まぁ未来の強敵との戦いは一先ず忘れて、レッサーを待つ間に例の道とやらの調査をしておきます。ただしガルガドは寝ておきます。
ノリス「ガルガドの精神力が回復していないとかいうオチがあったら嫌だなあ」
ハーピィ「……子守唄を歌いましょうか?」
ガルガド「やかましい。寝かせろ」
ノリス「「ストイックで、素敵な方……キュン」とかやってない?」
GM「それはガルガドさんと巣穴のハーピィさんだけの秘密でしょう」
ガルガド「秘密などない!わしはオープンな男女交際をしたい!」←何を口走ってるんだおやっさん
こうしてガルガドは残る全精神力を込めて誰かさんに"フォース"をぶち込み、6時間寝て完全回復したのでした。
残り5名はレンジャー技能を駆使して森を探索しました。この場合レンジャー+知力の《探索》ですね。
ローンダミス「ふふふ、まかせておきたまえ。オレはこのレンジャー技能によって、ラヴェルナの攻撃から生き残ってるんだ」
ヒース「女の子のナンパ直前に、奥さんがやってきたかどうか感知するんだな」
ローンダミス「「やあ、ラヴェルナ。今日も可愛いね!」と明るく言うのが、怒りを逸らすポイントだ」
それは《危険感知》でしょ、基準値は同じだけど。その基準値は7あり、言うだけの事はあって達成値17と見事なできでした。
……そういえばパーンもレンジャー技能は持っていた。2レベルだけど。そうか、あれもディードにバレるとヤバイ事があるからか(違う)。
ローンダミスは木の根が絡まった場所に、地下への入り口を発見したのです。先は真っ暗、何があるか分かりません。
ヒース「ノリス、お前赤外線視覚がある上に、シーフだな。ちょっと探索して来い」
ノリス「え!ボク1人で!?それはちょっときついんじゃないかな、モンスターが出てくるかもしれないし」
ヒース「……ち。知恵をつけやがって」
そういえば第0話の時も同じように先行させようとしたっけ……。あの時の失敗がノリスを賢くしたんでしょう。
かと言ってエルフを吐き出すかもしれないこの穴にエキューを行かせたら、二度と戻ってこない恐れもある。
エキュー「パ〜ラダ〜イス。ああ……この暗闇の向こうに、僕の求める真の楽園が〜(夢見がち)」
結局この穴は全てが終わった後に調べる事にしました。
ついでにローンダミスがエルフ捕獲用のトラップを仕掛けておきます。
エキュー「……頑張ってくれ、ローンダミス」
ローンダミス「まかせろ!リボンをつけてエキュー君にあげようじゃないか」
エキュー「やったあ、ローンダミス話せるぅ!(万歳)」
ちなみに罠は網で吊るし上げるタイプのやつ。傷をつけずに捕獲可能。……こんな男が近衛騎士団長か、オーファン終わったかも(沈痛)。
★夜明け前の戦い〜あんた、誰?
そして夜明け前についにレッサーが襲撃を仕掛けてきました。そこでまずハーピィの歌でふるいにかけます。
ガルガド「音響兵器使用開始!総員音波防御準備せよ!」←耳栓のことね
これで早速マーシュマン2人が魅了されてレッサーが湖に投げ出され、3体のレッサーが上陸します。
これを迎え撃つのはヤムヤル&ガルガド。ヤムが"パーシャル・ドラゴン"で前衛を務め、ガルガドは後ろから"ホーリー・ライト"。
続いて反対側から冒険者風のブアウ・ゾンビ×2も上陸。こちらは予め警戒していたノリス&エキューの16歳コンビが迎え撃つ。
そして更にダリ・オが冒険者風のブアウ・ゾンビ×2を連れて上陸して、例の地下通路に一直線。これをローンダミス&ヒースが追跡。
戦いは三局に別れ、いかに早く敵を掃討して加勢に行けるかが重要になりました。そこでヤムは"サモン・ワイバーン"です。
ヤムヤル「サム!オレが敵だと思っているものを攻撃しろ!」←何輪物語だよ(笑)
ガルガド「……そして、彼が世界の全てを呪っていることが判明するのだった」
ヤムヤル「ああっ!どこへ行くんだ、サム!」
ヒース「あれは、王城のほうだな。リジャールを襲いに行ったか」←ちゃんと攻撃してます
ヤムヤル「ちっ、三分で王城に着けるわけないだろうが、バカもんがー!」
またここでは半径10km圏内にワイバーンがいないので、召喚されるのは1ラウンド後となってました。でもこれは説明不足ですね。
正確には半径10km圏内にいると達成値に+2というだけ。以前説明したように(達成値−精神抵抗)の値で召喚されるタイミングが変わる。
この際1ラウンド後となるのは、これが−1になった場合です。つまりヤムはボーナスが得られず、結果達成値が若干足りなかった訳ですね。
そしてダリ・オを追跡するヒースは、その姿がケネスの父親である事を確認したのです。これは判定なしで分かる事でした(失敗したら怖いし)。
実は現在彼はホーントと化したダリアに憑依されているのです。あの時レッサーはダリアが動ける身体を捜すよう命令を受けていたのです。
それでレッサーは若い女性(小屋に篭ってた人)を狙いましたが、ケネス父タールさんがそれを庇った為に彼が身代わりとなったのです。
名前が違うのは見た目が男なのに女性名を名乗るのが恥ずかしかったから。咄嗟に口篭って「ダリ……オ」としたのでダリ・オになったのです。
ヒースは弟分の為にも彼を生け捕りにしようと"パラライズ"で麻痺らせ(流石"パラライズ名人")、ロンダミが部下のゾンビを攻撃します。
ローンダミス「うわああ!オレの剣の腕は、この短い平和の間に錆びついてしまったのかー!」←20で殴ってダメージ1ゾロ
エキュー「……役立たず」
ローンダミス「ちがう!ちがうんだ!オレは国の治安を護る騎士なんだ、一発目は威嚇なんだー!」←現代の警察官か
その一方でサムはレッサーを倒し、ヤムは空を飛んでゾンビ掃討戦に参加。ロンダミは万一《憑依》されたら怖いので《抵抗専念》。
とはいえホーントの《憑依》は12で抵抗できる。精神抵抗11のロンダミなら素で抵抗できるんですが、まさか5レベル以上のホーント?
タールさんの身体から出たダリアは全員に対して《憑依》に失敗し、最早抵抗不可能。あとここで彼女はスペクターだと言われてるけど違う。
一度《憑依》状態を解けばファントムと化す。これが元がスペクターだろうがゴーストだろうが同じ。モーリスさんの時もそうでした。
本来タールさんの身体に潜伏した方が効果的だったんでしょうが、その場のノリでしょう。必ずしも最善の策を取れるとは限らないのです。
彼女は「邪な土」を持っていたので、ミシェイルの名を知らない彼らにもバンパイアの身内である事は明らかです。
ノリス「"シェイド"ぶつけられて消滅したくなければ、事情話してみない?」←ファントムは"シェイド"すら無効です
ダリア「別に怖くなんかないわ。私の仇はきっと、ミシェイル様が討ってくださるんだから!」
ヒース「その、ミシェイルってのも、同じ場所に送ってやるからな」
ダリア「そうね。同じ場所に行けるならいいわ」
彼女とミシェイルに何があったかは分からないけど、結構屈折した愛情を持ってるようですね。明らかに普通の恋人ではない。
ノリス「でも、そんなカッコになったってことは、すごく未練なことがあったってことだよね?」
ダリア「未練じゃないわ、私の愛よ!。私はあの人のために愛の力で肉体の枷を解き放ったのよ!」
モーリスさんもそうでしたね。家族を思うあまりにホーントとなった。愛すればこそ未練にもなる。
ヒース「ちょっと慈悲を与えてやってもいい。お前の目的を全部話してから逝け」
ダリア「誰が言うか、ばーか!苦労しろ!」
ヤムヤル「ヒース、お前、本当に交渉ヘタ」
ヒース「まずったとは思ったが……竜司祭には、言われたくねえなあ」
いやヤムはマーシュマンとちゃんと交渉したから。結局は口を割らない彼女は、ガルガドの"イクソシズム"で消滅させました。
ただしあくまでも消滅ですからね。"セーブ・ソウル"で救済したのとは違う結果になるけど、これしか道はなかったのも確かです。
また一度消滅させてしまうと"リザレクション"でも蘇らない。蘇らせる魂自体存在しない訳ですから、結構残酷な最終手段ですよね。
保護したタールさんからも情報は聞けます。しかも結構重要な情報を。
タール「あ、あなた方は!一部知らない人はいますが」
ローンダミス「ふ。有名人は辛いぜ……」
タール「いえ、むしろあなたが知らない人筆頭ですが……」←ヒース、エキュー、ヤムヤルとは面識がある
彼はバンパイアの御前にまで連れて行かれ、そこでダリアに表意された際1枚のプレートを確かに受け取りました。
それは「最後の命への鍵」と呼ばれ、華組が揃えた例の3枚のプレートと同じものです。つまり最後の1枚を受け取っていたのです。
こうしてこの湖に派遣されたミシェイルの部下は殲滅しました。でもある意味それ以上の強敵が……。
★道の正体
一晩休んだ翌日、一行は出発前に例の地下道の正体を確かめます。降りたのはノリス、エキュー、ロンダミの3人です。
そこで彼は巨大な空洞を目の当たりにするのです。南西から北へと続く、街がすっぽり納まりそうな驚異的な大トンネルです。
ノリス「おばあちゃまから聞いたことがあるよ!」←6ゾロ
この意外なノリス知識によって、この大洞穴が影の森というクロスノー山脈とターシャスの森を結ぶ大洞穴であると判明したのです。
太古の時代に存在した古代樹の樹海が溶岩に呑まれた事で誕生したもので、言ってみればエルフ達の聖域といったところです。
しかしターシャスの森、マエリムの森、そしてタラントのエルフ達はその存在をひた隠しにしている。その存在を知る人間はごく僅か。
ノリス「……てことは、それを知っていたボクのおばあちゃま、何者!」
ヒース「いや、あのばあさんは、ただものじゃないと思っていたが」
確かに只者ではないっぽい。古くから続くウィッチドクターの家系の長?だし、エルフと親交があってもいいかも。
地上に姿を見せたエルフ達はそのいずれかの森の使者だったんでしょう。休憩地点としてこの島を利用していたのかもしれない。
そして「西部諸国ワールドガイド」によれば、最近ファンドリアがこの存在を知ったとあります。
シナリオソースとしての提供なのでしょう。ファンドリア側のミシェイルもこれを知ったので、ここに土を置こうとした。
ではこの影の森は何処に繋がっているか。北に行けばターシャスの森ですね。そしてそこにあるのは……デーヴィスの塔……。
エキュー「このままどっちに行っても、エルフパラダイスに向かうわけだよね」
確かにここを押さえれば3ヶ所ものエルフの群生地に行ける。言ってみればエキューにとっても聖地。
この影の森をファンドリアに渡すのは世界平和の為にも阻止べきですが、エキューの好きにさせるのも阻止すべき(笑)
★怪獣大決戦!〜ファンへの帰還
そしてある意味今回のメインイベントである、湖の主との戦いです。ヒュドラと言うと勝てる気がしなくなるので主です(笑)
マーシュマンの集落を訪れたヘッポコは、そこでも例のプレートを見つけられなかったので、結局主と戦うしかなくなりました。
また1つの薬品を押収しました。これはアルミン印の薬品で、モンスターを凶暴にさせる。つまりヒュドラの暴走もダリアの仕業でした。
ヒュドラは10レベルの魔獣であり、ギリシア神話でヘラクレスと戦った事で有名な全長10mの九つ首の大蛇です。
その9つの首を使って1つの対象に集中攻撃する事も可能ですし、それぞれ別の標的を狙う事も可能という驚異的白兵戦力を秘めています。
その打撃点は首1本あたり20点という強烈さ。アイアン・ゴーレムですら19点だったのに、これを上回る攻撃を9回とは本当に脅威です。
またヒュドラに6点以上のダメージ(防御点込みで20点)を与えると首を切断する事になり、それだけ攻撃回数を減らすこともできる。
ただし《首の再生》という能力がある為に、5ラウンド後に首は再生して生命点も6点回復。攻撃回数も戻る非常に厄介な能力を持つ。
しかしこれを破る術もある。神話でヘラクレスの甥イオラオスが首を焼いて回ったように、炎か電撃で切断面を焼けば再生を阻止できる。
さてこの化け物をどうやって倒すか。本当は全員7〜8ないとキツイんでしょうけどね。むしろこっちこそラヴェルナの出番ですよね。
精神点は10だけど、エキューが"シェイド"に従事しても敵は10レベル。魔力7のエキューでは抵抗を破るのも、ダメージを通すのも難しい。
無謀の槍なら抵抗されても7振れば2点抜けますが、生命点54は伊達じゃない。防御点も14あるのでアイアン・ゴーレム並に頑丈です。
取り合えず前衛に出せるのはロンダミと、ワイバーンと、成竜に変身したヤムヤルのみですね。それ以外は洒落にならない。
ただしワイバーンも3発で死ぬ。防御点11なので1発で9点通り、生命点25なので3回受けたら儚く落ちてしまいます。
そこでノリスがコモンルーンで"プロテクション"です。すると1発で8点しか抜けないので、3発受けても辛うじて1点残る。
ロンダミって防御力22なんですよね。でも必要筋力20。これは選択ルールを使わずに、高品質+2にしてるせいでしょう。
選択ルールを使うと高品質+2のプレートメイル(20)は防御力27です。ていうか何故ここでも中途半端に高品質+2なんだろう?
仮にヒースが"プロテクション"もかけたとすると、ロンダミは防御力27+9にはなる。7振ると15点は止められます。
つまり1発で5点抜ける訳ですか。生命力は22だから4発ぐらいは大丈夫だけど、出目次第ではそれ以前に撲殺される可能性もある。
ヒース「なーに、戦術なんか必要ない。俺様の"パラライズ"一発で終わりだ」
エキュー「でも距離十メートルだよ?とぼけたことしてると撲殺されるんじゃないの?」
まぁ1発ぐらいで即死はないかもしれないけど、2発目以降は本当にヤバイ。生死判定も6ゾロ以外じゃ成功しないぐらい。
またヒュドラは牛を餌にして浅瀬に誘い出し、マーシュマン達が"ウォーター・ウォーキング"をかけて水上戦にします。
そういったヘッポコの本気さを察したマーシュマンは、1人に1つ2D点の魔晶石をくれました。それでワイバーンの召喚数が変わってくる。
ローンダミス「よっ……。お、おお!12点来た――っ!(ガッツポーズ)」
ノリス「売って、+1のラージシールドじゃないんだ?」←買値6000ガメル
ローンダミス「形の残るものを買ったら、ラヴェルナに取り上げられるじゃないか!」←そこまで!
凄いぞローンダミス、本当に超能力でも持ってるのか。これだけで1万4400ガメル。売れば7200ガメルなので買えなくはない。
またローンダミスは魔力+1のバッソー(16)という中途半端な武器をポイして、クラブ(20)を装備します。
幸いガルガドのクラフトマン技能は木工なので時間があれば作れます。これなら"ファイア・ウェポン"をかけられ、再生を阻止できる。
ノリス「なーんだ、イリーナって、ローンダミスの進化系だったんだ」
こうしてローンダミスの装備は銘入りのクラブとバトルアックス、そしてエキューに借りた魔力+1のラージシールドになりました。
これなら攻撃力11で回避点15(8)にも十分当たるし、回避力14(シャープネス済み)なら攻撃点17(10)も避けられなくはない。
当たったとして打撃力30+11だから、7振ると18点。防御点は14だから抜けなくはないけど、結構厳しい戦いになりそうです。
いよいよヒュドラとの決戦です。牛を設置し、マーシュマン達に水上歩行可能にして貰い、ヒュドラが姿を現します。
ガルガド「うむ、ゴジラは沿岸にやってくるまで誰も気付かないというお約束は、ここでも踏襲されたのだな」
《危険感知》で気付くタイミングを判定した結果そういう事になったらしい。
1ラウンド目、シャープネスの効果で敏捷度25?になったローンダミスは、ヒュドラの退路を阻止する形でダッシュ。
ノリスは前衛にコモンルーンでプロテクをかけ、ガルガドはロンダミとヤムヤルの後方10mの位置でキュアーに備えます。
そしてヤムヤルは"サモン・ワイバーン"でまたサムを召喚。精神抵抗を破ったので即座に現れる。ヒュドラはシカトして牛をモグモグ。
2ラウンド目、ロンダミは行動を遅らせ、エキューは達成値4倍拡大で"シェイド"を唱えるも出目3でアッサリ抵抗される。
ヒースはロンダミのクラブに"ファイア・ウェポン"。ヤムヤルは再度"サモン・ワイバーン"でピピン召喚。1ラウンド遅れて登場します。
そして最早騎士とは思えない姿になったローンダミス発進。でもアッサリ空振り。どうしたロンダミ、まだマーシュマンを刺しただけですよ。
3ラウンド目、エキューは初の"バルキリー・ジャベリン"を発射。抵抗を破って6点抜ける。残り48点か、先は長いようです。
ヒースは"フライト"を唱える。ノリスは地味にコモンルーンでワイバーンを強化しています。このラウンドはサムを強化かな。
そしてヤムヤルはまた"サモン・ワイバーン"でメリー召喚。上手い具合にピピンと同時に出現しました、やっぱり仲がいいらしい(笑)
こうして登場したホビット庄トリオはヒュドラをチクチク攻撃し、いよいよヒュドラが8本の首で(1本は牛)ロンダミとワイバーンを狙う。
サムに6本行きましたが、上手い具合に3本回避。すると3発なら微妙に生き残れる。ロンダミは回避で1ゾロ振って殴られました。
4ラウンド目、ロンダミとサムは一時下げ、メリーとピピンを投入します。エキューは再度無謀の槍で地道に削ります。
こうしてワイバーン3匹とヒュドラの戦う怪獣大決戦が実現。ヤムヤルが"シェイプ・チェンジ"して成竜にならなかったのが残念。
そしていよいよヒースの出番です。小脇に抱えたフレディの精神力を借り、16点消費の達成値4倍拡大"パラライズ"です。
今のヒースは魔力8に拡大で+3、"ソーサラー・スタッフ"で+2して、魔力13。それで出目10出して達成値23!!?
ヒュドラの精神抵抗は17(10)です。モンスターに6ゾロは存在しないので、仮に6ゾロ振っても22で抵抗不可能なのです。
こうして"パラライズ名人"ヒースの力でヒュドラは麻痺し、ここぞとばかりにフルボッコにしてヒュドラ撃墜!!
カオスの神様は本当に気まぐれのようですね。某遺失魔法も大概ですが、ヒースの"パラライズ"の効き具合も異常ですよ。
……そして気付いてみたらローンダミスは殴られただけ。あと錯乱気味に湖に血の花を咲かせただけ。何しに来たんだローンダミス?
これでサム、メリー、ピピンも生き残って一安心。この時点で彼らだけで既に5匹ものワイバーンと関わってたりする。
しかしヤムヤルが変身しなかったのが本当に残念。変身すれば10レベルの成竜になって、本当に怪獣大決戦になったのに……。
あと骨使いヒースはヒュドラの骨も回収しました。最近急激にヒースが魔術師らしくなっていく。頭に邪悪なとつきそうですが。
これならマーモ公国も「九つ首の大蛇」ではチマチマと戦わずに、エレーナに"パラライズ"って貰った方がよかったかもしれない。
エレーナは推定9レベル、知力ボーナスも+3はありそう。しかも達成値+5すれば基準値は17。使い魔や魔晶石を使えば拡大できる筈。
このように"パラライズ"というのはGMにとっては面倒な魔法です。ボス1匹対冒険者だとこの魔法でアッサリと決着が付きかねませんね。
距離は10mだし集中も必要だから、敵が複数いるとか工夫するしかないでしょうね。ボスの脇を固める部下がいるのもいいかも。
基本的にSWの主役は戦士だと私は思ってます。「ソード・ワールド」なのですから。魔法使いは引き立て役に回った方が私は好きですね。
これで彼らはマーシュマンの尊敬を集めまくり、ダリアがプレートを湖に捨てた事が判明したので、その捜索を依頼します。
ローンダミス「よし!一刻も早く、ファンに戻るぞ!」
一同「おーっ!」
ローンダミス「女性陣が帰ってこないうちに、お姉ちゃんたちの店で遊ぶぞ!」
一同「お……おお―――!」
魔晶石(12)を換金すれば1万4400の半額で7200にもなる。遊ぶには十分ですが……本気だったんだ、ロンダミ……。
こうして暴走野郎パーティーはファンの街へ取って返しました。ローンダミスお勧めの店とは一体……。ある意味吸血鬼よりも気になる。
これで表裏に分かれた26話は終了です。そして次回で10巻続いたヘッポコの冒険も最終回。吸血鬼と戦い、いよいよ彼らは英雄になる!
★はじめに
0話と26話の表裏を考慮すれば全29話にも及ぶヘッポコの冒険も、今回の話でついに最後となりました。
振り返ってみると、ヘッポコはかつて最長だった"バブリーズ"の倍以上もの話数がありながら、経験点の問題で彼らよりはレベルが低い。
"バブリーズ"は本当に駆け足で強くなりました。それは痛快ではあったけど、あまりにも駆け足が過ぎてちょっと英雄の実感が湧かなかった。
でもヘッポコは10巻もかけて少しずつ強くなりました。そして積み上げたものが彼らを英雄にした。それがとても自然な事のように思えます。
水野先生は「勇者とは資質であり、英雄とは結果である」と仰いました。そしてSWの全てのPCは、PCである時点で英雄候補生です。
この際勇者の資質があるかどうかはまた別の問題のように思えます。PCであっても勇者とは言い難い存在もいる、それは資質だから。
メリッサも悩んだ事ですが、勇者の資質とはその人間そのもの。決して優秀な人が勇者なのではない、人々が勇者と思う人が勇者なのです。
でも英雄は違う。結果を残せれば勇者でなくても英雄になれる。つまりフォーセリアの英雄とは、勇者のようになるべくしてなるものではない。
私はロードスは英雄譚でSWは冒険譚だと考えています。この際英雄譚と言いつつも、必ずしも英雄になれるとは限らない。
でもロードスの主人公達は基本的に勇者です。百の勇者もそうですが、彼らは英雄という結果を残せなくても、勇者の資質は持っている。
そしてその資質故に世界でも稀有な偉業を成し遂げ、英雄と呼ばれる人が多い。だからこそロードスは英雄譚と呼ぶに相応しい。
一方SWの主人公達は基本的に冒険をする人(冒険者という職業とは限らない)で、その冒険は世界を動かすような偉業とは限らない。
それでも資質を示す事で勇者と呼ばれる人もいるし、"バブリーズ"やリウイのように結果を残す事で冒険譚から英雄譚へとシフトする人もいる。
その点ヘッポコは顕著です。彼らのヘッポコ具合は決して勇者っぽくない。イリーナも恐るべき資質はあっても、勇者とはまた違う気がする。
そんな彼らも地道に実績を積み、実力をつけ、ついには国家の命運を左右する大舞台に立っている。それは既に英雄と呼ぶに相応しい。
言わばヘッポコは勇者にあらざる英雄。彼らの冒険は格好悪くて泥臭くて馬鹿馬鹿しい。だけど今の彼らの活躍は紛れもなく英雄譚なのです。
★へっぽこ集結!
今回の元ネタは「白い巨塔」です。最後までこのパロディタイトルを続けましたね。惜しむらくは、時事ネタは分かり難くなるという事。
今回の経験点はなんと2000点です。PC的には1つの冒険しかしてないけど、最終決戦の前なので。
これでガルガドがファイターを4→5に上げました。英雄の素顔を見たせいでしょうか、悟りの道はやはり遠い。
あとマウナがシャーマン5→6にしました。これでレベルだけで言えばスイフリー級。歴代最高レベルという事になる。
バスが微妙にバードを上げるのに足らないようですが、彼らの後日談とかでは上がってるんでしょう。パラサもそうだったし。
そしてエキューは知力17→18。これでボーナスがブレイク、魔力8とマウナと並びました。
マウナ「……えきゅーなんて、きらい」
エキュー「ああっ、そんな!でも……よく、考えたら僕、エルフパラダイスへの道を見つけてるんだっけ」
魔力は上がってもますますマウナと離れていく。ていうかどんどん戦士じゃなくなってく(笑)
ちなみに二班の合流は互いに2Dを振って、出目が大きかった方が先にファンに着く。出目の差が日数の差。
結果ロンダミの脅威の出目により、6日間のイチャイチャパラダイスを満喫できるようになりました。アンタ本当に超能力を……。
ローンダミス「ゆけセルヒオ!飛ぶが如くファンの街へ!今、このときを楽しむために、俺はお前を買ったんだ――ッ!!」
建前は王様への報告の為に全力ダッシュ。しかしその煩悩パワーが奇跡を起こし、6日間もの猶予を与えてしまったのです。
ところが後日彼の顔には網目模様の痣が刻まれていたとか。
バス「ラヴェルナさんが"テレポート"で飛んでいったことと何か関係が?」
ヒース「はっはっは、ちょっと見せたかったぞ。いいお店に乱入しての、あの見事な"ライトニング・バインド"」
ガルガド「そして「ダーリン、抵抗するなんて言わないわよね?」という氷の笑み……(ガクガクブルブル)」
恐ろしい……監視されてるよローンダミス(ガタガタ)。
しかしヒースは本気でヒュドラ・ボーン・サーバントを作る気か。やっぱりサーラのワーム・ボーン・サーバントみたいにレベルは1下がる?
すると九つ首の白骨大蛇が誕生する。それは強そうだ、難民の護衛にも役立つかも。これで益々ヒースが本格的な悪の魔術師になりますね。
★傷だらけの再会
こうして各自の成果を持ち寄ったヘッポコでしたが、その間にも事態はまた動いていたのです。
ついにファンドリアが武力介入です。建前はレッサーに怯える無辜の民への救済ですが、腹の中で何を考えているやら……。
そしてリジャール出陣。騎士団を伴って国境へ赴き、その威光で混乱を収拾。実際は吸血鬼退治に「わしがいくんじゃー!」と煩いとか。
またジェニも出陣。騎士団が抜けて薄くなった防衛ラインを強化し、神官戦士団や難民を鼓舞します。建国の英雄達も色々忙しいようです。
それと前後してシルヴァーナさんも街へとやって来ました。
エキュー「シルヴァーナさーん!(ぶんぶか手を振る)」
マウナ「ほらほら、ご覧になって。私になんて、所詮は、あの程度の執着ですのよ(セレブ風)」
クラウス「あー、いや、その……まあ、主張がはっきりしていてわかりやすいじゃないか」
エキュー「はっ!もしかして墓穴街道一直線!マウナさんの耳が一番きれいですからね〜〜」
マウナ「あ、シルヴァーナさん」
エキー「あっ!あの人の耳も捨て難い!……はっ」←もうダメだコイツ
シルヴァーナさんの報告で、デーヴィスの塔の結界が始動した事が判明します。つまりミシェイルが塔を落としたのです。
実は前回影の森に土を置く事ができていればそこが最終決戦場になっていたのですが、これでデーヴィスの塔がラストステージに確定。
塔の結界とは、大掛かりな"メイズ・ウッズ"です。通常は半径500mにかかるのですが、どうやらそれ以上の効果範囲を持つらしい。
"メイズ・ウッズ"とは8レベルの精霊魔法で、迷いの森に侵入者を閉じ込める魔法です。あくまでも幻覚なので、森が変形する訳ではない。
一度抵抗に失敗すれば、深い森と無限回廊とも言える幻覚に苛まれ、無意識の内に効果範囲内の森をグルグルグルグル回ります。
抵抗に成功すれば仲間の姿は見えますが、失敗すれば見失う。よって成功者が注意したり引っ張ったりしないと逸れてしまいます。
本来その持続時間は1日なのですが、魔法装置なので下手すれば半永久的にかかるでしょう。下手に接近すれば取り返しのつかない事になる。
またタールさんの情報から、例のプレートこそはミシェイルの棺の鍵であり、そこに最後の土が保管されている事が分かります。
しかし最後の1枚はダリアのせいで湖の底です。そこでマーシュマンや"シースルー"のできるハーフェン導師が捜索にあたります。
ヒース「頼むぞ導師。女子寮の身辺をうろつくだけで悲鳴を上げられてしまう禁断のレベルだけのことはある」
マウナ「そう思うと、人格者でないと6レベルってなって欲しくないかも」
ヒース「ふふふ、後少しで俺様も……」
イリーナ「変なそぶりを見せると、グレソの落ちる先が、ヒース兄さんのうなじになると思ってくださいね」
ヒース「スイマセンスイマセン、女子寮ニハ多分、魔法的ナ防御ガシテアルト、思ウノデ、僕ハ無実デス」
そうか、だから魔術師は一般人に忌避されるのか。マナ・ライもその辺どうにかした方がいいかも。
ちなみに棺の鍵は漢字の「田」の形をしているそうです。これは並べ方もリドルになってたりするのかもしれない。
もっとも嵌める場所が4ヶ所しかなければ出鱈目に嵌めてても合致しそうですが。だって組み合わせが24通りしかないんだし。
そこでヒースは箱に3枚のプレートを入れて所定の場所に安置し、"アポート"で呼び寄せて4枚揃ったか確認する案を出しました。
イリーナ「ヒース兄さん、冴えてます!」
ヒース「はっはっは。その代わり、並べ方がリドルになっていた場合には、後は頼む!」
頼むなよ、思考を放棄するな魔術師(苦笑)
こういった状況なので、まずヘッポコと面白夫婦が塔へ挑む事にします。ただしミシェイルを挟み撃ちにする為に夫婦は別行動です。
ヒース「……くっ、卑怯なパーティーの分け方を!」
イリーナ「協力してるようで、してないって奴ですね!」
マウナ「ラヴェルナさんの魔法破壊力を封じにかかったんだ」
侵入経路は二つ、エルフの集落の扉か塔の玄関です。相手は靄になれるので何処からでも逃げられる気はしますが、一応挟み撃ちです。
しかしどう考えても前者は自殺行為ですよね。バグベアードにアイアン・ゴーレムと来たから、次はミスリル・ゴーレムかな?
イリーナ「挑みましょう!そして、ぶっ壊して剣を作ります!」
ヒース「あーすいません、俺たちぜひとも地上組で」
イリーナ「なぜですか!ミスリルなグレートソードが欲しいのに!」
ヒース「この状況で、物欲を優先させるな!」
本気で何が出るか分かりませんからね。それこそ赤穂浪士のようにギッチリ控えたストーカー軍団とかいるかもしれないし。
正直バンパイアと戦う前にそんな消耗の激しそうなデスシナリオやってられるか。正直面白夫婦でも回復役なしだとキツイ気がするし。
★天地無用?〜袋づめ冒険者参上!
ではどうやって塔へ近づくか。一応"メイズ・ウッズ"の効果範囲は森なので、空を飛んでいけば結界に引っかかる事はないでしょう。
ヒースやヤムが一人一人運んでいくのは面倒な上に危険。ワイバーンでバッサバッサは目立ち過ぎる。いかに少ない消耗で侵入するか?
そこでパーティーが"無限のバッグ"に入ってヒースが空輸するという方法を考え付きました。確かにこれなら簡単に侵入できます。
"無限のバッグ"には重力を無視できる@("ウェイトレス・バッグ")と、体積を無視できるA("バルクレス・バッグ")の2種類があります。
片方だけでは四次元ポケットのように無限に出し入れはできませんが、@の中にAを入れれば正にそのような効果を期待できます。
ただし袋の口を通るのは5m四方のものまで。強度は普通の皮袋程度なので、中で暴れられると破ける恐れもあるようです。
ちなみにリウイによれば、袋の中は異空間なので覗く度に様相を変えるようです。ミレルが見た時は夜空が見えたとか……。
値段は前者で4万、後者で20万です。それなりに高価なものですが、事件が事件なので武器と防具以外のアイテムを返せば貸し出し可能。
するとヒースも"ソーサラー・スタッフ"とお別れ。今回の報酬で貰えたらいいけど、6万ガメルですからね。お金を貯めれば別でしょうが。
以前も言ったようにオーファンの王家のマジックアイテム充実具合はSランクです。こういった貴重なものも普通にあるんですね。
離陸前にヒースは魔晶石(1)を18個購入し、既に持ってる分と合わせて30個ほど持ち歩くようにしました。
これで基本消費精神力5点以下の魔法、"センス・マジック"とかもかけ放題です。30個あっても所詮は1点、買値は総額3000ガメルです。
今回塔へ行くのはヘッポコ7人にクラウスさんとヤムヤル。集落が心配だからチビ&プチは帰ってしまいます。
チビ&プチ「「まま!今度こそ、死んだらダメでつ!」」
イリーナ「チビーナとプチーナも、森の平和を護るんだよ!」
エキュー「レッサーに襲われた難民がちびっこのWストーン・ブラストに救われたという話が、風に乗って届きそうだね」
マンドレイクの群生地は塔から離れてるので結界には巻き込まれていない。この位置関係は「SWツアー1 オーファン」に収録されてます。
面白夫婦とシルヴァーナさんも途中まで一緒に行って、集落で分かれます。するとロンダミとエルフさん達も袋の中、ラヴェルナは一緒に飛びます。
飛行中には結界に捕まった人達がアワワしている様子も見えます。でも下手に降りるとヒースが捕まるので、可哀想だけど見捨てます。
1日2日じゃ死なないし、塔を取り戻せば自動的に助かるのですから。しかし精神抵抗するとして、目標値はどれぐらいになるんだろう。
こうしてヒースは塔の敷地内に降り立ち、袋を逆さまに振って全員放り出す。アドリブではなく、それもバッグの性質です。
マウナ「……よかった。イリーナの前に出てこなくて……潰されてたにちがいない」
また袋に手を突っ込んで望みのものをイメージすればそれが掴めます。でもそれをやるとイリーナを出した瞬間脱臼するんじゃないかな(笑)
現時点で9人パーティーです。今回は6レベル盗賊のノリスが皆の命を握ってる。冗談抜きで責任重大。
イリーナ「今度こそは、みんなで生還するんです!」
ヒース「全員でフラグを立てまくるんだ。まずはクラウスだな「……この仕事が終わったら、俺と一緒に「青い小鳩亭」を再建しよう」とか」
マウナ「あ、その……「帰ったら。お返事するわ」もじもじ……って、それは、死にフラグっぽい!」
エキュー「いいぞー。もっと立てろー」
イリーナ「今のフラグ立てだと、マウナが死ぬパターンだよね」
エキュー「……前言撤回」
かといってマウナがそれを受け入れていたとしたら、今度はクラウスさんの死にフラグになっただけですがね。
バス「エキューの場合あれですぞ。「ごめんなさい、エキュー。弟みたいだと思っていたけれど……いなくなって初めてわかったの……」」
エキュー「そのパターン、僕、完膚なきまでに死んでるし!行こう!何も会話せずに、ずんずん行こう!」
しかもそれはフラグじゃないし。普通のエンディングだし。
今回のシナリオを始めるに当たって、秋田GMは編集さんにこう言って悲鳴を上げさせたそうです。
「最終決戦で誰か死んだら、その人これから先の長編にも、出ませんから」
何もそこまでしなくても。"リザレクション"で蘇生とか駄目なのか。しかし実際彼らは1シナリオで史上最多の生死判定回数を記録する……。
★デーヴィスの塔、再攻略!
何だかんだでこの塔とも縁がありますよね。ダークエルフのプチ組織を壊滅させたのを始めに、結構長期間護衛で住み込んでいたし。
しかしその住み慣れたデーヴィスの塔もバンパイアの手に落ち、多くの護衛や研究員さんが犠牲となり、負の生命の精霊力で満ちている。
隊列は当然ノリスが先頭です。隊列は推定イリーナ&ノリス・バス&ガルガド・ヤムヤル・ヒース&マウナ・エキュー&クラウス。
先頭を盗賊と主力で固め、真ん中に魔法使いを入れて、背後にも強力な味方をつけて挟撃に備える。基本を忠実に守っていますね。
またマウナはシルフを、エキューとノリスはそれぞれノームとウンディーネをバインド。あらゆる場合に備えています。生き残るのに必死ですね。
イリーナ「で、マウナはどっちと恋愛フラグを立てるの?」
ちなみにエキューとクラウスさんはマウナの背後です。クラウスさんは大人の余裕でエキューに真後ろを譲ってくれます。
エキュー「わかってないな。斜めのポジションでないと、マウナさんの耳は、見えにくいんだぞ!」
バス「それでは、マウナが死亡するのが一番美味しいですな」
イリーナ「「生きて帰ったら、俺たちライバル同士だな」「どちらが先に告白するか、帰ったら決闘しようぜ」とか言ってるんですね!」
ガルガド「いや「帰ったら、同時に告白しよう」がセオリーじゃろう」
マウナ「やめてー!それは確実にあたしが死にそうだよー!」
何て楽しそうなんだろう、この超緊迫のシーンで。○リウッド映画だったら終始サスペンスなBGMが流れてる状況なのに(笑)
まず一行が差し掛かったのは応接室です。扉にファンガス菌噴出の罠がかかっていたので、バスが発見してノリスが解除します。
部屋にいたレッサー×2でした。イリーナの四代目グレソーが1体を粉砕。もう1体もノリスとガルガドの師弟コンビで瞬殺。
今のイリーナの破壊力は打撃力35+10点です。すると出目4というショボさでも14点。レッサーはそれだけで瀕死ですね。
実はこの時点でとっくにミシェイルの監視下にあります。彼も"シースルー"を使えるので、侵入はバレバレなのです。
流石に常に使ってる訳ではないと思いますがね。常時"シースルー"なんてしてたらとっくにフラフラになっているでしょう。
でも全く手がない訳じゃない。"シースルー"&"サモン・インプ"のコンボで精神点を無限に補給できる。
インプを召喚→"トランスファー・メンタルパワー"させて回復→魔法を使って消耗→またインプを召喚、という具合に(笑)
ミシェイルの場合は"シースルー"に3点、"サモン・インプ"には2点消費。そしてバンパイアの精神点は26点、インプの精神点は14点。
"シースルー"を持続時間3倍がけしてインプを召喚(11点消費)、そして11点トランスファーさせて全回復という風になりますかね。
"シースルー"の持続時間は3分間、9分に一度になる。でも"サモン・インプ"も《召喚》の魔法だから、確実に上手くいくとは限りません。
インプの精神抵抗は最大14。ミシェイルの暗黒魔法の魔力は11だから、1ゾロを振らない限り即座に現れるので普通は大丈夫です。
1ゾロを振った場合は襲い掛かってきますが、《精神力奪取》で結局は回復するし。とはいえこの手を取ると流石にPLに嫌われるかも(苦笑)
★へっぽこ大捜索
ヘッポコは続いて寝室へ入ります。最上階に通じる隠し通路があった部屋ですね。今は普通にショートカットとして露出してますけど。
ヒースが魔晶石で"センス・マジック"して魔晶石(3)を1つと、魔力+1のクロースを入手。これはヤムヤルが装備します。
バス「この人、身につけているのは腰蓑一丁ですから」
腰蓑って、お前は何処のキタキタ親父だ。
更に回避に+3のサーコートというレア物もあったりします。これはパーティーのメインウェポンであるイリーナが装備。
エキュー「これは、イリーナが持ってるべきだよ。前線に立ってもらうのは、イリーナだろうから」
ヒース「がちがちに固めて、戦え。そのほうが安心だ。俺たちは後ろでやることが多いが、お前は、前に立たないとお前じゃない」
イリーナ「……うん(じーん)」
ヒース「翻訳すると、壁は壁らしく分厚くなってろってことだ」
イリーナ「てい」
ヒース「おおおおっ、膝かっくんで靭帯が切れそうに〜〜っ!」←途中までカッコ良かったのに
ただしサーコートがなかったら当たっていたという時には、傷1つがつく事になります。傷5つで破けてしまうらしい。
あとイリーナとガルガドはヤムヤルの洞窟から入手した精神抵抗+1の指輪を装備してました。カンタマとも重ねがけできるそうです。
続いて一行は例の隠し階段を登って最上階へ。すると先頭に立っていたバスが足元の油に気付かず転倒してしまいました。
これをイリーナが受け止めます。冒険者+敏捷度で9、バスの筋力ボーナスが修正になって12ですね。ていうか筋力じゃないの?
ところがイリーナ受け止め失敗。続いて修正が7にもなったせいでヤムヤルも受け止め失敗。修正は10にもなり、大事故勃発か!?
しかしその次のクラウスさんが《危険感知》に成功。後列に注意を呼びかけ、冒険者+敏捷度で12で回避できる事になりました。
その結果ヒースが回避に失敗。イリーナ・バス・ヤムヤルのトリプル・マッスルドッキングがモロに直撃して大惨事に!
ヒース「うっうっう……俺、うっかり何処かで死にフラグ立てたかと思ってビビったよ。おばあちゃんが川の向こうで手を振ってた」
イリーナ「泣かないで。前巻ラストのかっこよさが、最後の輝きだったんだって、みんな納得してくれてますから!」
イメージとしては、ヒースが潰されてペ〜ラペ〜ラペ〜ラとなった感じ。「トムと○ェリー」かアンタら。しかもこっそりと生死判定。
更にガルガドがキュアーに1ゾロで失敗と、1ゾロ乱舞。バンパイアと戦う前から幸先悪過ぎる。これで死んでたらもう笑えないし。
またこの時ヒースは扉に衝突して生死判定に追い込まれました。実はミシェイルが退路を"ロック"で塞いでいるんですよね。
現在の彼はダリアの復讐に燃えています。その為にヘッポコを少しずつ追い詰め、1人ずつ血祭りに上げてやろうと思っています。
しかしそれは裏を返せば手加減しているという事でもある。その驕りがまだある内にミシェイルを倒せればいいのですが……。
★最後の棺?
こうして一行は微妙な犠牲を払いながら最上階に到着。例の鍵のかかった棺と、それを守るレッサーやゾンビを倒しました。
クラウスさんが20で攻撃したり、ノリスやヤムヤルがクリティカル連発したり、イリーナの四代目グレソーにぶった切られて全滅。
バス「皆さん、どんどんと今のうちに輝かしい活躍をしておくのです!まるで蝋燭の最後の輝きのように」
だから悲劇の歌はもういい。諦めたんじゃなかったのか(笑)
これで「最後の命」こと棺をゲット。でもプレートはまだ揃っていない。魔法の品物のようなので壊すのも難しそう。
それなら"シースルー"で透視して、内部に"ファイア・ボール"でもぶち込めば土を浄化した事になるのでは。それとも透視すら不可能?
仕方ないので"無限のバッグ"Aに棺を入れてイリーナが持ち運びます。もし帰ってきたら重さが増す事ですぐ分かるでしょうから。
しかし魔法の袋に入った上に密閉された棺に入って再生なんて、ちょいとしたイリュージョン。でもビジュアル的には定置網漁(笑)
一度ミシェイルを倒せば棺に戻る。すると放って置けば24時間後に再戦する事にもなりかねない。
イリーナ「その間にローンダミスさんとラヴェルナさんに合流してもらうんです。そうすれば、多少は楽なはず!」
マウナ「ちゃんと戦う気マンマンだね」
ガルガド「なんで、イリーナがマイリーの信徒でないのか不思議でならん」
闘争心の塊のような娘ですからね。確かに本質的にマイリーっぽいかも。
ちなみに現在その面白夫婦は地下通路の攻略真っ最中です。
ヒース「あーあー、こちら地上組、どうぞー?」←"テレコール・アミュレット"で通信
ラヴェルナ「忙しい時に話し掛けないで頂戴!ローンダミス!盾になって、盾に!」
ヒース「あーそうか。まあ、頑張れ。ぶつ(携帯を切る仕草)とっても、忙しそうだ」
やっぱり2人だけじゃキツイでしょうね。神官がいればかなり違うんでしょうが。
★小さな再会〜手の中にお日様を
続いて一行は以前の攻略では通らなかった正規のルートを逆行し、資料室でレンちゃんと再会を果たします。
レンちゃん「うわーん、みんな、どこ行ってたんだよー、遅いぞバカー」
下位古代語なので理解できるのはヒース、マウナ、ノリスのみ。クラウスさんはセージ1なので読文しかできません。
あと今回のお話で彼がホムンクルスの上位種と判明。でもエルフとかと違って人工の生命体だから、古代の力を色濃く残してる訳じゃない筈。
多分デーヴィスお手製の高レベルなホムンクルスというだけでしょう。データもルールブックのそれよりも数段上の存在だと思う。
ここでレンちゃんから現在のミシェイルの精神状態と、新たに発見された地下施設のサロンと研究室の存在を教えられます。
特に研究室は極めて大きなもので、アイアン・ゴーレムを捨てたと思しきダストシュートもある。面白夫婦もここから出てくる筈です。
更にサロンには太陽の光を溜めて照射できる装置があるのです。これを使えばバンパイアの《生命点再生》を阻止する事ができる。
レンちゃん「日の光を浴びないのは不健康だからって……太陽の光を溜め込んで、照射する魔法装置を作っていたみたいなんだ!」
マウナ「……それって、意味あるの?」
イリーナ「それは欺瞞です!」
ヒース「とことんオタクだな、デーヴィス!」
エキュー「単なる日焼けサロンじゃないか!」
イリーナ「でも、なんで、こんな装置を大事にしてたんでしょうね」
ヒース「時々太陽光線を浴びて消滅するスリルを味わうのが好きなんじゃね?」
またこのお日様ライトは太陽光を吸収する際、半径20mの空間で太陽光を無効にする付随効果もあるので壊されなかったらしい。
吸血鬼は日光を浴びると毎ラウンド生命点/精神点に1点ダメージなので、ミシェイルが平均的バンパイアなら250秒間は大丈夫(笑)
一行はレンちゃんを加えて隠し扉を開き、地下のサロンへと降ります。デーヴィス愛用の施設なだけに、怪しい仕掛けが色々とありました。
まず椅子に座ると背もたれから伸びたバンドが座った人を捕獲してマッサージをしてくれる。あと懐かしの骨執事なんかもいましたね。
更にキャビネットには怪しい薬満載。忙しくてスルーしたから分からなかったけど、多分パワーアップ系の薬もあったんでしょうね。
更に侵入者撃退用に絨毯もイミテーターでしたが、レンちゃんのお陰で踏まずに済んだ。ていうか研究員も使ってたのにそのまんまか。
また部屋に先頭で入ったガルガドが、例のマッサージチェアに捕まるというハプニングもありました。
ガルガド「おおおっ!?座らなくても伸びるのか!」
バス「ここはガルガドの犠牲的精神をありがたく受け取り、我々はさっさと前に進ませていただきましょう」
ガルガド「あほかー!」
こうしてイリーナがマッサージチェアを粉砕し、ノリスとヤムヤルが室内のブアウ・ゾンビを撃墜しました。
更にお日様ライトを覆う布の下にレッサーがいましたが、精神抵抗10のガルガドが魅了される筈もなく袋叩きにあって滅びました。
こうして一行はお日様ライトゲット。台車がついているので押していきます。更に奥へ通じる扉がドア・イミテーターでした。
これは全員で飛び道具の一斉射撃で粉砕したのですが、なんとイリーナが1ゾロを振る一方でバスが連続クリティカルで45点ダメージ!
ヒース「……イリーナの出した最高物理ダメージを塗り替えちまったぞ、バスが」
イリーナ「がーん!ぷしゅ〜〜〜それだけが、取り柄だったのに……旅に出ます。探さないでください」←ミュンクスか
骨執事「お見事でございます〜(拍手)」
エキュー「優秀だね。賞賛機能までついてるよ」
ただし後にペラペラのブックが、8連クリティカル50点ダメージで更に塗り替えますがね。グラスランナーなのに(笑)
そしてここにきてクラウスさんの《危険感知》がビリビリ来ていました。いよいよミシェイルも本気で攻めてくるようです。
マウナ「ひいいい……ということは、じつは、後ろから追い詰められてる?」
イリーナ「追い詰められているんじゃありません、わたしたちが誘き寄せているんです!」
マウナ「イリーナ、今度は死なないでね」
イリーナ「マウナもです」
バス「全員で生きて帰りましょう」
普段は自分だけでもと言うのに、ここに来て「全員で」と言いました。やはり既に悲劇の歌は求めていないのか。ちょっと感慨深い。
★大研究室の最終決戦
いよいよヘッポコ7人+2人のコンプリート・ヘッポコーズVS吸血鬼ミシェイルの戦いが始まります。
それは正に死闘でした。魔法を食らっては血反吐を吐き、ぶん殴られては精神力を持ってかれ、生死判定も数知れず。
戦いの舞台は巨大なダストシュートが設置された実験室。2人の人質と1人のレッサーもいたので、まずはそれを片付けます。
ただし今回もラウンド管理がかなり分かり難い事になっているので、毎ラウンド解説は難しい。最後の最後で残念でした。
まずヘッポコは人質を助けようとイリーナ・ノリス・バス・ガルガドが前に、残りの5人が後ろへ残りました。
この際本来はイリーナが"勇気ある者の盾"をかざしているだけで敵を誘き寄せ、前後に分裂する事も無かったのです。
そしてミシェイルはこっそりと"シースルー"をかけ、見えないところから"アシッド・クラウド"を後ろ5人+2へお見舞いしました。
マリグドライの時の報復と言わんばかりです。これでヒース・マウナ・レンちゃん・フレディが生死判定です。そしてフレディ死亡!
ヒース「フレディ〜〜〜〜〜!!(絶叫)」
ミシェイル「愛しいものを奪われる苦しみを思い知ったか!」
ヒース「愛しくなんかないわい!あほんだら!ばーか!」
抵抗には成功したのですが、17点ダメージでは助かる筈もない。一応主人のレベル(5)で減点できるのですが、生命点3じゃあ……。
またこの時ヒースは生命力3まで減っていて、使い魔のダメージは主人にも通る(最大で原点まで)為に3点ダメージで生死判定。
これだけで既に4回、例のトリプル・マッスル・ドッキングも入れると5回ですよ。使い魔とはいえ、長い間一緒だったから哀しいものです。
ただしこの時エキューは同時にミシェイルへ一矢報いていました。当たって回って21点、なんと9点削って残り17点です。
ガルガド「目指せ、レジェンド・オブ・エキューだの」
ラッキーヒットとはいえノルマは十分こなしている。あと無謀の槍でも撃ち込めればいいかな。抵抗されても数点は通る可能性はある。
ちなみにバンパイアの生命点は生前の生命力+12になるので、個体差があってもいい。ルールブックのソレはあくまでも平均なのです。
そしてバンパイアと対峙すれば《視線》の効果が発揮される。目標値は17と高めですが、バスが"レジスタンス"で援護です。
まだカンタマがかかってないのが惜しいけど、平均よりちょっと高めを出せば大体抵抗できる。何しろいきなりヒースがぶっ倒れたから。
ガルガド「全員……太陽ライトの前に集結じゃ!」
エキュー「僕とクラウスで、こいつを廊下に食い止めるから、部屋で陣形を整えるんだ!」
ガルガド「まだ死んではならんぞ、エキュー!エルフはまだいっぱいいる!」
エキュー「マウナさんのいない世界で生きていてもしょうがないけれど……エルフパラダイスへの道を歩むまでは死ねない……」
熱い、最後だけに熱いよ。これで陣形を整えた瞬間エキューが吹っ飛ぶと更に燃えるんですが(無茶言うな)。
太陽ライトを浴びている以上ミシェイルも毎ラウンド1点ずつ消耗している筈。当然相手も警戒するので、以後ノリスが押して逃げ回る。
この時点での各人の"レジスタンス"込みの精神抵抗は以下の通り。
ガルガド:12イリーナ:11
バス・ヤムヤル:10
マウナ・ノリス・クラウス:9
ヒース・エキュー:8
ガルガドやイリーナはともかく、バスとヤムヤルでようやく出目7で抵抗。それ以下は平均以上が必要になってキツイ。
ただし後にバスがコモンルーンで前衛にカンタマをかけるので、呪歌を再度歌えば更に+2。ガルガドなんて1ゾロ振らなければ大丈夫。
しかし案の定クラウスやエキューは麻痺してしまい、マウナがツイスターゲームの如く"レストア・ヘルス"をかけて回ります。
今回の戦いでは前後に別れたせいか、クラウス&エキューをマウナが癒すのが目立ちました。意図せずドラマチックな展開です。
ちなみに魔力8のマウナが17の麻痺を解除するのは結構厳しい。4点消費だから拡大すると結構な消費になりますね。
そしてうっかり殴られてクラウスさんも生死判定になったりもしました。これで早くも生死判定6回、でもまだまだ死に掛けますよ。
ヤムヤルは"パーシャル・ドラゴン"で立ち向かうも精神力を持っていかれ、何と残り1点。吸血鬼・竜司祭誕生まであと僅か。
《精神力奪取》は打撃力10+10点。出目7振っても13点だから、7レベルあっても6点も持っていかれるんですね。
そこでマウナが"シェイド"で気絶させる。魔力8なので7レベルのヤムヤルなら1ゾロ振らない限りは1点通って気絶できる。
この惨状の中、本命のイリーナは1ゾロを振り続けました。これは振り方そのものを変えた方がいいんじゃないかな、流石に酷過ぎる。
イリーナ「当たらない、回らない、掛からないの、ないない三拍子じゃ、わたしの存在価値ないじゃないですか!」
ミシェイル「くくく。お前たちを一人ずつ血祭りに上げて、大切なものを奪われる苦しみを与えてやる」
ガルガド「なるほど。では、是非わしを一番後にする方向で」
ミシェイル「貴様が、ダリアを滅ぼしたんだろうが、プリーストが―――ッ!」
イリーナはナイ・ナイ・ナイ・攻撃が当たらない♪。そしてガルガドは「挑発∞」ですね(どっちも古いよ)。
そこでバスはヴェーナーの特殊神聖魔法"ルーティーン"をイリーナへかけました。当時最新だった追加魔法ですね。
これは同じ行動をとり続ける限り達成値に+1という魔法。武器攻撃の場合目標も戦闘オプションも武器もタイミングも不変です。
要はミシェイルを相手に銀の四代目グレソーを振り続ければいい。シャープネス効果もあり、これでイリーナの攻撃力は9にもなる!
でも回避点は19(12)もあるんですよね。デュラハンの時と同じく結構当たり難い。まぁそれでも1ゾロ振っちゃ関係ないか(笑)
しかしそれでも少しずつ生命点が削られ、ついにキレたミシェイルは"炸・裂・気・弾"!!
打撃力30と酸の雲にも匹敵する神聖/暗黒魔法最強の攻撃魔法。ミシェイルは暗黒魔法8レベルなので、魔力11。7振ると18点とか来る。
これが何と見開き挿絵での大打撃でした。ミシェイルを中心にノリスを除く8人へ襲い掛かる強烈な波動、何てカッコイイ……(よろりら)。
これでヒース・エキュー・ヤムヤルは生死判定です。これで生死判定が計9回になりますかね。これは冗談抜きに歴代最多ですよ。
エキュー「僕は倒れる。でも同時に攻撃してるよ。ええい、くたばれ!よし、回った!」
GM「……あ、1点残った」
エキュー「……悔しい、ばたっ(生死判定成功)」
イリーナ「わたしが当てさえすれば、落ちるということです!ああん、14!」
GM「それ当たんない」
イリーナ「うわーん、わたし旅に出るー!」
本当に酷いよイリーナ。ワイバーンやアイアン・ゴーレムの時のミラクルはどうしたのやら。むしろそれで運を使い果たしたか?
続いてガルガドの"ホーリー・ライト"がトドメとなり、ミシェイルは靄となりました。デュラハンの時と同じですね。
マウナ「やった、やったよ。死人は出てないよ……果てしなく、生死判定してるけど……みんな無事だよう(涙)」←フレディは?
ミシェイルはイリーナの背負う棺に戻りました。全員の怪我を治してファンへ戻り、ジェニの"セーブ・ソウル"で昇天させて退治完了!
これはアンデッド共通の究極の退治方法ですね。魂を救済して普通の人間に戻してしまえば、最早復活する事もできずに召されますね。
イリーナ「本当は、こんな奴の魂を救うのは業腹ですが……」
ガルガド「法の裁きの場合は"リザレクション"まで必要になる。ほっといてやれ。どうせ、喜びの野には逝けんよ」
それは途方もなく目標値が高くなりますよ。仮にジャスト20年前にバンパイアになったとすると、目標値は740!
ジェニが魔力12で、大負けに負けて遺体の+6も有効としましょう。それで出目が最低3だとしたら、達成値720倍拡大!!
1日で儀式を終わらせようと思えば、信者のみだと7190人必要。寄進はなんと648万ガメル。ミンクスを越えました(笑)
悪い事言わないからそれは止めた方がいい。多分もっとかかるし。いっそ超英雄ポイントで自動的に成功にした方が楽なぐらい。
ちなみに面白夫婦はまだ地下にいました。
ヒース「おつかれさんでーっす。お先に失礼しまーす」←バイト口調
ラヴェルナ「本当に倒したんでしょうね、勘違いじゃなく!」
ヒース「……ケ、迷子女」
結局最後までローンダミスの存在意義は……。これなら素直に一緒に来て貰った方がまだ活躍できたかも。
★とにもかくにも大団円
こうしてミシェイルを退治した"ヘッポコーズ"は王宮と神殿からお褒めの言葉を貰い、"吸血鬼殺し"の英雄となったのです!
そういえば"巨人殺し"とか"竜殺し"とかはちょくちょく聞きますが、"吸血鬼殺し"というのは初耳。そもそも吸血鬼退治自体あまりないし。
新ロードスのアリシア司祭は"バニッシュ"一発でバンパイアを消滅させたりしてますけどね。やっぱりロードスの人間は異常に強い。
それからもしばらくはレッサーの残党狩りに狩り出されたりしつつ、徐々にオーファンにも平和な日々が戻ってきます。
でももう戻らないものもあったのです。ヒースはしょんぼりとして、魔術師ギルドにフレディのお墓を作ってあげました。
ノリス「これあげる。きっと、運命だね(デボンを差し出す)」
ヒース「いらんわ――っ!(大暴れ)」
駄目かな。結構いいと思うんですが。数値だけなら猫はカラスよりも優秀ですよ。飛べないけど。
それぞれの展望ですが、ヒースはデーヴィスの塔を研究室にくれるという話もあったそうです。森の中とはいえ結構なものじゃないですか。
ヒース「俺様ほどのシチ・ボーイが、森に引っ込むなんざありえん。あと30年経ってから考えてやる。
いっそ、ラヴェルナに対抗するように、反対周りでアレクラストを一周して『セイバーヘーゲン見聞録』でも書くか」
それは本気でやって欲しいかも。そしてヒースの書いた見聞録が、アトン事件後の新たな世界のワールドガイドになったりするといいな。
今回散々だったイリーナは修行のやり直しだそうです。力だけで勝てない、けど長所も捨てずに目指せ7レベル戦士!
イリーナ「いつか、アノスに巡礼したいなー。それまでは、いつものとおり、筋トレや引越しとか、薪割りのお手伝いをします!」
英雄になっても相変わらず便利屋か。そしてイリーナならきっと、いつかアノスに認められる聖堂騎士になれると思いますよ。
いっそヒースと一緒に旅に出ちゃえばいいんですよ。上手くすればクリスとも会えるかもしれないし。でもその前に器用度上げておけ(笑)
マウナ「あたしも、もうちょっと冒険に出たいと思うんだよね。
でも燃えちゃった小鳩亭の再建が一段落ついてからかな?それまでは、ゆっくりと女将修行するよ」
今回の件でしばらくクラウスさんも店に残ってくれるそうなので、未来の若夫婦とばかりに店を切り盛りするようです。
思えばマウナはこの中で最も自分の生き方を見つけた人なのかもしれない。最初は浮浪者同然だったのに、今では未来に希望が溢れてる。
ヤムヤルはやっぱり例の洞窟で修行三昧なのでしょう。もし次の出番があっても卵になってたらどうしよう。
そして今回バンパイアにトドメを刺したガルガドは神殿の用事で忙殺される。その一方できっと尊敬を集めてるでしょうね。
ガルガド「機会があれば、今度こそ、有能なシーフを育てる!」
マウナ「ノリス、有能じゃない。6レベル。しかも、精霊使い」
ガルガド「ふ……スピリットの……盗賊ソウルの問題じゃ」
何故そこまで盗賊に固執するのやら。もうちょっとノリスを可愛がってあげてもいいのに。……最早趣味か?
今回の件でついにヴェーナー神殿が建立された訳ですが、英雄歌を求めるバスの冒険もまだ終わらないようです。
バス「イリーナたちは、稀有な題材ですからな、新たな興味をそそる逸材が現れるまでは、皆さんとともに歩かせてもらいますぞ」
ヒース「まかせろ、大歓迎だ、底なし財布」
短編を見る限り、パーティーに入って一番変わったのはバスかもしれない。もう悲劇の歌ではなく、英雄の歌を求めてるのですから。
最後は二等辺三角関係の一角を担うエキューです。
エキュー「ぼ、僕も、もうちょっと冒険者でいようかな。マウナさんがクラウスにとられないように、監視しないと」
イリーナ「……現実を見よう?エキュー(にっこり)」
エキュー「それに、折角見つけたエルフ・パラダイスへの道だって、まだ追求してないしっ!」
イリーナ「あ、それも楽しそうですね」
マウナ「どんなエルフが好みなのか、よく見ておかなくっちゃ」
バス「次の振られっぷりも、よくよく、目に焼き付けて歌にせねばなりませんな」
エキュー「ああっ、みんなが野次馬と化している!」←微妙な友情だ
以後エキューは小鳩亭の常連として皆と一緒なのは嬉しいんですが、その一方でマウナとクラウスさんは同居するんですよね(苦笑)
その辺の事情はドラマCD版のリプレイ「仄明るい水の底から」で明らかになります。とは言ってもかなり勝負は見えていますが。
私は初めて"バブリーズ"を読んだ時、こんなにリプレイが好きになる事はもうないと思っていました。
でもどうやら2度目があったようです。10巻にも及ぶ"ヘッポコーズ"の冒険は、私の一番奥の心にそっと刻まれました。
それは時間が経つにつれ色々な思い出が湧いてくるものです。それを全部書くのは無理なので、最後に一つだけ言っておきます。
『ありがとうヘッポコーズ、本当に楽しかった!』