「旅立ち・お祭り・子供たち」監修:清松みゆき 著:篠谷志乃/グループSNE 出版社:富士見書房

戻る

第0話 生まれ出でるキャラクターたち

SWリプレイもついに第8部となりました。タイトルは「新ソード・ワールドRPGリプレイ集Waltz」です。

新名義に変わってからのお約束になったのか今回も作者は変わって篠谷志乃先生となり、舞台は第2部以来の西部諸国となります。

リプレイの雰囲気は史上類を見ない善良性に溢れていて、ほんわかぽよよんとした雰囲気はスチャラカ冒険隊に近い。

今回のパーティーは孤児院の先生とその教え子達です。パーティーというかファミリーであり、非常にアットホームな雰囲気なんですよ。


今回のキャラクター作成ルールは通常ルールとは違って「役割分担優先のキャラクター作成ルール」を採用しています。

「ロードス島ワールドガイド」の邪神戦争ルールでもあります。これは先に主技能の分担を決めてから、種族や能力値を決めるルールです。

初心者に負担の少ない戦士を任せたいという時などには有効であり、能力値も各技能に最適の割り振り方ができるからキャラも強めになります。

正に今回はSW初心者の方がいるので最適のルールなんですよ。同時期に発売された「猫の手冒険隊」に比べて、ビギナー向けのリプレイらしい。


キャラクター作成の大まかな流れは3つのパートに分かれます。まずは役割分担、人数を確認して的確な構成を確認します。

今回は5人パーティーなので戦士、盗賊、魔術師、精霊使い、司祭です。司祭が戦士も兼ねるという、正に基本的な構成ですね。

次に種族決めですが、これは各技能毎に2D6を振って表で決めます。また表の中の種族から任意に選んでも構いませんね。

今回は魔術師以外は皆人間を選んだのですが、魔術師のみ表を使ってエルフになりました。妖精が1人だけというのも歴代では珍しいですね。


最後に能力値決めです。これは副能力値を通常通りに8つ振って決め、これらをマニュアル通りに各欄に入れればいいというお手軽ルールです。

目が大きい順に決められた通りに記入するだけで、その技能に最適の割り振りができるのです。これも事故が少なくて安心ですね。

ただしこれができるのは人間だけであって、妖精はできません。だから例のエルフの魔術師のみ通常ルール通りに能力値を決めています。


実はこのルールでは「生まれ表」が存在しないんですよね。清松先生曰く、どうやらこれも任意に決めていいそうです。

そうなると人間にして都合のいい生まれをチョイスした方が楽かもしれませんね。戦士なら傭兵、盗賊なら悪党とね。あるいは一般市民。

今回は戦士が一般市民(車軸職人)、盗賊が悪党、精霊使いが呪い師、司祭が一般市民(コック)となりました。


つまりは能力値以外ではサイコロを振る必要がないルールなんです。担当技能に都合のいい種族と生まれを任意に決めていいんですから。

確かにこのルールならコストがやたら高い魔法使いの兼業とか、戦士のくせに魔術師生まれとかはできませんからね(笑)

ただし上記のように魔術師のくせにエルフというのはできちゃうんですよね、サイコロ振ると。魔法使い技能の兼業は不利なんですけどね。


ついでに能力値の割り振り方について検証してみました。副能力値を便宜的に1〜8とし、8から順にマニュアル通りに当てはめてみましょう。

この際能力値の最高値は15となり、最低値は3となります。平均は9になるので、これを参考に各技能での能力値の優先順位を考えます。


ファイター:器用度9、敏捷度11、知力6、筋力15、生命力12、精神力6

やはり戦士は筋力第一のようです。続いて生命力や敏捷度。器用度はそこそこあればいい。知力や精神力は割りとどうでも良さ気ですね。

シーフ:器用度14、敏捷度15、知力9、筋力9、生命力8、精神力4

盗賊に必要なのは敏捷度と器用度ですね。知力と筋力と生命力もそこそこ欲しい。精神力は後回しです。

プリースト:器用度9、敏捷度12、知力6、筋力8、生命力12、精神力13

戦士に共通する部分が多いですが、筋力ではなく精神力を要求される点が大違いですね。似通ってるからこそ神官戦士が成立する。

ソーサラー/シャーマン:器用度6、敏捷度12、知力15、筋力4、生命力9、精神力11

魔法使いな魔術師や精霊使いは割り振り方が全く同じです。知力が最優先で、続いて敏捷度や精神力。筋力は割りとどうでもいい。


こうして生まれた今回のキャラクター達が彼らです。エルフのナジカ先生以外は孤児院で育った兄弟達という設定です。


キーナ 15歳

ファイター2、レンジャー1、クラフトマン(車軸職人)3。装備はグレソー(21)とチェインメイル(19)。

PLは例の初心者の方ですがこのパーティーのメインウェポンです。真面目でマイペースで、特に特徴がないのが特徴かな。

その筋力は21とイリーナを彷彿とさせる怪力娘ですが、イリーナが打率の悪いホームランバッターならば、彼女は眠れる獅子です(笑)

また生命力と精神力も18と高く、最も低いのが12の知力と出目が良過ぎ。ブランシュとは実の姉妹や大親友のように仲がいい。

なお初心者なだけに経験者でしか知りえない情報を他のPLから聞きだしてくれるので、ビギナーの味方でもある。


ブランシュ 15歳

シャーマン/レンジャー/セージ1。装備はライト・クロスボウ(5)とソフトレザー(3)。あとおでこのリボンかな(装備?)。

子供っぽく感情の起伏が激しいかと思えば、大人のように冷静な時もある。天使のように繊細で、悪魔のように大胆な子です。

知力は19とやたら高いが、筋力は5とエルフ並。こっそり器用度も7しかない不器用さんだったりする。あと偏食持ちで肉が駄目。

ゲーム慣れしてるのかディケイと並ぶパーティーの司令塔です。あとキーナ大好きで、友情とか親愛を越えてる気がしなくもない(百合っぽい)。


ナジカ・ラッツェル・クフィアン・マリー ?歳

シャーマン/ソーサラー/セージ1。装備はメイジスタッフ(3)とクロース(3)。ラバのルルを飼っている。

一人称が「うち」のおっとりエルフ。子供達に勉強を教えることが生き甲斐のエルフで、正義感が強い。でもどこか世間知らずな所がある。

極めて善良だが体力がなく(筋力3、生命力9)周りをやきもきさせる。エルフだけあって上3つが19、18、21とやたら高い。


アイル・フォードラ 15歳

ファイター/プリースト(チャ・ザ)/バード1。装備はウォーハンマー(14)、スプリントアーマー(14)、スモールシールド(1)、リュート。

陽気なチャ・ザの神官戦士。一般技能:コック3も持っていて、ブランシュの偏食を直そうと日々努力する。むしろ栄養士。

ディケイを「兄ちゃん」と呼ぶ弟属性の持ち主。時にチャ・ザの声?を聞いて未来を言い当てる不思議な勘の持ち主。

敏捷度、生命力、精神力がそれぞれ18もあってこっそり優秀。彼もまた能力値の最低が12の知力だったりする。


ディケイ 17歳

シーフ2、セージ1。装備はブロードソード(10)、ダガー(5)、ソードブレイカー(5)、ハードレザー(10)、スモールシールド(1)。

他の兄弟達の兄貴分であり、一足早く社会に出ているのでとっても頼りになる。彼がいなかったら他の面子は何処ぞに売り飛ばされていたでしょう。

器用度22に敏捷度23とグララン並の性能を誇りつつ、筋力が19もあって盗賊にしとくのが勿体無い。その分精神力は9しかなかったりする。

戦闘ではパーティーの司令塔であり、日常生活でも仲間達を何かと助けてくれる、正に兄貴な男です。何故か右目が隠れている(車輪眼?)。


以上のキャラクター達が今回のリプレイのメンバーなのですが、このリプレイは従来のリプレイとは戦闘ルールが大きく違います

このリプレイが出る以前に「SWツアー4 パダ〜堕ちた都市レックス」にてVEコンバットという新ルールが発表されました。

これはVisual&Easyの略で、碁盤目状のマップを用いてキャラをユニットとして扱うため、視覚的に距離感や射線や視線を判定できるルールです。

これによって今までのルールではフォローし切れずにしばしば問題となった事柄が解決したのです(多分)。「猫の手」の2巻から導入されます。


ところがこのリプレイでは新たにSEコンバットというルールが導入されます。巻末にはちゃんとルールも載っていますよ。

従来のルールが複雑で抽象的だったのに対し、VEは簡略で具体的になりましたが、SEでは再び具体性を取り除かれています。

VEのようにスクエアマップを用いる事もないので、従来のルールの簡略型と言ってしまっていい。ただし従来のルールにはない要素もあります。

ちなみにSEというのはSuper Easyの略となっています。とにかく簡略化を目指したという事を主張するネーミングですね。


細かい事は文庫を読んでいただくとしますが、それでも私としては決してスルーできない事柄がやはりあるのです。

それが行動宣言と行動順のルールの変更です。これはVEでも同様の事柄なのですが、世界が大きく変革した気分にすらなります。

従来のルールではより知力の高いキャラがいる方が相手パーティーの行動宣言を聞けて、行動順はパーティーは関係なく敏捷度順でしたよね。


ところがVEとSEでは行動はパーティー単位なのです。レンジャー+知力で高い目を出したパーティーが先行なのです。

しかもパーティー内での行動順は自由です。ドワーフが動いた後にグラランが動くというのも全く問題はないのです。

行動宣言に至っては不要です。その場その場で何をするか決めていいので、行動宣言という物自体存在しないのです。


だから知力の高さによる先読みも、敏捷度の優位による先制攻撃も従来のようには行かないのです。戦闘バランスが大きく変わりました

だからペラペラーズのようにこれらに頼るパーティーは一気に弱体化するというので、ついた仇名が"ぺらぺら殺し"です(笑)

これによりレンジャー技能の必要性が上がりました。いや今までだって必要だったんですが、割と冒険者技能で代用される事が多かったから。


もう1つ大きな変革を挙げるとすれば、それは前衛と後衛の概念の導入です。これはVEにも存在しないルールです。

文字通りパーティーを前衛と後衛に分けないといけないのです。前衛は白兵戦、後衛は支援というセオリーは変わりませんけどね。

敵味方の前衛と後衛を考慮すれば4つの層が生まれるのですが、この層を越えて飛び道具や魔法を使うと誤射や誤爆の可能性が付き纏う。

これを避ける為に対象を限定する《ターゲッティング》と、それを保つ《ロックオン》というルールも忘れてはいけません。


あと移動の概念は完全削除されました。出会ったら即戦闘、どっちかが全滅するか泣くまで戦闘は続行するので、《不意打ち》判定もありません。

また接敵範囲というのも存在しません。前衛同士ならば任意に殴る対象を選べるのです。接敵からの離脱も存在しません。

これらの変更点により、VEと同じく変更・削除される魔法や戦闘オプションもあるので、巻末ルールをしっかり読まないといけませんね。

その他の命中判定とかダメージロールなどは変更されてません。レーティング表まで消しちゃったらSWじゃないし(苦笑)


現行のリプレイ(07年2月)はペラペラーズと猫の手とこのWaltzです。この内従来のルールを採用しているのはペラペラだけです。

そのペラペラーズも恐らくは今年中には終了するでしょうから、そうするとVEとSEのリプレイの2本立てになるんですよね。

清松先生によれば今後はそうして変えていくそうなのですが、それでは通常の戦闘ルールはどうなるのか?という話です。

確かに新たなルールが増える事は嬉しいのですが、それで20年来使われてきたルールを切り離してしまうのは寂しいものです。

今後通常の戦闘ルールが使われるリプレイというのは出るのか。古参ユーザーと新規ユーザーの隔たりを生んでしまいそうで、正直不安です。


第一話 青い皿と酒飲みゴブリン

★旅立ちは秋風と共に

西部諸国は"十字路の街"タイデルから徒歩2時間のその場所にカムカという村があり、そこには小さな孤児院がありました。

その設立は20年ほど前に遡ります。村長の知り合いのチャ・ザの神官戦士が連れてきた孤児達が、その最初の入院者達でした。

当時開墾期にあった村は人手が欲しく、子供達を養って働き手にする為に孤児院を設立したのでした。

孤児院の運営は村人や卒院生達の援助によって賄われ、自分達でも畑仕事をし、彼らは質素ながらも助け合って生活をしてきました。


院長はチャ・ザの神官(多分20年前の人)で、子供の面倒を見るのはエルフのナジカ先生でした。

当然この孤児院にはキーナ、ブランシュ、アイルもいますが、卒院間近です。ディケイは一足早く社会に出ているけど、今は里帰りしています。

孤児をどう扱うかというのはいつの世でも問題になるのですが、ここの彼らは親がいないながらもささやかな幸せと家族を持っていると思う。

技能も先生や年長者から教わったようですしね。ブランシュのシャーマン技能はナジカから教わって、キーナとアイルの一般技能も卒院生から。


ところが今年は大凶作であり、農村であるカムカ村自体が貧しい秋を迎えていました。秋の収穫祭も、感謝というか祈願です。

技能持ちがセージ+知力による《知識》や、レンジャー+知力による《動植物》判定を行っても、ハッキリした事は分かりませんでした。

目標値12でナジカが成功したのですが、どうやら犯人は虫っぽいというだけしか分かりませんでした。具体的にどういう虫なのか。

自然現象ならば精霊力の異常という可能性もありますが、虫が原因ならば違うんでしょうね。この虫は今後の伏線になっているのかな。


そこで院長は卒院間近のキーナ、ブランシュ、アイルとナジカ、あと里帰り中のディケイを呼び出したのでした。

院長「……米がない。味噌も切れた」←挿絵の緊迫感溢れる面々の表情がいい。

ファンタジーの世界でなんで米と味噌なのかというと、緊迫感を煽ろうとしただけです。本当は小麦とかバターでしょう(苦笑)

とにかく余裕がないので、卒院間近の年長3人に出てってもらおうというのです。ストレートに言うと、口減らしですね。

あとナジカ先生も出て行ってもらいます。エルフのくせに毎食食パン一斤を食う大食漢だからだそうです。痩せの大食いですね(食い過ぎ)。

結構強引に話を持っていっていますが、皆さん結構順応が早くて話が合う合う。早くも善良っぽいです。


なお彼らの装備はここで院長パーティーのお古を譲ってもらったという事になってます。という事は筋力21の戦士がいたんですね。

だったらその装備を売ってお金に換えればいいんですけど、愛用の装備を売るのはできないけど譲るのはOKらしい(思い出の品なんだね)。

ていうか「譲ってもらった」のに「所持金が減っている」のはどういう事か。どうせ減るなら新品持たせてやれよ、データは変わらないけど(苦笑)

それとも孤児だから所持金が少ないという当然の事実を、ここでバランスを取って実現させているとか。初っ端から生っぽいです。


彼らについては社会経験があってシッカリしているディケイに任されます。院長はこの為に彼を呼び戻したのだ、と兄やんが設定を作ってくれました。

これから彼らはタイデルにいって冒険者としてパーティーを組んで仕事をし、生活費を稼ぐ。余裕があったら孤児院に送金するのです。

思えば歴代パーティーの中でこうも明確で重要な目的意識を持って結成されたパーティーがいたでしょうか。いや、いない(反語)。

敢えて言えばアンマントですけど、彼らだって意図的に組まれた訳じゃないし。ヘッポコのイリーナなんかはこれに近いかもしれませんけど。


彼らは名誉とか地位とか出世とか、そういう華々しい道は関係なく、故郷で待つ弟妹達の為に冒険をするファミリーなんですね。

それだけで名称不確定の彼ら(07年2月現在)には好感が持てます。弟妹達とのお別れシーンとか世界名作劇場みたいですよね。

本当は追い出されるのは1人だけだったようですが、成り行き上全員が追い出される事になっちゃったんですけどね。


★おっと、カーニバル〜ユーリの依頼

こうして彼らは仕事を求め"十字路の街"タイデルにやって来ました。リプレイの舞台になるのはスチャラカ以来ですよね。

タイデルは政治的にも軍事的にも西部諸国の中ではトップです。ただしディケイの言うように十カ国の中では、ですけどね(苦笑)

東のロマールやオーファンと比べれば小国である事に変わりはないから、このタイデルで軍事同盟である「タイデルの盟約」が結ばれたのです。


彼らはこの街にある冒険者の店「緑のさざなみ亭」という店を頼ります。以前から孤児院が懇意にしてきた店です。

冒険者の店にはたまに勘違いミッションが依頼されてきたりするので(煙突の煤落としとかね)、そういうのを回してもらってるんですね。

流石に子供にモンスター退治とかは任せませんよね。危なくないのかと凄い心配そうにしていたナジカが本当にお母さんみたいでした。

店主はバソンさんです。イラストがないのでどういう人か分かりませんが、いい人っぽい。某中国の武将みたいなイメージがある(それは馬孫)。


今のタイデルは「五大神の祭り」を間近に控えているので、仕事の口ならばあるでしょう。スチャラカやナイトブレイカーズとは接点はないけど。

「五大神の祭り」といえば西部諸国でも最大級に賑やかなイベントです。彼らはいい時期に来ましたね、嬉しそうな子供達を見てると和みます。

そして突如走り出す子供達を追おうと人の波に飲まれるナジカ先生。おっとりした彼女にはちょっとスペクタクルな時期かもしれない(苦笑)

推定2年前に卒院しているディケイなんかは経験してるんじゃないですかね。ていうかこの街のギルドには入ってるのかな。

当然この祭りにも彼らは絡んでくるのですが、それは次のお話です。今回はまだ祭りが始まっていないので、その下準備のミッションです。


バソンさんは既に簡単そうな依頼を見繕ってくれていました。依頼の種類は運搬ですかね。依頼主はユーリという料理人です。

彼は「ユーリの店」というお高い料理店をやっている人で、実はアイルがバイトをしてたりするので顔見知りだったりする。

ユーリは今回のお祭りでスペシャル記念メニューを食べてくれたお客さんに、記念の飾り皿をプレゼントする企画を開催する予定なのです。

キーナ達の仕事は窯元の所へ行って、そのお皿100枚を受け取り、タイデルまで運ぶというものです。聞くだけなら戦闘はなさ気ですね。


報酬は1人300(前金60)の合計1500ガメルです。2レベル×2で1レベル×3の場合、相場は550〜2200なので妥当な額ですね。

ただし運搬中にお皿を割ってしまうと大変ですよ。この依頼ではモンスターというか、むしろそっちの方が脅威な気がします(苦笑)

90枚までなら全額払ってくれるけど、50〜89だと報酬は1枚15ガメルになるし、50枚以下だと後金は無しになるのです。


前金は1人60だから全額で300、後金は1200ですね。枚数が50〜89だと、報酬の変域は750〜1335になりますね。

すると後金の変域は前金300を引いた450〜1035です。90枚以上なら1200貰えるので、90枚と89枚の差は結構大きい(165)。

当然50枚と49枚の差も大きいですよね、450ガメルも違うんですから。これは慎重な仕事が必要ですね。


馬車を使うと皿が割れるので直接運ぶのですが、するとこのパーティーって筋力1桁が2人もいるんですよね。ルルに運ばせても大丈夫かな。

まぁキーナとディケイがやたらと力があるし、アイルも平均の力はあるんですけどね(14ね)。キーナなんてあの"至高神の猛女"−4ですよ。


★いざ窯元へ〜依頼話と自分の良心

目的のアスタ村までは徒歩1日、往復2日です。期限は5日だから、向こうで丸1日使っても余裕ですね。3日で済ませれば1人日給100ガメル。

ところが道中体力のないナジカとブランシュがヘタるという、ある意味当然のドタバタがあったりします。あると思いましたよ(苦笑)

ルルを引っ張ろうとして置いてかれてすっ転び、先頭を歩いてると思えばアッサリ教え子に抜かれる先生……生命力は1.5クレスポあるのに。

仕方ないのでナジカはブランシュをルルに乗せて(流石先生)、キーナは親孝行する娘のようにナジカを背負います。

パーティーの2/5が初っ端から力尽きるという事態に、挿絵のディケイ兄やんは物凄い不安そうな顔してます。大変だね兄やん(笑)


そんな珍道中もどうにか夕方にはアスタ村に着いて終了します。一応1日で着きましたね。夜にならないだけ頑張ったと思う、兄やんが

既に遭難者のようにフラフラのナジカ(乗ってたのに)ですが、ディケイに背中に杖を入れられてシャキンとします。筋金入りですね(意味が違う)。


ところがこの村では現在事件が起きているのです。ゴブリンが山を占拠してしまったのです。やっぱり戦闘はあるんですね。

それも都合の悪い事に記念皿(青)のある窯が山にあるのです。コッチにとっては都合が悪いけど、村人にとっては好都合のタイミングです。

丁度今冒険者を呼ぼうと人をやらせたと思ったら、その冒険者がやってきたんですから。凄い偶然ですね、ついてますね(そうか?)。

ところが当然キーナ達はそんな目的で来た訳ではないので、村人一同ガッカリしたような顔になります。肩透かしですからね。

これはRPG名物「偶然通りかかった村でバケモノ退治ミッション」ですね。ずっと昔から受け継がれている伝統です(嫌な伝統)。


なおゴブリンについては《怪物判定》で簡単に分かります。目標値5ですもんね、誰か成功するモンスターですから。

そのゴブどもは男衆がコッソリ隠しといた酒やおつまみを目当てに窯を占拠したのです。随分目ざといゴブもいたものです。

元々ゴブはいたのですが、これまではここまで大きな事件にはなりませんでした。ところが彼らは住処が土砂崩れで埋まってしまったのです。

それで止むを得ず部族揃って下山し、近くにあった窯と小屋を占拠したんですね。思えば可哀そうなものですが、放置はできません。


これが事件であり冒険者として依頼を請けるならば、当然ながら報酬を要求しないといけません。これはプロとしては当然の対価なのです。

それに奴さん達は酒をグビグビ飲んでいて、調子に乗って焼き物を投げて遊んでいるのです。早く行かないと元の報酬もパーになる。

窯元のルサンさんも、デカイ図体してるくせにメソメソ泣いてて可哀相だし、これは助けてやらないと嘘でしょう。依頼としてね。

ところがナジカ先生は「困ってる人からお金を取るん?」と難色を示します。そうか、この人は骨の髄まで善人(と書いてお人よし)だった。


ナジカ「困ったときは相身互い。そう言うて教えたやろ?」

ブランシュ「う、うん」

ナジカ「思い出しや。孤児院にいた時も、そうやって村の人たちと助け合うてきたやんか」

ブランシュ「は!そうだった」

アイル「先生、僕が間違っていました」←ボロボロ泣いてるらしい

キーナ「先生〜(涙)」

ここは何年B組の教室だ。素敵過ぎです、この師弟。でも現実問題お金がないと困るので報酬は貰いますけどね(貰うのか)。

荒地でも育つような種芋と、予定の報酬の半額の200ガメルを現金で貰いました。これを孤児院に送るのです。

そりゃあ困ってる時は助け合わないといけないけど、そのあんたらも今困ってるんだから、ギブ&テイクでいいじゃないですか。


★バリケードの攻防

こうして山のゴブリン退治に出かけた彼らは、見つからないようにとキーナのレンジャーの勘を頼りに茂みを進みました。

ブランシュもレンジャーだけど、精霊使いを先頭に立てるのは危険ですからね。飛んでくるものが皿でも当たれば痛いだろうし。

隊列は一列目がキーナとディケイ、二列目にナジカを挟み、三列目にアイルとブランシュです。戦士が魔法使いを挟む、基本的な隊列です。


ここで気になるのは隊列と陣形の関係です。SEでは出会ったら即戦闘なので《不意打ち》はない。では直前までの隊列は関係するのか?

隊列を考慮して前衛・後衛決めないといけないのか、それとも全部無視しちゃっていいのか。後者ならかなり自由度がありますね。

それこそ戦闘における技能バランスは考えずに、レンジャーやシーフ技能の高いキャラを前に立てて、罠を警戒すればいいだけですもんね。

実際直後の戦闘ではアイルがいきなり前衛に来てるし。確かに初心者向けかもしれないけど、緩すぎるのもどうかな。


彼らは途中にあるバリケードに着きました。警戒していた前2人は《罠発見》蔦を張ったスネア・トラップが山道を横切っているのを発見します。

山道を歩く人を引っ掛ける為にゴブが張ったんですね。かといってここで解除しようと茂みから出ると、バリケード番のゴブに気づかれる。

そこで先にバリケードの方に回るのですが、金属鎧が2人もいるのでゴブ&ホブゴブに発見されて戦闘に入ります。ついに初SE戦闘ですね。

何度も言ってるようにSEでは出会ったら即戦闘なので、先に発見しようがされようが条件は一緒なんですけどね(苦笑)


戦闘に入れば敵味方の前衛・後衛と、イニシアティブを決定しないといけないんですが……なんかかえって真新しくて面倒のような。

イニシアティブはモンスターは最も高いモンスターレベルを基準値にし、PCは全員がレンジャー+知力で判定するのが特徴です。

仮に敵がNPCでも、GMはレンジャー+知力が最も高い者のみダイスを振るのです。全員分振らせてたらGMが面倒ですからね。

同点の場合タイブレーク突入。PC側は2番目に達成値が高い者が、GM側は2番目にレベルの高い者を代表にまた振る。代表が出せないと負け。


イニシアティブはキーナの11が最高なのに対し、敵はホブゴブの3レベルに出目5で達成値8、キーナ達の先攻です。

SE及びVEではパーティー単位で戦闘が繰り返されるので、野球の表と裏になぞらえて1ラウンド目・表のように私は表記します。

よって今回は1ラウンド目の表がキーナ達を表し、裏はゴブリンズを表すとします。……やっぱり面倒のような、慣れのせいかな?

陣形はこちらの前衛はキーナ・ディケイ・アイル、後衛はナジカ・ブランシュです。敵はゴブもホブゴブも前衛。


1ラウンド目表、ナジカは"スリープ・クラウド"を撃とうとしますが、この状態では味方前衛を巻き込むので《ターゲッティング》です。

"スリープ・クラウド"のような範囲魔法は「後衛のみ」「全員」しか選べません。前衛を対象にするなら「全員」を選ばないといけません。

ところがこの「全員」が曲者でして、これをやると味方前衛を巻き込むんですよ。そういう時の為に《ターゲッティング》がある。

これなら味方前衛を巻き込まずゴブのみを狙える。この状態を維持するのが《ロックオン》です。主行動と副行動の関係ですが、詳しくは文庫で。


次にキーナがゴブをシバき倒します。攻撃力4で出目7なので11、ゴブの方も振って出目8で11なので命中(固定値じゃないらしい)。

ここからがキーナの筋力の見せ所でした。キーナのグレソーの威力は打撃力26+5点なので、出目8〜9で8点出して13点

ゴブの基本スペックは防御点5の生命点12なので8点通しで残り4点……と思いきやこれで倒れます。どうやら深酒をして弱ってるらしい(笑)

ディケイとアイルは急遽ホブゴブを狙いますが(行動宣言要らないからね)抜けず、ブランシュは様子見。1レベルだから無駄撃ちできない。


1ラウンド目裏、ホブゴブは革鎧のディケイを狙って普通に空振り。推定回避力6のディケイなら、攻撃点10なんて91.7%で回避です。


2ラウンド目表、ナジカの満を持しての"スリープ・クラウド"は抵抗される(残り12点)。ブランシュは"スネア"でホブゴブをすっ転ばす

親友の援護を受けてキーナが攻撃しますが、これが1ゾロだったりします。行動宣言要らないんだから《強打》しても良かったですね。

《強打》はダメージ+2か、クリティカル値−1になる代わりに回避力−4ですが、相手に反撃がないならやって損はない戦闘オプションです、

いくら行動宣言がないとはいえ、次に相手が「起き上がる」と行動がコミットされていれば、先読みはできているんですよ。

アイルも出目4で空振りに終わり、ディケイもマッチョとはいえ盗賊だからダメージは抜けず、ラウンド終了。終わるかと思ったのに。


2ラウンド目裏、立ち上がる、以上(笑)


3ラウンド目表、今度はナジカが"スネア"でホブゴブをコロンと転ばす。そういえばナジカは現在両ルーンマスター技能が同レベルでしたね。

ホブゴブは防御点7で生命点15です。キーナが15点で8点通し、アイルが10点で3点通し、ディケイが8点で1点通し倒れます

これでピッタリ倒れたということは、どうやらこのホブゴブの生命点は12点だったようですね。呑んでなければもう1ラウンドいけたのにね。


★いざ、山小屋へ〜青い皿を背負って

それなりの強さで最初の戦闘を乗り切れましたね。その後蔦の罠や、他に仕掛けられていた落とし穴も埋めて無力化し、小屋に到着します。

ここまでの罠は全部解除した(と思う)から、最悪の場合ふんばりダッシュで逃げられますね。ゴブの足なら追いつけません。

実はこのパーティーって結構敏捷度高いんですよね、ディケイが23でブランシュが14と低いものの、あと全員18ですよ。

ナジカの知力が21と高いので、通常ルールならばペラペラーズのように立ち回っていたかもしれませんね。


ただそのナジカが不安なんですけどね。もし罠を放置しといたら、落とし穴に引っかかるわ、蔦ですっ転ぶわしてたと思う(笑)

敏捷度は高いんだから大丈夫の筈なんですけど、なんでだろう、こんなにも不安になるのは。キャラの性格の問題でしょうか。


小屋まで来るとどうやらゴブどもは宴もたけなわのようで、小屋からポンポン焼き物をぶん投げていました。これには先生が大激怒

ナジカ「ええか、あんたら!それは村の人が一生懸命作らはった……」←鬼の形相

これは敏捷度と筋力の高いキーナとディケイがブロックし、事無きを得ました。でもほら、見つかっても即戦闘だし(そういう問題じゃない)。

これで気づいたのは、広場に散らばっている破片を踏むと音がするというもの。偶然を装った小粋なトラップですね。


どうやらゴブどもはかなりベロンベロンになってるらしいので、"スリープ・クラウド"か"ララバイ"で眠らせる作戦がありますね。

それとは別にナジカが小屋の前までいって"ロック"をかけるという、「悪い子を閉じ込めろ」作戦を提案しますが、却下(カツ○か)。

小屋の中にある皿が危険なのは変わりないし、なにより《忍び足》できないナジカじゃ見つかりますよ。下手したら1人で戦闘エリア展開(笑)


やがて小屋の中から色皿が飛んでくるという戦慄する事態に発展。赤とか緑とか、その内青いのも出てくる可能性がある。

"ララバイ"と"スリープ・クラウド"どちらがいいかというと、わざわざ範囲内まで接近しなくていい点"ララバイ"ですかね。

"スリープ・クラウド"をしようと近づくと、結局そのまま戦闘に入る可能性が高い。精神力だって決して余裕はないし。

でも"ララバイ"は効かなかった奴だけ出てくるでしょうね。全員に効かなかったらもうどうしようもありませんけどね。


これにはやはりナジカが心配そうにしますが、頼れるディケイ兄やんが必死の説得(というか口車)で丸め込みます。

ディケイ「先生がなんでも解決しちまったら、……俺たちはいつまでも大人になれないだろ?ナ、頼むよ」

ブランシュ「そうだよ、先生!先生の教えが今、発揮されるときなの。困ったときは、先生が助けてよ。ね?」

アイル「そうですよ、先生!」

キーナ「先生ぇ!」

ナジカ「……そうやね、みんなはもう大人なんやもんね(嬉し泣き)」

何この小芝居。本人達も楽しそうですね、この学園ドラマ乗り(笑)


こうして決行された"ララバイ"作戦は当然アイルが行くのですが、もしもの時の援護にレンジャーのブランシュもついていきます。

アイルは《忍び足》が平目な上に金属鎧なので心配でしたが、大回りしたのとゴブが酔ってるのが幸いしてなんとか成功。

ただ歌うだけだと敵意を感じ取って出てくるかもしれないという解釈で《歌唱》をするのですが、なにやら呪歌の判定と=らしい。

厳密には呪歌は呪歌で《呪歌》というバードの一能力なんですよね。基準値は同じバード+精神力なんですけどね。

最初に気づいたかどうかの判定をし、4ラウンド目に呪歌が効いたかの判定をしてるので、2つの判定を1回振りしただけと考えればいい。


"ララバイ"は歌い始めから4ラウンド目に抵抗ロールを行い、12ラウンド目に完全に眠りに入る事になってます。その間演奏は止められません。

ところがこれが出目10で達成値14、こんなもんに精神抵抗が9(2)のゴブができるはずもなく全員眠りました。ついでに先生も寝た(笑)

実は中にはゴブリン・シャーマンもいたんですが、精神抵抗10(3)じゃあ6ゾロ出さないと寝ちゃいますからね。

つまり達成値14なんて数値を出した時点で、シャーマンが6ゾロを振らない限り(97.2%)全員寝る事になってたんですね。

しかも酔ってましたしね。ルルブのエールのデータでは、酩酊状態だとあらゆる行動に−4修正が入る事になってるんですよね。


ゴブどもが眠りに着けば、キーナ、ディケイ、ブランシュの3人が小屋に入り(《忍び足》成功)、1匹ずつ潰していきます

アイルは演奏中だそうですが、12ラウンド歌って眠らせればもう自然の眠り状態ですから、演奏は不要です。


寝ていてもイニシアティブ判定はするのですが、ゴブはシャーマンの3レベルを基準に出目4で7に対し、キーナが10出して先攻を取ります。

陣形は前衛がキーナ・ディケイ・ブランシュで後衛はアイル(演奏中)。敵はゴブ×3が前衛で、シャーマンが後衛です。

ナジカは寝てるので、少なくとも1ラウンド目には参加できない。ていうかもういなくても問題ないような気がする、勝ったも同然(苦笑)


何故にブランシュが前衛かというと作戦の為です。ディケイとブランシュは1匹ずつ集中して確実に倒していく作戦を考えたのです。

まずキーナがぶん殴り、生き残っていたらディケイがぶん殴り、それでも生きていたらブランシュが"ファイア・ボルト"を使うのです。

ブランシュが前衛にいるのは誤射を避ける為です。射撃系の魔法は後衛から敵前衛を狙う場合、味方に誤射する可能性があるんですよ。

《ターゲッティング》でも防げますが、前衛に出てしまえばそれすら不要。元より1匹も起こさず潰すつもりなので、反撃も想定してません。

もちろん反撃がないとコミットされているので、キーナとディケイは《強打》でぶん殴っていきますよ。


余談ですがSEでの《突撃》は《強打》と同じ程度の効果が望まれているようです。なにしろ行動を遅らせるなどのルールは全部無視ですから。

そうなると両者の違いは追加ダメージ+2/クリティカル値−1打撃力+10かだけ。回避力−4になる点だって同じになる。

打撃力が10増えると、大体期待値が+2されるんですよね。クリティカルした際の膨らみ方は打撃力+10の方が大きいでしょうが。

安定したダメージ増加やクリティカルのし易さが欲しいなら《強打》、回ろうが回るまいがとにかく威力を増したいなら《突撃》ですね。


こうして始まった戦闘ですが、やはり予想通りに1ラウンドに1匹ずつゴブは倒されていき尚且つ起きずに、3ラウンドで前衛ゴブリンズ全滅

3ラウンド目の裏でゴブリンシャーマンが起き、ついでにナジカも起きて戦闘に参加しようとします。もう今更って気もしますが。

何故ナジカがゴブリンズの手番で起床ロールをしたかというと、SEでは使用者の敵ラウンドの終了時にこれを行う事になってるからです。

基本的には自分のラウンド終了時でいいんですけど、味方に眠らされた場合なんかはその限りではないのです。

1ラウンド=相手ラウンドの全員の手番が終了というSEの法則によるものでしょう。これは結構重要な約束です。


先生が来る前に始末しようとキーナが前衛になったシャーマンを13点でぶん殴りますが、2点残る(防御点6なので最大9点、でも通常12点)。

続いてディケイがやっとクリティカルして20点ダメージを叩き込み、12点のオーバーキルでゴブリンズは全滅したのでした。

この惨状を先生に見せるのは忍びないのですが、いい加減折り合いをつけてくれないと面倒なので何とかして欲しい。ノリスより面倒かも。


実はルサンさんはちゃっかり10枚余計に作っていたので110枚あったりしました。でも戦闘で青い皿は10枚ほど割れてしまいました、

そこから「ゴブが遊んでいて何枚割ったか」の判定で−1枚、「ルサンは焼きを失敗してないか」の判定で0と出ました。

つまり99枚を無事確保したんですね。あとは道中10枚以上割らないように気をつければ報酬は全額貰えます。


最後に先生と教え子達が虚空に向かって頭を下げていました。ゴブにだって理由があった訳ですからね。

殺生をする度に一々頭を下げる冒険者なんて聞いた事ありませんけど、確かにこの連中にはよく似合っている。


ただいつまでもそうして殺す事を嫌がってると死ぬでしょうけどね。冒険者家業はそんなに甘いものじゃない。

思いやりや慈悲のない正義は邪悪でしかありませんが、思いやりや慈悲のみでは奈落です。ただ自分が苦しむだけですよ。

このフォーセリアは今剣の時代です。法は現代以上に不備で、理不尽な暴力が普通に存在します。だから冒険者という家業が成立するのです。

生きるという事はそれだけで戦士たる事です。誰もが自分だけの戦いをしている。それが命のやり取りにならざるを得ないのが冒険者です。


さて、こうしてゴブを退治した彼らは200ガメルの現金と、1000ガメル相当の種芋をゲットしました(1000!?)。

これを孤児院に送金するわけですが、実際に銀行で手数料を払う訳がない。冒険者の店に預かってもらうんですよ。

そうして孤児院の代表者(主に年中組)が取りに来るんです。それはそれで危険な気もしますけどね。いっそ自分達で届けた方がいいかも。

あと皿は無事にタイデルまで運搬し、後金も貰って計1500ガメルの報酬もゲット。1発目の冒険から3000ガメル近い稼ぎですね。


今後の目標としては、種芋のような安定したの食料の確保。いつかタムタムの木(古)みたいな植物が手に入るかもしれませんね。

ユーリさんの100ガメルのお昼をご馳走になりましたし、1回目の冒険は結構上出来でした。タイデルにはもう少し滞在して、次は祭りです。


第二話 祭りと迷子と誘拐と

★成長報告

このリプレイでもやはり経験点の基本は1000点です。最大障害レベル×500点なんて豪快なリプレイをまた見たいものです。

今回の成長はブランシュがシャーマン1→2、アイルがプリースト(チャ・ザ)1→2、ナジカがセージ1→2。全員2レベルで並びました。

ナジカは覚える言語を「皆が知ってて自分が知らない」ものにしようとしてましたが、どうせなら誰も知らない言語にした方がいい。

では「誰から教わるのか?」という事になりますが、言語の習得にそういう制限はルール上ない。特殊な言語でない限り任意に覚えられます。

結局覚えたのは西方語の会話です。今まで子供達の内緒話は西方語でしてたから。なるほど、そういう解釈はありですね(笑)


★バイトをしよう!

五大神祭を間近にして、懐の寂しい5人はバソンさんの宿でバイトをする事にしました。この時期宿代も馬鹿にならないんでね。

女性陣はメイド服を着て接客と宿の掃除、アイルは厨房手伝いで、ディケイは買出し担当となりました。妥当といえば妥当です。

これが今回の見開きカラーに繋がってるんですね。黒いメイド服に白いエプロンで、バソンさんが微妙にセンスがいい

あとギャルソン(男の給仕)みたいなディケイ兄やんがカッコイイ。1回目のカラーなんだから、通常服にして欲しかった気もしますが。


ディケイ「俺は今、人生で大事なことを覚えた。持つべきものは、コネ

大切なものは金とコネであると、どっかの白粉付け耳エルフが高笑いしていそうです(苦笑)


ところがいざバイトがはじまってみると、これが「緑のさざなみ亭」にカオスな空間を作り上げていきます。

ナジカ「おいでやす、旦那さん(ぺこり)」

キーナ「お早いおつきで(にっこり)」

そんな京都風旅館な雰囲気に一人抵抗を覚えて首を傾げるアイルがいました。暴走しだすと一人置いてけぼりを食うタイプですね。


ディケイ「ねえ、そこの君。なんて名前?」←若い冒険者らしい

キーナ「キーナたんです」←!!?

あんた本当に初心者か(笑)。さっきまで京都風だと思えば、今度はメイド喫茶風。やりますね、素晴らしい。アイルがガタガタ震えてるし。


そうして店内が萌な客層(やな客層)に変わって混んでくると、今度はウェイトレスとしての成功ロールを行います。

しかしウェイトレス技能なんて一般技能持ってる訳がないので、冒険者+器用度で代用。目標値は11、微妙に難しいらしい。

意外な事にナジカは普通にこなせるんですよね、基準値5もあるし。でも筋力3だと重いものを持たせるのは不安なので空き皿専門。

でも器用度7で基準値4のブランシュは失敗、皿を割ります。器用度7って一般人以下ですもんね。滅多にお目にかからない数値だし。

あとナジカはお客さんの荷物を持とうとして落っことし、「お客さん、堪忍しておくれやす(涙の上目遣い)」で相手を恐縮させていたとか(笑)


こうしてタイデルに新しいタイプの店が生まれ、バソンさんは「私の目に狂いはなかった」と頷くんですね。仕掛け人ですね(笑)

ブランシュ「おかえりなさいませ、ご主人さま〜」

キーナ「戦場でお疲れになった心を癒します。おかえりなさい、ご主人さま〜」

ああ、もうここが「タイデル」なのか「京都」なのか「秋葉原」なのか分からない。何なんだこのカオスな店は(苦笑)


★タイデル五大神祭、開催!

こうして彼らは「五大神の祭り」を冒険者の店でのバイトの傍ら、堪能する事になりました。暇な時は遊びに行っていいんだとか。

祭りは9月26日〜30日の5日間ぶっ通しで行われ、色々なイベントがワールドガイドで明らかになっています。

しかし今回はそのスケジュールまでちゃんと決めてあるんですよね。毎年こうなのかは分かりませんが、大体こんな感じなんでしょう。


一日目:音楽祭(予選)、美人コンテスト(予選)、山車のパレード、武術大会

二日目:音楽祭(予選)、美人コンテスト(予選)、山車のパレード

三日目:音楽祭(予選)、美人コンテスト(本戦)

四日目:音楽祭(予選)、山車のパレード

五日目:音楽祭(本戦)、フィナーレ←何するの?

いずれも「タイデル騒乱!」で出てきましたっけ。きっと他にも小さいイベントが色々あるんでしょうね。


武術大会と美人コンテストはチャ・ザ主催です。武術大会はフォーマンセルの試合で、優勝賞金は1万ガメルだとか(また微妙な)。

4レベルがバンバン出るそうですが、一国の騎士団長が精々5レベルとかのこの西部諸国で、そんなに強い人がわんさか集まりますかね。

美人コンテストは容姿だけでなく、歌や踊りも審査対象なんだとか。優勝者は"タイデルの花"の称号を得られるらしい。


山車のパレードは五大神や城をモチーフにした山車が沢山通るんだとか。これもまた「タイデル騒乱!」でちょっと見れます。

確かあの時の祭りでは名もなき狂気の神の信者達のゾンビが担ぐ山車も出てましたっけ。グロイものを持ち出しますよね。

よくこの祭りは五大神だけでなく、六柱目の神もいるとかいう文句が多用されますが、実際六柱どころじゃない気がする(笑)

ナイトブレイカーズでも名もなき狂気の神、スチャラカではファラリスと色々悪さしてますからね。この分だと最近追加の暗黒神ミゴリとかいそう。


そして5日間ぶっ通しで行われるのが、ヴェーナー教団主催の音楽祭です。有名無名の歌舞音曲の人々が集まってくるのです。

出場資格は教団ではなく、聴衆に委ねられるのがポイントです。ストリートで芸を見せ、評判を勝ち取った者のみ本戦に出れます。

ただし聴衆も聴衆で耳が肥えた連中なので、情け容赦なく批評し、下手だと「ぷっ」とか笑われるという怖い場所でもある(笑)

そうして出場する野外劇場は"メテオ・ストライク"のクレーターを利用した豪快なものです。客席は七層もあるらしいし。

今回のリプレイでは予選からいきなり審査員つきの野外劇場で行われてましたが(のど自慢風に)、本来は神殿前で行います。


もちろんそういったイベント以外でも色々な露店やら各国や神殿のブースやらがあって、万博の如く様相を呈しています。

初めてのお祭りに期待をしつつ、子供達は交代でお祭りに繰り出すのでした。なお先生は基本的にお店にいます(それこそ目が離せない)。


あとお祭りに行く前に彼らはケフナ一家という、リファールから来た商人の家族と知り合いになりました。

ケフナ夫妻には子供が2人いて、フリフリワンピのツインテールな10歳ぐらいの長女フローラと、3歳児のアンジーちゃんです。

一般の宿屋と勘違いして冒険者の店を訪れたようですが、ちゃんとバソンさんは泊めますよ。祭りを楽しむ家族か、子供達には複雑ですね。


★いくぞ、お祭り!〜おみやげと魔法の苗

こうして祭りに繰り出す子供達ですが、当然こんなに人や物や金が集まると、犯罪者も集まってくるのです。

そこで街を歩いていると色々なイベントが起きる判定があったりします。場合が場合なのでヤバそうなのがよく出るバランスらしい。


まずキーナ&ブランシュ。民族衣装やらアクセやら各国の料理やらを見て回ります、逸れないよう手も繋いで。いかにも女友達ですね。

ところが彼女達はスリに遭いました。《スリ》はシーフ+器用度と冒険者+知力の達成値の比較になるのですが、負けちゃったみたいですね。

やられたのはキーナで、30ガメルがスられました。これにはブランシュも大激怒しますが、直後のウィンドウショッピングでストレス発散。


キーナ「ブランシュ、せっかくだし買いなよ」

ブランシュ「でも、そんなの買ったらキーナがいろいろ買えなくなっちゃうし」

キーナ「いいよ、ブランシュ。気にしないで好きに買って」

ブランシュ「キーナ、キーナ大好き!」←ハグしてる

いい子達ですね……。友達がスられても自分が多めに持ってるからと買い物を続け、キーナもそんな相手に好きに買い物させようとしてるんです。


次にアイルですが、几帳面にちゃんとルートを計画してから個人行動します。修学旅行でも迷わないタイプですね。

やはり見て回るのは食材関係ですが、彼もまたイベント表で運悪く当たり屋と遭遇してしまいます。「慰謝料払え」とかいうタイプ。

そこでアイルは責任を取って神聖魔法で癒しをしようとし、相手は面倒くさそうに去っていきました。相手が悪かったですね(苦笑)


その後、店に戻ると先生がいないというある意味予想通りの展開に首を傾げつつ、音楽祭に向かいます。都合により野外劇場で公演中です。

ここではなんとあの「ロック」が演奏されてるんですよ!。しかも結構好評、まさかリュクティ達が演奏してるのかな?(興奮)。

例え本人でなくても、この音楽にインスパイヤされた音楽家や聴衆が確かに沢山いるんですよ。これはかなり嬉しかったです。

彼らが「ロック」で盛り上がってるという事は、やはり「タイデル騒乱!」の後年の話なんですね。どうしてるのかな、ナイトブレイカーズ……。


ここにはあのケフナさんもいます。シャウトしながら物凄い縦乗りしてますよ。血管切れそう、ていうか娘が引きそう

なおこっそりライブ好きだったりするディケイ(の中の人)は心底残念がってました。あとでアイルの目の前で落ち込むでしょう(兄やん……)。

しかし兄ちゃん思いのアイルは、耳コピ!して即興で歌ってあげようとします。それを聞いたらリュクティがスカウトに来ますよ(笑)


ディケイですが、美人コンテストはもっと先に進んで美人が揃ってから見に行くそうで(合理的)、今日は武術大会に行きます。

出場はしませんが、自分よりレベルの高い人達の戦いを「カッケーカッケー」言いながら見てました。格闘技好きの高校生みたい(笑)

続いてイベント表で遭遇した怪しい宗教家の勧誘は軽く回避し、露店を回って商売の様子を見ます。商人にでもなる気かな。


そんな露店で一つ怪しげな店を発見しました。痩せた土地でも育つ「魔法の苗」というのを売っていました。……胡散臭。

店のおじさん曰く、ひと月で種が取れるらしい。それが本当なら凄いんですが、特別製の魔法の苗とか言われると凄い胡散臭い。

おじさんは一株100ガメルの貴重な品と言いつつ、二株で100とかいう通販のような売り方をしてます。それなら最初から1個50にしろ

いや半額でも高いですよね。50ガメルといえばそれなりの宿屋に泊まれるし、苗1つにそんな大金払うのは気が進みませんね。


ディケイは《動植物判定》を技能がないので平目で行い7と出ました。これは素人でも半々で成功するだろうと、目標値も7にしたので成功。

すると魔法かどうかはともかく、生命力旺盛っぽいと分かります。また曖昧な、正体がさっぱり分からないじゃないですか。

できればナジカに"センス・マジック"してもらいたいですね。いっそラーダ神官を連れてきて"インスピレーション"でしょうか。

結局怪しすぎるという事で買うのは見送り、ディケイはこの店をあとにします。果たして買うべきか、やめとくべきか。


なおナジカ先生ですが、店のお使いで外に出て卸屋に向かったら、美人コンテストに出る羽目になっていました。お約束ですね。

メイド姿の関西風エルフというもはや訳の分からんキャラと、自己アピールと言いつつ店のPRをする俗な所がウケて本戦に残ります

他にした事といえば孤児院での苦労話とかで前々自己アピールじゃないのにね。なんでこんなに盛り上がるんだろう(苦笑)

なお残ったかどうかの判定は冒険者+知力の振り合いでした。エルフ相手に知力勝負とは、審査員は何の技能を使ったんでしょうね。


どうやらこのPRのお陰で「緑のさざなみ亭」は大盛況だったようで、ナジカは十分過ぎるほどお店に貢献したようです。

そしてこれを見越してお使いに出させたとしたら、バソンさんは益々只者ではないですね。まさかこのシリーズのラスボス?(そんな訳ない)


こうしてそれぞれの1日が終了し、それぞれの体験談を語り合ったりします。なおケフナの旦那は喉を枯らして腰も痛めたとか。

すると例の魔法の苗がどうしてもナジカは気になります。もしそれが本物なら、この上ない食料源になりますからね。

今度はキーナとブランシュが《動植物判定》しますと、どうやらそれはひまわりっぽいという事が分かります。ハムスターの主食ですね(苦笑)


しかしひまわり1苗50ガメルというのは高いですよね。ていうか別に買わんでも、季節になれば種を分けてくれる人はいるでしょうし。

でもナジカは買います、高いなりの価値があるんだと信じて。どうせ買うならその前に"センス・マジック"はした方がいいですよ。

もし本物の魔法のひまわりだとしたら、見る見るうちに伸びて雲の上まで届くかもしれない。そうするとその上にお城が……(童話か)。


★消えたフローラ〜フローラ帰還

そして祭り二日目に事件は起こります。フローラちゃんが行方不明になってしまったのです。祭り時は絶対出るんですよね、子供の迷子って。

あとこういう時ですからドレックノールや秘密結社の人身売買組織なんかも出張してきています。つまり誘拐の可能性がある。


彼女が消えたのは昨日ハッスルし過ぎて具合の悪い父親が、祭りに行くのを中止したのが原因らしい。慣れないシャウトと縦ノリだったんですね。

それに疑問の顔をしていたナジカでしたが、親父が昨日ライブでハッスルしていたのだと聞いて合点がいった顔をしていました。

ナジカ「ああ!(中略)子供さんがいやはるのにハッスルしやはったんや思てしもうたよ」

教え子たち「先生ぇっ!

のんびりエルフに見えてやっぱり大人ですね。素でアダルトな方向に勘違いしてるし、宿屋で夫婦じゃ洒落にならないし(笑)


ちなみにフローラは栗色の髪に琥珀色の瞳の可愛い女の子です。青のワンピに赤・ピンク・オレンジのリボンと派手です。

それはもう攫われてるような気もしますよね。昨日から柄のよくない人間が出入りしてるのは分かりきっているし。

誘拐の可能性も考えて、彼らは街の警護をする衛視やファリス・マーファ教団だけでなく、迷子預かり所も尋ねます。


迷子相談所に行く前に《記憶術》を使ってディケイが似顔絵を描きました。これは達成値13とかなり優秀でしたね。

この時アイルも平目で書きましたが、達成値9と低くてツインテールならぬポニーテールの子を書いていました。

ところが実際に迷子預かり所にはフローラのリボンをつけたポニーテールの子がいるんですよね、これは正にアンビリーバボーでした。

実はアイルは先生が迷子になる予知能力の冗談を飛ばしていたので、この偶然の一致が本当に能力の開眼のようになりました。


あと治安の悪さをアピールしようと、もう一度イベント表を振ったらまたもスリが出現し、ナジカが300スられるという事件が発生。

例の魔法のひまわりを買おうとしてましたからね。ていうか6苗も買う分持ってこなくても……買うつもりだったのか。

それでもお金よりも女の子だと、先生は迷子預かり所に急ぐのでした。流石にエライですね、先生。でも冒険初期に300は痛い(苦笑)


迷子預かり所にいた例のポニーテールの女の子はバザールでフローラからリボンを貰っただけで、現在地までは分かりません。

こうして迷子預かり所にいると子供を捜す親が駆け込んできたりするのですが、それにブランシュは憤りを覚えていました。

ブランシュ「……捜してくれる親がいるだけで、いいじゃない

孤児というキャラのロールとしては、かなり良い部類に入ると思います。


ここから男2人は証言のあったバザールへ行き、女性陣は美人コンテストの会場に行って彼女を捜します。結果としていませんがね。

でも美人コンテストに出て、舞台で呼びかけをするキーナに物凄い好感が持てました。衛視から拍手が送られていましたしね。

あと自己アピールで「タウ○ンページを少々」とかブランシュを片手でリフトアップしてみせたりとか、本当にイリーナみたいですね。

一方ブランシュは「わたしのキーナがみんなの目に晒されるんだ」と、既に友達の領域を逸脱した発言をしていて興味津々(笑)

なお2人とも驚異的な達成値で(14とか15とか)見事に本戦出場。女性陣3人とも出ちゃいましたよ。


結局彼女が何処にいたかというと、昨日親父が行ったのと同じ野外劇場でした。目撃情報を得たディケイが急行し、遅れて皆もやってきます。

ここでのディケイがとにかく対応が早くて的確です。受付で事情を話して衛視達まで動かしてますよ、流石は兄やん。

先生は迷子預かり所に預けてきました。除け者にされたように見えますが、誰かが連れてくる可能性もあるんで。


衛視達によれば、確かにいるようですが会場は混んでいて見つけにくい。そこでアイルが出場し、全員で舞台から会場を見渡してみました。

すると達成値が13とか14とか15とかべらぼうに高く、難易度を高く設定したのにアッサリ発見。出場料100を払った価値はありました。

正確には出場料なんて要りませんけどね。何しろ本来はストリートで勝手に演奏するだけですから。ナイトブレイカーズもそうだし。

更には15のディケイはそんな彼女に忍び寄る人攫いっぽい男(正解)の存在を認め、彼女の元へダッシュしました。


アイルは覚悟を決めて出場していました。歌は「アイルが奏でるトラッド」、略して「アイリッシュ・トラッド」です(持ち歌!?)。

これが《歌唱》の達成値が13もありました(出目9)。ちょっとかじった程度の人間にできれば幸運という、かなりいい出来でした。

会場からはパラパラと拍手も送られ、大絶賛ではないけど認められていました。舞台裏で一人で嬉し泣きをするアイルの姿があったとか(寂しい)。


一方ディケイはそんなアイルの歌をBGMに走っていました。なんかうすた京介チックな世界に浸ったディケイが見える(笑)

フローラはそんなディケイに気づき、怒られると思って逃走。誘拐犯も動き彼女を抑えますが、キーナとブランシュに足止めを食らって戦闘突入


状況からして挟み撃ちなんですけど、SEではこういう時でも前衛と後衛しか決めません。簡便さ優先で、リアリティを犠牲にしてるんですね。

陣形は前衛がキーナとディケイ、後衛がブランシュです。イニシアティブはキーナが15(6ゾロ)を出してゲット、彼女はシッカリ取りますね。

誘拐犯の方は必然的に彼が前衛です。腕の中にはフローラがいるので、奪い返すなら素手で命中後に冒険者+筋力の比べ合いです。


1ラウンド目表、ディケイは8と目が悪く避けられる。ブランシュはキーナがフローラを奪い返しやすくしようと"デストラクション"をかけます。

するとキーナが彼女の奪取を試みた時、本当にその"デストラクション"のお陰でフローラ奪還。見事なコンビネーションです。


1ラウンド目裏、男は突破口を開こうとディケイに攻撃しますが、やっぱり回避。達成値10じゃ回避力6の彼には当たりませんね。


そうしてもう1ラウンド粘るのですが、キーナの9点の鉄拳(クリティカル)を受けて降伏します。9点って、一般人だと大怪我ですよ。

素手は0レーティングですからクリティカル値は12です。彼女は追加ダメージ5だから、6ゾロ振って4点で次に5以下で0点だったんですね。

この誘拐犯の男は衛視に渡そうとしますが、迷子預かり所に連れて行くと報奨金も出ると、親切な衛視が教えてくれたのでそっちにします。


こうしてフローラを助け出した彼らがナジカのいる迷子預かり所に行くと、そこで子供たちと一緒に眠る先生の姿を見るのです。

親からはぐれて泣き叫ぶ子供を全員寝かしつけるとは………伊達に孤児院の先生をしてませんね。子供の扱いにかけてはプロですね。

フローラは無事にケフナ夫妻の元へ届けられ、ホッと胸を撫で下ろしたのも束の間、事件はまだ終わってなかったのです。


★誘拐団のアジトを捜して

例の誘拐犯を捕まえたということで、尋問を終えた衛視は誘拐団のアジトの殲滅をキーナ達に依頼してきました。

連中はドレックノールの奴隷市場に子供を売り飛ばす組織で、現在はタイデルの南西にある「化石の街」に潜伏中だそうです。

子供は現在も5〜6人は捕まってるそうです。親と子を引き離す事に怒りを覚える彼らは当然請けますよ、人事ではないし。


なお報酬は全部込みで2000です。レベル二乗の100倍という、至って普通の報酬ですね。相場も相場です。

ところがまたもナジカは渋ります。衛視に当然の見返りだと言われ、キーナに生活が苦しいと言われ、それでもまだ渋ります。

結局は現実の苦しさに負けて請けますけどね。こうして報酬を貰う事が、長期的に見て教え子の為になると何故連想しないのか。

これだと短期的に相手の懐を若干温存させてやれるだけですよね。近視眼的な善人という、最も厄介なタイプの人になってしまう。

そのような融通の利かない所とか、勘違いした所は下っ端のファリス信者に似ています。独善というか何というか。


ナジカというキャラのロールとしては当然のように見えますが、円滑なプレイの妨げになるぐらいならいっそ止めてしまった方がいいと思う。

より高度なロールとは、キャラクターの個性を考え、無理と思える事でも自然にできるように理由をつける事だと思うんですがね。

そういう意味で駄目駄目だったのはヘッポコーズの初期のノリスとかね。MMOでもTRPGでも、あれでは他の顰蹙を買うだけです。

でもセッションを重ねるに連れて、冗談は冗談の枠に収めて自分のやるべき事はキッチリこなすような、非常に良いキャラになりました。

ナジカの場合、正義感を持って世の為人の為を思えばこそ、仕事も報酬もキッチリとケジメをつけるのが本来の在り方に思えます。


早速出発した一行ですが、アジトまでは《足跡追跡》で6ゾロを出したブランシュのお陰で簡単に辿り着けました。

そしてブランシュの発案で馬を逃がす作戦に出ます。これはディケイとブランシュの革鎧コンビが実行しました。

運悪く馬が嘶いて敵の下っ端が出てきてしまいましたが、ただの馬泥棒に見せかけて馬を逃がします。これで連中の機動力は失われましたね。

この時下っ端に捕まるかどうか冒険者+敏捷度の振り合いをしましたが、ブランシュが15(出目11)という素早さを発揮していました。


馬がいなければ馬車が動かず、子供達も運べないという事で、彼らは敵が馬の調達に出てくる所を待ち伏せしました。

すると思った通りにチンピラ風の男アニキっぽい人の2人が出てきたので、挟み撃ちにして捕獲してしまいます。

この時もディケイとブランシュを中心に作戦を立て、やはり革鎧のこの2人が《忍び足》で背後から詰める役割を果たします。

戦闘シーンはもうカットされてるぐらい手際がいい。尋問すると、敵はあと4人いる事まで分かります。数だけなら勝ってますね。

捕らえた男達は厳重に縛り、武装も解除します。ダガーやお金を取ろうと思えば取れたけど、流石に取らずにまとめて衛視に引き渡します。


余談ですが、SEでは前衛の数を決定する際、「味方全員の数」と「敵前衛の数」の少ない方の半分の数を前衛にしなければいけません。

味方の方が少なければ過半数を出してガードしないといけないし、襲い掛かる敵が少なければそれをブロックできるだけいれば十分だから。

もし仮に今回の敵が3〜4人前衛を立てるなら、こちらは最低2人を前に立てないといけない。1〜2人なら1人で十分になる。

こちらのパーティーには白兵戦が可能な者は3人もいるので、仮に向こうの方が多くても、この3人を出せばルール上問題はなくなります。


★突入作戦、実行!〜子供たちの帰る場所

いよいよ敵のアジトに突入する所まで来ました。明かりは1階と2階の2ヶ所についているので、まずはそこを当たる事になるでしょうね。

ここで唐突にチャ・ザの啓示を受信するアイルは「子供達は地下にいる」とか言い出しますが、それは本当だったりする(笑)


まずはブランシュが《忍び足》で1階の明かりがある部屋に接近し、《聞き耳》を立てます。レンジャー技能をフル活用してますね、彼女。

この最初の《忍び足》が出目4で達成値7と物凄い低いんですが、相手も出目3で気づかないという、微妙なバランスの取り方をしています。

GMはさっきから出目が4以上出ないとか言ってるんですが、もしかして秋田GMとは逆に出目が悪いタイプでしょうかね。


去り際の《忍び足》は失敗し気づかれてしまいますが、こういう難易度判定系はPLには成否は分からないものです。

ところが考えが口に出やすいGMは、ディケイにブランシュの存在が敵にバレたのだと悟られてしまいました。

言葉や顔に出る情報で判断するのは本来邪道と言われても仕方ないんですけど、そういう裏の情報も存在するのは確かです。

ブランシュは気づかれていないものとして行動していますが、こういう場合達成値や出目の大きさが自信の度合いだから、少し疑ってもいいと思う。


彼らは気づかれていないものとして突入するのですが、当然チンピラの1人が待ち構えています。でもSEなので《不意打ち》はなし。

これじゃあいくら気づかれても、敵に罠を仕掛ける余裕でも与えない限り普通に戦闘に入れますね。便利なのか詰まらんのか分かりません。

こうしてチンピラとの5対1のアンフェアな戦闘に入ります。ほとんど勝負は見えていますが、イニシアティブも普通に取りました。


1ラウンド目表、ナジカはディケイのお土産「引きこもりの精霊っぽい、うずくまる大きな顔」に"ライト"をかけます(何それ―笑)

ブランシュは初ウィスプで8点。続いてディケイの《強打》も命中して8点ダメージを受けてチンピラは倒れる。2発で倒れちゃいました。

たった2発とはいえ、相手が1〜2レベルで鎧の薄い盗賊なら十分倒れますよ。これで残る敵は3人、戦力を逐次投入してくれるから楽なもんです。


チンピラは倒しましたが、物音を立てたので気づかれたものとして一気に屋敷を捜索し、1階には何もないとして2階へ急行します。

ここでは階段の上り口で《罠感知》に失敗したディケイが鳴子&スネアの罠にかかりましたが、転ばずに耐え切って構わず前進。

明かりの点いていた部屋に入ると、そこにはアニキ(強い盗賊)とチンピラ(弱い盗賊)とローブの男(闇司祭、推定ファラリス)がいました。


フードの男が闇司祭だと判明した時、その脅威に驚く仲間達の中で、何のことか分からずキョトンとするキーナがいました。

これはフォーセリアの世界観に慣れていないのだから仕方ない。これから少しずつ地図を広げていけばいいんですよ。幸い周りに仲間もいるし。

そういえばペラペラーズのシャイアラも時にそういう顔をしますが、それは知る楽しみがまだまだある事を意味する。

知り過ぎるというのは、時に退屈を生みます。新しいものを欲さざるを得なくなる。知らない事が多い方が、新鮮が多くて冒険は面白いもんです。


今回の陣形はいつも通りに前衛はキーナ、ディケイ、アイル、後衛はナジカとブランシュです。敵は前衛がチンピラとアニキ、後衛がローブです。

イニシアティブはついにGMが取りました。従って今回の戦闘では表が敵、裏がキーナ達になりました。


1ラウンド目表、喜び勇んでアニキはキーナを、チンピラはディケイを攻撃しますが、全部ハズレ。運を使い果たしたかな。

ローブはナジカに"ウーンズ"です。このように射撃でも範囲でもない魔法は《ロックオン》なしでかけられますよ。

14とか随分達成値が高かったけど、ナジカが15(出目11)を出して効果消滅です。"ウーンズ"の場合抵抗されるとダメージは一切なしです。


1ラウンド目裏、ナジカはローブに"スリープ・クラウド"です。後衛のみなら《ロックオン》要らずですが、やっぱり抵抗される。

キーナは前回覚えた《強打》でアニキをシバきますが、10点なのでまだ倒れない。《強打》は回避がキツくなるので、多様は禁物です。

戦闘オプションというのは適時に使えば効果があるというものであって、常に使い続けるように覚えてしまうと危険ですが、彼女は大丈夫だと思う。

ディケイとアイルもアニキを狙いますが当たらない。ブランシュがウィスプを当てますが、残り1点という所でフンバります。


2ラウンド目表、アニキとチンピラはキーナに集中攻撃をしますが、1点抜けただけ。「キーナになんてことを〜〜〜〜っ!!」by.ブランシュ。

彼女は本当にキーナラブですね。もうラブまで行ってるともう。あとローブの"ウーンズ"がキーナにいきますが抵抗。


2ラウンド目裏、キーナに怪我をさせたアニキにブランシュがウィスプ。これがクリティカルで14点、アニキ撃沈

しかし残り1点で14点って、それじゃあまず即死ですよね。それに関してはナジカからなんのコメントもありませんが、カットされたのかな?

続けてナジカが前衛3人に"プロテクション"。でもこういった援護魔法はラウンドの最後まで回した方がいいですよ(カンタマとか)。

何かの拍子に敵が全滅したらかけ損ですからね。今回はこれがボス戦ですけど、そうでない時もある。SEやVEでのセオリーになると思う。


続けてチンピラをディケイが攻撃しますが鎧でカキン。でも次のキーナがまたも《強打》でしかもクリティカルし、一撃でチンピラ撃沈

するとアイルは敵前衛がいなくなってしまいますが、そういう場合任意の後衛を攻撃できます。それでローブに攻撃しますが回避されました。

この時のアイルの攻撃の達成値は9で、相手はそれを普通に回避しているところを見ると、ファイターかシーフ持ちの神官戦士かな。


3ラウンド目表、実は3レベル闇司祭な敵はキーナに"ポイズン"をかけようとします。"キュアー・ポイズン"すると交渉の材料にするつもりですね。

確かに敵に対処法のない魔法をかけるというのも一つの手ですよね、相手は譲渡せざるを得ない。まぁキーナはアッサリ抵抗しますけどね。


続けてキーナ達の手番になると降伏勧告などをします。相手は死罪はないだろうという打算で降伏に応じ、誘拐団は全滅しました。

子供達はアイルの電波通りに本当に地下にいたりして笑いました。この子達も無事に親元へ帰されて、一件落着です。

でもこの時帰宅する親子連れを見て、ブランシュがキーナにギュッと掴まってるのが印象に残りました。挿絵にもあるぐらいだし。

あとこの時助けた少年の1人が謎の石版を彼らに渡してくれたのが、次の冒険の伏線となっています。


なお美人コンテストに参加した女性陣ですが、本戦では流石に勝てませんでした。優勝者は胸の大きなガラドリエル様みたいな人だったとか(笑)

この時ナジカはバソンさん作詞・作曲の「恋の魔術師ミラクルナジカ」を歌ったけどウケなかったらしい。バソンさんて何者?

あと音楽祭では「ロック」が上位に食い込んだらしい。リュクティだったらさぞ大喜びだったでしょうね。ケフナ一家も間もなく帰国しました。

ナジカはやはりあの魔法の苗を買ったらしい、しかも6株も(300ガメル)。今後これがどうなるか、楽しみのような、不安のような。


第三話 遺跡と人のいい依頼人

★成長報告

今回の成長は前衛2人です。キーナがファイター2→3、ディケイはシーフ2→3と成長し、パーティーは3レベル代に足を突っ込みました。

キャラメイク以降はじめての成長に喜びも顕なキーナがいいですね。「成長」というのはRPGの楽しみの一つですからね。


★小さな依頼人〜真面目で不器用な神官の話

今回の冒険は彼らにとって初めてのダンジョン・アドベンチャーとなります。舞台はあの「化石の街」ですよ。

「化石の街」とは文字通り化石になった街であり、西部諸国ワールドガイドに記述があるものの、公式では初めて?踏み込む場所です。

この街はカストゥールの遺跡なのですが、当時の魔法の暴走により住民一同石化して滅亡したという悲劇の街です。

魔法の暴走で全滅したという点では「いにしえの滅びの街」とよく似てますね。もっともこちらには幽霊の類は出ないようですが。


昨今タイデルではその石化した人々を救出し、古代の貴重な知識を得ようと「化石の街復興計画」というものが進められています。

プロジェクトは複数のチームでなり、優秀な魔術師やラーダ司祭で構成された解呪隊。その他の宗派の司祭と精霊使いで構成された治療部隊

傭兵や兵隊で構成された護衛部隊。賢者や市民の有志で構成された管理部から成っていて、それぞれのセクションで役割を分担しています。

具体的な手順としては、ディスペルや"リフレッシュ"で石化を解除し、"スリープ"で眠らせて神聖魔法で体の欠損を補い彼らを復活させます。

その間無防備な彼らを護衛部隊が守り、具体的な調査や古代人の身の振り方などは管理部が行うという事になっています。


なかなかよくできたプロジェクトですが、非常に気になるのは本当に石化を解除できるのか?という点です。

この石化が魔力の暴走によって生じたものならば、確かにディスペルは効果があるかもしれないけど、恐ろしく目標値は高そうです。

また"リフレッシュ"ならば石化は問答無用で解除できるのですが、彼らが石化してるならともかく、化石になっているならその限りではない。

そもそもフォーセリアにおける化石とは何を示すのか。石だけを示すならともかく、それ以外の鉱物になっていたら"リフレッシュ"できるのか。


今回の依頼人はその「化石の街復興計画」に関わるラーダ神官イアソンさんと、その息子のポール君でした。

実を言うとポール君の弟は先日の誘拐事件でキーナ達に救出されていて、その時石版をお礼にくれた少年なんですよ。

ポール君が彼らの前に現れた時、初対面ではあるが面立ちに覚えがあるかもと(兄弟だからね)《記憶術》判定しましたが、分かりませんでした。


イアソンさんは復興計画に携わる真面目で研究熱心な人なのですが、おっとりウッカリどんくさいといった人でもあります。

その性格が災いして、ある日彼は報告書を魔術師サン(魔術師さんではなく)に盗まれてしまい、すっかり信頼を失ってしまったのです。

上司に訴えたのですが、サンは口が上手くてかえって立場を悪化させる事になりました。今の彼はすっかり研究から除け者です。

そこで動いたのはポール君でした。彼は父親の名誉を回復させようと、例の石版を返して貰おうと、キーナ達の前に現れたんですね。


実はこの石版は未発掘の遺跡「アズレアの隠れ家」の地図を示しているのです。ここで成果をあげれば中央に復帰も可能かもしれない。

ポール君は石版を返して貰うか、駄目なら探索に父親を誘って貰うつもりでした。一度はあげたものだというのは承知の上での必死のお願いでした。

やがてイアソンさんが息子を追ってきまして、最初は遠慮していたのですが凄い善い人達だと分かり、最後は護衛の依頼になります。

イアソンさんは3レベルのプリースト(ラーダ)/セージですから護衛は必要ですね。それにしても、父親思いのいい子ですね。


なお今のイアソンさんはすっかり自信をなくしていて、信仰を見失いつつあり、プリースト技能が非常に不安定な特殊な状態にあります。

具体的には魔法を使う時出目に1が混じってたら失敗となります。つまり11/36(30.6%)、およそ3回に1回は失敗する状態です。

技能を失ったのではなく、失敗し易くなっているというのが今回の特殊さです。剥奪はあると聞きますが、失敗し易いというのは初めて聞いた。


一方技能の剥奪は神官があまりにも教義に反するようになるとあり得る。例えばファリス信者のくせに無辜の民を虐殺したりね。

でも普通そんなにまで心変わりする事はないでしょう。確かに人は変わるかもしれないけど、それまでの生き方を全否定するまで変わるのは稀です。

PCで技能剥奪というのはよっぽどですね。あるとしたらそれはシナリオに組み込まれた事件とか、当人のプレイが酷過ぎる場合のGMの裁定とか。


家族の絆に滅法弱い彼らはこの依頼にかなり乗り気です。本当に善い人達です……ペラペラーズのマロウが5人いるような気がする(笑)

石版を返して欲しいと言われた時も、何の見返りも求めず簡単に返そうとしますしね。父親を思った行動ならばと、誰も反対すらしません。

金にガメつい冒険者だったら、こんなに美味しそうな話はそうそう手放さないんですけどね。本当に善い人達です、善良過ぎて心配ですが。


報酬は1人400とこれもまた相場の範囲内です。でもまたもナジカが「そんなに貰えない」と貰い渋りをしだします。いい加減誰かガツンと言え。

ディケイ「向こうの言い値で仕事を受けるのは、悪じゃない。高いと思うなら、その分労働で払えばいいんだ」

よく言った、流石は兄やん。別に足元を見て法外な額を要求してるしてる訳じゃないんだから、これは正当な取引なんですよ。


そこでナジカも妥協します。まず1人200で、イアソンさんが名誉を回復して満足したらもう200を貰うという契約です。

なるほど、それなら納得です。言い換えれば成功報酬ですからね。ただ「満足したら」という基準が曖昧ですが、この際良いとしましょう。

多分ナジカのPLだって分かってやってるとは思うんですよ。自分がこう言っても、ディケイ辺りが修正してくれるだろうと。

ある意味他者を信頼したロールかもしれませんが、過ぎれば場を混乱させるだけのロールでもある。非常に絶妙なバランスの上のロールです。


あとナジカはどさくさに紛れて魔法のサトイモをリクエストします。要は厳しい環境でも育つ、生命力の強い植物ですね。

このフォーセリアには黄金樹のような強い生命力を持つ植物が存在するし、人を丸呑みするような植物だってあるから、満更夢でもありません。

黄金樹の枝だけでもいいから手に入れば、それだけでその土地の豊穣は約束されたようなものです。流石に難しいでしょうが。


★化石の街の黒い足〜遺跡の中は……アリがいっぱい?

こうしてイアソンさんを加えて6人パーティーとなった一行は、「化石の街」の何処かにある「アズレアの隠れ家」を目指しました。

場所の特定にはレンジャー技能が大活躍です。まず《地図作成》で場所を割り出します。地図を作るだけのこの能力ではないのです。

道中《捜索》によって節足動物の足!を発見します。足だけそこに落ちてるのだから、これはなかなかに衝撃的ですね。

正体を探ろうとまたもセージ技能の《怪物判定》やレンジャー技能の《動植物判定》をしてみると、ジャイアント・アントの足だと分かります。


そこで彼らの前を通り縋ったのはジャイアント・アントでした。幸いにも気づかれずに済みました。無用な殺生は避けるのが彼らの流儀なのです。

どうやら今回彼らの前に立ち塞がるのはジャイアント・アントのようですね。アリとはいえ、初心者冒険者では決して舐めてはかかれません。


ジャイアント・アントには複数の種類が存在し、今通り縋ったのは通常のジャイアント・アント(3レベル)です。

他にも幼生であるジャイアント・アント・インファント(3レベル、若干弱い)や、戦士であるジャイアント・アント・ソルジャー(4レベル)がいます。

更にそれらを統率する女王アリ、つまりジャイアント・アント・クイーン(5レベル)なんて強敵もいます。いずれも防御点が高いのが脅威です。

ソルジャー以下のアリ達には知性はなく暴力的ですが、クイーンは低いながらも知性を持ち、配下を指揮します。

1体やそこらならいいんですが、彼らの巣を突くと大変な事になる。冒険者のような少数チームにとっては、常に数は脅威なのです。


やがて「アズレアの隠れ家」へ到達します。現在のこの遺跡は人工の部分だけでなく、アリによって浸食された地肌丸出しの部分もあります。

隊列はディケイ、キーナ、ナジカ、イアソン、ブランシュ、アイルと無難。2列になる場合、前から詰めれば中2人をしっかり守れます。

ナジカは子持ち同士イアソンさんとお喋りします。(孤児院で育てた)子供が60人とか言い出した時はかなりショッキングでしたが(笑)


遺跡の中を進む一行は、ついに巨大アリと避けがたい接触をし、戦闘に入りました。敵はノーマル×1にソルジャー×1です。

ソルジャーは打撃力10+4のダメージ毒(毒性値10)を持っているので、アイルが"キュアー・ポイズン"できないと不安がってました。

でも大丈夫です、この毒は毒というか蟻酸?ですから。持続するタイプのものではないので、初めから"キュアー・ポイズン"は無意味です。

蟻酸というとクリスタニアのミュルミドンを思い出しますね。あと毒といえば、イアソンさんは一応解毒できるんですよね。

あと《精神的攻撃は無効》となっていますが、精神点が存在すれば"シェイド"は効く。そうでないと魔神王は倒せないじゃないですか。


今回の陣形はキーナ、ディケイ、アイルが前衛。残り3人は後衛。アリは2匹とも前衛です。今回はアリがイニシアティブを獲得


1ラウンド目表、ノーマルはキーナを攻撃してハズレ。ソルジャーはディケイに牙・爪・爪の3回攻撃を繰り出すも、全弾ハズレ

今のディケイは回避力は推定7です。一方ソルジャーの攻撃点は11(4)×1に12(5)×2ですから、全弾回避の確率は47.7%ぐらい。


1ラウンド目裏、ディケイは《防御専念》で回避力+2です。当たると打撃点14とか来るし。この場合全部避ける確率は73.8%。

キーナとアイルはダメージを与えられず、ブランシュのウィスプもチクリ。ナジカは魔力温存。イアソンさんは基本的に動かない。

いっそアイルが"フォース"を使うというのも手ですが、いきなり精神力を減らすと回復が不安なんですよね。イアソンさんには言えませんが(苦笑)


2ラウンド目表、ディケイはまたも全弾回避しますが、キーナは当てられて4点抜けました。これにはブランシュとナジカが大激怒

ブランシュ「そこのアリ、むかー!

ナジカ「ホンマにゆるさへんよ。キーナちゃんをキズモノにするなんて!」←それだと誤解がある。

愛されてますね、キーナ。


2ラウンド目裏、キーナはナジカのエンチャントの援護を受けつつ、アリを返り討ちにしようとして小ダメージ(実は怒ってた)。

次のアイルは「来い、チャ・ザの神!」という掛け声とともに2連クリティカル!ウォーハンマーでクリティカルって、6ゾロなんですけど(笑)

これがなんと24点ダメージで残り1点まで追い詰めます。するとそれに触発されたイアソンさんは敵ソルジャーに《ターゲッティング》します。

ブランシュもウィスプ対象2倍がけでアリを攻撃し、またも2連クリティカルでノーマルを粉砕します。ソルジャーも5点削ります。


3ラウンド目表、ソルジャーがディケイを攻撃し全弾ハズレ、以上(出目悪いらしい―笑)


3ラウンド目裏、ついにイアソンさんが沈黙を破って"フォース"をソルジャーにぶっ放します。これが成功すれば自信回復につながる。

するとどういう訳だかGMの目はここでは走り、イアソンさんはソルジャーの生命点を半分カット。不発でなくて良かったですね。

次にディケイが避けるのも飽きたと攻撃したら6ゾロヒット。神に合掌して祈ったら更にクリティカル!あんたら何かおかしいよ(笑)

これでソルジャーは残り3点まで弱りますが、続くキーナとアイルの攻撃は1ゾロで生き延びます。これがチャ・ザ クオリティ


4ラウンド目表、やっぱりハズレ。あと文庫ではここが5ラウンド目と誤植になってる。


4ラウンド目裏、キーナが攻撃すると出目が悪かったのですが、GMはそれ以上に出目が悪く命中。憑いてる、チャ・ザが憑いてる(笑)

これがなんとクリティカル25点斬りとなり、ソルジャーは即死したのでした。残り3点で防御点9に25点って、13点オーバーキル。


★アリか、ちゅーか〜危険な予感の南の部屋

最初のアリを撃退した一行は更に先に進みます。そこで《捜索》《怪物/動植物判定》をするとジャイアント・ラットの足跡を発見します。

ジャイアント・ラットといえばジャイアント・アントほどは強くないけど、ラット・ディジーズという病気を持ってますからね。

施療の為の"キュアー・ディジーズ"は4レベルだから、イアソンさんにも使えません。対処法がないというのは怖いものです。


そのネズミがいると思しき半開きの東のドアと、その先にアリがいるであろう閉じた南のドアがあります。つまりアリかちゅーか、ですね。

ここでアイルは例の電波を受信し、南の部屋はヤバイと言い出します。これも正解、南にはクイーン以下アリの群れがいるんですよ。

一行はイアソンさんに意見を求めますが、あんまりNPCがリーダーシップを発揮するものではないし、当人まだ情緒不安定なので断言はしません。

でも南の閉じたドアはネズミに荒らされていないかもと、一応の希望は口にします。そうなると依頼人の意向に従うのが彼らの流儀なので南下。


そうして南へ行って《聞き耳》してみると、「ギチッ、ギチッ」「ニチャラニチャラ」「ズズーンズズーン」というヤバそうな音がするんですよね。

この《聞き耳》もまたアイルの勘で行った事ですが、本当に何か憑いてるみたいですね。もし無警戒に突入してたら大事ですよ。

部屋の中は赤外線視覚とセージ技能を持つナジカが覗きました。怖いんですけど、妥当な人選ではあるんですよね。

するとそこにはジャイアント・アント・クイーンの巨体が見えるんですよね。お腹がぶよぶよしていて、裂いたら卵が沢山出てきそうな(キモ)。


この広間の先には間仕切りされた鉄の扉があるのですが、流石にこのアリの群れを突破する気にはなれずに、ちゅーの道へ行きます。

アリの入って来れそうにない今いる通路からひたすら飛び道具で攻撃すれば倒せるかもしれないけど、恐ろしく時間がかかりそうです。

地の利を生かして通路の出入り口で1対多の戦いをするというのも手ですが、行ける所を見てからの方が無難です。


★地下二階に潜むもの〜乙女の寝室

アリの群れを避けたい彼らは、地下2階を経由して向こう側に辿り着けるルートを選びました。これが噂のちゅーの道

予想通りにそこにはジャイアント・ラットが住み着いていました。1階には彼らが太刀打ちできない巨大アリがいるので、大分飢えている様子。

《聞き耳》に失敗してネズミの3回攻撃を受けたディケイですが、やはり全弾回避しました。ていうかSEなしで攻撃してますよね。

出会った即戦闘は不意打ちを受けない代わりに、このような牽制の場を奪ってしまう事にもなりかねないんですね。程々にすると不自然になる。


彼らはモンスターレベルにして1レベルの弱小モンスターですが、ラット・ディジーズに罹るのがとにかく怖い。この場では処置が不可能です。

ラット・ディジーズは発熱・関節の膨れを起こす病であり、その進行速度は1日で深度2以上になると移動不可能になる厄介なものです。

進行強度5ですので、攻撃が命中すると2D6を振って出目4以下なら問答無用で感染です。確率にして16.7%、確かに怖い。


ところが彼らは火を恐れるという、実に獣らしい弱点を持っているのです。巨大になっても動物としての本能までは消えてないんですね。

よくファンタジーでは巨大生物が登場しますね。彼らは実在の存在が巨大化しただけなので、脅威をイメージし易いというメリットがあります。

しかしその反面弱点・特徴が受け継がれるというデメリットもある。中にはそのセオリーが通用しないものだっているかもしれませんけどね。


《怪物/動植物判定》で成功していた彼らは当然この手段を使います。松明に火を点し、ネズミ達を追っ払ったのです。

アイル「そして囲まれちゃうんだ……

ディケイ「お前の言葉は、何度も言うが、まま本当になるんだから、いいことを言え。いいか?悪いことじゃなくて、いいことを言うんだぞ?」

そうして凶暴な笑みで弟に釘を刺す兄やんに、アイルは普通に怯えていました。でもこう何度も的中させてるとジンクスになるのも無理はない。


そうして奥にいくと水溜りになっていて、ネズミ達は押し合いへし合いして、隅にネズミ団子を作って怯えていました。

下手に刺激すると「窮鼠猫を噛む」で反撃してこないとも限らない。そこで油を撒いて火をつけ、炎のカーテンを作って通路を確保します。


ところが次の部屋に繋がる水場はコケで滑り易くて、冒険者+敏捷度で目標値10の判定をしなければいけません。失敗するとすっ転びます

これは鎧の修正でアイルが転び、期待通りにナジカも転び、イアソンさんはここで手に入れた資料を濡らさないよう全身ずぶ濡れになりました。

研究者の鏡ですね、イアソンさん。なお転んだ人は汚水を"ピュリフィケーション"で洗浄します。面白いアイディアですね。

"ピュリフィケーション"の存在意義は真水の作成ですが、このように不純物を取り除いて綺麗になる事を目的にするのもいいと思いますよ。


次の部屋に入る前に、イアソンさんは研究室が見つかるかもとワクワクし、それに触発されてアイルが不安を感じます。これもまた正解でした。

ディケイが通路を調べるとムカデの這った跡を発見し、予想通り次の部屋にはジャイアント・センティピードがいました。


大ムカデの正体は皆簡単に分かったのですが、無警戒だったらまた遭遇の仕方は変わったでしょう。SEだから不意打ちはないけど。

つくづくアイルの勘の良さは便利ですね。PL自身がレンジャー技能の《危険感知》でもしてるんじゃないかという程です(笑)

危険を感知するだけでなく、予知までできますからね。これで「僕、もうすぐ死にそう」とか死にフラグを立てたら危険です。


今回の陣形は前回と同じです。ムカデは2匹とも前衛です。イニシアティブはブランシュが6ゾロを出したので自動的に彼ら先攻です。


1ラウンド目表〜裏、一方的にムカデにキーナとディケイが殴られました。実はムカデには運動機能低下の毒があります。

毒性値9の毒で、失敗すると全ての成功ロールが−2されます。しかもそれが3日間持続するんですよね。その状態で先に行くのは危険です。

毒性値9だからイアソンさんが魔力5あれば出目4以上で解毒できます。もっともキーナもディケイも生命抵抗に成功しましたが。


2ラウンド目表〜裏、この辺からキーナは虫が苦手で力が出ないという設定が出現。それを裏付けるように決定打は出ません(実際は逆)。

更にはディケイは避けたのに、本人は1ゾロで命中しますしね。幸いダメージは鎧で止まったので生命抵抗そのものが要りませんでしたが。


それでも所詮敵は2レベル。危なげはあったものの、被害を出さずに推定ムカデ夫婦を倒す事ができました。この先は彼らの愛の巣ですね。


これでようやくこの地下2階の部屋の探索ができます。色々探ってみると、この部屋が実にロマン溢れる乙女の部屋だったりするんですよ。

まずは細かい穴が沢山開いた小箱がありました。これは中に明かりを点す事でプラネタリウムになって、天体を投影する小物でした。

セージ技能の《占星術》で調べてみると、本物の夜空にかなり近い事が分かります。なお先生は100年前の思い出で一人涙してました(笑)

余談ですが、フォーセリアにも星座は存在するそうです。具体的な設定はないのですが、星座毎にロマンチックな神話とかあるといいですね。


あとハーレクイン風の書物も大量に発見。それはもうベッタベタに甘い男女の恋愛小説です。当時はそんなものもあったんですね……あったの?

そのタイトルが妙に上手い。「フライト〜恋の翼〜」とか「キスはダークネスを唱えてから」とか「恋人たちはレイスフォームで密会を」とか。

これには女性陣が大盛り上がり。あとで女の子同士でキャーキャー言いながら読むんでしょうね。「君の瞳はエネルギーボルト」とかありそう(笑)


でも"レイス・フォーム"って遺失魔法なんですよね。それについて書かれているこの本は、もしかしたらその貴重な資料になるかもしれない。

恋愛小説に何処まで細かく書いてるかは分かりませんが、貴重である事は確かですよね。「ふたりの迷宮」みたいだし。


あとついでに魔晶石(2)も発見。2点というとルーンマスター技能が2レベル以上ないと使えませんね。つまりナジカは今は使えない。

こうなれば「何かある事確定の日」にアイルが"ラック"で使うとか。でもラックって基本消費精神点は1点なんですよね。

魔晶石(2)の価値は400ガメル、魔晶石(1)は100ガメル。つまり魔晶石(2)で"ラック"をすると300ガメル価値が減る

この例の場合"ラック"1回300ガメルですけど、最初から魔晶石(1)を買っておけば無駄なく100ガメルの出費で済む。

いずれにしろレベルの低い内は"ラック"のような特殊な魔法でもない限りコストパフォーマンスが大きい。それでも使う時には使えばいい。


★合言葉、それは……〜イアソンの決意

地下2階の部屋(実は寝室)でイアソンさんの望む資料は手に入りましたが、研究室も捜してみようと先に進みました。

この先は再び地下1階になり、例のアリの群れの先にあった扉の目の前に出ます。そしてこの先は本当に研究室だったりする。

ということはこのシナリオではクイーンと戦う必要はないんですね。最大の障害は4レベルのソルジャーになるんでしょうか。


ところがこの扉から先が曲者でした。「この先、扉の前では不用意に言葉を発さぬこと」という注意書きがあったのです。

そして「我が名を答えよ」という簡単なリドル(答えはアズレア)もついています。つまり合言葉を間違えると何かある仕様ですね。

その扉は普通に突破し、クイーンをはじめとするアリの群れにも襲われることなく扉の先のエリアに入れました。


この先はT字路になっていまして、片方は書庫でもう片方は研究室です。一行はまず書庫の扉の方から当たりました。

この扉のリドルは「至高の光、天に座する眩きもの。これは何?」でした。この答えは「太陽」です。「ファリス」ではないんですね。

ファリスはキリスト教っぽい所があるので「天に座す」とか言われるとソレっぽいですが、必ずしも両者は=ではない。

そもそもこの世界の神々は天ではなく、世界に偏在していますしね。中立神を除けば、神々は基本的に何処にでも存在していると言える。

でもそこまで細かく世界設定を知ってるとは限らないんですよね。詳しそうに見えるアイルも「フォーセリア」は知らないようだし。


この書庫にはかなりの資料が眠っていまして、イアソンさんは腰を据えてメモりだしたので、一行はここで6時間休憩を取ることにしました。

これはつまり精神力を回復させる為のものですが、これはただ6時間寝ればいいというのではなく、一晩過ごすという条件もあるそうです。


ここにあった本の中には「星界」に関するものまであり、かなり貴重な資料です。魔術師ギルドでは2000で買い取ってくれるとか。

星界についてはシナリオ集「四大魔術師の塔」の「流星落ちるとき」に詳しく載っています。「王たちの聖戦」でもレオナーが少し話してましたね。


部屋の扉には"ロック"したので安心して休憩を取りますが、この時彼らは例のハーレクイン風の小説で大いに盛り上がりました。

「そこで彼はダークネスを唱えた」「あぁ……、なんて優しいダークネス」とか言い出すキーナには底知れぬユーモアのセンスを感じました(笑)


次に研究室の扉ですが、こちらは「私のいる場所、限りなく広大で偉大なる屍。これは何?」でした。答えは「フォーセリア」です。

ところがナジカは「大地」と考えます。一方が「太陽」なのだから、もう一方を「大地」と考えるのは当然と言えます。

この手の抽象的なリドル、例えばスフィンクスのそれもそうですが、こういうのは答えが複数存在する場合が多いです。

あくまでも自分の回答と同じでないと認めないという人もいれば、リドルの意図に沿っていれば正解とする人もいるかと思います。


今回は散々悩んだ挙句、最初に用意した回答のみを正解とする事にして、「大地」と答えたナジカにトラップ発動

これはのトラップでして、毒はないけどダメージを打撃力10+5与えるものでした。期待値にして8点、ナジカだと7振って4点抜ける。

ところがダメージは打撃ロールで5点(出目9)と高く、10点も来ました。ダメージは期待値通り4点止めましたが、6点ダメージです。

生命力9と1.5クレスポある先生は一気に生命力が1/3に減少。何処かの虚弱体質の盗賊だったらこれだけで生死判定でしたね。


これには生徒達も大慌てで、アイルなんてキュアーで1ゾロを出す程です。偶然とはいえ、本当に慌てていたようになりましたね。

怪我はイアソンさんにキュアーして貰いました。今度も失敗せず、しかも10点回復。結局は足でまといどころか有能な神官でしたね。


研究室に入ってみると、やはりアズレアは星が好きだったらしく、資料が色々出てきます。それって召喚魔術師だったって事ですかね?

星界のような異界には召喚魔術師が詳しく、あの"メテオ・ストライク"だって召喚魔術です。その危険性故に当時は禁忌扱いでしたがね。

壁の絵には太陽と月だけでなく、流星まで描かれていました。これは本当に「王たちの聖戦」の「ハドア・ゲラルクの魔法装置」を思い出しますね。

「天にあるは遊星 降りて下るは流星 地を砕くは隕石」という出だしのこの伝承は、バードの《伝承知識》で20とかいうレアなものです。


ここでこの流星(と呼んでいいのかな?)に関して行った《知識》/《伝承知識》のロールの目標値は幾つだったのやら。

ブランシュが6ゾロ振ったので、この星の正体が"メテオ・ストライク"のソレと同じものだとは分かりました。

今後この話がどう展開していくのか。そもそも展開するのか。まさかコーラスアスとか出てきやしませんよね、全滅しますよ(笑)


ここで手に入れた資料はアズレアの日記や、研究資料、研究友達の住所録、研究会報などレアなものばかりでした。あとついでに魔晶石(2)。

いずれこれらの資料から発展し、別の遺跡を冒険したり、何処かで石化してるアズレア自身を復活させる事にも繋がるかもしれません。

今回の冒険と皆の励ましで、イアソンさんは研究への意欲を取り戻しました。ポール君も大喜びですよ。またいずれ再登場することもあるでしょう。

例の簡易プラネタリウムはナジカが貰ったのですが、本当にアズレアが復活する時が来たら返す機会もあるかもしれませんね。





inserted by FC2 system