「終わりなき即興曲(トッカータ)著:山本弘/グループSNE 出版社:富士見書房

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第7話 氷原に響く交声曲(カンタータ)

前回の冒険では大きな意義のある仕事をしたから1500点の経験点が貰えました。個人的にはアリシアンがMVPだと思う。

成長はユズがファイター1→2、アリシアンがセージ2→3とレンジャー0→1、ケインがシャーマン2→3、ケッチャがソーサラー2→3


ユズは確実にファイターにジョブ・チェンジしつつあります。鎧はプレート(16)がありますし、武器は例の黒い魔剣があります。

ケッチャはついに3レベルになったので使い魔を持てるのですが、今回は決めません。まぁ本人の嗜好もあるでしょうし、考えた方がいい。

あとケインは"コントロール・スピリット"で石にノームを封じます。こうすれば土がなくても"スネア"できるからね(そんなに好きか―笑)


★流れ流れて北の街

スチャラカ達はリファールには戻れないので、ケッチャの「海が見たい」という言葉に従ってデルヴァの森を北へ進み、プロミジーに来ました。

プロミジーは"さいはての街"と言われ、西部諸国の中で最も北にあります。プロム湾に臨むとても寒い土地で、人口も少なく2500ほど。

プロム湾は氷結海と呼ばれ、文字通り氷の海です。この土地の漁師たちはソリのついた氷原を滑る船を使って白熊やアザラシや魚を獲ります。

生活水準はあまり高くなく、兵隊は一般人から徴用します。凍傷にかからないように金属鎧でなく毛皮を用いるのも特徴的です。


ケッチャは「海が見たい」と言いましたが、それはもっと暖かい土地の普通の海の事であって、こんな氷の海ではありません(苦笑)

寒いから毛皮を買わないと凍えてしまうぐらいですよ。海なのにウンディーネがいないぐらいですからね。でもきっとフラウはいる。

どうやら毛皮のマントは100で、上から下までフル装備しようと思えば300はかかるとか。でも着ないとマズイでしょうからね。

ここで毛皮はソフトレザー扱いとなっているのですが、すると普通の鎧と重ね着はできない。防御力がなくていいから羽織れる毛皮はないのか?


この土地でしかできない事にジャイアント・シール狩りがあります。文字通り巨大なアザラシを狩るものです。これはユズが知っていました。

ジャイアント・シールは一夫多妻で、1頭の雄(メイル)がキングとして数頭の雌(フィーメイル)を連れています。前者は6レベル、後者は5。

通常のメイルは7〜8mで、フィーメイルは6〜7mだというのだから巨大ですね。なおキングになるメイルは他のメイルより若干強い。

1頭のキングは百数十頭のフィーメイルを連れていて、子供は大きくなると父親に戦いを挑み、負けた方は氷原を流離う。それを狩るのです。

彼らの毛皮は革鎧の素材としてうってつけで、1頭のメイルからは150人分は取れる。その他の肉や脂肪や牙を合わせると、1頭1万ガメルほど。


★酒場でのもめごと〜ケインの災難

現在このプロミジーでは、猟師達を牛耳ろうというクランドー一味が悪さをしています。まぁヤクザみたいなもんです。

自分達の組合に猟師達を引き入れ、上前をはねてます。断ると容赦なく嫌がらせをしてくるので、もう殆どの猟師が傘下に入れられてます。

そんな中ラルーというアザラシ狩りの名人が強硬にそれに反抗します。しかし彼もまた様々な妨害に遭い、今ではロクに猟もできません。


クランドー 45歳

ハンター3、セイラー4、ファイター3、セージ1。筋力20の熊のような大男。役人を買収して悪さし放題の乱暴者です。


シャミナ 32歳

シャーマン3、シーフ2。クランドーの愛人、金や宝石に目がないらしい。彼女以外にも4人ほど一味がいるようです。


スチャラカ達が訪れた酒場では、丁度そのラルーが飲んだくれていました。そして彼にちょっかいを出すクランドー一味も居合わせます。

その典型的な因縁のつけ方に雰囲気が悪くなった時、ラルーの長男のアーウィンという青年が入ってきます(ハンサムなのでアリシアンが……)。

酒場のおやっさんに簡単に事情を聞き、アーウィンが一味にこづき回されてきたら、見かねたユズが飲み物をぶっ掛けて止めに入ります。


ここで一味の一人がユズに掴みかかってくるのですが、回避に失敗(出目3)し、振りほどくのにも失敗して、吊り上げられます。

回避はともかく振り払いも失敗するとは、怪力のユズらしくない(そういう認識)。多分振り払いは冒険者+筋力の振り合い?

しかしユズも負けてはいません。アリシアンのお株を奪う蹴りを見舞います。残念ながら急所には当たりませんが、ちょっと痛そうでした。

こうなると完全に敵に回してしまいましたね。アリシアンとしてはいい男と汚い男では、いい男優先なので割とやる気だったり(笑)


ここでケインが"コントロール・スピリット"を利用した一発目の"スネア"をかけますが、やっぱり抵抗されます。それでこそケインだ(酷)。

その男は魔法をかけられたのが分かったのでケインをぶん殴ります。1ゾロったケインに見事に命中してしまいます。

しかしここからがツイてなかった。敵は素手なのに2回連続クリティカル(連続6ゾロ、1/1296)、物凄いハードパンチャーですね(笑)

敵は15点ものダメージを叩き出し、ケインは防御で6ゾロを振りますが9点止めて6点ダメージ。これだけで残り3点(もう死にそう)。

ケインの鎧は防御力8のハードレザーだから、期待値通り7振って3点だと6点止めて9点ダメージで生死判定だったんですね(危な!)


次にケッチャが"ダークネス"をかけて真っ暗けにします。前も似たような事やってましたよね、やっぱり酒場に迷惑ですけど。

この闇はドワーフの暗視なら見通せますが、精霊使いの赤外線視では"ダークネス"の魔法の闇は見通せないんです。

出口にいけたかどうかは難易度5として目標値11にします。通常のように難易度だけを教えたのではなく、その結果となる目標値を教えた訳です。

ディーボとケインは良しとして、他の人はロールです。これはケッチャが失敗して壁に激突(吉本新喜劇パート2)、壁を背にしてたのに(笑)


外に出たスチャラカ達とラルー、アーウィン親子の後をクランドー一味が追ってきますが、"ロック"をかけて閉じ込めます(益々店に迷惑)。

この時一味より先にドアを閉められたかという判定を、ユズが冒険者+敏捷度で解決。敵を閉じ込める事に成功しました。

しかしただの"ロック"だった為、後にドアを壊して脱出したらしい。これが"ハード・ロック"ならドアそのものは壊されずに済んだんですが。

あとディーボはケインを治す気はないらしい。いや治してやりなって、それともマイリー的にケインはアウトだったのか?


★伝説のゴールデン・ワンダラー

アーウィンに案内されてラルーの宿に行きます(家とは違うのかな?)。そこで細かい事情を聞きました。

現在ラルーはその自堕落な生活で3万ほどの借金があり、あと3週間以内に返済しないと抵当に入ってる彼の船が没収されてしまいます。

元々ラルーは猟師達の間でも尊敬されていたのですが、こんな状況ですから今ではすっかりその評判も地に落ちています。

そしてクランドー一味に対して一致団結して対抗するには、ラルーがやる気を取り戻して、その人望で仲間達に呼びかけないといけません。


しかしやる気を取り戻しても、ジャイアント・シールはそんなに沢山取れる訳じゃないし、乗組員も辞めてしまったので人手も足りない

1頭1万とはいっても諸経費を差し引くとあまり残りませんし、まして3万もの借金を返すには普通に猟をしてたら3週間では無理

アーウィンは1年間の兵役についていたので、帰ってきたらそうなっていたという状態なんですね。なかなか逼迫した状態です。

ちなみに現在ラルーの船の乗組員として働けるのは、ラルー本人と長男のアーウィン、次男のトムリィ君ぐらいです。これは協力しないとね。


ラルー 55歳

ハンター8、セイラー5、ファイター2、セージ1。なんと一般技能のハンター(狩人)が8レベル、あとセイラー(水夫)も高め。

ハンター技能はレンジャー技能に近いのですが、一般技能と冒険者技能の違い(英雄になりうるか?)があります。

その能力はレンジャー技能と同様のものがほとんどで、《飛び道具の使用》もその1つです。つまり攻撃面のみ8レベル級


アーウィン 19歳

ハンター/セイラー4、ファイター2、セージ1。ラルーの長男、兵役経験あり。将来猟師になるか、冒険者になるか、迷ってるとか。


トムリィ 11歳

ハンター2、セージ1。父親を尊敬する次男坊、将来は猟師になりたいとか。どちらかというと料理が上手いらしい。


どうしたものかと悩む一同でしたが、そこにトムリィ君がゴールデン・ワンダラーが出たという情報を持ってきます。

ゴールデン・ワンダラー(金色の放浪者)は10mはある金色の毛皮を持つメイルです。数千頭に一頭の割合で生まれる突然変異種です。

生殖能力がないためキングにはならず、常に1頭で放浪しています。これを仕留めれば通常の数十倍で売れ、尊敬も得られるのです。

データは普通のメイルとあまり変わりませんが、生命点が6点ほど多い。体が大きい影響でしょうね。単純な戦闘力はキングの方が高そうですが。


つまりコイツを仕留めれば万事解決という、実に美味しいアザラシなんですね。降って湧いたような幸運です、これを逃してはいけません。

ゴールデン・ワンダラーが出たと知ると、ダラダラしてたラルーも急に元気になります。猟師魂がうずいたんでしょうか。

勿論クランドー一味も妨害してくるでしょうから、スチャラカ達はお手伝い兼護衛として協力します(いい人達、報酬の話とかしてないのに)。


★暁の船出

出発前に例の酒場にかけっぱなしの"ダークネス"を解除します。12時間そのままだから思いっきり営業妨害ですからね。

これにはディーボ以外の5人がついていって、酒場の店主に壊されたドアの代金を弁償し、ついでに荷物を取ってきます。

宿に残ったディーボの方は、クランドー一味が宿屋に放火したのに気づいて、"フォース"で火元を吹っ飛ばして延焼(何やってんだ―笑)

どうやら奴さんはとことん妨害するつもりらしい。でもクランドーは船を欲しがってるので、そっちまでは燃やしませんよ。


氷上船を動かすには舵取りや帆の操作など最低3人が必要であり、その他バリスタの射手なども入れれば結構な人数がいる筈。

流石に本職でないと勝手が分からないので、操船自体はラルー親子に任せるしかない。恐らくはセイラー技能の《大型船の操船》が要る筈。


親子3人は操船に手一杯なので、それ以外の仕事はスチャラカがやります。例えばマストに登って見張りをするのはアリシアンです。

シーフだからロープがある限り《登攀》は1ゾロらない限り失敗しないし、落ちたら落ちたで《アクロバット》がある。

マストの高さがどれぐらいあるか分かりませんが、どうしてもヤバイなら、ケッチャの"フォーリング・コントロール"です。

でも結構寒そうですよね、氷原の上を走る船の上ですし。交代するなら同じシーフのユズでしょう、勿論金属鎧は着れません。


戦士たちはバリスタの使い方を習います。バリスタは巻き上げ機能のついたクロスボウであるクレィンクイン・クロスボウの一種です。

通常のボウは毎ラウンド発射でき、クロスボウは2ラウンドに1回、クレィンクイン・クロスボウは4ラウンドに1回の発射となります。

このバリスタはクレィンクイン・クロスボウの中でも最も強力です。この船に搭載されてるバリスタはなんと必要筋力30で打撃力70です。

勿論1人では巻き上げられないので、筋力の合計が30になるようにしないといけません。発射は1人でもできますけどね。お値段は2000ガメル。


打撃力は70となってますが、完全版では50以上は全て50レーティングです。そもそも70のレーティングは自作しないといけないし。

バリスタの打撃力は「必要筋力×2+10」で、必要筋力は20からなのでバリスタは全て打撃力50になる。とんでもない武器なのです。

これを例えばザボが発射した場合、追加ダメージは14(ファイター+必要筋力/3)で7振って24点にもなります!

ゴールデン・ワンダラーは防御点9で生命点30なので、1発当たっただけで生命点が半減しちゃうんですね。ラルーが使えばもっとです。


そうして各自仕事をこなし、白熊を横目に見つつ、お昼はケッチャが作ります。この時点で何かやからしそうだという予感がひしひしと(笑)

料理の出来栄えの判定は特に思いつかなかったようで、普通に2D6を振ります。すると狙ったように1ゾロ、凄いやケッチャ。

それにしても料理の判定というのはまた微妙。一般技能のコック技能なんてありますが、一般家庭の母親が必ずしも習得してるとは限らないし。

ちなみに翌朝のご飯はトムリィ君が作りました。すると出目は11、きっと美味しかったんでしょうね(苦笑)


★ゴールデン・ワンダラー出現〜氷上船の死闘

ジャイアント・シールは海中に出入りする為に氷の裂け目を使うので、その辺に張り込んでゴールデン・ワンダラーを待ち構えます。

フィーメイルと遭遇しましたが、狩っていいのは放浪してるメイルのみなので撃ってはいけません。クランドー一味は見境なしだそうですが。


明け方になると、ついに裂け目からゴールデン・ワンダラーが出現。ケインのウィスプを照明にして確認します。

しかし亀裂に近すぎるので、下手に攻撃すると逃げられてしまうかもしれません。そこで火を使って遠ざける作戦を採用します。

アリサンがボロ布を載せて油を撒いたソリを引っ張り、ケインとケッチャがすぐ近く(30m)に控えます。


残念ながらゴールデン・ワンダラーにはアリシアンの接近が気づかれたのでアリシアンは撤退。相手の移動速度は10なので軽く逃げられます。

変わってケインがダッシュして着火。1ラウンド目に10mまで接近、2ラウンド目に相手より早く"ファイア・ボルト"(だと思う)。

それに合わせてケッチャが"クリエイト・イメージ"で大きな炎の幻影を出します。するとゴールデン・ワンダラーは亀裂から離れて走り出します。


そうなれば氷上の追いかけっこになりますが、バリスタが当たらない。ザボ、ディーボ、ケインが代わる代わる撃つも8発全部ハズレ

ゴールデン・ワンダラーの旧版の回避点は14(7)。固定値を使うならザボなら8以上で当たるんですが、見事に外しまくります。

ちなみにバリスタを撃てるのはファイターかレンジャーのみ。実はシーフでは発射できないので、アリシアンでは平目になっちゃいます。

ところがユズが6ゾロって命中させます。7振って22点(追加ダメージは2レベル+30/3)を叩き出します。これで13点減少、残り17


怒ったゴールデン・ワンダラーは体当たりをしようとします。打撃点は14なので一発で壊れはしませんが、物凄い揺れるでしょうね。

その前にケッチャの"ライトニング"が若干ダメージを与え、ザボとディーボもクロスボウを撃ってディーボだけ命中してチクっと。

体当たりをしてきた時は、見張り台にいるアリシアンが冒険者+筋力でしがみついていられたか判定。失敗したら落下ですかね?


そこからは戦闘になりますが、戦士たちはエンチャントの援護を受けてもなかなかゴールデン・ワンダラーを倒せません。

そこでケインが"シェイド"ぶつけまくり作戦を決行します。動物系は精神点が低いという弱点があるんですよ。

ゴールデン・ワンダラーの精神点は僅かに10点。ケインの魔力は6なので、相手のレベルと一緒。ロール分がそのままダメージになる

精神抵抗は13(6)なので、13の方を採用すると出目7で抵抗を破れますね。これなら決行いけるじゃないですか。

実際やってみるとケイン大活躍。1発目にはクリティカルを出して7点削り、2発目には3点を削り、ゴールデン・ワンダラーを倒します


気絶したゴールデン・ワンダラーの心臓にラルーがバリスタを撃ちこみ、見事にゴールデン・ワンダラーを狩れました

まさかケインがこんなに役に立つ日が来ようとは(苦笑)。まぁ今回は本当によくやりましたよ。結局"スネア"は役に立たなかったけど。

あとは「白鯨」さながらの解体作業があるんでしょうね。これはかなり大変ですよね、血と脂でベトベトになるでしょう。

肉とか皮とか牙とか脂身とかを余すことなくバラしていきます。ちなみにケッチャの作った料理は前よりは良かったとか(前が前ですが)。


★悪人捕らえて大団円

解体作業がまだ終わりかけた時、クランドー一味が襲い掛かってきました。やはり最後には悪党を直で倒さないとシックリ来ませんね(笑)

敵は6人。クランドーはハルバードを、4人の相棒はバトルアックスを持っているそうです。寒くて手袋嵌めてるから、剣は好まれないとか。

接近する前にユズが"ダンス"を歌いますが、達成値9なので味方はトムリィ君が踊っただけ。しかし敵はクランドーと用心棒が踊りだす

これは美味しいと"ダンス"続行。シャミナはユズに、ディーボからトランスファーされたケインはシャミナに"ミュート"を飛ばすがかからない。

 
シャミナはユズ、ケイン、ケッチャに"コンフュージョン"をかけてケインが混乱しますが、ディーボが"サニティ"をかけて回復。

次にケインが"ミュート"をシャミナに飛ばし、今度はかかる。シャミナは魔法を封じられ、レイピアを抜きます。

クランドー一味の他の3人はザボ、ディーボ、ラルー、アーウィンの攻撃で2人が倒される。この時点で動ける敵はシャミナと他1名のみ

そのシャミナにはアリシアンがぶつかり、2点まで生命力を削った上に武器を《ディザーム》で落とし、逃げ出した所をタックルして捕まえる。

仲間を見捨てて踊りながら逃げようとする(器用な)クランドーでしたが、ザボに滅多切りにされて生命力が5まで減ったところで降参


ゴールデン・ワンダラーを仕留めた上に、クランドー一味まで捕まえる事ができました。証拠があるので買収されてる役人も無視できません。

ラルーは仲間達からの尊敬を取り戻し、立ち直りました。これでプロミジーの猟師を脅かしていた事件も無事解決です。

スチャラカ達はラルーから1人1500の謝礼を貰って、今度は南の方を目指します。ということは次の舞台は"十字路の街"タイデルですね。


第8話 暗殺者の譚詩曲(バラード)

今回の成長はディーボがプリースト(マイリー)2→3と、ユズがファイター2→3だけです。ユズのジョブ・チェンジは進む一方です。

プリースト3レベルになれば、キュアーが2点で使えます。するとディーボの場合は最大14回も使える。しかも"キュアー・ポイズン"も使えます。

あとケッチャが使い魔を決定、黒猫のザザです。「魔女の宅急便」のジジがモデルのようなので、ジジの縫いぐるを用意してるらしい。

ケインは"コントロール・スピリット"の対象をシルフにチェンジ。これで屋内でも"ミュート"や"サイレンス"を使って、魔法を封じれます。


★祭りだわっしょい〜思いがけない再会

もう寒い所は嫌だという事で、スチャラカ達は"十字路の街"タイデルに来ていました。政治的にも軍事的にも西部諸国のリーダー的国です。

東へ行けばオーファン、南はタラント、西はラバン、北はプロミジーと交通の要所にあり、五大神は全て信仰されてる歴史のある街でもあります。

現在のタイデルは五大神の祭りで沸き返っています。9月26日〜30日の間、五大神のお祭りをチャンポンで行うという一大イベントです。

昔は各宗派毎にバラバラでしたが、327年に話し合いでこのようになりました。この時ばかりは、9000人の人口が3倍になるとか。


スチャラカ達はとてもいいタイミングできましたね。チャ・ザ神殿主催の武術大会美人コンテスト、ヴェーナー神殿の音楽コンクールもありますし。

武術大会に出場しようかと相談していますが、人数は4人なんですよね。でもこういう大会って普通5人とかじゃないでしょうかね、偏見かな。

ちなみに賞金は1万ガメル、高いんだか安いんだか。一応安全には気を配って司祭もスタンバってますが、1ゾロ振って死ぬ人もいるとか。

するとザボ・ディーボ・ユズとあと1人。ケッチャは論外、するとアリシアンかケインですね。それじゃあアリシアンでしょうかね。

基本的にファイターはシーフよりも白兵戦が強い筈ですが、当のケインはレベルが低い上に筋力も低くて装備もお粗末。それならアリシアンの方が。


実はこの祭りで彼らはナイト・ブレイカーズと会っているんですが(多分今年の事)、そのお話はそちらに譲るとしましょう。


アリシアンは腕試しにと《スリ》をやってみます。文字通り相手から財布や小物をスる能力ですが、あんまりやらない方がいいと思う。

この街の盗賊ギルドはドレックノールに次いで大きい。余所者のスリ行為を見たらまず間違いなく干渉してくるでしょうし。

アリシアンは本気で盗むつもりはなかったので、財布を盗ったら1ガメルだけ抜いて返すという小粋な事をしていました。

それならギルドも本気で制裁を考えないかもしれませんが、釘は刺されそうですね。でも相手が素人だとも限らないからやっぱりリスキー。

《スリ》はスる方は盗賊+器用度ですが、相手が気づくかどうかは冒険者+知力。盗賊でなくても、冒険者技能を持ってたら気づかれるかも。

ちなみに旧版では相手のレベルや状況から難易度を決めます。アリシアンは13で相手は12(難易度6)でギリギリだったんですね。


一方ユズはバード技能の《歌唱》をやってみました。これは聴衆に歌を聞かせてお金を貰うという、本来のバードの仕事そのまんまの能力です。

旧版では貰える銀貨はバード×2D6枚です。完全版では《楽器演奏》であり、バード×バード×2D6枚となりました。

実は旧版にも《楽器演奏》はあるんですよね、同じように稼げるし。同じように完全版にも《歌唱》はありますが稼げないらしい。

1時間歌ってこの枚数を稼げます。ユズは4レベルで出目5だったので20ガメルですね、完全版では80ガメル行ったんですが。

ちなみに曲目は『モンスターたちの晩餐』でした。デルヴァの砦での経験を生かした、ユズだからこそ歌える曲ですね。


次に防具屋に寄りました。ユズとアリシアンとケインはそれぞれ高品質の鎧を注文しようとしているのです。タイデルだからあるでしょうね。

なんとあとゴールデン・ワンダラーで作った革鎧なんてのもあるんですよ、値段は10倍。でも防御力に修正はない、ただ綺麗なだけ(笑)

ケインは高品質のハードレザーを買いました、+1のやつ。アリシアンもソフトレザーを欲しがりますが、店頭にないので倉庫を探して貰います。

ユズはプレートメイル(19)を買おうとするんですが、やはりないので明日までお預け。以前買ったのは16でしたからね。


ケッチャはジジザザの首輪を買おうとします。金の首輪とか欲しがってるんですが、すると1000以上はするそうですね。

大陸での金銀交換比率は50:1です。金貨1枚は銀貨50枚であり、金貨も銀貨も重さは4gです。すると1000ガメルの金は80gぐらいかな。

あんまり重いと今度はザザが動けなくなるし、そんなもんじゃないですかね。結局買いませんが(冷やかしか―笑)

他の貴金属や宝石の類の相場はどの程度なのか気になりますが、きっと細かい設定なんてないんでしょうね。


一通り買い物を終えたスチャラカ達はとある宿屋に落ち着きますが、そこであのナイトウィンドと再会しました。

どうやらラバンだけでなく、こんな所にまで進出してきてるようですね。相棒のダバールも最近は大人しいとか(ていうかまだ生きてた)。

一応この街のギルドに所属はしてるようですが、あまりよく思われてないらしい。ギルドにとっては彼女みたいな異分子はむしろ煙たいでしょうしね。

それはそうと、ケッチャがナイトウィンドをお姉様と呼ぶのはなんかイイですね。なんとなくそれっぽい雰囲気が(笑)


どうやらナイトウィンドは誰かに襲われたらしいんですが、人違いだったので事なきを得たようです。……ピンポイントで思い当たる人がいます

シャドーニードルはまだ諦めてないんですね。まぁ相棒がケッチャとナイトウィンドを間違えたのは仕方ないとして。

一部殺伐とした内容でしたが、他愛のない会話だけでナイトウィンドとは別れます。また出てきて欲しいキャラですよね。


★防具店の罠〜マリガンの野望

翌朝、ユズとアリシアンは頼んでおいた鎧を受け取りに行きます。ディーボは"キュアー・ポイズン"で酒気抜き、酒も一応毒物扱いなんで。

この時はユズとアリシアン以外のPLは部屋から退出します。当事者以外には何が起きたか分からないようにする処置ですね。

ただしザザを尾行させていたケッチャは部屋に残ります。何もないのに尾行するのは変ですが、あまり細かい事は気にしない(苦笑)

魔術師と使い魔は感覚共有です。使い魔の見聞きしたものは、やはり魔術師にも知覚できるのです。ただし痛覚もあるので注意しないと。


店に行くと頼んでおいた鎧が用意してありまして、試着室に案内されます。ちなみに店員さんは昨日とは違う人

カーテンで仕切られた試着室に入った2人は、カーテンの隙間から刺されます。そして生命抵抗を行い、失敗して麻痺します。

毒を塗ったダガーで刺したんですね。麻痺毒のブルー・ネイルにも思えますが、毒性値10なので違う(13でも抵抗できなかったし)。

麻痺してまな板の上の鯉状態の2人は、店員の合図で出てきた男達に連れ去られてしまいます。店員の正体はやはりシャドーニードル


……というのをザザが見ていたので、ケッチャにも2人が攫われた事が分かります。またシーフ2人がいなくなっちゃいましたね(苦笑)

2人は馬車で連れ去られたので尾行も無理。同じシチュエーションで馬車に前足を引っ掛けてダッシュした猫が、「伝説」のリプレイにいましたが。

とりあえずナイトウィンドを引っ張り込もうとするスチャラカ達ですが、シーフがいないのでギルドに行って繋ぎを取る事もできないので断念。


仕方ないので馬車の去った方へ向かってみると、これ見よがしに建つ古い屋敷を発見。つまりここを探れワンワンと?(笑)

ここでもザザが活躍します。猫としてのステルス性をフル活用して屋敷へ侵入、例の馬車を発見します。とりあえず場所は特定できましたね。

嗅覚で2人の匂いを特定してるんですが、猫ってそこまでできるんですかね。まぁその辺はケース・バイ・ケースで。

続けて中に侵入しますが、屋敷の中は特に考えてなかったのでお手伝いさんに追い出されます。つまり屋敷の方は主題ではないと。


ケインが"インビジビリティ"をしたとしても、あまり役に立たない。透明になってもシーフ技能がないと隠密行動は難しいし。

《忍び足》ができないと姿を消してても怪しまれるし、《聞き耳》《捜索》とかができないと結局情報を仕入れるのも苦労するし(苦笑)

でもケインとザザを残しておけば、他の3人がちょっと離れても"ウィンドボイス"や猫通信機で連絡が取れるんですよね。

屋敷の近くで聞き込んでみたところ、この屋敷は盗賊ギルドの幹部であるマリガンという男のものだということが分かります。


そういう風に聞き込んでいると、1人の小男が話しかけてきます。彼はジャールといって、シャドーニードルの相棒です(ていうか手下)。


ジャール 26歳

シーフ4、セージ1。身長1mにも満たない小男で、顔は醜く隻眼。親に捨てられ、ドルコンに拾われて盗賊として育ちました。

誰もが彼を"無用者"と謗りましたが、シャドーニードルだけは彼に優しくしました。その為に彼はシャドーニードルをお嬢様と呼んで慕っています。

仕事では必ずシャドーニードルのサポート役としてついていき、殺し以外のほとんどの事を彼はこなします。強い忠誠心の裏に恋慕が見えます。


ジャールはお嬢様を助けてくれとスチャラカ達に訴えてきたのです。お嬢様か……そういえばこっちにも一人同類がいましたね(苦笑)

ジャールはデルヴァの森で敗れたシャドーニードルを介抱して、その場に置手紙を残して去り、マリガンを頼ったのです。

彼女の傷は癒えたのですが、治療の代償として「俺の下で働け」と要求してきました。しかしシャドーニードルはこれを拒否します。

シャドーニードルはもう暗殺者として生きるのに嫌気がさしているんです。どちみちもうすぐ引退だったし、頃合でした。

当然マリガンは承諾せず、彼女に呪いをかけてしまいます。その呪いのせいで彼女はマリガンに逆らえず、嫌々言う事を聞かされてるのです。


マリガンは実はファラリスの闇司祭なのですよ。それだけで踏み込む大義名分は立ちますね。ファラリスというだけで処罰される世の中ですから。

密かにファラリス信仰に染まり、挙句に盗賊ギルドの乗っ取りまで画策してるんです。なかなかの悪党ですね。

ちなみにこの街の盗賊ギルドのギルドマスターであるアロンからするとマリガンはです。親類の情のせいで悪事を知りつつ処罰できないそうです。

呪いとは5レベル暗黒魔法"カース"ですが、実はマリガンはそこまでの実力者じゃない。つまり暗黒魔法5レベル以上の黒幕がいるという事です。


ジャールは救出に協力してくれるなら、命を狙うのを止める事を誓います。お互いに助けないといけない人がいるし、ここは協力して手打ちです。


★悪の屋敷へ侵入〜シャドーニードルの素顔

侵入するメンバーはザボ、ディーボ、ケッチャ、ケイン、ジャールです。ジャールは見つけておいた地下道への入り口へスチャラカを案内します。

先頭はジャールです。ケッチャが優しく接するから、ジャールも「お前もお嬢様と同じで、やさしいな……」としんみりする事を言います。

実際問題盗賊がいないスチャラカ達では何かあっても対処できないし、ジャールが前にいるのは重要です。罠とかあったら大変ですよ。


今回のダンジョンはそんなに広くはないです。ドレックノールのアレに比べると大分ミニマムでシンプルですが、危険度はむしろ高い

実はアンドロスコルピオが警護してるんですよ。4レベルの魔獣で、上半身は美しい人間の青年で、下半身はサソリです。

人間と同様に善良なのもいれば邪悪なのもいる。もしかしたらリザードマンやフェザードルクのようにNPC化できるかも。

特徴としてはまず精霊魔法3レベル。そして武器と尻尾の2段攻撃であり、尻尾にある幻覚性の毒(毒性値11)ですね。

毒性値11なので"キュアー・ポイズン"で何とかなる。ディーボの魔力は5だから6以上ですしね。ちなみに完全版で大幅にデータ変更。


恒例の接敵する前の先制攻撃ですが、ケインの"ミュート"で黙らせようとするも失敗。なんかケインの魔法ってかかんない事の方が多いような。

相手の精神抵抗は14(7)だから、ケインの魔力6でもちょっと分が悪い。固定値の方ではなく、ロールをして17とか出してますしね。

続けてディーボが"ホーリー・ライト"。アンデッドならダメージが出ますが、そうではないので抵抗を破っても1ラウンドの目潰し効果のみ。


1ラウンド目、ケインは"ファイア・ボルト"でザボはクロスボウで6点ダメージを与える。ディーボも"フォース"で3点ダメージ。

対するアンドロスコルピオは武器と尻尾の二段攻撃をして当てますが、相手がザボなので鎧でカキン。これだけで敵の生命点は残り2点


2ラウンド目、ケインは精神力がヤバイのでパス。ザボは武器を持ち替えて終わりますが、完全版では持ち替えて攻撃までできます。

アンドロスコルピオは仲間を2匹呼ぶ。そのアンドロスコルピオにはディーボが"フォース"でトドメ。ケッチャはザボに"ファイア・ウェポン"。


3ラウンド目、新しく出てきたアンドロスコルピオへ、ケインが"ファイア・ボルト"2倍がけ。片方クリティカルだったりする。

これだけで片方に3点、もう片方にはなんとクリティカルして10点。ザボが更に攻撃して片方に7点ダメージ(どっちに?)。

残るディーボと2匹のアンドロスコルピは皆攻撃しますが外します。ケッチャは多分魔法を使わずにパスしてると思う。


4ラウンド目、ケインはケッチャの後ろに隠れる。せめてその前で《パリイ》(回避力+4)しろ。そうすれば回避力9にもなるし。

ここからが泥沼でした。ザボは当ててもダメージ1ゾロ。スコルピオもディーボもハズレ。その後延々7ラウンド、ようやく2匹とも倒せます。

幸いにも毒にかかった人はいませんが、精神力の消耗が激しいのが気になります。一応魔晶石は持ってますが、大した量じゃないし。


アンドロスコルピオが出てきた部屋に入ってみると、奥にはシャドーニードルがいました。当然ジャールはお嬢様へダッシュします。

現在の彼女は「マリガンに逆らうと苦痛が襲う」という呪いを受けています。そして彼女はマリガンの敵対者は殺すよう言われてます。

かといってジャールを傷つける事はできないし、それじゃあひたすら苦痛に襲われるだけ。マリガンに不利な情報を話しただけでも痛いですよ。


これは"リムーブ・カース"でないと解呪できません。"パーフェクト・キャンセレーション"でもできますが、10レベル遺失魔法は論外です。

マリガンを殺して呪いが解けるのかというと微妙。仮に術者(例の黒幕)が死んでも呪いは解けないし。

でも命令する立場にあるマリガンがいなくなれば、依然呪いにかかったままでも、呪い自体は死に体になると思う。


★思わぬ大苦戦!

続けてファラリスの祭壇、インプの集団、捕らわれている女性達などを経ます。最後の部屋に踏み込んでみると、そこがマリガンの部屋でした。

しかしとっても楽しそうでした。ユズとアリシアンは下着姿でマリガンに擦り寄ってるのです。何かの毒で洗脳されてるみたいですね。


多分ゾンビ・メイカーかなんかでしょう(毒性値が足りないけど)。対象から思考する力を奪い、ロボットのように操れるという毒。

ちなみにゾンビ・メイカーだと強い肉体的・精神的ショックを受けると持続時間内(24時間)でも解ける事があるそうですが、これはどうかな?


こうして洗脳状態のユズとアリシアンは、仲間達に攻撃を仕掛けてきました。鎧はないけど、武器は自分のをちゃんと持ってます。


1ラウンド目、ケインはアリシアンへ"シェイド"、6点削って残り10点。アリシアンはザボへ攻撃してハズレ、逆に《ディザーム》で武器を落される

ユズとディーボは互いに攻撃しあってハズレ。ディーボはバトルアックスの柄で《手加減》をしていました。生死判定で1ゾロ以外生存。

マリガンはザボへ"ウーンズ"して抵抗される。ケッチャはユズへ"フィジカル・エンチャント・ウィークネス"で筋力を下げようとして抵抗。


2ラウンド目、ケインはアリシアンへもう一発"シェイド"でチクチク削る。ジャールはユズへ素手で攻撃して4点ダメージ。

ザボはアリシアンへシールドで攻撃(多分《手加減》の為)して3点削る。ユズはディーボへ攻撃、素手でクリティカって5点

ケッチャはもう一回ウィークネスをかけてユズの筋力を−6。ディーボのユズへの反撃はハズレ、今日は目が悪いですね。


ここにきてフォーメーションを変えます。ケインがアリシアンの相手をして、ザボはマリガンへ攻撃します。


3ラウンド目、アリシアンのパンチをかわしてザボはマリガンへ接近。マリガンはまたザボへ"ウーンズ"するも抵抗。ディーボとユズは両方ハズレ。


4ラウンド目、ケインとアリシアンの拳の語らいは両方ハズレ。ザボはマリガンへ6点ダメージ、マリガンの武器による反撃はハズレ。

ユズは武器を捨てて拳でディーボに殴りかかり、またクリティカルして4点(鎧で固めたドワーフを拳で……)。ディーボもユズへ8点ダメージ。


5ラウンド目、ケインの拳がアリシアンに命中して2点ダメージを出しただけ。後は全部当たらないか通らないか。


6ラウンド目、ケインVSアリシアンは両方ハズレ。ザボとマリガンは互いにちょっと傷つけ、ジャールはマリガンに攻撃するもノーダメージ。

ケッチャもマリガンへ"エネルギー・ボルト"を使うもノーダメージ。つまり魔力4によるエネボルが相手のレベル以下だったと。

次にユズはディーボへの攻撃を外しますが、ディーボはついにユズの生命点を0にする。ここまできてようやく風穴が開きました。


7ラウンド目、アリシアンがケインに2点。ザボとマリガンはまた互いにチクチク。ケッチャはエネボルでチクチク、ディーボは自分へキュアー。


8ラウンド目、ケインVSアリシアンも、ザボVSマリガンも一切当たらず。キレたケッチャが"ライトニング"でマリガンを倒します

ナイトウィンドお姉様に続いて、本リプレイ2発目の"ライトニング"ですね。女垂らしの男にしか使われてないって一体……(苦笑)


★黒幕倒して万事めでたし

こうしてマリガンは倒したのですが、やられ際にボルテクスという名前を叫びました。そいつが黒幕の名前ですね。

そいつは6レベル魔獣のマンティコアでした。獅子の体、コウモリの羽、サソリの尻尾、老人の顔という魔獣。

スフィンクスが正しい知識の守護者であるのに対し、マンティコアは邪悪な性格をしていて邪悪な知識の守護者です。

牙と尻尾の2段攻撃に加え、暗黒魔法5レベル。しかも尻尾には1時間後に死亡する致死毒があったりします。今回は毒尽くしですね。


普段でも強敵なのに、今のスチャラカ達は酷く消耗しています。ユズは倒れてるし、アリシアンとケインは殴り合ってるし。

しかも魔法使い達は軒並み精神力不足。この時点でまともに戦えるのはザボとディーボぐらい、あとケッチャの魔法が少しだけ。


1ラウンド目、ケッチャはザボに"ファイア・ウェポン"。ディーボはハズレで逆に6点ダメージ。最後にザボがちょっとだけ傷をつける。


2ラウンド目、ザボはハズレでディーボが5点ダメージ。逆にマンティコアから"フォース"がきてザボに6点ダメージ。


3ラウンド目、ザボとマンティコアは共にハズレ。ケッチャの"ライトニング"とディーボの"フォース"は決定打にならず。


4ラウンド目、ザボとディーボが外し、マンティコアがディーボにダメージ。(大丈夫か?)。


5ラウンド目、特になし。


6ラウンド目、ここにきてようやくザボとディーボの攻撃が大ダメージ。マンティコアは"フォース"2倍拡大でザボの生命力残り1点

実は今までずっとケインとアシリアンは殴り合ってた。マリガンとの戦いを含めてなんと11ラウンド、ついにアリシアン気絶


7ラウンド目、ケインは最後の力を振り絞って"ファイア・ボルト"。マンティコアの生命点を3点まで削り、やり切った感を出して気絶

次にザボの剣がトドメとなり、マンティコアは倒れます。しかし惨々たる状況です。まともなのはジャールとザザぐらいでは(笑)

ユズとアリシアンとケインは気絶していて、ザボの生命力は残り1。しかもケッチャとディーボの精神力もカツカツですし。


ディーボは魔晶石でそれぞれを回復させます。ユズとアリシアンは"キュアー・ポイズン"で解毒、レンジャー技能の《応急手当》で起こします。

正気を取り戻したユズとアリシアンは(壮絶なファイトは覚えてない)、防具屋に行って装備を回収。本物の店員さんも縛られてたらしい。

あとユズはプレートメイル(19)を手に入れ、アリシアンは高品質ソフトレザーを手に入れました。

ディーボはマイリー神殿に要請してマリガンの屋敷にガサ入れ。捕まってたお嬢さん達を救出し、証拠品を押収。事件は解決です。

シャドーニードルとジャールは、ドレックノールに戻らずに流れるようです。多分もう会う事はないでしょうが、何処へ行くのやら。


第9話 終わりなき即興曲(トッカータ)

前回の冒険で得た経験点には、アリシアンとユズの分は入りませんでした。FFみたいに仲間同士で殴り合ってレベルアップを避ける処置です。

シナリオの展開から言ってあの戦闘は避けられなかったし、PLが自主的に殴り合う時は不可とすればいいだけの気もしますがね。

今回の成長はザボがファイター4→5のみ。最後の冒険になってギリギリで5レベルに突入です、もう中堅所ですね。


★ケイン君のお友達

スチャラカ達はまだ前回の冒険の舞台であったタイデルにいました。結局例の大会の出場は見送ったとか。まぁ出ても勝てそうにないし。

一行が街をぶらついていると、ケインの幼馴染のエルディーというエルフに出会いました。48歳という事は、ケインもそれぐらいかな?


エルディー 48歳

シャーマン/レンジャー/セージ3、ファイター1。ケインの故郷サイズ村の族長の息子で、現在はタラント王カーナニスV世の使者です。

優等生タイプの為にケインは何かと劣等感を抱えているようですが、レベルや能力値はケインとそう変わりませんね。昔は差があったのかな?


彼は王命でタラントの領主と会見に来ていまして、偶然ケインを見かけたんですね。ケインのようなスチャラカさはなさそうです。

どうも最近タイデル周辺のゴブリンやコボルドが組織化され、不穏な動きをしているようなのです。殺人事件や誘拐事件も起きてるとか。

どうやらダークエルフが下等な妖魔を軍団に仕立て上げようとしてるらしく、攫われた人も生贄にされてるという噂が流れています。

これを重く見たカーナニスU世は、各国に使者を送っていざという時の援助を要請しているのですが、どうも芳しい返事は得られないようです。


こうして旧友に会って両親の話などを聞くと気になりますから、ケインはエルディーと一緒に久しぶりに故郷に帰ってみることにしました。

当然ザボ達もついていきます。いざという時の戦力にもなりますしね。まぁリボンをつけた戦士とか、猫と遊ぶ魔術師とかいますが(笑)

アリシアンは「ケイン君一人で放っておくのは危ない」とか言ってますが、ふと気づいてみるとこの2人も公式カップリングなのかな?

前回死力を尽くして殴りあった間柄ですし、ちょっとロマンチックさとは無縁なカップルですがね。しかもアリシアンの方がきっと強いし(苦笑)


★感動の再会?

タラントは"空に近い街"と呼ばれ、クロスノー山脈の山中にあります。巨大なテーブル型の岩山に築かれた、高所にある難攻不落の都市です。

国王カーナニスU世は自然を愛する人物であり、森や草原といった自然が美しい国です。人口の一割がエルフという特殊な国柄でもあります。

その事に危機感を覚える人間もいて、種族差別の問題もあります。加えて妖魔に対する軍備も整っていて、牧歌的のようで殺伐ともしてます。


スチャラカ達とエルディーはタイデルを南下してクロスノー山脈に入り、サイズ村まであと少しという所でフェザーフォルクの女性に会います。

フェザーフォルクは人間に似た姿をしていて、背中にを生やした美形の妖精です。基本的に4レベルですが、個体差の大きい種族でもあります。

文化程度はやや低いもののとても温厚で、人間とも争うような間柄ではない筈です。ちなみに言語は地方語、ハーピィ語、精霊語です。

彼女は重傷を負っていたのでディーボが癒すんですが、誰かに襲われたようで不安そうでした。ケインが話しかけるとロクに話もせずに飛び去るし。


サイズ村に着くと村人がワラワラと出てきて出迎えてくれました。エルフの村の割には異種族には寛容みたいですね。

普通のエルフの集落というのは結構排他的なんですが、流石に人間とエルフの接点が極めて多いタラントだからそうでもないのかな?


その中にはケインのお父さんもいました。


カール・クレンス 175歳

シャーマン/ファイター4、セージ3、ハンター4。ケインの父親。息子に親の愛として"ホールド"や"スネア"をかける変な親父。

ちょっと背が高いのがポイントで、実は族長の次に偉いらしい。今回奥さん(ケインのお母さん)が出てきませんが、きっとケインは父親似。


久しぶりの再会ですが、ケインは会うや否や親父に"スネア"をかけます。しかも6ゾロ、堪らなく親父はすっ転びます

ケイン「ビシッ!コテン!親父、ここまで成長したぞ

親父もやり返して"ホールド"などをかけますが、こういう時に限って出目11(16)で抵抗

カール「ぬぬう、しばらく見ぬうちに腕を上げたな」

何だこの親子(笑)。アリシアンがケインのお父さんと聞いて「ドラゴンハーフ」のルフォのお父さんを思い浮かべたそうですが、分かります


あと族長のファミラとも会見します。


ファミラ・ナインズ 245歳

シャーマン/セージ7、ハンター2。タラントのエルフの最高齢者であり、エルフ達に尊敬される指導者であり、王様からも信頼されてます。

245歳で最高齢とは、随分とタラントのエルフは若年者ばかりですね。ちなみに「影の森」のタラント側の出入り口を知る数少ない人物の一人。


その夜はエルディーとケインの期間を祝って、ちょっとした祝宴を開いてくれます。本当に開かれたエルフ達ですね、「帰らずの森」とは大違いです。

親父はなんだかんだで息子の働きが気になるようでしたが……まぁ役には立ってますよ。よく考えてみると失敗よりも功績の方が大きいし。

そりゃあドレックノールでの余計な行動はアレですが、ゴールデン・ワンダラーを倒したし、ぶっ倒れるまで魔法を使って頑張ってきたし。

むしろ前回の冒険では、アリシアンの方が障害になってましたしね。アリシアンと2分ほど殴り合っていたし、結構よくやってますよ(多分)。


★真夜中の襲撃〜フェザーフォルクの訪問

宴会もお開きになり、一行はケインの家で一泊(この人数を泊められるのか)します。ところが翌日の明け方近くに異変が起きました。

物凄い音がしてるから何事かと思ったら、ファミラの家がワイバーンに襲われているのです。屋根がぶっ壊されていますよ。

ワイバーンには誰かが乗ってるらしいけど、暗くて見えない。赤外線視を持つエルフ達なら(暗視と思われがちなだけに)見えそうですけどね。


ワイバーンは7レベルの魔獣で、前脚のない竜の姿をした亜竜です。全長10m、尻尾には強烈なダメージ毒があります。

この毒は抵抗の目標値は14です。旧版では失敗して12点、成功して10点。完全版では打撃力20+7。旧版のそれは完全版の期待値な訳です。

まともに戦ったとしたら、かなり怖い事になりそうな相手ですね。ちなみに毒は持続する訳ではないので"キュアー・ポイズン"は無意味。


暴れるワイバーンにケインは"ストーン・ブラスト"(当時上級ルールで追加された)を使って1ゾロ。ここ一番で格好がつかない、それがケイン。

他のエルフ達の"ファイア・ボルト"が飛びますが、ファミラに次ぐ実力者が4レベルの親父では、多分大した効果はないでしょうね。

エルフだから知力は+3あるとして、親父以外のエルフが最高3レベルとしたら魔力は6。これじゃあ抵抗も破りにくいし、大した効果も望めない。


やがてワイバーンは飛び去り、ファミラを見に行くと彼女はそこにいました。しかし実はこのファミラは偽者なのです。

さっきのワイバーンにはダークエルフが乗っていて、本物のファミラを攫い、偽者に国王の暗殺をさせようとしてるんですね。

実はこのファミラは"シェイプ・チェンジ"をしたグルネルなので、"センス・マジック"とかで怪しめたかもしれませんね。

しかしそれは結果論。今の時点ではファミラが攫われた事や、このファミラが偽者だという事を推理する材料がありませんからね(苦笑)


夜が明けると偽ファミラは息子のエルディーだけを伴って、国王にこの一件を報告に行ってしまいます。ヤバイですね、暗殺カウントダウン開始。

昼過ぎになると昨日のフェザーフォルクの女の子が、仲間の男4人を連れて飛んで来ました。お兄さんと仲間が昨日のお礼を言いに来たようです。

どうやら彼女は悪人が巣くう洞窟に迷い込んでしまった為に、追いかけられて怪我をさせられたようです。よく生きてたもんです。


そこにはワイバーンがいたそうです。しかもダークエルフまでいたというので、これは探らない訳にはいきません。

ケインは自ら偵察に志願しました。親父は心配そうでしたが、結局は仲間達が一緒に行く事になる訳だし、大丈夫ですよ。

ケインのピンではかなり心配ですが、こういう時に頼れるから仲間っていいですよね。まぁザボとかは自主的には協力しようとしなかったけど。

こうしてスチャラカ達は、妹を傷つけられた恨みとやらで動くシスコンのフェザーフォルクのリーダーの案内でその洞窟へ向かいます。

ちなみにリーダーはケイン。肩書きとしては族長代理代理。なんか激しく不安ですが……まぁなんとかなるかな、多分。


★めざせ悪の秘密基地!〜ダークエルフの陰謀

空を飛べないスチャラカ達は、フェザーフォルクにペースを合わせて貰って洞窟へ向かいます。途中ゴブとも遭遇しますが、敵はビビって逃げます。

アリシアン「みんながみんな、デルヴァの森のモンスターみたいだったらいいのにねぇ

確かにそれは平和で結構なのかもしれないけど、すると冒険者の需要も激減する。モンスターよりも同じ人間の悪人の方が怖い世の中です。


例の洞窟に着いてみると、垂直の岸壁に穿たれた穴なので、フェザーフォルク達にピストン輸送してもらう事にしました。

ケッチャはここで例の"シェイプ・チェンジ"の杖を使って、フェザーフォルクへ変身します。すっかり存在を忘れてた(笑)

基本的に変身する対象を(セージとかで)知っていないといけませんが、実物が目の前にいるし、いいんじゃないですかね。

最初に飛ぶのはザボとケインとケッチャ、次はアリシアンとユズで、最後がディーボ。一度には2人しか運べないんですね。

フェザーフォルクが4人いて、一度に2人という事は、2人がかりで人1人がやっとなんですね。翼の力が弱いのか、単に腕力が貧弱なのか。


飛び上がってみると、洞窟の前にはかなり広い岩棚になっていて、見張りのホブゴブリン×2がいました。

この時点で戦闘に参加できるのはザボ、ケッチャ、ケイン、フェザーフォルク×4です。他のメンバーも逐次参加できるでしょう。


1ラウンド目、ケインは行動を遅らせたので、トップのザボはホブゴブAに攻撃。そしてクリティカルしてAをスンバラリン

ホブゴブの生命点は生命点15の防御点5なのですが、ザボは21点を叩き出したものだから一撃なんですね。ワン・ターン・キル


2ラウンド目、ケインはフェザーフォルク達に下の仲間達を運び上げるよう頼みます。ザボはホブゴブBに当てるもダメージが1ゾロって無傷。

ここで洞窟の奥からホブゴブがもう2匹現れます。Cはザボの方に行きますが、Dは無防備のケッチャへ突進


3ラウンド目、ケインはBへ"スネア"をかけて転ばす。ザボはCへ攻撃してダメージを負わせますが、この時点でケッチャはノーガード

ケッチャは襲い掛かるDに"ライトニング"を撃ち込んで8点ダメージ。逆に殴られて2点ダメージ(実は彼女の初ダメージ)。


4ラウンド目、ケインはBに斬りかかり、なんとクリティカってトドメを刺す。ザボはCを削るもまだ倒れない。

ケッチャはDに"エネルギー・ボルト"を撃って4点削る(残り3点)。その反撃は1ゾロでハズレだそうですが、モンスターに自動的失敗はない。


5ラウンド目、ケインはケッチャをDからカバー。以前後ろに隠れていたのが信じられないほど活躍してますね。

更にユズとディーボ(戦力優先でアリシアンと交代?)が上がってきて、2ラウンド後にはホブゴブは全滅します。

ホブゴブの死体は仲間が帰ってきてすぐに気づかれないように崖下へ落しますが、慎重な相手なら出てこない事を不審に思うかもしれない。


スチャラカ6人は揃って洞窟へ入ります。洞窟の中はとても寒く、なんとフラウがいるぐらいです。アリシアンとか寒そう。

突き当たりは氷に覆われた大部屋。そこには"アイス・コフィン"で凍らされた人達の氷柱がズラリと並んでました。ファミラもいますよ。


"アイス・コフィン"といえば8レベルの精霊魔法、そんなのを使う相手がいるなんて、正直分が悪すぎです。まともにやったら死人が出ます。

この氷の棺に閉じ込められると仮死状態になりますが死んではいない(《手加減》の気絶と同じ)。しかし溶けない限り自力脱出も不可能。

解けるまでの時間は気候次第ですが、こういう状況では半永久的に溶けない。完全版で壊そうと思えば構造物破壊ルールを適用します。

旧版では防御点8で300点以上のダメージを炎などで与えると溶けるそうですが、完全版では具体的な数値は書いてないんですよね。


旧版の処理を利用しようにも、構造物破壊ルールでは防御点と破壊点という通常の戦闘ルールとは異なる概念があるんですよね。

防御点は8のままでいいかもしれないけど、破壊点のマックスは21点なんですよね。かといって破壊点300はあまりにも頑丈過ぎるし(笑)

Q&Aでは最大値の防御点30で破壊点25でいいそうです。下限は防御点3で破壊点1なので、我武者羅に攻撃を続ければいつかは溶ける。

なお"ディスペル・マジック"で解除はできない事になってます。持続時間が一瞬なので、氷そのものに解除できる魔力は働いてないんです。


ファミラがいる事に驚くスチャラカ達ですが、回りにエルデイーもいないし、捕まるにはあまりにも早過ぎると考え始めます。

それにファミラの服装も旅に出た時のソレではない。これでスチャラカ達もあのファミラが偽者だという事に気づくのですね。

急いで王様の所に行こうとするのですが、そこにワイバーン帰還。気づいてみれば閉じ込められる結果になってしまいましたね。


ワイバーンは到底入ってこれませんが、その乗手は別です。もし噂の8レベル精霊使いだとしたら、まともに戦うのはあまりにリスキー。

そこでアリシアンが入り口にトリップ・ワイヤー(紐などを張って転ばす罠)を張ってみます。天然洞窟だからレンジャーでも良さ気ですが。

アリシアンのシーフ技能による《罠設置》の達成値は15(出目9)。対するダークエルフは《罠感知》できる技能は持ってない(笑)

完全版では《罠設置》はレベル難易度の罠を自動的に設置となってます。シーフ+器用度による達成値では、相手にとっては目標値になるから。


ホブゴブがサボってると思い込んでやってきたダークエルフは、罠に気づけるはずもなく転倒。そこをチンピラのようにタコ殴りにします。

ところがザボ、アリシアン、ユズ、ディーボが全員ハズレ。倒れてるから回避に−2が入るんですが、1ゾロとか9とか10とか11とか(笑)

しかしよく避けられますよね。シーフ技能は持ってないから平目と思いきや、それで3回も避けられるものか。実はファイター技能を持ってるとか?


次のラウンドにはダークエルフは起きてきます。これで"ファイア・ストーム"とか使われたら笑えない大惨事になると戦々恐々。

しかしそこでケインが使った"ミュート"がなんと6ゾロ!!。ダークエルフは最大の武器である精霊魔法を封じられます。

こうしてこの哀れなダークエルフは全員にボテくり回されて2ラウンドで死亡。最悪全滅するかと思ってたのに……(苦笑)


★いざ、ワイバーンに乗って

ダークエルフは倒したものの、王様が危ないという事で急ぎたいのは山々ですが、まだワイバーンがいるんですよね。

他に出口はない。唯一の出口にはワイバーンがシャギャーとか言ってるし、ここはいっそ"亜竜殺し"にでもなろうかという気分でした。

ユズが"ララバイ"を歌ってみますが寝やしません。ワイバーンの精神抵抗は14(7)でユズの基準値は6だから、可能性はなくはないんですが。


そこでセージ+知力で調べたところ、どうも背中に魔法の鞍があるらしい事に気づきます。そういえばダークなエルフさんもコイツに乗ってきたし。

ケッチャが近づいてみると、わめいてるけど攻撃はしてこないとか。近づいて触ってみるとグルグルと唸ってるそうだし(猫か)。

つまりこの魔法の鞍はワイバーンをコントロールできる鞍なんですね。流石に竜司祭やリザードマン以外が飼い慣らすのは難しそうだし。


これを利用しない手はない。鞍にはケインが座り、その後ろにアリシアンとユズが座る。左右の足にはザボとディーボが掴まってテイクオフです。

ケッチャはまた変身してフェザーフォルク達と編隊飛行。一見して訳の分からない一行になったのは間違いありませんね(笑)

ワイバーンの移動速度は35なんですが、大勢乗っているのでフェザーフォルクと同じ30という事にしました。

同じ竜族でも成竜なんかは怪力だから、籠などを使えば大勢を運べるそうですが、このワイバーンと同じく5人で一杯一杯になるのかな?

でも成竜は15mなのに対し、ワイバーンは10mですからね。ワイバーンよりは許容重量は大きくていいともいますが。


★最後の対決!〜ケイン、故郷に錦を飾る

ワイバーンとフェザーフォルクの一団がタラント上空に現れ、王宮にまで飛んでいくと下は大騒ぎ。そりゃあそうですよね(苦笑)

フェザーフォルクだけが降りても混乱されるだけ。ザボがケッチャの"フォーリング・コントロール"で降りたら衛兵に包囲されます。

更にワイバーンを着陸させたものだから、衛兵達は当然驚くし警戒します。確かに怪しい事この上ない一行ですからね。

説得役は意外にもケイン、ちゃんとリーダーしてますね。既に偽ファミラは王様と謁見してるそうなので、ケインが1人で押しかけます。


謁見の間に入ったケインは、そこに偽ファミラとエルディーを確認します。そしてその族長は偽者だと高らかに宣言しました。

ところがそうは言ってもすんなり信じてはくれません。証拠がありませんからね、むしろ怪しまれるのはケインの方でした。

ケイン「よし……ファミラさんに聞きましょう。僕のいちばん得意な呪文は何ですか?

偽ファミラ「ええっと……"ファイア・ボルト"だったかしら?」

"スネア"でしょう、得意かどうかはともかく!。これでエルディーも怪しみだします。……こんな事で馬脚を現しちゃうとは(笑)


続いてケインがもう一つ得意な呪文は?と聞きますが、そんなのあったっけ?

ケイン「僕はおとつい、親父に会った瞬間、何をしましたか?

偽ファミラ「えっと、抱き合って……」

そこでエルディーも王様に言います、「この族長は偽者です!」と。そうか、まさか会うや否や"スネア"だとは思いませんものね(笑)


そうなるともう偽者は演技を続けていられませんでした。衛兵やスチャラカ達に包囲されます。ちなみにアリシアンはワイバーン番

ケインは偽者に"デストラクション"達成値5倍拡大(5点消費)をかけますと、偽者は正体を現してしまいます。

呪文を維持できなくなったからなんですが、それは集中に属する魔法だけ(インビジとかね)。"シェイプ・チェンジ"が解けるかというと疑問。


そいつは5レベル下位魔神グルネル。青銅色の肌をした人型の魔神で、武器と尻尾の他に5レベル古代語魔法と3レベル暗黒魔法を使用可。

ザボが《通常武器無効》なのか気にしていましたが、そんな能力はないので存分にボコにして大丈夫ですよ。


1ラウンド目、ケインの"ファイア・ボルト"はあまり効かず、ザボ・エルディー・ディーボの攻撃はハズレ。ユズがちょっと通す。

対するグルネルは"ファイア・ボール"を使い、ケインとディーボが被爆。生命力が貧弱なケインがかなりの重傷ですね。

この時点でグルネルは"シェイプ・チェンジ"と"ファイア・ボール"に4点ずつ使ってます。精神点は20なので、残り12点


2ラウンド目、生命力2のケインはディーボの後ろに隠れる。ザボ・エルディー・ディーボの攻撃はやっぱりハズレ。

ところがケッチャの"ファイア・ウェポン"を受けたユズがクリティカルし、グルネルの生命点残り2点

そこでグルネルが全身を炎に包まれたような幻影を"イリュージョン"で出します。牽制しようとしてるんですね。でも4点消費で残り8点。


これはケインとエルディーがいつかの"シェイド"ぶつけまくり作戦でも取れば、炎なんて無関係にグルネルを落せそうですね。

そういえば「ロードス島」RPGでは、全身を炎で包んで隣接する相手を焼く"フレームボディ"なんて精霊魔法がありましたっけ(懐)。

"イリュージョン"は視覚や聴覚に関する幻覚を作るのであって、多分触覚には影響しない。だとしたらこれは熱くない筈ですね。


3ラウンド目、ケインはパス。ザボは熱いかな、でもどうせ外れる確率の方が高いし、と殴ってみると命中。グルネル撃破(やっぱり熱くない)。


こうしてグルネルを倒したスチャラカ冒険隊でした。洞窟へは救援隊が派遣され、棺を溶かしたそうですが、普通の精霊魔法でどうやって?

高レベル精霊使いだからって"アイス・コフィン"を一発解凍とかいう都合のいいことはできません。ひたすら暖めるか氷を砕くかしかないかと。

妖魔を扇動していたダークエルフ(どうやら例の軍団の頭目だったらしい)が倒されたので、タラントの危機は去りました

ワイバーンは殺すのは可哀想なのでタラントで面倒を見ることにして、国王カーナニスU世からは多額の褒賞を貰いました。


今回は本当に大活躍だったケインは親父にも認められました。でも皆は旅に出るから、やっぱり一緒に行くそうです。

ケインが「やっぱりあの連中、僕がいないとなぁ」とか調子に乗ってますが、今回は本当に頑張ったから良しとします(苦笑)

今回で最後の冒険なのに、相変わらずスチャラカ達は呑気なものです。当初の予定通り海を見にガルガライスを目指すそうです。


リプレイはこれでお終いですが、この後日談がてんこ盛りな短編集「スチャラカ冒険隊、南へ」に続きます。冒険はまだ終わってない!






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