「サーラの冒険@ ヒーローになりたい!」 著:山本弘 出版社:富士見書房
★はじめに
「サーラの冒険」はSWノベルの中でも比較的初期に誕生し、1巻の初版が平成3年の12月となっています。
その後、2巻は平成4年の8月、3巻は平成5年の8月、4巻は平成7年3月がそれぞれ初版となっています。
ところが、それから8年間の沈黙を続けてしまいます。1995年に4巻が出て以来、ずっと新刊が出ずに悶々とした人も多いはず。
しかし、「Role&Roll」のVol.2にてついに復活しました、2003年の事でした。余談ながら、Vol.3ではバブリーズが復活しました。
この時掲載されたのは「奪うことあたわぬ宝」という短編で、後に短編集「へっぽこ冒険者とイオドの宝」に収録されます。
そして、平成17年の7月には待望の5巻「幸せをつかみたい!」が出版されました。文庫の沈黙期間は10年にもなります。
主人公のサーラは勇者の名をつけられた、農村に住む平凡な少年でした。
しかし彼は冒険者の世界に身を投じ、少年ながらに命がけの冒険を経験していきます。
そういった胸躍る展開を少年の視点で描写されているのが、「サーラの冒険」の魅力の一つだと思います。
勇者でも英雄でも賢者でも、まして聖女でもない1人の少年は、少しずつ、でも確実に成長していきます。
私はこの作品を読む度に、幼い頃の夢や希望、理想やトキメキを思い出さずにはいられません。
それは崇高でも輝かしいものでもありません、友達と一緒に公園の中に秘密基地を作るような、そんな感じです。
何枚もの大きな葉っぱ、小石、ダンボール、縄跳び、そういったものを寄せ集めた瓦礫のお城です。
でも、今でもその世界を覚えています。家に篭っていては決して味わえない、現実から7センチほど浮いた世界です。
次の瞬間、何時の頃からか遊びを遊びと意識しなければ遊べなくなった自分に気づきます。
大人になる事は、色んな顔を持って、処世術に長けて、厭世観に支配されるだけではないと思います。
器の大きな大人は、何処かに子供の好奇心を残しているようです。それでいて、責任を取る事が出来る。
遊びは公園の中だけ、そう自戒しなければならないのは、少し寂しいです。
私がフォーセリア世界が好きなのは、色あせてきた何時か見た夢を見れるからかもしれません。
サーガに語られるような冒険をする勇気も力も機会もない私ですが、想像する事でそれに触れられる。
だからTRPG汎用世界フォーセリアは素晴らしい。現実逃避と言われればそれまでですが、私は遊ぶ時も勤める時も真剣ですよ。
「サーラの冒険」は冒険という憧憬の対象に飛び込める作品です。しかも、他のフォーセリア世界とは違ったアプローチで。
これを書いている時点ではこの作品のラストは分かりません。恐らくは、最終巻?である6巻は厳しい話になるでしょう。
私が初めてフォーセリアに触れた時に抱いた愛を忘れないでいられるのは、他の面白いフォーセリア作品はもちろんのこと、
この「サーラの冒険」もあるからではないかと、最近切に思うのです。
平成17年10月某日
★1 夕暮れの魔法
物語は西部諸国のザーンやベルダインに程近いハドリー村から始まります。
地図によると、ハドリー村はクロスノー山脈の西端の辺りにあるようです。つまりザーンからは東北東といったところです。
ベルダイン・ザーン・ドレックノール・リファール・ラバンといった西部諸国にグルリと囲まれているのが見て取れますね。
サーラはこの村の村長の家系であるパル家の少年です。
村長とは言っても村の代表のようなもので、抜きん出た財力や権力を持つ訳ではない、ちょっと大きい農家といった所です。
サーラ 11歳
冒険者技能・一般技能なし、言語も西方語の会話のみとまさに一般人です。
サーラは子供たちの間ではあまり強い立場ではないらしく、どちらかというとイジメられっ子属性です。
金色のサラサラの髪、女の子のような容姿、力も余り強くない(ちなみに筋力8)ので、ある意味では必然かもしれませんね。
子供たちの間では力で序列が決まるものですからね。理屈がどうこうではなく、ザリガニを素手で取れる方が偉かったりするし(笑)
この時点で既に知力が11あったりするので、時間さえあれば西方語の読文と共通語の会話・読分は習得できるようになる筈です。
共通語に関しては必要がなければ習得しないこともあるかも知れませんけどね、一般人ならば。
しかしサーラは冒険者になる男ですから、将来的には習得していく筈です。
フォーセリアにおけるPCというのは勇者の資質を持ち、英雄予備生でもあります。
だからこそ、PCの能力値の平均(14)は一般人のそれ(10)を上回るのです。PCは大概一般人よりも優秀になるようになってますからね。
つまり、ゲームや小説でスポットを当てられた(つまりPCになった)時点で可能性があるのです。
サーラは今でこそ普通の子供ですが、冒険者として故郷を旅立った以上はやはりその可能性を内包している事になります。
試しにサーラが成人した時の能力値を計算してみましょうか、成人時から少年時への数値の変動を端数切り上げとして。
今のサーラは器用度13、敏捷度12、知力11、筋力8、生命力11、精神力10です。この時点で一般人の成人の平均を一部上回ってますね。
11歳の場合は、全ての能力値が成人時の2/3になります。つまりこれらの数値を1.5倍すればいいんです、今回は端数は切捨てます。
そうなると器用度19、敏捷度18、知力16、筋力12、生命力16、精神力15となりますね。
これらの数値を2/3して端数を切り上げれば11歳時点のものと一致しますね。
サーラはメイン技能がシーフになるんですが、結構優秀ですね。個人差を考えると多少変動するかもしれませんが。
冒頭でサーラはSWファンの間では割と有名な「盗賊とグール」という遊びを村の子供たちとやってました。
これは即興で作った迷路に宝物(陶器の破片とかね)を設置し、盗賊(攻)とグール(守)に分かれてその宝物を奪い合うというゲームです。
人数は8人が一般的らしく(少なくともこの村では)、4人の盗賊と4人のグールのゲームになる訳ですね。
ちなみに宝物の数は8つだから、グールはある程度動き回らないといけません。迷路の構造も考えないといけないので、結構頭を使いそうです。
盗賊とグールが接触した場合、相手をぶっ飛ばした方が勝ち。グールは20カウントで復活しますが、盗賊はその時点でゲームオーバー。
このゲームがどの程度普及しているのかは謎です。SWアドベンチャーには出てきましたけどね。
ティリーがハーフエルフの双子ちゃんに「盗賊とグール」をせがまれてたんですが、双子の口ぶりからすると結構メジャーな遊びなのかな?
この手の遊びって土地によって微妙にルールが変わるんですよね。もしかしたらフォーセリアでも地方によってちょっと違うのかも。
某サイトで行われた調査では「どちらにしようかな」も恐るべき種類のパターンがある事が分かりました。
あと「ファリス・ファラリス」という遊びもあるらしいんですが、こっちは完全に謎です。どういう遊びかも分かりません。
サーラはグールとしても盗賊としても大した成果を挙げられませんでした、それがまた彼を凹ませたりもします。
今一つ冴えないんですね。サーラ自身も表面上は平静ですが、内心では非常に悔しい思いが渦巻いています。
ジャイアン的なロブという少年やその他の子供達にバカにされつつ家に帰り、そこで彼は自分の将来を左右する出会いを果たすのです。
★2 冒険者たち
家に帰ったサーラは冒険者たちが来ている事を知ります。
彼らは宝探しに来たんですが、最近村に出没したと思しきキマイラ退治も引き受けようとしているのです。
サーラは魔術師のフェニックスを前に、自分のサーラという名前を恥じてグレンなんて偽名を名乗ったりしました。
女の子みたいだってバカにされてきたからでしょうかね、サーラっていい名前だと思うんですけど。
では、今後サーラと共に冒険をするレギュラーキャラ達の紹介です。
デイン・ザニミチュア 26歳
3レベルのファイター/プリースト(チャ・ザ)でセージが4。
ザーンのチャ・ザ神殿の司祭長の息子、茶髪で青い目の上品っぽい青年です。
パーティーのリーダー的存在で、一行のブレイン。武器はレイピアだったりする点、お坊ちゃんらしいかな。
盾がバックラーになってますが、どうやらスモールシールドに相当するらしい。必要筋力1で回避力+1ですからね。
フェニックス ?歳
ソーサラー4、セージ2、バード1なハーフエルフ。赤い髪とピアスが映える女性です、ちなみに本名ではない。
サーラが初めて会ったのも彼女です、その時は"クリエイト・イメージ"でちっちゃなドラゴンを出してサービス。
発動体は杖なんですが、先が三角形になっていてそこに弦が張られているという珍しいものです。
バード技能でエルフ語が話せるんですが、呪歌は何を取ったんだろう?。何処かに書いてあったかな?
ミスリル 34歳
シャーマン4、シーフ3なエルフ。やはり名前は出生時につけられたものではない。
彼はエルフなんですが、肌は黒いです。かといってダークエルフでもない。
ミスリルの父親はエルフで、母親はダークエルフだったんだそうです。当然ながら迫害され、父親も黒エルフとの戦いで戦死。
以前集落の長老につけられた名前を叩き返し、今の名を名乗るようになったらしい。スイフリーが白いダークエルフなら、彼は黒いエルフです。
今でも半年に一度ドレックノールの母の元に帰省し、悪事には決して手を染めないスカっとした性格をしています。
ところで、ミスリルって名前はミスリル銀から取ったんですかね?。モロに被っていてどうしても金属の方を連想しちゃいます。
レグディアナ 19歳
ファイター5でレンジャー3な傭兵出身の女戦士。ガルガライズ出身のせいか肌は黒い。短い銀髪との相性はいいと思う。
10歳の時にゴブリンを殺し、今まで腕一本で生きてきただけにその辺の男よりも男前な性格です。
その筋力は21と、SWの慣例である女性の方が怪力という法則を踏襲しています(苦笑)
イリーナの25は論外としても、ジーニが18である事を考えるとやはり凄いです。でも実は4人の中では1番若い。
武器は剣ではなくヘビーフレイル、打撃力は修正込みで31ですが、その分攻撃力は−1されてます。
以上の4人がサーラが初めて会った冒険者です、そしてサーラがこれから世話になるパーティーです。
デインは村に現れたモノがキマイラである事を熱弁し、サーラの祖父ジェリドから依頼を受ける事になったのです。
キマイラの知名度は13で、デインのセージ判定の基準値は6ですから、まぁ期待値で知ってますね。
現場に残されていた足跡などからキマイラである事を推測し、その危険性を訴えて雇われる。
更にはキマイラ退治のついでに隠されているらしいお宝もゲット、実にちゃっかりしています。
広報は専らデインの仕事らしい、確かに彼はこういう事務的なことは得意そうですしね。
肌の色の為にフードを被ってるミスリルや気性の荒いレグには向かないし、フェニックスだと押しが弱そうです。
わざわざ芝居(半分マジ)までうってアピールした甲斐もあって?、成功報酬は4400ガメルとなりました。
彼らのレベルだと3650〜1万4600ガメルが相場なので、まぁ正当な価格ですかね。
★3 ミスリル
しかし、彼らの一連の会話をサーラが聞いていたことで状況が一変します。
サーラはドサクサに紛れて冒険に連れて行ってくれることを承諾させます、賢いなこの子(苦笑)
とはいえ相手はキマイラ、ぶっちゃけた話足手まといでしょうね。モンスター退治にド素人の子供を同行させたがる冒険者はいませんよ。
レグなんて露骨に迷惑そうな顔をします、まぁ当然ですけどね。
彼らの視点では今のサーラはお荷物です、ゲーム的に言うなら冒険に付いて来ちゃった足枷NPCです。
仕事先の村で好奇心で子供が付いて来ちゃう、なんていかにもありそうなシナリオじゃないですか。
そういえばリプレイの「傭兵伝説」にも出てきましたね。冒険には付いて来なかったけど、やたらと好奇心を燃やしていたタウロ君って子。
とはいえ、サーラにも彼なりの熱い思いがありました。強く在りたいという思いが。
夜中に窓から訪問してきたミスリルへサーラは彼なりに自分の気持ちを伝えました。
ちなみに窓の鍵はかかってなかったけど、《鍵開け》の基準値が6のミスリルなら開けるのは簡単でしょうね。
一般家屋の掛け金の目標値が幾つかは場合によりけりですが………これだと10ぐらいかな?
サーラは成り行きでキマイラを目撃したことになっています。デイン達を案内するという形で冒険に憑いて付いて行く方便でもあります。
ミスリルはサーラに言いました、「森の入り口のところで隠れて、自分達の帰りを待っていればいい」と。
しかしサーラはそれでは納得いきません。それじゃあ勇気があることを証明出来ないから。
単純に友達へ見せ付ける為ならミスリルの言うとおりにすればいい、確かにそれなら村の子供たちへ格好がつく。
でもサーラは自分で自分が嘘つきの卑怯者だと認識出来てしまうのが嫌なんです。
誰の為でもない、自分の心に証明する為に同行したがってたんですね。それが彼の勇気の形であり、冒険心だったんです。
ミスリルは苦笑していましたが、内心では少し感心してたと思いますよ。
強く在りたい、自分の心が納得しなければ意味がない。それを持っている事は決して恥ずべき事ではないと思います。
まぁ本当の勇気なんてのはミスリルが言うようにおっかないのを乗り越える事ですから、実戦を経験してなお心を保ち続ける事が出来ないと。
『勇気とは恐怖に抗う事、恐怖を支配する事、恐怖を感じない事ではない』。
サーラが化け物を目の前にしなければ勇気のあるなしは分かりませんね。普段強気でも、土壇場で一気にビビっちゃう人もいますし。
ミスリルは自分の身の上話も交えつつ、サーラと会話を続けていきました。この二人っていいコンビなんですよ、私は好きです。
父親の話になって、ミスリルは自分の父親を誇りに思っている事をサーラに語りました。
何しろエルフの天敵である黒エルフと添い遂げようとした人ですからね、大人になってみればその覚悟の程が分かるというもの。
そしてミスリルの親父さんは、自分と家族の為に集落を攻めて来た黒エルフと戦い、命を落したのです。
そんな親父さんを誇りに思うからこそ、ミスリルは世間の人にその生い立ちを貶されるような事は絶対しません。それが彼の誓いなのです。
結構苦労したんでしょうね、ハーフエルフも苦労するといいますが、ミスリルの場合はもっと酷い目に遭ってそうです。
母親はドレックノールに暮らしてるそうですが、黒エルフに人権があるファンドリアでも暮らしていけますね。
一方、サーラは父親に対していい感情を持っていません。
サーラの父親は旅の吟遊詩人で、母親との間にサーラが出来てから何処かに行ってしまったらしい。
サーラという名前だって父親がつけたものだそうだし。それによってイジメられてる訳だし。
でもミスリルの話を聞いて、名前を捨てる事がは覚悟が要ると諭されもしました。
結局の所、自分が持ってるものは良くも悪くも自分の一部なんですね。
だからサーラが自分の名前が嫌でも、何らかの形で向き合わないといけない。それがどんな形でも、ね。
例え名前を捨てたり、親父さんを恨んだりする事があっても、それに見合う覚悟と生き方が伴わなければ意味がないのかもしれない。
それにしても、サーラの親父さんは何やってるんだろう?。既にサーラの母親は亡くなってるのに。
まぁ冒険者をやってればその内会う事もあるかもしれないけど………。
ミスリルは去り際に「俺、お前の味方だぜ」と言い残していきました。
この辺から私の中のミスリル株急上昇、イイヤツです。
一夜明けて、サーラは冒険に付いて行くという決意を翻さず、それを実行しました。
★4 森へ出発
サーラは冒険に出る為にキチンと準備までしていましたよ、色々とね。
ナイフや水袋に干し肉、手斧や火打石とかも準備済みです。気合入ってますね。
本人は冒険に出る気満々なんですが、ピクニックに毛が生えたぐらいなのかもしれません(苦笑)
ナイフは必要筋力4のダガーのようですが、白兵戦用の技能なんてないから使うとしても平目です。
鎧は必要筋力1のクロース、でも冒険者技能がないので攻撃を受けたらやっぱりヤバイですよね。
冒険者技能がなければそれによるダメージ減点は出来ませんから、鎧のみ有効ですね。技能がないと適用されないのはボーナスのみですから。
となると期待値で僅か2点、相手がコボルドでも3点は抜けることになります。サーラの生命力は11、危ない事はさせられません。
5mの高さから落下しただけで15点ダメージですからね、生死判定も平目だし。
出掛けに使用人のユリアナというおばさんに全てを見透かされていたようで、やっぱり子供だな、と思う事もしばしば。
大人は子供が思っているよりもよく見ているものですが、その逆もまたそうだと実感する事もありますけどね。
ユリアナは彼女なりにサーラを気に掛けてるんだと思います。サーラを叱り付けることも多いけど、それは子供にとって必要な事だと思います。
例え他人の子供であっても叱る時は叱る。当然の事のはずが、最近はそういう人も珍しくなりましたね。
サーラにとったら怖いおばさんだけど、時が経てば懐かしく思えるような人なのかも。
サーラは針金を使って掛け金をかけたり出来るそうですが、やはり盗賊の才能があるって事ですかね。
器用度13ですからね、11歳の子供にしてはやたらと高い数値です。成人したら19、ボーナス+3ですもんね。
こういうのはやはり《鍵開け》に準じた処理なんでしょうかね、思いっきり目標値が低そうだけど。
サーラは方々を案内しますが、キマイラの潜んでいるらしい場所はなかなか見つかりません。
「盗賊とグール」で遊んだ半月の丘という遺跡が埋まっている場所にも案内しますが、この時点では見つかりません。
実はキマイラは地下にいて、この丘からも行けない事はないんです。でもそれは先の話、今は見つかりません。
それよりも、デインの話の方が興味深いですよ。どうやら彼らは以前ファンガスと遭遇した事があるらしいんですよ。
西のメジオンという土地で行方を絶った隊商が所持していた宝石を持ち帰る仕事だったんですがね、
どうも隊商は山賊に襲われて全滅したらしく、その荷物に仕掛けられていたファンガス菌の罠に山賊の1人がかかったようなんです。
幸いデインにファンガス菌の知識があったので事なきを得ましたが、結構酷い仕事だったようです。
ファンガスは「走れ!神秘の大森林」で出てきましたね、キノコ人間です。
ファンガスの知名度は15、デインの場合は出目が9必要です。よく分かったもんですね。
一応8レベルモンスターですが、このパーティーだと正面からの殴り合いでも勝てそうですよ。レグを例に考えて見ましょうか。
防御点は10点ありますが、レグがぶん殴れば抜けるはずです。打撃力31で追加ダメージ8ですからね、7振れば15点で5点抜けます。
ヘビーフレイルは攻撃力にも修正が入るのでレグの攻撃力は7、対してファンガスの回避は15(8)。
命中確率は4割強といったところです。フェニックスがシャープネスでもかけてやれば約56%程度にはなる筈です。
打撃点は11点ですが、防御力26のレグなら7を振ればレベル込みで11点ほど止められます。
データではレグの鎧はプレートなのに、防御力が必要筋力と同じ21になってますね。選択ルールの修正を入れれば26です。
ファンガスは移動速度も7と遅いし、もう1人前線に立てるデインもいるし、ファンガス菌にさえ気をつければ全滅する事はなさそうですね。
もっとも、そのファンガス菌が曲者なんですけどね。
ファンガス菌の毒性値は16もあります、つまり"キュアー・ポイズン"で解毒するにもそれだけ必要なんです。
デインの魔力は5、出目にして11が必要です。仮に旧版のように達成値の拡大に制限がないとしたら、何とかなるかな。
デインの精神力は19、消費精神力は3ですから6回分ですね。フルに拡大して達成値+5すれば基準値は10、出目は6です。
これが完全版だったら+2までが限界だから出目は9ですよ、こっちの方がファンガスそのものよりも恐ろしいですね(苦笑)
ファンガスは精神点が9しかないので"シェイド"が有効なんですが、ミスリルの魔力だとどうかな。
ミスリルの魔力は7、対してファンガスの抵抗は15(8)なので、やはり4割強で抵抗を破れます。
破れなくても期待値で1点は抜けるはずですが、それだとラウンドがかかりますね。
出目が大きければ数発で倒せなくはないですけどね、抵抗を破れれば更にラウンドを省略できる筈ですし。
どうやら実戦では"ファイア・ボルト"で焼いたようですが、ファンガスは植物モンスターでありながら火が弱点ではないので有効ではないですね。
ああそれと、メジオンというのはリファールとドレックノールの間に位置する大湿地帯です。
短編集「レプラコーンの涙」の「ジェライラの鎧」に出てきますよね、あの時はスキュラが相手でしたが。
設定上、悪党や化け物が巣くう所となっているので、山賊が出ても不思議ではない。
それよりも、何故に隊商がそんな秘境を通過しようとしたのかという方が不思議です。
リファール⇔ドレックノールの街道はメジオンを大きく迂回していますが、悪路でしょうからショートカットにはなりそうにないですよ。
デインの生々しい冒険譚はサーラにはかなり刺激が強かったらしい、キノコ人間だもんね
デインはサーラに本を読む事を勧めますが、確かに読んでおいて損はないはずですね。
セージ技能の《怪物判定》は実戦では重要ですよ、敵のデータを知っていると知らないのとでは大違いですから。
まぁサーラの場合は、まず字が読めるようにならないといけませんが(苦笑)
デインはどうやらラヴェルナの「アレクラストの博物学」を読みたがっているようですが、アレは貴重品ですよ。
この世界、本は貴重ですからね。写本の写本のそのまた写本だって手に入るかな?。
西部諸国ではベルダイン王立美術館(実質博物館)にあったはずだけど、それだってそう簡単に閲覧できるものじゃないと思うし。
そういえばデュダさんも持ってましたよね写本、粗悪品だけど。田舎に住んでたデュダさんがそんなものを手に入れたのは、ある意味奇跡ですが。
★5 水の洞窟
やがてレグのちょっとした言葉から、デインがこの辺りの地盤が石灰岩である事を推測します。
石灰岩というのは炭酸カルシウムによって出来ているので、雨水などで溶解し、洞窟が出来易いんだそうです。
風化し難く溶解し易いその特長はカルスト地形を形成します。日本では山口県の秋吉台とかが有名ですかね。
デインの言うように石材としても古くから使用されています。あのピラミッドにもこの石灰岩が使われたらしい。
レグの故郷であるガルガライズには石灰岩で形成された"地の精の墓場"という所があるんですよ。そこから推理したんですね。
ワールドガイドによると、この"地の精の墓場"はガルガライズから南に徒歩1日の山間にあるカルスト地形の土地なんだそうです。
白い石灰岩が墓石のように地表に現れ、地下には網の目のような洞窟が広がっているんです。もちろん、化け物もいますよ。
行方不明者やモンスターの被害者はかなりの数になるそうですが、まだこの洞窟の全貌は分かりません。
また、白い子供ホワイト・チャイルドなるものが存在するそうです。小柄で頭が大きい、白く発光する裸のモンスターだそうです。
なんか宇宙人っぽいですね。あるいはクリスタニアのケーブマンに似てるかもしれません。
目撃例はかなりあるようですが、チュパカブラやイエティのようなUMAと似たようなものかもしれませんね。
ちなみにUMAとはUnidentified Mysterious Animal (謎の未確認動物) の事で、生物学的に存在が証明されていないものを指します。
フォーセリア風に言うならば、賢者たちの間で認知されていない生物でしょう。この白い子供ホワイト・チャイルドもせめてサンプルでもないとちょっとね。
そして一行は、地元人のサーラの案内で長い間封印されていた洞窟に潜る事になります。
狭い道を抜け、地下水脈を見つけたりと、だんだん冒険らしくなってきましたね。
サーラは帰れといわれても反論してついてくるし、やっぱり頭いいなこの子(苦笑)
周りが反対する中、ミスリルはやはりサーラの味方でした。やっぱりイイヤツ、某白いダークエルフとは全然違いますね。
ミスリルのウィスプや、フェニックスの"ライト"も初めて見るらしく驚いていましたよ。
ライトはともかく、ウィスプは触ったら火傷しそうなんで気をつけて欲しいけどね(苦笑)
これでミスリルは2点消費し、残り14点。フェニックスは1点消費して残り14点。
地下水脈の上の方には削られた後が幾層か残っていて、それが過去の水量の多さを証明していました。
そして、現在の水量の辺りはほとんど削られていないので、川の水量が減ったのはつい最近である事を示しています。
こういう些細な所から推測するのもまた冒険ですね。化け物退治もそうですが、サーラにはこういう経験も積んで欲しい。
★6 地底にうごめくもの
地下探検は続きます、次の敵は蝙蝠でした。恐らくはバットでしょうね、大きさから察するにジャイアントやバンパイアではない。
サーラ辺りはダメージを受け易いし、バットフィーバーにも罹りうるので、舐めちゃいけません。
まぁ難なく勝利するんですがね、所詮は1レベルだし。洞窟といえば一度は出しときたいモンスターですね(苦笑)
ちなみに防御点と生命点の数値から10点出せば1撃で落せます。レグなら1ゾロ以外でいいし、デインなら9以上振れば落ちますね。
デインが1分間に4回は攻撃を当ててたらしいので、3ラウンドに2回はヒットしていたんでしょうね。
完全版ではバットの回避は11(4)で空を飛んでいる時は−2のペナルティが入ります。
デインの攻撃力は5ですから、修正なしなら約66%、込みなら約44%となります。
実は旧版データではバットの回避力は9(2)なんですよ。ペナルティを考慮して11(4)だから、この確率は順当なんですね。
山本先生ってこういう所にも気を使ってくれるんですよね。SWアドベンチャーの"ターンアンデット"におけるゾンビの反応の確率とかも。
このパーティーの過去の戦歴を聞いてみると、結構色々なモンスターと戦ってきたんですね。
サテュロス、ミノタウロス、ヘルハウンド、ジャイアント・クラブ?などなど。
レグはサテュロスに踊らされた経験があるそうです。まぁ誰にでもありますよ、そういうこと(笑)
ちなみに抵抗の目標値は10。レグが当時何レベルだったかは知りませんが、1レベルでも7以上振れば抵抗できますね、今なら1ゾロ以外。
サーラの疑問である魔獣は何を食べて生きているのかというのは、面白いテーマですね。
幻獣・魔獣は大きく3つに分けられます。1)神話の時代から生きているもの、2)神々に創造されたもの、3)カストゥールの魔術師に創られたもの。
1は竜やリュンクス・ユニコーンとかですね。2はハーピィやケンタウロスとかです。3はグリフォンやキマイラです。
1なんて睡眠を必要としないようだし、3は食事すら必要なさ気です。流石にミノとかは何か食べないと衰弱しそうですがね。
まぁ3は創成魔術の産物ですし、「何を食べているのか?」というか、「何も食べる必要がない」でいいのかもしれませんね。
やがて一行は地底の湖を目撃します。カラー挿絵にあるやつですね。
天上の亀裂から滝のように水が落ち、鍾乳石が垂れ下がり、飛沫が発光する鉱物に照らされているという神秘的光景です。
いい所ですね、観光地にすらなれそうです。もっとも、その脇でコボルドのゾンビが治水工事をしていなければ、ですが(苦笑)
コボルド達は堰を作り、例の地下水脈を堰き止めてるんですね。水量が減ったのはそのせいだったわけです。
もちろんコイツらを創ったのはキマイラですよ。キマイラは5レベルで暗黒魔法を使えますからね。
"クリエイト・ゾンビ"は5レベルの暗黒魔法。キマイラの精神力は18で5点消費ですから、同時に3体まで創れますね。
キマイラは川を堰き止めてここから出ようとしていたんです、ゾンビはその為の労働力として実に都合がよかったんでしょうね。
この洞窟に閉じ込められていたキマイラは、こうして外に出られるように知恵を使った訳です。
ちょっと可哀そうだけど、迷い込んできた4人の冒険者も同じようにぶっ殺して労働力にしていましたよ。
ここでは冒険者の1人、グラスランナーのゾンビに遭遇します。
コイツは宝が隠された場所の手がかりが書かれた羊皮紙を持っていたんですが、大人たちは咄嗟に家族への手紙と偽りました。
村の人間にそういう事が知れると報酬に響きそうだし、こういう情に訴える方向に嘘をつくとは、巧妙ですね。
もっとも、サーラはお見通しでしたけどね。やっぱり賢いなこの子(笑)
★7 キマイラ!
コボルド・ゾンビを軽く畳みつつ前進する一行は、やがて積み上げられた石の上に立つキマイラを発見します。
周りにはコボルドと冒険者のゾンビも控えていますが、相手の立ち位置がマズイのでなかなか手が出せません。
キマイラの知能は人間なみなので、戦うべきか逃げるべきかを考える程度の事は出来るはずです。
やがてキマイラはゾンビどもをけしかけ、ついには自分自身が戦闘に参加してきます。
ゾンビは耐久力こそあるものの、このレベルのパーティーが相手では足止め程度にしかなりませんね。
攻撃は当たらないし、当たっても抜けないし、避けられないし(笑)
でも鎧や武器を装備した冒険者のゾンビは普通のゾンビよりは強そうですね。
プアウ・ゾンビは生前によってデータが違ってくるんですが、ゾンビも装備や能力値次第である程度変わっても良いと思う。
激しいキマイラとデイン達の戦いですが、先ずは魔法使いたちの精神力の消費具合を見てみましょうか。
フェニックスは精神力を使い切るまで魔法を使ってました、キマイラにトドメを刺した直後に倒れちゃいましたよ。
まずカンタマ、次に"エンチャント・ウエポン"をデインとレグに、
"エネルギー・ボルト"も計3発撃ちましたし、"ダークネス"と"ライトニング"も唱えました。
フェニックスは4レベルだから、エンチャント・カンタマ・"ダークネス"に1点、"エネルギー・ボルト"に2点、"ライトニング"に4点ですね。
残り精神力は14点だったから、カンタマの分を抜かせば13点使ってた事になります。
カンタマは何人にかけたのかは分かりませんが、少なくともサーラには掛けた筈。
仲間達にはかけずにサーラにだけかけたのならピタリ倒れますね。
とはいえ、5レベルで暗黒魔法を使うキマイラを相手にして、仲間へカンタマを唱えないのはちょっと不自然かもしれませんね。
魔晶石を使っていた様子はありませんでしたが、もしも全員にかけようとするならば4点ほど不足していますね。
それにしても、"ダークネス"をかけて視界を塞ぎ逃げたと思わせてキマイラをおびき寄せる、という作戦は上手かったです。
次はミスリル、こっちも結構使ってましたが、ぶっ倒れるほどは使ってなかったようです。
ゾンビを"スネア"ですっ転ばし、キマイラへの"デストラクション"が抵抗されるものの"ホールド"で捕獲、"ファイア・ボルト"とウィスプで攻撃です。
ミスリルも4レベルなので、"スネア"は1点、"コンフュージョン"と"ファイア・ボルト"とウィスプは2点、"ホールド"は3点です。
残り精神力は14点だったので、残り4点ですね。最後のウィスプはキマイラをぶっ殺す為の攻撃だったので、拡大したかもしれませんが。
最後にウィスプを撃つ前にまた"ホールド"する自信がないみたいな事を言ってましたが、実際あまり余裕はなかったんですよね、確率的にも。
デインは"ターン・アンデット"でゾンビどもを震え上がらせ、2回ほど"キュアー・ウーンズ"を唱えてました。あと"フォース"も一発。
デインは3レベルだから、"フォース"以外の2つの魔法は2点消費します。"フォース"は4点。
これだけなら10点使って残り9点ですが、戦闘後に皆の怪我を治したとしたら結構消耗しますね。
4回使ったら1点残しでクタクタだし。魔法使いは3人とも結構フルに戦ってましたよ。
キマイラにトドメを刺そうと3人が同時に魔法を叩き込み、キマイラを倒したのです。
ちなみに、フェニックスとミスリルがキマイラの抵抗を破れる確率は約56%です。
2人の魔力は7だし、キマイラの精神抵抗も14(7)です。同じ数値なら、PCの方がモンスターよりも分がいい。
2人とも最後に撃ったのは打撃力10の"エネルギー・ボルト"とウィスプでしたから、抵抗されても7振れば4点、されなければ5点は通る筈。
デインは魔力が5だから3割強といったところです。"フォース"を撃った場合は魔力の分はキマイラのレベル(5)で相殺、ロールの分だけ通ります。
この3人の攻撃が同時に決まったのだから、キマイラは瞬時に10点は生命点を失った筈です。あくまでも推測ですがね。
キマイラの生命点は24ですが、それまでにもさんざん武器や魔法でボコにしてたし、倒せるかもね。
戦士たちはどうかというと、キノコ人間のファンガスよりかは楽だった筈です。
攻撃点も回避点も3ずつ引くいし、防御点だって9ですからね、ダメージは通りますよ。
ただ魔法を使ってくるし、牙と蛇の2段攻撃だからその点は注意しないといけませんね。
レグの場合は命中する確率が約76%、デインの場合は56%はあります。
2人とも回避力は6ですから、回避するのは66%ぐらいかな?2人がかりなら十分勝ち目はありますね。
ただ流石にキマイラも必死ですから、暗黒魔法を使ってきますよ。ちなみにキマイラの場合は暗黒魔法を使うのは背中の山羊です。
"ウーンズ"でフェニックスを傷つけ、"フォース"対象2倍がけでデインとレグをふっ飛ばし、"スティール・ライフ"でレグの生命力を奪います。
キマイラの精神点は18で全部で9点消費ですから残り9点。多分全快状態だったと思うんでこうなる筈。
"シェイド"で削りきるにはちょっと多いですね、少なくとも1撃ではクリティカらないと削りきれません。
なお、キマイラの魔力(7)に抵抗する確率は、精神抵抗7のレグとデインは約56%、6のミスリルとフェニックスは44ぐらいです。
★8 決断の時
冒険者技能を持たない普通の少年ではこの修羅場ではどうにもなりませんよね、下手に前に出ると噛み殺されますよ。
この戦闘でサーラに出来るのは手を出さずに生き残ることだけを考える、です。
戦力にはなれっこないんだし、それならせめて足手まといにはならないだけで十分ですね。
壮絶な戦いを目の前に、デインの言いつけ通りサーラは傍観するだけでした。
いや、最後の方にちょっと手を出そうとして、ピンチに陥ってしまうんですが(苦笑)
倒れたレグを起こそうと駆け出したサーラはキマイラの尻尾(蛇)に捕まってしまいます。
古今東西どんな作品でも見られる人質というやつですね、素人を連れているとこうなる確率が高い(苦笑)
そしてキマイラは動けばサーラに呪いをかけると脅迫してきます、知能は人間なみだからってこんな所まで人間なみにならなくてもいいのに。
ていうか呪いですか、殺すんじゃなくて。もしかして、解呪方とサーラの命という2つのカードもチラつかせてるつもりですか。
まぁサーラを殺してしまったらキマイラはもう殺るか殺られるかの戦いに突入せざるをせなくなりますね。
キマイラだってそれは避けたいでしょう、だから呪いなのかな?
だったら最初から呪いをかけてしまってからの方が効果的ですよ。"カース"なら5点消費だから、まだ唱えられますし。
その辺の疑問からデインはハッタリだと考えるわけですが、仮に呪いがブラフだとしても依然としてサーラの命は危ないんですよね。
自分のせいで皆に迷惑をかけていると悟ったサーラは、恐怖を後悔が上回りました。
このままじゃ命が助かってもブーイングものです、デイン達に嫌われる事はサーラにはとても辛い事でした。
その気持ちはよく分かります、自分のせいで仲間が迷惑を被るのは辛いですよね。更に、そのせいで自分の立つ瀬がなくなったら尚辛い。
やがてサーラはどうするかを自分自身に選ばせてくれるよう頼みます、いい根性してますね、この状況で。
サーラはキマイラを一撃で倒してと皆に言う訳ですが、結構賭けですよね。
キマイラの敏捷度は12ですから、このパーティーなら皆キマイラより早く動けます。
そして4人の同時攻撃となるわけですが、これって行動を全員遅らせたって事ですかね?
それならそのラウンドに、4人より早くキマイラは呪いをかけられますよ。
まぁ知力の面でキマイラを上回るとしたら、キマイラの後に行動を決定してしまえば、キマイラはそのラウンドには動けないでしょうが。
しかし、キマイラはサーラに"カース"をかけてたんですよね。行動順を0にしてぶっ殺したのなら、こういうお痛は出来ませんよね。
そこで発想を変えてみました。キマイラの唱えたのは"カース"じゃなくて"ラストワード"だったのではないかと。
"ラストワード"とは死を代償にかける"カース"です、達成値に+4ものボーナスが入り、通常よりも解呪が困難になります。
魔神戦争におけるリュッセンでの攻防で、魔神将のイブリバウゼンがベルドにかけてましたね。あの時はフラウスが奇跡を起こしましたっけ。
5レベル魔法なので可能ですよ、ロードス島ワールドガイドで追加された魔法ですが、特に遺失扱いでもないので大陸でも使えるはず。
ただこの死というものが自発的なものだけでなく、他者によってもたらされた場合も入るのかが疑問です。
もしも入るのなら、ラウンド頭の行動宣言や行動順なんて無視して使用出来そうです。"インスタント・キャンセレーション"みたいに。
もしそうなら、4人が行動順0で集中砲火し、死の間際に呪いをかけたという解釈が成り立ちます。
もっとも、この小説が出た頃には"ラストワード"なんて魔法は存在してなかったんですけどね。
あくまでもルールを遵守するなら普通の"カース"では無理っぽいですが、特別に出来たと処理してしまう手もないわけではありません。
★9 新たな明日へ
ゆっくり休んで精神力も回復し、一行はこの場所をあとにする事にします。ちなみにサーラはレグの膝枕で寝てました(笑)
生きているコボルド達もいたんですが、暴君キマイラを倒した一行に手を出せる筈もなく、怯えた様に見ているだけでした。
サーラの何故コボルド達は洞窟から逃げ出さないんだろう?という疑問に、ミスリルは人間の方が怖かったからさと答えました。
キマイラは必要な分だけ殺して食うなりゾンビにするなりするだけですが、人間に見つかったら殲滅させられますからね。
そういう意味では例え暴君であろうとキマイラの傍の方がよかったんですね、可哀そうですけど。
つまりゴブリン達が自分達の身の危険を省みず、オーガーを用心棒にして傍にいるのと同じようなもんですかね。
当然オーガーはゴブ達を食いますが、必要以上は食いません。むしろ、オーガーが食う事でバランスが保たれる事すらあるらしい。
オーガーにしろキマイラにしろ、種の保存という事を考えれば一つの手段なのかもしれませんね。人間は種を根絶しにかかりますから。
自己保存欲の強い人間ではなかなかこうはいきませんよね。人間は公的な生物ですが、それ以上に私的でもあると思います。
ちょっとコボルドに同情しましたが、直後堰を壊して一行に鉄砲水をぶつけた点で同情を撤回してしまいそうです(笑)
地下水脈は以前のような水量を取り戻し、もはや飲まれるしかありませんでした。
ミスリルの"ウォーター・ブリージング"対象5倍がけで命は助かりましたが、装備品とかは無くしちゃいましたね。
ミスリルの場合は3点消費ですから、5人にかければ15点。折角回復したのに残りが1点になっちゃいましたよ。
サーラはうっかり流されますが、慌てふためく大人を他所にのほほんとしてキマイラの首をぶら下げて帰ってきました(笑)
やっぱり大物ですね、咄嗟に報酬の引換券(首)を追いかけるなんて、本当の意味で頭がいいです。
脱力した大人たちですが、レグがサーラへの評価を一気に上げたのは嬉しかったです。
散々っぱら酷評してたのに、今では勇気があって度胸もあって頭がよく回ると大絶賛です。
膝枕の時に「レグも笑った顔、可愛いよ」の一言で一気に頬を赤らめさせたし。
足手まといではありましたが、役立たずではありませんでしたね。少なくとも4400ガメルの報酬は獲得できました。
これがなかったら無一文になってたらしいし、サーラはパーティーを経済的にも救いました(笑)
そしてミスリルやレグ、フェニックスの賛成もあってサーラを仲間に加える方向に話が進みます。
デインは最後まで渋ってたけど、人攫いになるのは嫌だから2週間後に家出しろと、ちゃっかり犯行予定を立ててくれました(笑)
サーラも決意を固めました。次の冒険の舞台は今のパーティーのベースである"岩の街"ザーンです。
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